2022年1月31日月曜日

パロマー山天文台近くで M4.1

 
日本時間1月31日02時46分、米国カリフォルニア州サン・ディエゴ市北方にあるパロマー山天文台(地図)近くで M4.1 の地震が発生しました。震央(地図)は天文台の南西約5kmで、震源の深さは13.3km。横ずれ断層に起因する地震です。有感ではあったものの被害はなかったもようです:

パロマー山天文台のへール望遠鏡(口径200インチ=約5m)は1948年に完成し、1975年にソビエト連邦のBTA-6(口径約6m)が完成するまでは世界最大の望遠鏡でした。ちなみに、ハッブル宇宙望遠鏡の口径は2.4m、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の口径は約6.5mです。
 

2022年1月30日日曜日

日暈、幻日、環天頂アーク、タンジェント・アーク、ラテラル・アークなどが出現 — 千葉県、東京都、神奈川県

 
1月30日、千葉県、東京都、神奈川県などで、太陽の周囲に日暈、幻日、環天頂アーク、タンジェント・アーク、ラテラル・アークなどが現れました:
 

関東南部に「極太波状雲」

 
 1月29日、千葉県や相模湾など関東地方南部の空に波状雲が現れ、気象衛星からも撮影されました。
 
「波状雲は大気の波によって空気が上下に動くことで発生します(中略)空気が持ち上げられる所では雲が発生し、引き下げられる所では雲が消えます。そのため、波打つような形の雲になるのです」: 
 
 

2022年1月29日土曜日

気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を準備していた

 
1月22日01時08分に日向灘で発生したM6.6、最大震度5強の地震についての記事です。
 
「(気象庁は)M6.8以上だった場合には『南海トラフ地震臨時情報』を発表し、調査する作業を進めていた」、「〈南海トラフ地震の想定震源域にあるが、異なるメカニズム〉と調査作業を“見送った”」: 
 
記事では、「気象庁は速報の時点で、日向灘M6.4と発表し、後にM6.6に修正しました」 と書いていますが、これは地震発生後ただちに発表される速報値から、より多くの観測データを使用した暫定値への切り替えであって、気象庁は「修正」とは言わずに「更新」と表現しています。速報値→暫定値→確定値の流れは、以下の気象庁の解説をご覧下さい:
 

温泉の湯量減少、濁る — 大分県竹田市

 
大分県竹田市にある七里田温泉館の炭酸泉・下湯(地図)の湯量が減少し、濁りも生じたため、利用休止となっています。1月22日にあった日向灘を震源とする最大震度5強の地震(M6.6、震源の深さ45km、暫定値)がきっかけのようです。近くにある別の泉源には異常は見られないとのことです。
 
「22日から湯量が減り始め、通常の約10分の1になった。入湯客から『湯量が少なく、濁っている』との指摘もあり、24日から利用を止めた」: 
 
当該温泉は、2016年の熊本地震でも湯量が減少しでいますが、この時は、パイプの詰まりを清掃して約3ヶ月後に利用を再開したとのことです。


[注] 「平成28年(2016年)熊本地震」: 4月14日21時26分 M6.5、震源の深さ約10km;4月16日01時25分 M7.3、震源の深さ約10km、最大震度7
 
 
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巨大な蚊柱 — インド・グジャラート州

 
インド西部のグジャラート州(地図)で1月20日に撮影された複数の巨大な蚊柱です。竜巻と見まがうばかりです:
 
以前、川沿いの土手をサイクリング中に蚊柱に突っ込んでしまったことがあります。スピードを出していて呼吸が激しいタイミングだったので、鼻や口のなかに虫が入ってきて大変でした。
 
 

