2015年10月31日土曜日

えびの高原で火山性微動と傾斜変動 (続報-3)


10月31日、霧島連山・えびの高原の硫黄山(地図)で火山性微動と傾斜変動が観測されました。火山性微動の発生は10月19日以来です。火山性微動の発生前後には火山性地震が増加しています:

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ハロウィーンの夜、髑髏形の死んだ彗星が超高速で月と地球に接近


10月23日付「ハロウィーンの夜、超高速小惑星が月と地球に接近 (続報)」の続報です。

髑髏 プエルトリコのアレシボ電波望遠鏡が捉えた〝2015 TB145〟
Credits: NAIC-Arecibo/NSF

NASAの発表によると、小惑星〝2015 TB145〟は太陽への接近を繰り返すうちに揮発成分を失い、彗星としての活動をやめてしまった「死んだ彗星」である可能性が高いということです。レーダー観測によると直径は約600m。以下のNASAの発表には、同小惑星が自転する様子がわかるGIF動画が掲載されています:

新たな観測データにもとづいて接近予報が更新されました。誤差は1分未満です。接近距離、相対速度に変更はありません:

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2015 TB145 600 10月31日 23:35 (月)
11月1日 02:01 (地球)
0.74
1.27


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-60)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月27日付で更新情報を出しています:

今回の更新情報は短いので直接そちらを読んでいただいたほうが良いかも知れませんが、一応まとめておきます:
  • 前兆群は終息していない。
  • 11月17日以前の対応地震発生は否定できる。
  • 現時点で発生時期として考えやすいのは11月19日±1日。

推定時期 前兆終息を確認して推定予定
現時点で可能性があるのは 11月19日±1日
(今後の前兆変化で修正の可能性あり)
推定発生時刻 午前9時±1時間 (または 午後6時±3時間)
推定震央領域 兵庫県、大阪府、京都府、奈良県、福井県、滋賀県、三重県、岐阜県、愛知県、石川県南部、富山県南西部、長野県南西部、静岡県西部
(上記PDF資料の地図参照)
推定規模 M7.8±0.5
陸域の浅い地震(深さ数km~20km前後)


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2015年10月29日木曜日

26日は地震、津波、噴火の厄日?


10月26日に発生したアフガニスタン北東部のヒンドゥー・クシ山脈を震源とする地震(M7.5)では、アフガニスタン、パキスタン、インドで現時点で数百人の死者が出ています。

インドでは数秘術師などが、26日は大地震、大津波、大噴火が起きやすい厄日であると喧伝しているようです。例えば、14ヵ国で約23万人が犠牲になったスマトラ島沖地震と大津波は2004年12月26日に発生、イランのケルマン州で2万6000人が犠牲になった地震は2003年12月26日に発生、インド西部のグジャラートで2万人近くが犠牲になった地震は2001年1月26日に発生、人類が経験した最大級の噴火とされるクラカタウ山の大噴火とそれに伴う火砕流や津波で3万6000人以上が犠牲になったのは1883年8月26日(実際は27日)、などなど。1番目の記事にはそのような例が38件も列挙されています:

両記事とも、26日に自然災害が多いように見えるのは、都合の良い事例だけを選ぶ〝cherrypicking〟の結果であって、例えば犠牲者の多い順に選んだ10大地震のうち26日に発生したのは1件だけであることなどを示して、数秘術師などの主張を否定しています。

日本の地震では、次のような例があります。「26日に発生したM7以上」という条件で気象庁の被害地震リストを検索したのですが、いずれも西暦に「3」が入っています:
  • 1930年11月26日 北伊豆地震 (M7.3)
  • 1983年5月26日 日本海中部地震 (M7.7)
  • 2003年5月26日 宮城県沖 (M7.1)
  • 2003年9月26日 平成15年(2003年)十勝沖地震 (M8.0)
  • 2013年10月26日 福島県沖 (M7.1)

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土星探査機が衛星のプリュームに突入


日本時間で10月28日から29日に日付が変わるころ、土星探査機カッシーニが衛星エンケラドスの南極上空約49kmまで接近し、同衛星の南極付近から宇宙空間に向かって噴出しているプリュームの中を通過しました:

エンケラドスは氷で覆われた衛星ですが、氷の下には広大な地下海が広がっており、その一部が南極付近の氷の割れ目から噴出していると考えられています。今回の低高度でのプリューム通過によって、これまでの接近では見つかっていない大きくて重い有機分子が見つかるのでは、と期待されています。

