2010年11月27日土曜日

ネス湖の怪物?

ネス湖の怪物・ネッシーが水面に背中のコブを出しているところではないか、とみられる写真が話題になっています:

上記記事に掲載されている写真は、27歳の造園設計家がネス湖畔にある Aldourie 城の庭園から撮影した複数の写真の中の 1枚だそうです。撮影された日付は記載されていませんが、時刻は午後 3時ごろと書かれています。

対岸に写っている家の白い壁が湖面に反射したものという意見もあるようですが、どうでしょうか。

2010年11月26日金曜日

ブルサン山の火山活動で休戦実現 ― フィリピン

フィリピン・ルソン島最南端に位置するブルサン山(地図)は、11月初め頃から大量の火山灰を噴出する活動を続けており、周辺住民の生活や農業生産に影響を与えています:

ブルサン山周辺は NPA(新人民軍)という共産ゲリラの活動領域であるため、救助・救援活動に支障を来していましたが、このほど NPA 側が一方的に休戦を宣言し政府軍側もこれを受け入れたため、暫定的な和平が実現しました:

休戦の範囲はブルサン山から 10km の範囲内、期限は同山の活動が収まるまでとなっています。


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2010年11月25日木曜日

木星の南赤道縞に復活の兆し

5月 17日付「木星の南赤道縞が消失」の続報です。完全に消えて見えなくなっていた南赤道縞の位置に、復活の兆しではないかとみられる模様が出現し始めています。以下はアメリカの惑星協会(The Planetary Society)のブログ記事です:
  1. The Disturbance is Starting
  2. Jupiter's outbreak is spreading

上掲「1」の記事の最初の写真は、2009年 6月と 2010年 5月の比較です(北が上)。後者では南赤道縞(SEB)が見えなくなっています。2枚目(北が上)、3枚目(赤外線写真、南が上)、4枚目(南が上)の写真は今年 11月 9日から 10日にかけて撮影されたものですが、南赤道縞のあるべき位置に白斑が出現しています。

「2」の記事の最初の写真(南が上)には、コンマのような形をした奇妙な黒い模様が南赤道縞のあるべき位置に写っています。

これらのパターンは、南赤道縞のあるべき位置に何らかの大気の擾乱が発生していることを示しており、南赤道縞が復活する予兆の可能性があるとのことです。


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2010年11月24日水曜日

X-37B の高度が低下

アメリカ空軍が極秘にテストしているスペース・プレーン X-37B の高度が徐々に低下しており、地表に帰還する時期が近づいているのではないか、との推測が流れています:

4月 22日に打ち上げられた X-37B は、軌道上に最長で 270日間(約 9ヶ月)とどまる能力があると公表されています。これが正しければ、来年 1月後半まで軌道飛行を続けることができまるはずです。しかし、X-37B の軌道を追跡しているアマチュア観測者のネットワークによると、同機は、ここのところ軌道を変更するたびにより低い軌道に移っており、近々、メイン・エンジンを吹かして減速し、地表に帰還するのではないかと推測されています。

アメリカ空軍が X-37B の運用目的を明らかにしていないため、専門家の間でさまざまな推測が取り沙汰されています。その大勢は、兵器の搭載や他国の衛星の査察・捕獲・破壊などは無理で、偵察任務であろうということで一致していますが、これまでそれを裏付ける決め手がありませんでした。ところが、アマチュア観測者が、X-37B のこれまでの軌道データを収集・分析したところ、最終的な結論ではないものの、同機は軌道傾角 40度前後で数日毎に地表の同じ地点の上空を通過する軌道をとっていることが明らかになりました。これはアメリカの偵察(スパイ)衛星がとる軌道の特徴と同じで、X-37B の目的が偵察であろうという推測を裏付けるものとなっています。

アメリカ空軍は X-37B の 2号機を建造中で、来年 3月の打ち上げを目指しているとのことです。

1990年代の後半に開発が進められ、2001年にお蔵入りとなったスペース・プレーン X-34 2機を格納庫から引き出して、再飛行させる動きも伝えられています。X-37B がロケットで打ち上げられるのに対して、X-34 は飛行機に搭載されて高空に達し、切り離された後、自前のロケットを使って軌道にのる方式を採用しています:

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ブロモ山の警戒レベルが最高度に ― インドネシア

インドネシア・ジャワ島東部にあるブロモ山(Mt. Bromo、地図)の噴火警戒レベルが、最高度の “レッド” に引き上げられました:

ジャワ島では、同島中部の古都ジョクジャカルタの近くでムラピ山が活発な活動を続けており、死者がすでに 300人を超えています。ブロモ山はムラピ山から東に約 275km 離れたところにあり、11月 8日から活発化の兆候を見せていました。

なお、ジャワ島の西では、スマトラ島との間にあるスンダ海峡で、クラカタウ山(アナク・クラカタウ山)が活発な活動を続けています:

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2010年11月20日土曜日

パナマ運河に大地震のリスク

中央アメリカのパナマ地峡を掘削して作られ、太平洋と大西洋を結ぶ海運の要衝・パナマ運河は、これまで考えられていた以上に大地震に襲われるリスクが高いことがわかりました:
  1. Panama canal is due a big earthquake (断層の地図あり)
  2. Earthquake risk high in Panama, data suggests
  3. Panama Canal said at earthquake risk

『ニュー・サイエンティスト』の記事(上掲 1)の主要部分を以下に意訳します:
現在、パナマ運河では 2014年の完成を目指して拡幅・改良工事がおこなわれている。

運河のすぐ近くに 2つの断層が存在することはわかっていたが、これらの断層はこれまで考えられていたよりもはるかに活動的であることが調査によって判明した。

調査の報告者(複数)は、これらの断層では 300~900年の間隔で地震が発生していると推定している。一番最近の地震は 1621年に発生しているので、次の地震がいつ発生してもおかしくない状態である。

2つの断層に沿って、地面は 1年あたり 0.5cm の割合でずれ続けており、歪みが蓄積し続けている。

(断層が歪みに耐えきれなくなって地震が発生すると)最悪の場合、大地は最大 3m ずれることになるだろうと、調査チームの責任者であるサン・ディエゴ州立大学のトム・ロックウェル(Tom Rockwell)教授は語る。

ロックウェル教授によると ―― 耐震性を考慮せずに建設されているパナマ・シティ内の建物に大きな被害が出る可能性が高い。運河についてもっとも懸念されるのは閘門の被害である。もし閘門が損傷すれば、(運河内の)水流を制御するすべが失われ、船舶の通行は大きく阻害される ―― とのことである。

2つの断層のうちペドロ・ミゲル断層は、運河の直下を走っているが、幸いなことに、閘門の直下を走っているわけではない。もう一つのリモン断層は、ペドロ・ミゲル断層のおおよそ北への延長である。

ロックウェル教授のチームは、断層に沿ってトレンチを掘って調査した結果、次のような結論を得た ―― 過去 1400年間に少なくとも 3回の大地震がペドロ・ミゲル断層とリモン断層で発生している。一番最近の大地震はペドロ・ミゲル断層で 1621年に発生した。当時の記録によれば、採掘した金をロバを使って運ぶためにスペイン人が丸石を敷き詰めて築いた Camino de Cruces という名の道路に 3m のずれを生じた。このような地震が現代に起これば劇的な結果がもたらされるだろう、とロックウェル教授は語る。

教授のチームが痕跡を見つけることのできたもっとも早い時期の地震は、西暦 455年のものである。さらに心配なのは、西暦 700年前後に発生した地震では、ペドロ・ミゲル断層とリモン断層が連動して動いた形跡があることである。研究チームは、このようなことが再び起こる可能性があると警告している。

2010年11月18日木曜日

カンタベリー大地震と動物の行動

ラジオ・ニュージーランドのサイトが掲載している記事です:

以下は記事のテキトー訳です:
9月 4日に発生したカンタベリー大地震の直前に、動物がいつもとは違うふるまいふるまいをしていなかったか、ある科学者が調査している。

ニール・ホワイトヘッド博士は DSIR (Department of Scientific and Industrial Research、科学技術研究庁)で働いていたが、日本で地震前の動物の行動について研究した経験もある。

ホワイトヘッド博士は 『Country Life』(ラジオ番組の名前)で、「地震の前に何らかの反応を見せる動物は少数派にすぎないが、群を作って生活するウシやヒツジなども例外的に反応を示すようだ」 と語った。

9月 4日の大地震について博士が実施した調査に、500人以上が回答を寄せた。その中の農家(複数)からの報告には、ヒツジやウシがそれまで見たことがない塊状に群れた、ウシが凶暴になった、異常に多くのウシやヒツジがいっせいに横になった(伏せた)、というものがあった。渡りの時期に匹敵するほどの鳥の群が、地震の数日前に飛び去った、というものもあった。