日の出が遅い

 
朝、目が覚めたときに外がまだ暗いと気が滅入ります。冬至から1ヶ月以上たつというのに、日の出がいっこうに早くなっていないのです。
 
『天文年鑑』で調べてみると、東京の今日の日の出は、冬至の日と比べて3分間ほどしか早まっていません。 
 
東京の日の出の時刻が5時台になるのは3月中旬から、4時台になるのは4月下旬からです。

一方、日の入りはどうかというと、今日の時点ですでに34分間も遅くなっています。
 
日の出と日の入りの両方を合わせると、合計で昼間の長さが約37分間長くなっていることになります。
 

2022年1月27日木曜日

トンガ沖で M6.2

 
日本時間1月27日15時40分ごろ、トンガの首都ヌクアロファから北西に200km余り、大噴火を起こしたフンガ・トンガ−フンガ・ハアパイからは北西に約195km離れた海底を震源とするM6.2の地震がありました(震央地図)。震源の深さは浅く4.2kmで、発震機構解からは横ずれ断層(トランスフォーム断層か)に起因する地震であったと考えられます:

 

大量のイワシ漂着 — 北海道稚内市、礼文町

 
北海道のノシャップ岬(地図)から宗谷岬(地図)にかけての宗谷湾沿岸で、1月21日から大量のイワシが漂着しているのが確認されています。海水温の急激な低下が原因とみられています。
 
「今月中旬の寒波で南下する途中だった群れの一部が衰弱死し、風向きなどの関係で漂着したのではないか」(稚内水産試験場)、「稚内では、2018年2月にも、イワシが広い範囲で海岸に打ち上げられる現象がありました」: 

1月25日には、礼文島(地図)東側の海岸およそ7キロにわたって大量のイワシが打ち上げられ、沖合にも漂っているのが確認されました:
 
[備考] 1月25日13時00分ごろ 宗谷地方北部(震央地図)、M2.6、震源の深さ 20km、最大震度 1(いずれも暫定値
 
 

大麻の成分が新型コロナの感染を防ぐ?

 
大麻の成分であるカンナビジオール(CBD)が、COVID-19の原因となる新型コロナ・ウイルスの感染を防ぐとする研究が発表されています:

研究チームはマウスを使った実験で、CBDが新型コロナ・ウィルス感染を防ぐことを示し、さらに人間にも有効である可能性を示す証拠も発見しており、CBDが新型コロナ・ウイルスに加えて他のウイルスに対しても有効である可能性に期待しているとのことです。
「研究者たちは、実験皿に入れたヒト肺細胞をCBDで処理し、COVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2にさらすことから始めた。その結果、未処理の細胞に比べて、CBDを投与した細胞は感染をはるかによく食い止めることができることがわかった。このウイルスに感染しやすいサルの腎臓の細胞でも同じ結果であった。また、コロナウイルスのアルファ株、ベータ株、ガンマ株の各変種についても同様であった。(デルタ株とオミクロン株はこの研究が行われた時点では入手できなかった)」
 
 CBD は、ワクチン接種と高品質のマスク着用などの、すでに有効であることが認められている手段の代替となるものではなく、また、マリファナを吸ったり噴霧したりしても、新型コロナ・ウィルスから身を守ることはできない、と研究者たちは1月20日付の『Science Advances』誌に発表された論文の中で書いているとのこと。マリファナの吸引や噴霧は肺を傷つけるため、感染した場合にはよりリスクが高くなる可能性があるとのことです。

カンナビジオールについては以下を参照してください:

小惑星 2022 BD1 が地球と月に接近・通過

 
さきほど、高速度で移動する小惑星〝2022 BD1〟が 地球と月のそばを通過して行きました(多くの地球近傍小惑星の地球に対する相対速度は秒速10km前後です)。
 
2022 BD1 (2022年1月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月27日 09:53
 (月)1月27日 10:30
接近日時 誤差
(地球)±1 分未満
(月)±1 分未満
接近距離 (地球)0.48 LD
(月)1.32 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
26.1 km/s ≅ 9万4000 km/h
発見から地球接近まで1 日
次の地球接近2026年10月5日ごろ
公転周期810 日 ≅ 2.22 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2022年1月25日火曜日

貫入の順序は?