地下海には生物がいるかもしれないと考える科学者もいますが、カッシーニには生物を検出する機能はなく、NASAは〝This flyby will not detect life〟と釘を刺しています。

エンケラドス接近時に撮影された画像は今後24~48時間で届くとのことです。


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えびの高原で火山性地震増加


10月27日、霧島連山・えびの高原の硫黄山(地図)で火山性地震が一時的に増加しました。「えびの高原(硫黄山)周辺では、昨日(27日)火山性地震が10回発生しました。本日(28日)は、15時までに3回発生しています」、「遠望観測や傾斜計の観測データに特段の変化は認められません」:

約1週間前の10月19日には火山性地震が13回記録されていますが、この時には火山性微動と傾斜変動も観測されています。


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2015年10月27日火曜日

「なんてこった」が13日の金曜日に落ちてくる


11月13日金曜日に正体不明の物体〝WT1190F〟が地球に落下します。この物体は10月初めに発見されてものですが、ふつうのスペース・ジャンク(宇宙ゴミ)のように低軌道で地球を周回するのではなく、非常に細長い楕円軌道を描いており、遠地点は月の軌道の外側、地球-月間の距離の2倍ほどのところにあります:

落下時刻と場所は ― 11月13日06:20UTC(日本時間同日午後3時20分)、スリ・ランカの南端から約65kmの洋上 ― と予報されています。

小惑星などの天体や人工物体の落下(地球との衝突)が事前に精確に予報されるのは極めてまれで、欧州宇宙機関(ESA)などが観測準備を進めています。何らかの物体が地球大気圏に突入するのを、偶然にではなく待ち構えて観測できる希有の機会であると同時に、地球に衝突する可能性のある危険な天体が見つかった場合に備える天文学者間の連携計画を実地に試すことができると考えられているからです。

この物体の大きさは 1~2m で密度は低く、中空ではないかと推定されています。人工の物体であるとみられていますが、その由来はわかっていません。アポロ計画時代の遺物の可能性もあるとのことです。

公式名称である〝WT1190F〟の数字を省略した〝WTF〟がこの物体の略称として使われているようです。これは〝What the f*ck〟(なんてこった!)の略語でもあり、前例のない謎めいた物体にふさわしいと話題になっています。ただし、紳士淑女や良い子が使ってはいけない単語が含まれているため、上記〝Nature〟誌の記事は〝an unprintable expression of bafflement〟とぼかした表現に止めています。


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チリで見られた宏観異常


ブラジルの邦字紙『ニッケイ新聞』の記事です。チリで地震前に見られた宏観異常を綴っています。「震源地より直線で100キロ以上も離れた所にある養鶏所の鶏が地震発生前に一斉に慌しく飛び上がり、泣き叫び、どこか逃げ場所が無いか走り回った」、「犬が尻尾を尻の間に挟み込み、か細い泣き声を出し、ふるえ、涙を流していた」、「かもめ、ペリカン、浜辺鳥等が、地震発生1日前に突然どこかに姿を消してしまった (中略) 地震が終わった後は又これらの鳥が戻って来た」、「(潜水作業中に)突然、小魚も含め目の辺りに見えていた魚の群れが消えてしまい、不思議だと思い始めて数分後に海がにごり始め、異様な音が水に響き渡って来た」:

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2015年10月26日月曜日

巨大地震と大噴火が迫る「5つの超危険地域」


以下は、木村政昭・琉球大学名誉教授へのインタビュー記事です。2つの記事はタイトルが異なっていますが、前編・後編の関係にあります。インタビューがおこなわれたのは9月8日です。後編の末尾に「まとめ」がありますが、木村氏が最も懸念する5つの地域は、 北海道東方沖地震(M8.5、2010±5年)、 伊豆諸島沖地震(M8.5、2012±5年)、 富士山噴火(2014±5年)、 日向灘南部沖地震(M8.7、2014±5年)、 箱根山噴火(2015±5年)とのこと:

北海道東方沖地震については、先日、このブログで紹介した「千島列島南部のウルップ島近傍で、2016年1月から2017年2月の間に、最低でもマグニチュード8.0の地震が発生する」というロシアの研究者の予測との関連が気になります:

箱根山の噴火についてはあまり騒がれなくなっていますが、木村氏は「大きな噴火となることに気づかずにいると、とんでもない事態につながる可能性がある」と警告しています。

