2012年3月27日火曜日

2つの小惑星が地球とニアミス


日本時間の3月26日から27日にかけて、2つの発見されたばかりの小惑星が、相次いで月の軌道の内側に入り込んできました:

1つ目の小惑星は〝2012 FP35〟で、直径9m弱(観光バスのサイズ)。日本時間26日午後2時51分に、地球から15万4000kmのところを秒速約14km(時速約5万1000km)で通過していきました。

2つ目の小惑星は〝2012 FS35〟で、直径約3m(小型車サイズ)。日本時間27日午前2時9分に、地球から5万8000kmのところを秒速約5km(時速約1万7000km)で通過していきました。

〝2012 FP35〟や〝2012 FS35〟は、新たに発見された小惑星に暫定的に付与される仮符合です。この命名法については以下を参照してください:

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2012年3月22日木曜日

サントリーニ島で前例のない地殻変動 ― ギリシャ


昨年あたりから地震が多発しているサントリーニ島地図)ですが、同島に設置されているGPS観測網が前例のない地殻変動を捉えたと、米国・ジョージア工科大学の研究チームが発表しています:

記事をまとめると以下の通りです:
サントリーニ・カルデラでは、1950年の噴火以降、数十年間にわたってほとんど変化がなかったが、2011年1月から地震が続発するようになり、地殻変動が始まった。島の北部が水平に5cmから9cm移動した。2011年1月以降、マグマ溜まりは1400万立方メートル膨張した。これはマグマ溜まりに十分なマグマが供給されたことを示している(山体の膨張を示すGIF動画)。 
観測された変動がただちに噴火に結びつくかはわからない。他の類似したカルデラで同様の規模の変動が観測されたケースでも、噴火がおきなかったことがある。 
カルデラが海面下で噴火を始めると非常に危険な事態になる。局地的な津波が発生し、観光クルーズ船などカルデラ内を航行する船舶に危険をもたらす。地震によって建造物が損傷し、崖では地滑りが発生する(サントリーニ島は断崖絶壁で有名)。5月から10月にかけての夏の期間には、毎日5万人を超える観光客が島を訪れ、5隻ものクルーズ船が火口の上に浮かぶ。 
サントリーニ島は、人類史上最大級の火山活動が起きた現場である。紀元前1650年ごろに起きたミノア期の噴火は、大港湾都市アクロティリ(Akrotiri)を20メートルの火山灰で埋め尽くし、同島の有名な断崖絶壁を形成した。しかし、そのような大規模な噴火は10万年に1度ほどしか起きないし、現在観測されているマグマ溜まりの膨張はミノア期の大噴火当時の1%未満であるので、今回は噴火したとしてもミノア期のように大規模ではないだろう。

サントリーニ島は紀元前1650年ごろに大規模な噴火をおこして現在見られるカルデラを形成しました。このときの噴火によってエーゲ海で栄えていたミノア文明は大きな影響を受け、さらにはアトランティス伝説に大きな影響を与えたと考えられています。

アイスランドではエイヤフィヤトラヨークトルやグリムスボトン、イタリアではエトナ、ギリシャではこのサントリーニ。財政破綻したりそれに近い状態に陥った国で火山が噴火しているように思えます。日本では富士山が噴火するのでしょうか。


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2012年3月21日水曜日

マッコウクジラ 4頭漂着 ― 中国・江蘇省


3月17日、中国・江蘇省塩城市浜海県(地図)の海岸に4頭のマッコウクジラが打ち上げられました。打ち上げられたときにはまだ生きていたもようです。「中国沿岸で打ち上げられたクジラが大量に見つかったのは1985年に続く2度目」:

その後の展開は、アメリカ、ニュージーランド、ブラジルなどで発生したクジラやイルカの座礁事件とはまったく異なっていました。「やはり中国」というべきか、「さすが中国」というべきか ・・・:

知り合いから聞いた話を思い出しました。見知らぬものを見かけたとき、欧米人や日本人はまず初めに「これは動物だろうか、植物だろうか、鉱物だろうか」と思案するのに対して、中国人は「これは食えるものだろうか」と考えるとか。