 
ノルウェーの地質学者のツイートから。"Hva kom først og hva kom sist?" はノルウェー語で、「最初に来たのはどれで、最後に来たのはどれ?」あるいは「何が先で何が後なのか?」という意味です。
 
所は南極大陸。11億年前に形成された巨大な片麻岩の露頭に3色の岩脈(拡大写真)が貫入しています(岡本太郎の絵画を思わせます)。
 
黒い岩脈は白い岩脈に断ち切られ、その白い岩脈は灰色の岩脈に断ち切られています。したがって、3種の岩脈が貫入した順序は黒 → 白 → 灰色と考えられるのですが、腑に落ちない点があります。白い岩脈は灰色の岩脈によって断ち切られていると同時に、大きくずれています。ところが、同じく灰色の岩脈によって断ち切られている黒い岩脈(白い岩脈がずれた時点ではすでに存在していたはず)にはずれがありません。これはどう解釈したら良いのでしょうか:
 
拡大写真では、右上部からやや左上に向かって、氷河が移動する際についた氷河擦痕らしい多数のすじも見られます。
 

サメガレイ捕獲 — 神奈川県小田原市

 
「小田原魚市場公式ブログ」から。
 
1月21日、小田原魚市場(地図)に深海魚のサメガレイが生きたまま持ち込まれました。捕獲場所の詳細は書かれていません。
 
ブログ記事では北海道から移動してきたように書かれていますが、サメガレイは北海道から九州北西部の日本海側、青森県から千葉県の太平洋側の水深150~1000mの砂泥地に生息している深海魚で、水深400~600mあたりで多く見られるとのことです。

「相模湾ではコイツ(写真)以来の生存確認か?」:
 

定置網に大量のマイワシやマサバ — 静岡県伊東市など

 
静岡県伊東市の富戸漁港(地図)などの沖合に設置された定置網に、今年に入ってから大量のマイワシとマサバが入るようになり、豊漁が続いているとのことです。
 
「これほどの水揚げは前例がない」(漁師)、「マイワシがこの時季こんなに取れるのは初めて。(理由は)わからない」(静岡県定置漁業協会):

宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-52)

 
高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の報告受付件数の表が 1月21日付で更新されています。
 
今回の更新では12月分が新たに記入されていますが、「気象現象」の項目で 1件の報告がありました:「高知市の空に彩雲が出ていた(雲が青くなっていた)」 

[備考] 1月22日01時08分 日向灘 M6.6(速報値 M6.4から更新)、深さ 45km(速報値約40kmから更新)、最大震度5強(大分県大分市、佐伯市、竹田市、宮崎県延岡市、高千穂町)
 

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小惑星 2022 BN が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2022 BN〟が 1月23日から24日にかけて、地球と月のそばを通過して行ったことが、1月24日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2022 BN (2022年1月24日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月23日 23:14
 (月)1月24日 02:54
接近日時 誤差
(地球)±1 分未満
(月)±1 分未満
接近距離 (地球)0.24 LD
(月)1.03 LD
推定直径
6 ~ 12 m
対地球相対速度
15.3 km/s ≅ 5万5000 km/h
発見から地球接近まで0 日
次の地球接近2029年8月23日ごろ
公転周期872 日 ≅ 2.39 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2022年1月19日水曜日

大規模噴火で津波 — トンガ王国 (続報-3)

 
トンガ王国のフンガ・トンガ−フンガ・ハアパイ(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai、地図)で1月15日に発生した大規模な火山噴火では、大気圧の変動が噴火地点からリング状に広がり、少なくとも地球を2周したことが観測されています。以下の動画は、ハワイ島のマウナケア山上空を通過する大気圧の変動(大気重力波)によって生じた赤い波状の雲を捉えています:
 
画面奥から手前に向かってくる白い雲ではなく、それよりも高いところを画面左側から右に向かって移動する薄い赤みを帯びた雲がそれです。成層圏よりも上で夜光雲が生じる中間圏を移動しています。雲が撮影されたのは噴火から4.5時間後で、ハワイ島まで時速1100kmで到達したことになりますが、この速さは中間圏の音速と一致しているとのことです。

背景の星が沈んでいく方向(画面奥)が西ですので、大気重力波は南、すなわちトンガの方向からやって来たことがわかります。
 
 

2022年1月16日日曜日

大規模噴火で津波 — トンガ王国 (続報-2)