木村氏は日本の研究者の中ではかなり早い時期にプレートテクトニクスに「改宗」した方です(東京大学・大学院生の時?)。その後の大胆な地震・噴火予測などと相まって学会の重鎮からは睨まれているのかも知れません。

同じ東京大学の3年先輩で、噴火や地震予知の研究にも携わった神沼克伊氏(国立極地研究所ならびに総合研究大学院大学名誉教授)は、その共著書『日本の火山を科学する』(ソフトバンク・クリエイティブ、2011)の巻末で、名指しはしていないものの次のように批判しています:
ある学者は、伊豆大島や三宅島が噴火すると、かならずといっていいほど「太平洋で近い将来大地震が発生する」とマスコミに対して展開します。 (中略) しかし、そのような学者が年2回開催されている火山学会や地震学会の春・秋の総会で、そのような研究成果を発表するのを聞いた記憶はありません。マスコミには発表するが、研究成果の評価を受けるべき関係学会では発表していないのです。

メディアに対して「伊豆大島が噴火したから近い将来大地震が発生する」というような話をしますと、ほとんどは大々的に報じられます。その報道は一過性ですから、伊豆大島の噴火が沈静化すれば、大地震発生の発言も忘れられてしまいます。メディアもその報道を検証することは、ほとんどありません。

(中略)

すべては自己顕示欲の強い学者がマスコミ相手に流した「たわごと」なのです。

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小惑星 2015 UM52 が地球接近


10月24日に発見された小惑星〝2015 UM52〟が、その前々日の22日(日本時間23日)に地球に 0.34LD まで近づいていたことがわかりました(1LD=地球から月までの平均距離)。

この小惑星はアポロ群に属し、直径は 7~17m と推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速7.88km(時速約2万8000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2015 UM52 7~17 10月23日 04:18 0.34


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2015年10月25日日曜日

ホットドッグにヒトのDNA


サンフランシスコ湾岸地域に本拠を置く Clear Food という食品分析会社が75社のホットドッグ345サンプルを分析したところ、約15%には包装に表示されていない種類の肉が入っており、ベジタリアン(菜食主義者)向けの製品の約10%にはチキンやポークが含まれていたとのこと。そして気味の悪いことに、約2%からはヒトのDNAが検出されたのだそうです。ソイレント・グリーンの世界が現実のものになったのでしょうか:

"Pork-free" と表示されているホットドッグの中に豚肉が混じっているケースがあり、これは宗教上の戒律によって豚肉を食べることが禁じられている人たちにとっては大問題になるかも知れません。


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火星の鬼瓦?


以下の画像は、NASAの火星探査車キュリオシティが火星着陸から184ソル目(地球時間2013年2月11日)に撮影したものです。画面中央右寄りに奇妙な石が写っています:

怖い顔の鬼瓦のように見えますし、髪が片方の目を隠している様はゲゲゲの鬼太郎のようでもあります。また、古代マヤ文字(画像)の中にも似たものがありそうです。


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2015年10月24日土曜日

海底火山に噴火の兆候 ― 鹿児島湾(錦江湾)


鹿児島湾北部にある海底火山・若尊(わかみこ、地図)で、マグマに由来する二酸化炭素の放出量が急増し、噴火の可能性があることが明らかになりました。「(桜島と若尊)両火山の主なマグマだまりは同じで、火山活動に何らかの関連がある可能性がある」:

若尊カルデラは巨大な姶良カルデラの内部にありますが、気象庁の最新の資料によれば、「姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の膨張を示す伸びの傾向は、長期的には継続した状態が続いています」とのことです。


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空中に死んだ愛犬の姿が


愛犬の遺灰を、よく一緒に遊んだ公園(記事によっては愛犬と同じ名前の公園)で撒いたところ、飛び跳ねる愛犬の姿が現れたという写真が話題になっています:

写真の信憑性について "a bad photoshop job"  として疑うコメントも見られますが、写真に写っている本人は "the picture is color-enhanced, but otherwise it wasn’t doctored in any way" と語っています。

物心ついた時からいつも犬が身のまわりにいた私は、愛犬の死を何度も経験しています。以下の漫画は思い出しただけでも目頭が熱くなりますし、実際に見ると涙が止まらなくなります:

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2015年10月23日金曜日

ハロウィーンの夜、超高速小惑星が月と地球に接近 (続報)


