友人と食事をしながら話していたとき、霧島山・新燃岳や桜島の噴火が話題になりました。友人曰く 「南から北に噴火が移動しているから、新燃岳の次は阿蘇山あたりが噴火するんじゃない?」 本当でしょうか。
たしかに、伊豆諸島ではベヨネーズ列岩(地図、地図)付近で始まった噴火が島づたいに徐々に北上して伊豆大島・三原山の噴火につながる傾向があるという話は本で読んだことがあります。ベヨネーズ列岩から伊豆大島までの一連の噴火が一つのサイクルをなしているのだそうです。このサイクルが繰り返されているうちに、噴火の北上が伊豆大島では止まらずに伊東沖の海底火山、さらに本土に上陸して箱根山や富士山の噴火に至るということです。
九州南部の火山でも噴火の北上傾向があるのでしょうか。それを調べるために、気象庁の 「九州の活火山」 に掲載されている明治以降の噴火の記録をグラフにプロットしてみました:
(クリックすると拡大します) |
グラフの縦軸は、明治以降に何らかの火山活動の記録がある以下の火山を南(1)から北(7)に並べたものです。各火山の実際の位置については、気象庁のサイトにある「九州の活火山」所載の地図を参照してください:
- 諏訪之瀬島
- 中之島
- 口之永良部島
- 薩摩硫黄島
- 開聞岳
- 桜島
- 霧島山
横軸は西暦です。赤丸は 「噴火」。青丸は「噴火以外」で、噴気・鳴動・地震・火口湖の変色・山体の膨張などです。
(2)の中之島から(5)の開聞岳については、時間の経過とともに火山活動を示すプロットが右上方に遷っており、火山活動が北上しているように見えます。先月から始まった霧島山・新燃岳の噴火も、グラフを見る人の受け止め方次第ですが、北上傾向の一環に見えなくもありません。しかし、頻繁に噴火を繰り返している諏訪之瀬島や桜島を加えると何とも言えなくなります。
開聞岳は完全に静まっている火山だと思っていたので、2000年に噴気が上がった記録があるのを知って少し驚きました。
阿蘇山は地図を見ると桜島や霧島山とは別のグループに属しているように見えます。次回以降で別途検討したいと思います。
(続く)
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