 
ニュージーランドの火山学者のツイートから。ESA(欧州宇宙機関)の衛星が捉えたフンガ・トンガ−フンガ・ハアパイ(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai、地図)のレーダー画像です(拡大画像)。
 
上段左は二つの既存の島を繋ぐようにして新島が形成されている状態、上段右は昨年12月20日に今回の一連の噴火が始まって数日後の様子です。下段左は火山活動が小康状態になっていた1月4日の状態。そして、下段右は今回の大規模噴火のあとの様子です。新島が消滅し、既存の二つの島も小さくなっています。ひょっとしたら、カルデラ陥没のような事象が起きたのかも知れません。だとすると、津波の予想外の大きさも納得できるのですが・・・
 

大規模噴火で津波 — トンガ王国 (続報)

 
日本では「若干の海面変動」だったはずが、警報レベルの津波の到来となりました。激しい火山爆発にともなう気圧の変動や音波(インフラサウンド)が世界各地で観測されています(噴火をおこした新島はこの爆発で消滅したようです)。以下は日本で観測された気圧の変動です:
 
噴火地点から 9400km離れた米国アラスカ州や北欧フィンランドの首都ヘルシンキ、南北アメリカ大陸で隔てられたカリブ海などでも気圧の変動やインフラサウンドが観測されています:
 
トンガから400〜800km離れたところに散在するフィジー共和国の島々では砲弾が炸裂したような大きな音が聞こえたようです。数百km離れた場所でこの大きさですから、地元トンガの人たちの中には聴覚障害を起こす人もいるのではないでしょうか(音量注意):

 

2022年1月15日土曜日

大規模噴火で津波 — トンガ王国

 
日本時間1月15日13時10分ごろ、南太平洋のトンガ王国で大規模な火山噴火があり、津波が発生しました。噴火を起こしたのはフンガ・トンガ−フンガ・ハアパイ(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai、地図)という「名」の(海底)火山です。この火山では昨年12月20日に噴火が始まり、激しい噴火を繰り返していましたが、1月3日以降は小康状態となっていました。
 
“Hunga Tonga-Hunga Ha'apai” という長い呼称は、Hunga Tonga島とHunga Ha’apai島の間の海底で始まった噴火によって誕生した新島であるから、あるいは新島によって元の二つの島がつながってしまったからだと思われます。 詳しくは関連記事の「新島誕生 ― トンガ王国」を参照してください。

以下のGIF動画は日本の気象衛星の画像から作成されたものです:
 
 
 
以下のYouTube動画には、津波と噴火の様子が写っています。津波の怖さを知らない若者が津波にのみ込まれるシーンから始まっています:
 

2022年1月13日木曜日

キロメートル級小惑星が地球に接近

 
1月19日(日本時間)、直径約 1kmの小惑星〝7482(1994 PC1)〟が地球に接近します:

最接近時にはこの小惑星は魚座を移動中ですが、光度は10等級と暗く、肉眼や双眼鏡での観望は無理です。
 
日本の TV報道の中には、この小惑星が NASA の DART(二重小惑星軌道変更試験)ミッションの標的になっていると誤解されるような構成になっているものがありますが、DARTの標的はまったく別の小惑星 Didymos(直径780m)の衛星 Dimorphos(直径160m)です。
 
7482(1994 PC1) (2022年1月12日付予報)
接近日時(日本時間)
 (地球)1月19日 06:51
接近日時 誤差
(地球)±1 分未満
接近距離 (地球)5.155 LD
推定直径
1.052 ± 0.303 km
対地球相対速度
19.56 km/s ≅ 7万 km/h
発見から地球接近まで
次の地球接近2022年7月3日
公転周期572 日 ≅ 1.57 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2022年1月12日水曜日

太陽が予報を上まわる活発化

 
太陽には約11年の活動周期があり、活動の盛衰は黒点数やフレアの頻度、太陽風の強さなどに表れます。2020年ごろに太陽活動は極小となり、現在は2025年ごろと予想される第25活動周期の極大に向かって活発化が進行中です。
 