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水源の伏流水が濁る ― 兵庫県新温泉町


兵庫県美方郡新温泉町(地図)で、3月17日ごろから簡易水道の水源である伏流水が濁り、飲用停止措置がとられています。「山から引いてきた伏流水を殺菌して配水していますが、水源の水自体が濁っていた」、「濁りの原因は特定できていない」とのことです:

地図を見るとわかりますが、新温泉町は、クジラの漂着や深海魚の漂着が相次いでいる隠岐の島-島根県-鳥取県に隣接する場所にあります:

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深海魚・ソコメダマウオ捕獲 ― 北海道函館市


3月18日、函館市(地図)沖でソコメダマウオが捕獲されました。ソコメダマウオはベーリング海など北太平洋の深海に生息する魚。「国内では1990年に釧路沖で見つかった報告例があるだけで『非常に珍しい』。道南にいた理由はよく分かっていない」:

以下の情報を勘案すると、北海道の太平洋側で何かが ・・・ かも知れません:

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金星と木星が接近


3月15日、金星と木星が地球から見て約3度の距離まで接近しました。このような惑星どうしの接近は写真に撮ってもあまりおもしろい作品にはなりませんが、以下の写真はなかなか雰囲気のあるものに仕上がっています。まるでSF映画のラストシーンのようです。向かって右の手に輝いているのが金星、左の手の下にぶら下がっているように見えるのが木星です:

以下のページには、今回の金星と木星の接近を捉えた写真や動画が集められています:

金星と木星は徐々に離れていきますが、今後しばらくの間、夕方の西空に輝いています。明るい方が金星(-4.3等級)、それに比べるとやや暗く見えるのが木星(-2.1等級)です。


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2012年3月20日火曜日

オーケストラ版 緊急地震速報


緊急地震速報のチャイムの旋律をベースにした管弦楽曲。ストレスフルな人は聴かない方が良いかも:

3月22日に大地震が起こる?


以下のブログ記事、3月22日に大地震が起きると警告しています。記事の末尾には〝Spread it to everyone you can〟(拡散希望)と書かれています。「拡散希望」云々と書かれた情報には怪しいものが多いということは、東日本大震災や原発事故のときにいやというほど見せつけられた現実ですが、この記事はどうでしょうか。記事中には陰謀説、地軸のずれ、プラネット X、惑星ニビルなどの言葉が散在しており、胡散臭さ120%です:

上記記事が3月22日に大地震が起こるとする根拠は、過去2年間に発生した4つの大地震が188日間隔で起きていることです。記事は次の4つの地震が188日間隔で発生したとしています (リンク先は当該地震のUSGS資料です。マグニチュード等が記事と異なっているケースがあります):
  1. 2010年2月27日 チリ M8.8
  2. 2010年9月4日 ニュージーランド M7.1
  3. 2011年3月11日 日本 M9.0
  4. 2011年9月15日 フィジー M7.3

実際に日数を計算してみると、(1)と(2)の間が189日、(2)と(3)の間が188日、(3)と(4)の間が188日、(4)から3月22日が189日で、188日間隔と189日間隔が混在しています。それに、現地時間の日付とUTC(協定世界時)の日付が一致していないケースで、(2)では現地時間、(4)ではUTCの日付を採用しており、首尾一貫していません。

やはりこの程度か ・・・ と思ったのですが、試しにUTCで時刻まで含めて発震間隔を計算してみると:
  1. 2010-02-27 06:34
  2. 2010-09-03 16:35
  3. 2011-03-11 05:46
  4. 2011-09-15 19:31

(1)と(2)の間が188日10時間01分、(2)と(3)の間が188日13時間11分、(3)と(4)の間が188日13時間45分となり、おおよそ188.5日でそろっています。そして、(4)から188.5日後は、日本時間で3月22日の夕方になります。