新たな観測データにもとづいて接近予報が更新されました。 月への最接近は10月31日午後11時33分、地球への最接近は11月1日午前1時59分です(いずれも日本時間、最大8分の誤差が見込まれています)。接近距離、相対速度、推定直径などに変更はありません。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2015 TB145 290~650 10月31日 23:33 (月)
11月1日 01:59 (地球)
0.74
1.27


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近畿圏中心領域大型地震 (番外-2)


地震の専門家、とりわけ就中「地震予知なんかできっこない」、「原理的に不可能だ」という立場のゲラー教授のような人から、串田氏の予測に対して以下のような批判が出てくるのは当然です。まったく無視される(あるいは「爆笑」の一言で片付けられる)のではなく、否定的にせよ何らかの反応が複数回あるということは、少なくとも箸にも棒にもかからないトンデモ説とは見なされていないということかもしれません:

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2015年10月22日木曜日

ハロウィーンの夜、超高速大形小惑星が月と地球に接近


ハロウィーンの夜、非常に速い速度で移動する大形の小惑星〝2015 TB145〟が月と地球に接近します。

現時点での予報(最大16分の誤差が見込まれています)によれば、月への接近は日本時間10月31日午後11時39分、接近距離は0.74LD(1LD=地球から月までの平均距離)、地球への接近は11月1日午前2時5分、距離は1.27LDです。

最接近時の月との相対速度は秒速34.5km(時速約12万4000km)、地球との相対速度は秒速35.0km(時速約12万6000km)です。最接近時の相対速度は秒速10km前後のものが多いので、この〝2015 TB145〟の速度は非常に速いと言えます。

この小惑星は10月10日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は290~650mと推定されています。この距離まで地球に接近する小惑星としてはかなり大きい部類に入ります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2015 TB145 290~650 10月31日 23:39 (月)
11月1日 02:05 (地球)
0.74
1.27


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2015年10月20日火曜日

電線から火花、発火相次ぐ ― 宮城県仙台市など


10月19日から20日にかけての夜間、宮城県仙台市(地図)や隣接する富谷町・川崎町で、電線から火花が出ているとの通報が相次ぎ、16ヶ所で電線の張り替えがおこなわれました。当時仙台市では小雨が降り続いており、「劣化して被覆が薄くなった電線に塩分やほこりを含んだ水分が付着し、放電して発火する『トラッキング現象』が起きた可能性がある」(東北電力):

このような現象が起きると、いつも電線の劣化や塩害と雨が原因と説明されます。しかし、なぜ、特定の地域にだけまとまって発生するのでしょうか。電線が古くなっている地域は他にもたくさんあるでしょうし、そのような場所に雨が降ることは頻繁に起きていると思われます。

以下の関連記事の末尾には、2005年にやはり宮城県で起きた同じ現象の報告があります。


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震動る時、鶏と雉とは


風土記は奈良時代初期に朝廷が全国に命じて編纂させた地誌です。現在までまとまった形で残っているのは、常陸、出雲、播磨、豊後、肥前の5ヵ国だけで、他の国々については一部が他の文書に引用されて伝わっており逸文と呼ばれています。

以下は、伯耆國風土記の逸文です。伯耆國は現在の鳥取県中部と西部に相当します:
伯耆の國の風土記に云はく、震動る時、鶏と雉とは悚懼ぢて則ち鳴き、山鶏は嶺谷を踰みて卽ち羽を樹てて蹬み踊る、と云へり。

漢字の読みは以下のとおりです:
震動る(なゐふる)、鶏と雉(かけときざし)、悚懼ぢて(おぢて)、則ち(すなはち)、山鶏(やまどり)、嶺谷(をたに)、踰みて(ふみて)、卽ち(すなはち)、樹てて(たてて)、蹬み踊る(ふみをどる)

秋本吉郎校注『風土記』(岩波書店、1982)の注釈を参考にして現代語に訳すと次のようになります:
伯耆の国の風土記によると、地震のとき、鶏と雉は怯え恐れて鳴き、山鳥は飛ばないで峰や谷に降りていて、羽を広げたまま地面を踊るように歩く、ということだ。

「地震のとき」とあるので、地震でまさに揺れている最中の鳥類の行動を書いているようにも受け取れますが、私は地震の前に動物に見られる異常行動、すなわち宏観前兆を書いているのではないかと思っています。そもそも、揺れの最中に牛や馬、鳥などが怯えて騒ぐのは至極当たり前のことでわざわざ風土記に記載するとは思えませんし、「山鶏は嶺谷を踰みて(山鳥は飛ばないで峰や谷に降りていて)」とあるのも、飛んでいる山鳥が揺れを感じてから地面に降りるとは考えにくいからです。