第25活動周期は、一つ前の第24活動周期と同程度の穏やかな活動になると予報されていました。しかし、活動が活発になるほど増える黒点の数が予報を15ヶ月連続で上まわり、2021年12月の月間値は予測の2倍以上で、過去5年以上の期間で最高の値となっています(グラフ)。

太陽の活動度は人間の肉体や精神状態、経済活動に影響する(太陽活動が活発な時期には人間は積極的で大胆になり、経済活動も活発になる云々)という説があり、戦争や飢饉、疫病の蔓延との関連を指摘する向きもあります:

太陽活動のグラフはNOAA(アメリカ海洋大気庁)のサイトで見ることができます。グラフ下のスライド・バーを操作すると1750年までさかのぼって活動度を表示できます:
 
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2022年1月10日月曜日

小惑星 2022 AC4 が月と地球に接近

 
1月11日、小惑星〝2022 AC4〟が月と地球に接近します。
 
2022 AC4 (2022年1月10日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月11日 07:32
 (地球)1月11日 14:20
接近日時 誤差
(月)±2 分
(地球)±2 分
接近距離 (月)0.84 LD
(地球)0.24 LD
推定直径
4 ~ 10 m
対地球相対速度
8.4 km/s ≅ 3万 km/h
発見から地球接近まで2 日
次の地球接近2022年5月22日
公転周期582 日 ≅ 1.59 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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釣り竿から放電

 
12月25日に神奈川県川崎市で撮影された動画です:
 
上の動画のケースでは雷雲の接近が原因のようですが、地震の前兆として帯電エアロゾルの放出や電磁気的な異変があるのであれば、地震の前にもこのような放電現象が見られるかもしれません。
 

プチスポット海底火山は硬化した堆積物に覆われている

 
東京大学、東北大学などからなる研究チームの発表です:

東北地方沖に存在するプチスポット海底火山で採取した岩石の分析によって、プチスポット火山がマグマの熱の影響で硬くなった堆積物に覆われていること、このような火山が日本海溝から沈みこむと、地震発生時のプレート境界すべりを抑制する可能性があることがわかった、という内容です。堆積物の硬化は、地球深部からプチスポット火山に上昇してくる熱いマグマが、厚さ約 300m の海底堆積物を上下方向の広範囲にわたり擾乱し、焼きなましてしまうことによって生じるとのことです。
 
Credit: 東京大学、東北大学、千葉工業大学、海洋研究開発機構、
(株)京都フィッション・トラック (クリックで拡大)


 

2022年1月9日日曜日

富士山より大規模な噴火を起こした活火山

 
AERA dot.』の記事です。 過去1万年間に富士山の宝永大噴火(1707年)よりも規模の大きな噴火を起こした16の活火山をリストアップしています。富士山以外でも大規模噴火する可能性があることは専門家の間では共通の認識とのことです。

「首都圏へ影響でいえば、浅間山」、「専門家の間で懸念は高まっている火山がある。桜島(鹿児島)の噴火だ」、「(十和田火山が)大規模噴火すれば、(青森)県が壊滅する事態が想定される」、「三瓶山(島根県)は3870年前に噴火 M6・5 もの巨大噴火を起こしたことがある活火山」:
 
掲載されている表によれば、「大規模噴火」よりさらに規模の大きな「巨大噴火」を起こしたことがあるのは、薩摩硫黄島(鹿児島県)、三瓶山(島根県)、摩周(北海道)、富士山(静岡県/山梨県)です。
 
記事の基になっているのは、産業技術総合研究所の「1万年噴火イベントデータ集」です。「噴火マグニチュード(噴火M)」については「噴火マグニチュード(噴火M)」 を参照してください。
 
 

近畿圏中心領域大型地震 (続報-256)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が 1月7日15:00 付けで更新情報を出しています。
 
CH29(10日間静穏)・K1(7日間静穏) 完全終息の可能性 終息認識正しければ 2月17日±2日 発生の可能性
  • 特異変動@CH29観測装置: 8月8.0日極大、12月29.0日終息、すでに10日間静穏基線継続 → 2月16日±3日発生の可能性