これらの現象には、岩石に圧力がかかったときに発生する周波数の低い電磁波か、人間の可聴域よりも低い周波数の音波が関与している、とホワイトヘッド博士は推測している。

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2010年11月17日水曜日

白頭山噴火の可能性 ― 中・韓の温度差

しばらく下火になっていましたが、白頭山(中国名・長白山)の噴火の可能性についての報道です。まず、韓国側の報道から:

韓国政府は、噴火の危険性に対する南北協力が必要と考えて北朝鮮側に問題提起しているようですが、北朝鮮側はこれといった反応を示していないとのことです。

中国側はどうでしょうか。以下は政府系といわれる『環球時報』の記事です:

近い将来に長白山が噴火する可能性は低い、というのが中国側専門家の見解ですが、長白山に近い地域の住民にはパニックに近い反応も見られるようです。以下は上記記事の摘記・テキトー訳です:
中国の科学者(複数)は、北朝鮮との国境に近い吉林省にある長白山中の天池火山が、一部に言われていているように近い将来に噴火する可能性は低いと言明している。

しかし、そのような声明で、家に灰や火が降り注いでくるかも知れないという不安からくる一般大衆のパニックを押しとどめることはできない。

『Changchun Evening News』 が 11月 16日に伝えたところによると、一部の住民は長白山が今後数年以内に噴火するという根拠のない話を信じている。吉林省北東部の白山(Baishan)市に住む Jiang という女性は、噴火が恐ろしいので自分が経営している衣料品店を売り払って、白山市から出ていく予定だ、と同紙に語った。

長白山の北に住んでいる Zhao Xiaoyu という 28歳の英語教師は、『環球時報』に次のように語った ―― 以前から、長白山が噴火するかもしれないという噂が流れていたが、韓国の専門家が長白山は 2~3年のうちに噴火するという予測を公にしたことによって、住民はパニックに近い状態になった。私たちは誰を信じていいのかわからない。できることといえば、噴火が起こらないように祈るだけだ。

長白山の近くに何世代にもわたって暮らしてきた Zhao 氏の家族や近隣の住民には、今のところ移住する計画はない。

韓国のソウルにある Yonhap News Agency によると、韓国・釜山国立大学の地質学教授 Yun Sung-whyo 氏が今年 6月 18日に、長白山が「2014年~ 2015年に噴火する可能性がある」と発表している。

中国の専門家(複数)は、韓国の発表を否定している。吉林省地震局の地震・火山分析・予知センターの責任者である Yang Qingfu 氏は新華社通信(Xinhua News Agency、中国の国営通信社)に対して、観測データは火山が安定した状態にあることを示しており、すぐに噴火する兆候はない、と語っている。

長白山の天池火山は、中国本土で噴火の可能性があるもっとも危険な火山の一つである。それに加えて、山頂部にたたえられている 20億立方メートルの水が噴火の際の危険性を高めている。同火山が最後に噴火したのは、1903年のことである(訳注: 日露戦争の前年)。

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2010年11月16日火曜日

大地震の後に心霊現象(?)が急増

9月 4日にニュージーランド第 2の都市・クライストチャーチを中心とした地域を襲ったカンタベリー大地震では、物的な被害は大きかったものの、人的な被害は死傷者 0、負傷者 2 という最小限にとどまりました。マグニチュード 7クラスの大地震で、震源が大都市の近くの深さ 10km という浅いところにあったにもかかわらず、犠牲者が出なかったことはニュージーランドの地震対策が効果的であったことを物語っています。

カンタベリー大地震の余震はまだ続いていますが、本震のあと、超常現象研究団体に寄せられる心霊現象の相談が急増しているそうです:

以下は記事からの摘記・テキトー訳です:
「クライストチャーチ超常現象調査隊」(Christchurch Paranormal Investigators)という団体の創設者・アントン・ヘイリック(Anton Heyrick)氏によると、カンタベリー大地震のあと、同団体に寄せられる問い合わせの電話や e-メールの数が 2倍以上に急増したとのことである。

「何かが家の中にいるといつも感じる」という類の電話による相談は地震の前からあったが、地震後はそれが急増した、とヘイリック氏は語る。ほとんどのケースは奇妙な音が聞こえるというものだが、ある男性は幽霊に襲われたと訴えている。

