小惑星〝2063 Bacchus〟(バッカス、または、バックス; ローマ神話における酒の神)が地球に近づいています。最も近づくのは4月8日午前4時13分(日本時間)。最接近時の距離は76.0LD(1LD=地球から月までの平均距離)で、地球との相対速度は比較的速く、秒速16.1km(時速約5万8000km)です。
バッカスの大きさは 2.6×1.1×1.1 km、質量は 3.3×1012kg と推定されています。
Credit: Osamu Ajiki (AstroArts), Ron Baalke (JPL) |
このブログでは、原則として小惑星が地球に 2.0LD 以内に近づく時に記事にしています。この制限を緩めると数が多すぎて書ききれないからですが、バッカスは地球に近づく小惑星としては大きい部類に入るので例外的に取り上げました。
バッカスはアポロ群に属していますが、この群の最大の小惑星は〝1866 Sisyphus〟(シシュフォス)です。推定直径10km前後とされ、その公転軌道が地球の公転軌道と交叉する小惑星としても最大です。約6500万年前に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星もほぼ同じ大きさだったと考えられています。シシュフォスが次に地球に近づくのは、2019年6月14日です。
なお、直径2.1km程度と推定される小惑星〝5381 Sekhmet〟(セクメト)も地球に近づいてきており、5月23日に地球から62.8LDのところを通過します。セクメトは古代エジプトの女神で、太陽神ラーが、自分を崇めない人間を殺戮させるために地上に送ったとされています。
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