  • 特異変動@K1観測装置: 8月13.0日極大、12月31.4日終息 → 2月17日±3日発生の可能性

  • BT(基線幅増大)変動@CH15観測装置: 1月2日に周期性の無い小ピーク → 2月17日±3日発生の可能性

  • 櫛歯変動@CH32観測装置: 初現11月13.3日、極大12月15.8日 → 2月14日±3日の可能性

    1月2.9日に副極大の場合 → 2月20日±3日(Tmap:Tps =3.7:1)または2月26日±3日(Tmap:Tps =4:1)発生の可能性 [Tmap:極大から地震発生までの期間、Tps:主極大から副極大までの期間]

  • 以上を総合すると、2月17日±2日発生の可能性が極めて考えやすい状況

  • 1月4.4日CH29観測装置に、1月4.9日K1観測装置に極めて微小な変動あり。これらが最終変動である場合は 2月25日±3日発生の可能性もあり。今後現われる変動を確認し、2月17日±2日で正しいか、2月25日±3日となるかを決定したい

推定日2月17日±2日 または 2月25日±3日の可能性
推定時刻 午前9:00±2時間 または 午後6:00±2時間
推定震央領域 続報 No.321」所載の図5太線内 火山近傍
斜線域は可能性考えやすい参考推定領域
推定規模 M8.0 ± 0.3
噴火の前兆はない。現状では近傍火山の噴火は考えがたい。
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
[備考] 2月17日は満月です。
 
 

2022年1月8日土曜日

地球上最大のメガムリオンにゴジラの名

 
日本が提案した海底地形名18件が、国際水路機関(IHO)とユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)が共同で設置する「海底地形名小委員会」で承認されました:

上は海上保安庁が1月6日に発表した資料ですが、4ページ目に「ゴジラメガムリオン地形区」の解説と説明図があります。
 
メガムリオンとは、海洋底拡大に伴う大規模な正断層が発達し、その断層運動に伴い表面に下部地殻物質やマントル物質などが露出しているドーム状の高まりを持った地形で、表面に海洋底拡大方向に平行な畝状の構造()を持つことが特徴。ゴジラメガムリオンがあるパレスベラ海盆での海洋底拡大方向は北東-南西で、これに直交する地形の構造が卓越していますが、ゴジラメガムリオン地形区では拡大方向に平行な構造が発達しています。
 
ゴジラメガムリオンは2001年に発見され、現在見つかっているメガムリオンの中では地球上最大とのことです。
 
 
 

月の裏側の「小屋」は「兎」だった — 中国の月面探査車

 
 
中国の月面探査車 Yutu 2(玉兎2号)が約1ヶ月をかけて「小屋」に近づき、画像を送ってきました。奇妙な物体は立方体の小屋ではなく、クレーターの縁にある岩でした。

「まるでウサギがしゃがんでニンジンを2本ほど前に置いているように見える」、「右側にニンジン、左側にペレット(糞)」:
 
 

2022年1月7日金曜日

大雪の後に大地震?

 
日刊ゲンダイDIGITAL』の記事です。気象が地盤に影響し地震の引き金になることを示唆する学術論文がいくつもあるようです。
 
「冬の間に蓄積する雪や水が地殻を変形させる」、「過去に三陸沖で発生した地震は発生前に気圧が急激に低下」、「3.11地震では、余震が多い時ほど太平洋プレート西部が高気圧傾向にあった」、「大雪や大寒波で急に温度が下がった後は注意が必要」: 
 
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2022年1月6日木曜日

メガネザル

 
[閲覧注意、夜一人で見るのは止めた方が・・・]
 
インドネシアの Taman Safari(地図)で撮影されたニシメガネザルHorsfield's tarsier、Cephalopachus bancanus)の動画です。夜行性の動物は外見が気味の悪いものが多いですが、この動画では動作も不気味です:
 

火星の空に日暈

 
NASAの火星探査車パーシビアランスが  Sol 292(2021年12月15日)に撮影した日暈とみられる現象です。2枚の広角画像をつなぎ合わせるため、画像周辺のゆがみなどが補正されています。
 
「(光学系の)何らかの内部反射ではないとすると、パーシビアランス探査車はソル 292 にハロ(日暈)を捉えたようだ」:
 
 

地球は膨張している? 収縮している?