地震前の鳥の行動については、以下の過去記事もお読みください:

鳥取県中部で地震が連続して発生していますが、震源地はまさに旧伯耆国の領域です。


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-59)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月19日付で更新情報を出しています:

内容は ――
  • 10月19日夕刻現在、前兆は終息していない。

  • 11月10日以前に対応地震が発生することは否定できる。

  • 現在までの前兆の推移から、2つの可能性: 11月13日前後または11月20日前後が推定される。

推定時期 11月13日±2日 または 11月19日±2日
(前兆終息時期によって見直しあり)
推定発生時刻 午前9時±1時間 (または 午後6時±3時間)
推定震央領域 兵庫県、大阪府、京都府、奈良県、福井県、滋賀県、三重県、岐阜県、愛知県、石川県南部、富山県南西部、長野県南西部、静岡県西部
(上記PDF資料の地図参照)
推定規模 M7.8±0.5
陸域の浅い地震(深さ数km~20km前後)


このNo.1778前兆群は、当初から推定震央は「近畿圏中心領域」とされてきました。現時点でもその大枠は維持されていますが、火山帯近傍地震特有の前兆が9月中旬に観測されたため、串田氏の注目は大枠の中でも火山が分布している北陸地方や岐阜県に向けられているようです。上記更新情報には、岐阜県で過去に発生したマグニチュード8前後の大地震(天正地震や濃尾地震)の震央を示した地図が加えられています。

濃尾地震(M8.0)は、1891年(明治24年)に愛知、岐阜、福井にまたがる長大な震源域で発生したもので、日本の内陸部で起こった最大の地震とされています。死者7273人、負傷者17175人と記録されています(岡田義光、「日本の地震地図」、東京書籍)。

なお、鳥取県中部で連続して発生している地震については、すべてM5未満で、前兆検知不可能な規模とのことです。また、東海、東南海、南海などの巨大地震が推定される前兆は観測されていないとのことです。


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2015年10月19日月曜日

えびの高原で火山性微動と傾斜変動 (続報-2)


10月19日、霧島連山・えびの高原の硫黄山(地図)で火山性微動と傾斜変動が観測されました。火山性微動の発生は9月2日以来。10月16日から火山性地震が起こり始め、19日は午後4時までに10回発生しています。「規模の小さな噴出現象が突発的に発生する可能性があります」:

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2015年10月17日土曜日

雪虫が大量発生 ― 北海道白老町


10月16日から17日にかけて、大量の雪虫が北海道白老町(地図)や苫小牧市(地図)の市街地を飛び回りました。下記記事に掲載されている写真は、まるで雪が降っているような印象です。「今年は低温の日が少なく、成長しやすい気象条件だった」、16日は風がなく気温も高かったので「雪虫にとって移動しやすい環境だった」:

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大量のイワシ漂着 ― 茨城県鹿嶋市


10月14日、茨城県鹿嶋市武井釜(地図)の海岸に大量のイワシが漂着しているのが見つかりました。「付近では数匹のサメも目撃されており、サメに追われたイワシが死んで漂着したとみられる」:

今回の現場は、東日本大震災の1週間前にクジラが集団座礁した鹿嶋市下津(おりつ、地図)から北に約10kmのところです:

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浮遊都市出現 ― 中国・広東省、江西省


中国・広東省佛山市(地図)と、その数日後に江西省(地図)で雲間に浮かぶ都市が目撃、撮影されました。気象の専門家は蜃気楼だとしているそうですが、動画を見るかぎりでは普通の蜃気楼とは思えません。記事に日付の記載はありません。動画や写真の信憑性を疑うべきかも知れません:

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2015年10月16日金曜日

ロシア極東に大地震の予測


ロシアの海洋地質学・地球物理学研究所地震研究室のトップである Ivan Tikhonov 氏が発表した予測・警告です。「ロシアの千島列島、カムチャツカ半島、日本の北海道島では、近年、大きな地震がほとんど起きていない」、「(この地域は)地震活動に関して過去6年間は信じられないほど静かな期間であった」、「千島列島南部のウルップ島(地図)近傍で、2016年1月から2017年2月の間に、最低でもマグニチュード8.0の地震が発生する」、「千島列島北部で2018年までにマグニチュード7.7の地震が発生する」、「サハリン(樺太、地図)南部で来年の春の終わりまでにマグニチュード6.0から7.0の地震が発生する」:

記事では、ロシアの科学者が使っている地震予知の手法も紹介されています。今回の予測には8種類の方法が用いられたとしています。中国の地震学者によるLURR(Load/Unload Response Ratio)理論(太陽や月の引力の影響を考慮)、日本の茂木清夫氏による地震空白域仮説、大気圏内のジェットストリームの影響、などなど。

さらに Tikhonov 氏の率いるチームが開発した誤報の少ない短期予知の手法についても言及されていますが、具体的な説明はありません。〝mathematical algorithm based on a non-linear differential equation developed by Russian scientist Alexander Malyshev〟(ロシアの科学者アレクサンダー・マリシェフによって生みだされた非線形微分方程式にもとづく数学的アルゴリズム)と書かれていますが何のことやら。記事は、別の科学者からの批判があることにも触れています。

上記記事中のコラムによると、ロシアでは信頼できる地震予知情報は「地震予知および地震災害評価のための専門家委員会」からロシア非常事態省に送られることになっています。2005年にはカムチャツカ半島に対して信頼度の高い予知情報があり、非常事態省は地震発生に備えて救助隊を当該地域に展開したということです(地震の年表を見たかぎりでは、2005年にはカムチャツカ半島で大きな地震は発生していません)。

記事の冒頭には、ウルップ島の海岸にある "The Drinking Man" と名づけられた大きな岩の写真が掲げられています。海の水を飲んでいるように見えるのでそう名づけられたのでしょうが、私には小泉元首相の横顔に見えます。

なお、上記予測の対象となっているサハリンでは、10月8日に以下のような現象がありました:

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ヒキガエルの地震予知


英国BBCの記事です。「動物は本当に気象の変化を予知できるか」と題して5種類の動物について述べていますが、なぜかヒキガエルについてだけは地震予知の話になっています:

ヒキガエルについての段落をテキトー訳してみます:
ヒキガエルは地震発生を事前に察知することができると考えている科学者もいる。2009年、イタリアで発生したラクイラ地震の数日前、ヒキガエルの集団がラクイラ(地図)にある池を放棄して移動した。3日間で池のヒキガエルは96匹からほとんど0匹になった。科学者たちは、地震発生前に地下の断層のずれによってヒキガエルの棲む池の(水の)化学的性質が変化した可能性があると結論づけている。

ラクイラ地震とヒキガエルの行動については以下の過去記事も参照してください。「96%」がBBCの記事では「96匹」になっています:

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「地震雲」や動物の挙動で地震予知はできるか?


専門家の答え ―― 「統計的にデータ収集している機関がないため、『分からない』」、「様々な自然要因や外的要因が考えられるため数値化して解析するのが困難であることから、地震発生前に判断できるほどの根拠がありません」:

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2015年10月15日木曜日

ザトウクジラ漂着 ― 北海道網走市


10月13日、北海道網走市藻琴(地図)の海岸に、体長約7.5mのザトウクジラが打ち上げられているのが見つかりました。「ザトウクジラ漂着は道内で年1~2頭で、ほとんどが太平洋側。オホーツク海側では2004年に湧別町で骨が見つかって以来2例目で、珍しい」:

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九州各地にサルが出没


九州各地に野生のサルが出没し、被害も出ています:

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ネコは地震を予知できる?


ペットが地震を予知したという欧米の事例には、以下の記事のように揺れが始まる1秒~数秒前に察知したという話が非常に多く、日本で取りざたされるような数日以上前から動物の挙動が変だったというものはあまり見かけません。以下の記事に掲載されているGIF動画では、部屋に走り込んできたネコが急に止まり、何か異変を感じたかのように辺りを見回し、その直後に家具が大きく揺れだします。地震に周章狼狽したネコが見せる前のめりの猛ダッシュは見ものです:

上記記事は、古代ローマ時代のクラウディオス・アイリアノスが書き残した逸話 ―― 紀元前373年、Helikeという都市が地震で壊滅する5日前に動物が群れをなして逃げ出した ―― を紹介していますが、信頼できる科学的情報とは言えないと退けています。

なお、記事の第1段落にある〝AF〟は、〝As F*ck〟を略したスラングで「めちゃくちゃ」とか「超」を意味しているようです。

以下の過去記事で紹介した犬の挙動も、揺れよりも一瞬早く察知したという点で、上のネコの振る舞いとよく似ています:

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2015年10月14日水曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-58)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月13日付で更新情報を出しています:

長期継続していた特異状態の一つが10月8日に終息するも、数日後に弱いながらも再出現。前回の更新情報で「ほぼ終息」とされていた直接波近似変動も同様。残っている前兆群は全体的に弱まったり途切れ途切れになったりしているようです。

最新の予測は以下のとおりです。推定時期と推定発生時刻が変わっています:

推定時期 10月27日±1日 (10月17日±に前兆終息が条件)
前兆終息が確認された時点で再計算、続報で修正する可能性あり。10月23日以降も前兆継続の場合は、11月以降の可能性あり。
推定発生時刻 午前9時±1時間 (または 午後6時±3時間)
推定震央領域 兵庫県、大阪府、京都府、奈良県、福井県、滋賀県、三重県、岐阜県、愛知県、石川県南部、富山県南西部、長野県南西部、静岡県西部
(上記PDF資料の地図参照)
推定規模 M7.8±0.5
陸域の浅い地震(深さ数km~20km前後)


上記更新情報の冒頭には串田氏の予知手法の限界が書かれています。誤解されがちな重要なポイントですので引用します:
現在迄に8ステージに分かれた前兆群が出現しています。各ステージの前兆時間変化から求められた時期(通常なら地震発生時期に当たります)に、次ステージの初現や極大が出現してきました。前兆が終息しないと発生日とはなりませんが、次ステージに移行するか否かは、ステージ途中では判断できなかったため、各ステージから推定される時期に発生となる可能性も検討せざるを得ませんでした。但し、発生となる場合には、いつ迄に前兆が終息が確認されることが必要と云う条件を必ずつけて参りました

実際には、各ステージから次ステージに移行する際、前兆が終息せずに継続したため、推定時期前には、推定された時期に発生とはならないことを報告し、この7年の間、発生日を確定したことはありませんでした


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2015年10月13日火曜日

歌う地震


「紅海に面したエジプトのアブ・ダバブ州(地図)で起こる不思議な現象、地面の振動に伴って地下から謎めいた響きが聞こえる」、「断層の上を、厚さ5キロもの一枚岩の『屋根』が覆っている (中略) この堅い『屋根』が、地震の響きを地上に伝える際、人間の耳には、不思議なうなり声、時に歌のように聞こえる」:

以下の記事や動画では、大砲の発射や採石場の発破のような音と表現されています:

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2015年10月12日月曜日

小惑星 2015 TC25 が地球接近


10月13日午後4時33分(日本時間)、小惑星〝2015 TC25〟が地球に0.29LDまで近づきます(1LD=地球から月までの平均距離)。

この小惑星は10月11日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は3~7mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は非常に遅く、秒速4.43km(時速約1万6000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2015 TC25 3~7 10月13日 16:33 0.29


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湧水の池が3年ぶりに復活 ― 静岡県三島市


静岡県三島市内の市立公園「楽寿園」(地図)で、小浜池(こはまいけ)の水が3年ぶりに復活しています。「富士山の溶岩流の南端にあり、豊かな湧水が小浜池を作った」、「小浜池の水量は、富士山の積雪量や雨量と関係するとみられ、楽寿園では『夏に雨が多かったからでは』と推測する。ただ、『数年に一度しか水量が増えないことや、なぜ今年なのかという明確な理由は分からない』」:

富士山の麓の湧水と言えば、静岡県富士宮市の異常湧水の件を思い出しますが、最近は報道がありません。小浜池の水位は2011年から2012年にかけて高かったようですが、富士宮市の異常湧水とおおむね時期が一致しているようです:

河口湖の水位も気になるところです:

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イエローストーン: ジャイアント・ガイザーが5年8ヶ月ぶりに噴出


スーパームーンと皆既月食が重なった夜(現地時間9月27日から28日にかけて)、月食の終了から約1時間後の午前5時ごろ、米国イエローストーン国立公園(地図)内のジャイアント・ガイザーが5年8ヶ月ぶりに大規模な噴出を始めました。噴出は約1時間続いたとのこと。同間欠泉は噴泉塔(注)としては世界第2位の高さを誇り、活発な時期には数日おきに噴出していたのですが、2010年1月22日の噴出を最後に活動が止まっていました:

動画には、画面右下の時刻表示で5時前後に、黒く見える丘の向こうから白い蒸気が上がり始める様子が写っています。

(注) 温泉噴出口に生じた石灰華,あるいはケイ華などの沈殿物よりなる塔。塔の先端に温泉が噴出する小孔がある。数cmから大きいものでは数mの高さに達する。(中略) 日本では石川県岩間温泉,岩手県夏油(げとう)温泉,栃木県奥鬼怒(きぬ)温泉湯沢などで立派な石灰華型噴泉塔を見ることができる。アメリカのイェローストーンのマンモス・ホット・スプリングズ,中国チベット中部の篭馬爾(ロンマエ)温泉には数mに達する石灰華型噴泉塔がある。(平凡社『世界大百科事典』より)


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2015年10月10日土曜日

小惑星 2015 TQ21 が地球接近


小惑星〝2015 TQ21〟が、10月7日午前9時53分(日本時間、10分程度の誤差を含む)に地球に1.01LD(1LD=地球から月までの平均距離)まで近づいていたことがわかりました。

この小惑星は10月9日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は9~21mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は速く、秒速20.0km(時速約7万2000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2015 TQ21 9~21 10月7日 09:53 1.01


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雌阿寒岳火口底の温度上昇


以下は、気象庁が10月8日に発表した「雌阿寒岳の火山活動解説資料(平成27年9月)」(PDF形式)に掲載されている赤外熱映像装置によるポンマチネシリ96-1火口底の地表面温度分布画像です。2015年10月1日(上)と2014年10月1日(下)を比較しています:

気象庁「雌阿寒岳の火山活動解説資料(平成27年9月)」より

火口底の温度が1年前と比べて明らかに上昇しています。ポンマチネシリ96-1火口南側でおこなわれている全磁力観測によると、2015年3月中旬以降、全磁力の低下傾向が継続しており、同火口の地下の温度が上昇していると推定されていました。


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台風と大地震が連動?


ダイヤモンド社『書籍オンライン』に掲載されている長文の記事です。いくつか実例をあげていますが、科学的な検証に耐えるとは思えません。

「プレートは一つが動くと、玉突きで次々動きだします」、「地震を起こすプレートが動いてマグマが噴出すると、当然、海水温が上がって、台風が起こりやすくなります」、「海水温が上がって台風が増えると、地震が起きやすくなる」、「2015年現在は、世界規模でプレートが動いている」、「2004年、2008年のような豪雨→大地震、という経路をたどらないことを祈ります」:

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御前崎に地震の目?


過去30年間に静岡県・御前崎(地図)周辺で発生した地震の震央をGIF動画にしてみました。10年間ごと(1985年10月9日~1995年10月8日、1995年10月9日~2005年10月8日、2005年10月9日~1995年10月8日)の3枚の震央図を使用しています。マグニチュード1以上、深さ30km以浅の地震が対象です:


最初の10年間は御前崎周辺ではほとんど地震が発生していません。その後、御前崎を遠巻きにするように地震のリングが形成され、最近の10年間ではそのリングが半径20kmほどに縮んで、その中心である御前崎に「地震の目」が出現しているように見えます。

図の範囲内の地震数は、最初の10年間が1073、次の10年間が1986、最近10年間が5131と増加しています(2011年の東北地方太平洋沖地震で全国的に地震が増加したことが影響しているのかも知れません)。

御前崎市には中部電力の浜岡原子力発電所(地図)があります。Wikipediaには「東海地震の予想震源域のほぼ中央にあり、活断層が直下にあるという説まで発表されており、またトラブルが多発していることなどから耐震性の不足が懸念されている」との記述があります。10月8日には以下のようなトラブルが発生しています。稼働しておらず、地震が起きたわけでもないにも関わらずです:

図の作成には地震活動解析システム(TSEIS)を使用しました。TSEISは気象庁により決定された地震カタログを使用しています。同システムについては以下を参照してください:
  • 鶴岡 弘. WWWを用いた地震情報検索・解析システムの開発.情報処理学会研究報告;データベースシステム115-9, 情報学基礎 49-9, 65-70 (1998)

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2015年10月9日金曜日

〝前兆幻想〟


2011年の東北地方太平洋沖地震の40分前から始まったとされる電離層の変動。その他のM8を越える大地震の前にも同様の変動が現れたとされています。しかし、これらの「変動」は電離層の観測データを分析する際に用いる基準線の設定の仕方によって生じた人為的結果であって、特に異常というわけではなく、地震の短期予知には役立たないという論文〝On the onset of ionospheric precursors 40 min before strong earthquakes〟が紹介されています:

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