超常現象の増加の背景には、大地震の強い揺れがある、また、大地震によって傷んだ古い建物の数も要因となっている、とヘイリック氏は語る。

超常現象の研究者の間ではよく知られていることだが、古い建物の修理や改築があると、それまで静かにしていた霊を目覚めさせ、心霊現象が突然現れるようになる、と彼は語る。

「地震があると、建物の壁は粉々に崩れ落ち、天井や床は崩落する。それが(それまで静かにしていた霊に対して)どのような効果を及ぼすか、想像できるでしょう。」

調査隊は、無償で調査をおこなっているが、これまでに 2件の徹底調査を完了し、さらに数件の調査を予定している。

「ニュージーランド懐疑主義者」(New Zealand Skeptics)の議長であるゴールド(Gold)氏は、心霊現象の相談が増えているのは、大地震後の状況が人びとの心理に影響しているからだと考えている。

「余震の中には無感のものもあります。無感であっても、カタカタ、コトコトと音を立てることはあります。人びとの心は、(地震によって心に生じた)空白を埋めようとしますが、残念なことに、空白を埋めるために使われるのは往々にして(幽霊などの)おとぎ話なのです。」

大地震の揺れによって、建物のあちこちにゆがみが生じたり、不具合が生じたりします。そのような条件下で余震の揺れが来れば、無感地震であっても、人のいないはずの部屋でこれまで聞いたことのない音がしたりすることは十分にありうることです。「幽霊」というよけいな仮説を導入せずとも、心霊現象の通報増加は十分に説明がつくことだと思います。


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カリフォルニア沖で正体不明のロケットが上昇? (続報)

11月10日付「カリフォルニア沖で正体不明のロケットが上昇?」の続報です。以下の記事は、8日に西海岸で目撃された「ロケット」あるいは「ミサイル」と似たものが、10日に東海岸のニューヨークでも目撃・撮影された、と伝えています:

上記記事に掲載されている写真を見る限り、夕日に照らされて明るく輝いている飛行機雲と断定して差しつかえないと思います。写真が撮影された場所の周辺には、J.F.ケネディ空港を初めとする 3つの空港がひしめいています。

翌 11日にも、ニューヨークで別の飛行物体が撮影されています:
  • That cheeky 'contrail' is at it again! (写真 4葉、動画 1本あり、動画は記事の一番下にありますが、画面が現れるまでに時間がかかることがあります)

こちらは、西海岸の事例と同じく報道関係のカメラマンが撮影したものです。マンハッタンの高層ビル群の上を何かが水平に高速で移動しています。専門家は、飛行機雲が太陽光を反射して明るく見えているものだと言っています。気象条件によっては、飛行機雲はあまり長く尾を引かず、飛行機の後方ですぐに消滅するので、このように見えても不思議はないということです。

ニューヨークでは、先月 13日に複数の輝く物体が空に現れて「UFO」騒ぎが起こりましたが、その後の調査でこれらの「UFO」は近くの学校の行事で放たれた風船であることが判明しています。


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2010年11月15日月曜日

紅海南端部-アデン湾最奥部で群発地震

日本時間 11月 14日(日) 15:30 ごろから、イエメン沖=ジブチ沖(紅海の南端部=アデン湾の最奥部)を中心として地震が群発しています:

USGS の資料にもとづいて日本時間 15日(月) 10:00 現在で集計すると、地震の数は 36。すべての地震が、マグニチュード 4の後半から 5の前半で、最大は M5.4。深さは 10km 前後です (データ数が少なく深さの詳細が決定困難な浅い地震については、一律に 10km あるいは 5km とすることがあるので注意が必要ですが、浅い地震であることにかわりはありません)。

現場は、スエズ運河を通過した船舶が紅海を南下してアデン湾-アラビア海-インド洋に至る出口にあたり、紅海の幅が最も狭くなるバベル・マンデブ海峡(アルマンデブ海峡)という海上交通の要衝の直近に位置しています。

群発する地震の一部については USGS の資料に発震機構が示されていますが、横ずれ断層が主体となっています。アフリカ・プレートとアラビア・プレートの境界にある海嶺か、そこから伸びるトランスフォーム断層で地震が発生しているのだと考えられます。海底火山の噴火につながる可能性は低いと思います。