 
地球の質量は増加しているのでしょうか、減少しているのでしょうか:
 
記事によると、地球は流星や隕石が降り注ぐことによって、毎年1万5000トン(エッフェル塔 約1.5個分)の質量を得ている一方で、7万5000トン(エッフェル塔 約7.5個分)の大気が宇宙空間に散逸しており、全体では毎年 6万トンの質量を失っているそうです。

[参考]  初代ゴジラの体重は 2万トン、戦艦大和の満載排水量は 7万3000トン、琵琶湖の貯水量は 275億トン、地球の質量は 6×1021トンです。
 

定置網に大量のマダラ — 青森県八戸市、三沢市

 
1月5日、青森県八戸市(地図)沖から三沢市(地図)沖に設けられた定置網に大量のマダラが入りました。マダラは、水深150〜200mの大陸棚やその斜面の底部に生息する魚です。

「定置網に一度にこれほど多くの量が掛かるのは珍しい」、「見たことがない量のマダラでびっくりした」(仲買人)、「マダラだらけ。1日でこれほど漁獲されたのは初めて」(市場に40年以上勤務している男性):
 

2022年1月4日火曜日

大地震の前に汗をかいたお地蔵さん (補足)

 
1月3日付「大地震の前に汗をかいたお地蔵さん」の補足です。

『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次、東京大学出版会、1986)には以下のような話が収録されています:

安政東海地震(1854年、M8.4)
  • [伊豆箱根、震央から170km、地震の数日前] 安政元年(一八五四)十一月四日の大地震のとき、地蔵堂から「ここに集まれ」と子供を呼ぶ声がきこえたので、本堂にいた子供達が、地蔵堂の前の広場に集まったところ、突如大地震が起こり、・・・。

  • [和歌山県日高郡南部町、震央から230km、地震の数日前] ある時このお地蔵さんが、まっ赤な血にそまっていた。村人たちはこれは只ごとではない何かの異変があると避難した。そのあとへ大津浪がきたが・・・。
 
関東大地震(1923年、M7.9)
  • [東京神田、震央から68km] ・・・自警團長佐久間耕逸代議士は語る。「実は此町の鎮守には由緒深い草分稲荷があっていつでも事変があると神霊を見せると傅えられて居るが大震前に白狐の姿が現はれたと、町民が盛んに噂して居たが我々は打ち消して居た、処が此災厄で免れたのは全く神助であると肝銘して居る。」
 
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2022年1月3日月曜日

大地震の前に汗をかいたお地蔵さん

 
福井県坂井市に鎮座し、不吉な出来事を予見するとの言い伝えがある「汗かき地蔵」(地図)を紹介する記事です。1948年の福井地震の前にも汗をかいたそうです:

福井地震は、1948年(昭和23)年6月28日16時13分に福井平野の浅い所で発生した左横ずれ断層による大地震(震央地図)で、M7.1、最大震度は当時の震度階で最高の震度6(烈震)。甚大な人的・物的被害がありました。

地震の前に石像の表面が濡れたのは結露だと思われますが、地震の前兆として気温や湿度の急な上昇があったのでしょうか。福井地震の震央から「汗かき地蔵」までは約 8km です。
 
「汗かき地蔵」とされるものは各地にあり(分布地図)、同じような伝承が残っているものが多いようです。
 

サンタクロースとトランプ

 
ロバート・ゲラー東京大学名誉教授(地震学)のツイートから。

「まだサンタクロースを信じている子供たちを笑わないでください —— まだトランプが大統領だと信じている大人が何百万人もいるのです」:
 

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-133)

 
米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)の 12月の噴出は、16日の 1回だけでした。
 
2021年の総噴出回数は20回でした。2019年と2020年はともに48回でしたので、半分以下に減少したことになります。2018年の噴出記録はこちらを、2019年の噴出記録はこちらを、2020年の噴出記録はこちらを参照してください。
 