3月22日の夕方ごろ、世界のどこかで大きな地震が発生したとしても、それは偶然と解釈すべきでしょう。いくつもある大地震の中から適当に4つを選び出して、その発生間隔がそろっていたからといっても、それは単なる数字遊びの結果であって、現実の自然の過程を反映しているとは考えられません。


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2012年3月18日日曜日

またクジラ漂着 ― 鳥取県鳥取市


3月17日、鳥取市青谷町夏泊(地図)の海岸に体長約5mのクジラが打ち上げられているのが見つかりました。ハクジラの一種とみられています。見つかったときには生きていましたが、その後死亡が確認されました:

鳥取県では、今月12日にも境港市の海岸でクジラが打ち上げられていました。連続してクジラが打ち上げられるのは珍しいとのこと。また、今回クジラが漂着した場所の沖にある隠岐の島では深海魚の漂着が相次ぐなど、鳥取県や島根県周辺ではさまざまな現象が続いています:

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キンモクセイが大震災を予知していた?


植物生体電位による地震予知を紹介する記事です。「八街(地図)のデータでは昨年1月下旬~同2月上旬にかけて、樹木の発電量が大きく変化し、平常時で1日約20ミリボルトが150~200ミリボルトまで急増した」:

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2012年3月17日土曜日

伊勢湾に迷いコククジラ ― 愛知県田原市


3月12日、愛知県田原市(地図)沖の伊勢湾に、コククジラとみられるクジラが迷い込んでいるのが見つかりました。「コククジラとすれば、伊勢湾内での確認は1982年3月の三重県鳥羽市で以来2例目」:

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地下水位が著しい低下 ― 長野県大町市


長野県大町市の施設(地図)で使っている地下水で謎の水位低下が起きています。「4年前に突然始まり、しかもこの季節前後だけに起きる」、「極端な水位低下が始まったのは2008年」、「07年の能登半島地震か、周辺で地下水を使う工場の影響か。よく分からない」:

長野県大町市は糸魚川静岡構造線沿いにあります。


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2012年3月16日金曜日

1ヵ月以内にM7級地震の予測 ― ロシア極東 (続報)


2月14日付「1ヵ月以内にM7級地震の予測 ― ロシア極東」の続報です。

3月13日、ロシアのカムチャツカ地方政府は、カムチャツカ半島南部から千島列島にかけての地域で最大M7級の地震が発生する可能性があるとの予測にもとづいて先月からとっていた警戒態勢を解除したとのことです:

結局、M7級の地震は起きなかったわけですが、この1ヵ月ほどの間、カムチャツカ半島周辺では地震や火山活動がかなり活発でした:

ベジィミャンニイ火山の位置は地図を参照してください。「南クリル」は日本の北方領土のうち択捉島を除く地域(ロシア・サハリン州の南クリル管区)のことです。

昨年末には以下のような予測も発表されました。おそらく、昨年3月11日の東北地方太平洋沖地震の影響を考慮したものだと思われます:

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2012年3月15日木曜日

刺し網漁の水揚げ激減 ― 北海道釧路市


北海道釧路市(地図)の沿岸で刺し網漁による漁獲が激減しているとのことです。「地域によっては水揚げ量が半減しているところもあり、近年にない漁獲不振」:

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月柱現象は千葉県東方沖地震の前兆だった? ― 茨城県水戸市


3月14日未明、茨城県水戸市(地図)で、月の光が上下方向に伸びて見える月柱(moon pillar、参考参考)現象が見られました。「上空の氷の結晶でできる薄い雲に、月の光が反射したためとみられ、天気が崩れる前兆という俗説もある」とのこと:

月柱は気象現象ですが、1995年1月17日に起きた兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の前日にも目撃/撮影されています。『阪神淡路大震災 前兆証言 1519!』(弘原海清、東京出版、1995)から証言を引用します:
地震の前日、午後5時45分過ぎに見た月が周りに光がなく、縦の上下にだけ光が出ていたそうです。見たのは中1の娘と私の友達です。(中略)その光がどのぐらいの時間だったのかはわかりません。その夜の8時頃は普通の月で雲もかかっていたそうです。(八尾市・主婦) 
1月16日の18時頃、たまたま月を見たんですがとっても変な光り方をしていました。満月ですが、とってもぼやけて白っぽく光っていました。そして上下に引っ張られたような光り方をしていました。最初それが月だとは思えないぐらいでした。とっても気持ち悪かったです。(大阪市住之江区・女)

