2008年12月8日月曜日

カナダで大火球

11月20日の夜、カナダ西部のアルバータ州からサスカチュワン州にかけての地域で、轟音とともに大火球が落下するのが目撃されました。重さ約10トンの小惑星が大気圏に突入したものですが、TNT火薬100トン分のエネルギーを放出したと推定されています。以下は、パトロール・カーの車載カメラがとらえた映像です。火球が急激に増光し、目がくらむような光を発しながら地表に到達する様子が捉えられています:
最近は上記のような車載カメラのほか、防犯カメラ、お天気カメラ、Webカメラなどが普及したため、今回の火球も様々な方向から記録されており、YouTubeのサイトには多数の映像がアップされています。下記のリンクをクリックすると映像の検索結果一覧が表示されます:
映像のなかには、街の上空を飛行中のヘリコプターから撮影されたものもあります。火球そのものは撮影視野に入っていませんが、街の空が明るく発光する様子が写っています。ネット上の地震前兆を扱う掲示板などで、雷が鳴っているわけでもないのに曇った空が一瞬光る現象が、宏観異常として報告される場合がありますが、なかにはこのような大火球の落下が原因のものがあるのかも知れません。

その後、現地では隕石の破片が50個以上見つかっています。最大のものは14kgの重さがあるとのことです。下記は、最初に見つかった破片と第1発見者の大学院生の写真が掲載されているニュース記事です。隕石の破片は凍結した池の表面に半分めり込むような状態になっています:
当初は、国際宇宙ステーションで船外作業中の宇宙飛行士が紛失したツールバッグが大気圏に突入して火球になったのではないか、との憶測も流れましたが、そうではなかったようです。ツールバッグはその後も「順調に」地球のまわりを周回している様子が観測されています。