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2010年11月14日日曜日

地震につきまとわれるクリントン長官

アメリカのヒラリー・クリントン国務長官が外遊すると、その訪問先の国で地震が起きるというジンクスが続いています:

記事から摘記すると ―― クリントン氏は国務長官としては外国訪問が非常に少ない; 2009年 2月、国務長官として最初の訪問先となった日本で、睡眠中に地震で目を覚まされた; その 4ヶ月後、ホンジュラスで M5.0 の地震に遭遇; 2009年 10月、パキスタンで地震に遭遇; 2010年 2月、チリ訪問の直前に同国で M8.8 の地震発生、首都サンティアゴでの宿泊予定をキャンセルし、短時間の滞在に変更; 2010年 11月 3日、パプア・ニューギニア訪問中に M6.0; 2010年 11月 5日~6日、ニュージーランド滞在中、9月に起きたクライストチャーチ大地震(カンタベリー大地震、M7.0)の余震と見られる強い揺れで目を覚まされる。

クリントン国務長官は、10月 27日から 11月 6日にかけて、ベトナム、中国、タイ、カンボジア、マレーシア、パプア・ニューギニア、ニュージーランド、オーストラリアを訪問していますが、その移動経路を見ると、地震が多発しているインドネシアを避けているように見えます。

クリントン国務長官は、日本の横浜で現在開かれている APEC を欠席しています。過去に日本で地震に遭遇したことがトラウマになっているのでしょうか(冗)。アメリカの国務長官が APEC の首脳会議を欠席するのは 1992年以来のことだそうです。

地震にとりつかれたクリントン氏が来日しないのは、日本にとって良いことなのかも知れません。しかし、クリントン氏のジンクスが、現在日本に滞在中のオバマ大統領に乗り移っているかも知れません(冗)。G20 の行われた韓国と APEC が行われている日本を訪問する前に立ち寄ったインドネシアでは、到着後に M5.2 の地震が 2回発生しています:

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2010年11月11日木曜日

ムラピ山の噴火 ― インドネシア

10月 25日夜にスマトラ島沖で発生した M7.7 の地震(USGS資料)に引き続いて、翌 26日から噴火を始めたジャワ島のムラピ山は、その後も爆発的な噴火を繰り返し、死者の数は 200人に迫っています。死者のほとんどは高温の火山灰によるものです。『ボストン・グローブ』紙の “ザ・ビッグ・ピクチャー” が噴火や被害の様子を撮した写真を集めています:

5番の写真に写っているのは火山雷でしょうか。それとも通常の雷雲による稲妻でしょうか。

16番の写真は融けたラジカセです。降ってきた火山灰、あるいは火砕流がいかに高温であったかがわかります。

20番・21番・34番・39番の写真には、ムラピ山の山頂付近が写っています。富士山の大沢崩れのような深い亀裂が山体に入っていることがわかります。

28番の写真で運ばれているのは被災者ではなく、住民が避難した後の集落に入り込んで略奪を行った容疑者です。

インドネシアでは、すでに噴火しているシナブン山(スマトラ島北部)とムラピ山に加えて、複数の火山が活発化しており、その中には噴火の兆候を見せ始めているものもあります。以下はここ 2週間ほどの間に掲載された報道記事です:

上記の記事で活発化が伝えられている火山の筆頭は、スマトラ島とジャワ島の間のスンダ海峡にあるクラカタウ山(アナク・クラカタウ山)です。その他、Galunggung 山(ジャワ島西部)、Dempo 山(スマトラ島南東部)、Karangetang 山(北スラウェシ州サンギヘ島)、Ibu 山(北マルク州ハルマヘラ島)、Semeru 山(ジャワ島東部)などの火山が活発化しているとのことです。各火山の位置については、以下の地図を参照してください:


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2010年11月10日水曜日

カリフォルニア沖で正体不明のロケットが上昇?