日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月2日 13
2 1月12日 10
3
2月3日 22
4
2月21日 18
5
3月3日 10
6
3月18日 15
7
3月27日 9
8
4月4日 8
9
4月16日 12
10
4月23日 7
11
5月5日 12
12
5月31日 26
13
7月8日 38
14
9月11日 65
15
9月28日 17
16
10月13日 15
17
10月25日 12
18
11月12日 18
19
11月24日 12
20
12月16日 22
 
 
正確な噴出回数の記録が残っている範囲では、スティームボート間欠泉の年間噴出回数が最も多かったのは 2019年と 2020年の48回です:

順位 噴出回数
1
2020 48
1
2019 48
3 2018 32
4
1964 29
5
1963 26
6
1982 23
7
1965 22

 

沈みゆく金星

 
日没直後に西の地平線に沈んでいく金星を捉えた動画です。1月1日にアフリカのジンバブエで撮影されました。金星は 1月9日(日本時間)に内合となるため、細い三日月状に見えています:
 
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2022年1月2日日曜日

木星探査機:衛星エウロパに 355kmまで接近

 
今年、注目すべき宇宙開発上の予定をまとめた記事です:
 
取り上げられているのは以下です:
  • SpaceX's 1st orbital Starship launch to space
  • Private astronauts fly to International Space Station with Axiom Space
  • Moon landing by Houston's Intuitive Machines
  • NASA's SLS megarocket launches 1st moon mission
  • Starliner's second uncrewed test mission
  • Starliner's first crew test flight
  • Europe's JUICE launch
  • James Webb will come online
  • ULA's 1st Vulcan rocket launch
  • Russia lunar landing mission at south pole
  • Falcon Heavy launching Psyche mission
  • India's Gaganyaan uncrewed test flights
  • Debut of Blue Origin's New Glenn rocket
  • Juno flying by Europa
  • DART impacts Didymos in September
  • ExoMars rover Rosalind Franklin launching in September
  • NASA's PRIME-1 mission launching in December
  • Dream Chaser cargo missions
 
たくさんありますが、この中で私が特に期待しているのは “James Webb will come online” と “Juno flying by Europa” です。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は昨年のクリスマスに打ち上げられました。現役のハッブル宇宙望遠鏡の後継で、主鏡の口径は 6.5m(ハッブルの2.7倍)。その解像度はすさまじく、40km先にある1セント硬貨や、550km先に置かれたサッカー・ボールを識別することができるとされています。当初は2007年に打ち上げられる予定でしたが延期に次ぐ延期で、開発予算は約1兆円に上りました。主な使命は、138億年前の宇宙誕生(ビッグ・バン)から約2億年後に輝き始めた最初の恒星を観測することです。現在は、地球から太陽の反対方向へ約150万km離れたラグランジュ点(L2)に向かって移動中で、到着後は地球と同期して太陽のまわりを公転します。通常の科学観測の運用が始まるのは今年の夏の終わりごろとのことです。
 
木星探査機ジュノーは2011年に打ち上げられ、2016年に木星の極周回軌道に入りました。これまで、木星(特に北極や南極)やその衛星の極めて鮮明で美しい画像を地球に届けてくれています。今年は、2月に衛星エウロパから約4万7000kmのところを通過、さらに9月下旬にはエウロパの表面からわずか 355kmの上空を通過することになっています。氷で覆われた表層の下に海洋があり、生命が存在する可能性があると考えられている巨大な衛星の表面の詳細を撮影した画像が送られてくると期待されています。

2022年1月1日土曜日

1月3日はスーパームーン新月

 
1月2日07時56分に月が近地点を通過、3日03時33分に新月となり、地球−月−太陽がほぼ直線上に並びます。
 
地球から月までの平均距離は38万4399kmですが、この新月の時は35万8044kmで、スーパームーン新月(new moon supermoon、super new moon)となります。(下の記事では時差の関係で新月の日付が1月2日となっています):

1月上旬は、月が惑星や準惑星の近くを次々に通過して行きます:

1日
火星の南 0°57′
3日
金星の南 7°32′
4日 冥王星の南 2°31′
水星の南 3°07′
(地球が近日点を通過)
5日 土星の南4°12′
6日 木星の南 4°27′
7日 海王星の南 4°05′
11日 天王星の南 1°27′
 
 
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