11月 8日の夕方(現地時間)、カリフォルニア州南部の沖合でロケットのようなものが上昇していく様子が、偶然ヘリコプターで付近を飛行中のテレビ局スタッフによってビデオ撮影され、大騒ぎになりました:

カリフォルニア州のカジノでは、客がテレビ報道にかじりついたため、売り上げが下がったとの報道もあります。

アメリカ国防総省(ペンタゴン)は、海軍・空軍・ミサイル防衛局に問い合わせた結果、いずれの部署もそのようなミサイルの発射は関知していないとの回答を得たと発表しました。NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)も、外国の軍事ミサイルがカリフォルニア沖で打ち上げられた形跡はないと回答しています。

さまざまな憶測が飛び交っています ―― アジアに対して軍事力を見せつけるために潜水艦発射型大陸間弾道ミサイルを発射した、艦船から迎撃ミサイルを発射した、レーザーを使ったミサイル防衛の実験だ、才能あるアマチュアの仕業だ、などなど。

連邦航空局は当時のレーダー記録を再生した結果、ロケットのように高速で移動する未確認の目標は見あたらず、また異常なものを目撃したとのパイロットからの報告もない、としています。

上記記事でも指摘されていますが、ミサイルの噴煙のようなもののすぐそばに小さくヘリコプターが映っています。これが謎を解くヒントになるかも知れません。

どうやら、ミサイルの打ち上げのように見えたものの正体は、ジェット機の飛行機雲であったようです:

上の CNN の記事では、軍事専門家が明らかに飛行機雲だと断定しています。「目の錯覚で上昇しているように見えるが、実際にはカメラの方に向かって来ている。ロケットにしては雲の先端の動きがあまりに遅すぎる。夕日に照らされて長く伸び、地平線につながっているように見える」とのことです。

日本でも、日暮れ時に、夕日を反射して明るく輝く飛行機雲をたなびかせながら飛ぶジェット機を UFO と誤認するケースが多発していますが、これと同じような現象だったようです。

この軍事専門家は 「こんな単純な現象について政府内に誰も説明できる人間がいないことの方が問題だ」ともコメントしています。

2010年11月9日火曜日

カール・セーガン・デー 2010

今日、11月 9日はカール・セーガン・デーです。故セーガン博士の誕生日にちなむものですが、主な行事は参加者の都合を考えて直近の土曜日(今年は 11月 6日)に行われます。詳しいことは昨年の同じ日にこのブログに書いた 「カール・セーガン・デー」 を参照してください。

以下は、カール・セーガン・デーにちなむ記事です:

NASA のケプラー探査機(地球型太陽系外惑星を発見するための宇宙望遠鏡)のプロジェクト・チームと SETI 研究所が共同で、カール・セーガン博士にちなむエッセーを募集していましたが、その受賞作が今日発表されました:

上記のサイトに引用されているセーガン博士の言葉は印象的です。原文の雰囲気を壊しては申し訳ないので、翻訳はしません。我々が住む地球の表面を、宇宙という大海原に接する波打ち際にたとえています:
The surface of the Earth is the shore of the cosmic ocean. On this shore, we've learned most of what we know. Recently, we've waded a little way out, maybe ankle-deep, and the water seems inviting. Some part of our being knows this is where we came from. We long to return, and we can, because the cosmos is also within us. We're made of star stuff. We are a way for the cosmos to know itself.

セーガン博士の言葉は、トンデモ説や疑似科学的な主張に反駁する際にも引用されます。特に、“Extraordinary claims require extraordinary evidence.”(途方もない主張には、(それに応じた)途方もない証拠が必要である)(注1)というフレーズはしばしば目にします。以下はその例です。微妙に語彙が違っていますが、「Ctrl+F」キーを使って“Sagan”という文字列をページ内検索すると該当箇所がすぐに見つかります:

以下は、ワシントン・ポスト紙のブログに掲載された UFO関連記事です。読者が、肯定・否定などさまざまな立場のコメントを描き込んでいますが、その中にもセーガン博士の著書を読むように促すコメントがあります:

以下は、読者のコメントとその訳です:
Please read The Demon Haunted World by Carl Sagan before you go running around claiming that aliens are visiting our planet and/or the government is covering it up. I really miss scientific thinking and rational discourse in our society!

エーリアンが我々の惑星を訪れているとか、政府がその事実を隠蔽しているなどと吹聴してまわる前に、どうか、カール・セーガンの “The Demon Haunted World”(注2)をお読みになってください。科学的思考や理性的な話し合いが私たちの社会から失われていることが残念です。

(注1) このフレーズはセーガン博士の完全オリジナルというわけではありません。ウィキペディアの “Marcello Truzzi” についての解説によると、18世紀の哲学者デイヴィッド・ヒュームや数学者ピエール=シモン・ラプラスにまで遡るようです:
  • Sagan: Extraordinary claims require extraordinary evidence.
  • Truzzi: Extraordinary claims require extraordinary proof.
  • Laplace: The weight of evidence for an extraordinary claim must be proportioned to its strangeness.
  • Hume: A wise man, therefore, proportions his belief to the evidence.

(注2) 邦訳は、『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』(新潮社)、『悪霊にさいなまれる世界 ― 「知の闇を照らす灯」としての科学』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 。


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2010年11月8日月曜日

ナイジェリアで火山噴火

11月 5日、アフリカのナイジェリアで火山噴火がありました:

噴火があったのは隣国カメルーンとの国境地帯にあるベヌエ州(Benue、ナイジェリアの州)。大きな震動とともに山の 6地点から噴火、溶岩が流出し逃げ遅れた少年 1人が死亡、多数の住民が着の身着のままで避難を余儀なくされているとのことです。

記事には噴火をおこした山の名前が書かれていません。USGS の火山地図で見る限り、ナイジェリア領内に火山の記載はありません。隣国カメルーンには、ベヌエ州やタラバ州(ナイジェリアの州)に近接してオク火山群(Oku Volcanic Field地図)があります。この火山群のナイジェリア側が噴火したということではないかと思います。

一方、John Seach という火山学者のウェブサイトには、ナイジェリアの火山としてビウ火山(Biu Volcano)が記載されています。しかし、その位置はナイジェリア北東部(10.75 N、12.00 E)であり、さらに最後の噴火が 84万年前と推定されているので、今回の噴火とは関係がなさそうです。

オク火山群には、有名なニオス湖があります。1986年 8月、この湖の底で何らかの爆発がおき、湖底に蓄積されていた 160万トンの二酸化炭素ガスの雲が山体斜面を急速に流下、湖から 20km 圏内にいた約 1,800人と家畜 3,500頭が窒息死しました。現在、このニオス湖の湖水を堰きとめている火山岩の天然ダムが決壊間近であるとの懸念が高まっています:

記事によると、ニオス湖の決壊によってナイジェリア領内に 1億 3200万立方メートルを超える水が流出、タラバ州を初めとするナイジェリアの 36州に被害が及ぶと見積もられています。


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2010年11月5日金曜日

エポキシ探査機がハートレイ第 2彗星に接近

11月 4日、NASA の彗星探査機エポキシが 103P/ハートレイ第 2周期彗星から約 700km のところを通過しました:

上の動画には、ハートレイ第 2彗星が自転しながら周囲に物質をまき散らしている様子が捉えられています。太陽に面した側で明るく輝く雲のようなものが発生し、それが自転にともなって反対側に回り込んでいます。

エポキシ探査機がハートレイ第 2彗星に最接近したおりに撮影した画像が以下にあります。まるで異形の宇宙船です。撮影順にしたがって左上から時計回りに画像が配列されています:

さらにアップの画像が以下にあります。中解像度の観測装置を使用したとのことで、あまり解像度がよくありませんが、ガスの噴出が彗星表面のどこで起きているかがはっきりわかります。太陽に面した側、夜の側、そして明暗境界線上からジェットが噴き出ています:

同じ彗星を地上のレーダーを使って観測した画像が以下にあります。エポキシ探査機が撮影した画像と比べてみてください:

ディープ・インパクトという彗星探査機を憶えている方も多いと思います。2005年 7月にテンペル第 1彗星に銅とアルミニウムからなる 重さ 370kg のインパクター(衝突体)を打ち込み、彗星の成分や内部構造を調査した探査機です。ディープ・インパクトは、テンペル第 1彗星の調査を終えた後も燃料などに余裕があったため、新たに 2つのミッションに転用されることになりました。それがエポキシです。エポキシ(EPOXI)は、新しい彗星(つまりハートレイ第 2彗星)を探査する「DIXI(Deep Impact Extended Investigation)」と、太陽系外惑星の観測を行う「EPOCh(Extrasolar Planet Observation and Characterization)」という 2つのミッション名を合成したものです。

今回エポキシが接近したハートレイ第 2彗星は、ディープ・インパクトの時に接近したテンペル第 1彗星の 100分の 1ほどの大きさで、長径 2.2km、質量 2億 8千万トン、公転周期は 6.46年、自転周期は 18時間ほどです。

NASA では、2つの異なる彗星をまったく同じ観測機器で接近調査し比較することは非常に有意義である、としています。


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