14日の午後9時5分に千葉県東方沖でM6.1、最大震度5強の地震(気象庁発表)がありましたが、関係があったのでしょうか。記事に掲載されている写真は午前1時に撮影されたものですから、月齢を考えると東の地平線から昇ってそれほど時間がたっていない状態です。M6.1の震央は水戸市から見て南東方向になります。


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大音響と振動 ― 山口県萩市


3月14日午後7時40分ごろ、山口県萩市(地図)一帯で轟音と振動があり、気象台に問い合わせが相次ぎました。「震度計に反応がないことから何らかの空気振動と推測される」、「目立った気象の変化は観測されていない」とのことです:

四国や中国地方の山間部では、米軍機の低空飛行による轟音や振動がたびたび報じられていますので、その関連かも知れません。


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2012年3月14日水曜日

クジラの死骸漂着 ― 鳥取県境港市


3月12日、鳥取県境港市(地図)の海岸にクジラの死骸が漂着しているのが見つかりました。「鳥取県の海岸にクジラが漂着するのは平成18年5月に琴浦町(地図)で発見されて以来で、日本海側でクジラが見つかるのは珍しい」:

今回クジラが漂着した場所の対岸にあたる隠岐の島では深海魚の漂着が相次ぐなど、鳥取県周辺ではさまざまな現象が起きています:

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2012年3月12日月曜日

シカが屋根に上る ― 北海道稚内市


3月11日、北海道稚内市(地図)の住宅街で、約10頭のシカが車庫の屋根に上りました。「シカはしばらく車庫にいて姿を消した」とのこと:

先月、石川県でも類似の現象が起きています:

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2012年3月11日日曜日

貞観地震 (その1)


(この記事の原稿は昨年3月12日に書き始めたものですが、私の急な入院などもあってそのままになっていました。一部を修正・加筆して掲載します。)

昨年3月11日の東北地方太平洋沖地震は 1000年に一度の大地震、あるいは貞観地震の再来と言われています。この貞観地震とはどのような地震だったのでしょうか。『理科年表』(国立天文台編、丸善)には以下のような記述があります:
869年 7月 13日 (貞観 11年 5月 26日) M8.3
三陸沿岸: 城郭・倉庫・門櫓・垣壁など崩れ落ち倒潰するもの無数。津波が多賀城下を襲い、溺死約1千。流光昼のごとく隠映すという。三陸沖の巨大地震とみられる。

貞観地震は今から 1100年以上前の平安時代前期、清和天皇の治世に東北地方で起きた大地震です。上に引用した『理科年表』の記述は、六国史(『日本書紀』に始まる 6つの官撰史書)の 6番目 『日本三代実録』 にある以下の記録によるものです:
廿六日癸未,陸奧國地大震動、流光如晝隱映。頃之、人民呌呼、伏不能起。或屋仆壓死、或地裂埋殪。馬牛駭奔、或相昇踏。城埻倉庫、門櫓墻壁、頹落顛覆、不知其數。海口哮吼、聲似雷霆、驚濤涌潮、泝洄漲長。忽至城下、去海數十百里、浩浩不辨其涯涘。原野道路、惣為滄溟、乘船不遑、登山難及、溺死者千許。資產苗稼、殆無孑遺焉。

日本三代實錄卷十六 清和紀十六』より引用

この記録を現代語訳してみました。漢文はそれほど勉強したわけではないので誤訳があるかも知れませんが、大筋は間違っていないと思います:
二十六日癸未(みずのとひつじ)、陸奧國の地が大いに震動し、流れ走る光が昼間のように明るく、影が映るほどであった。この時、人民は叫び、伏せたまま起きあがることができなかった。或いは家屋が倒れて圧死し、或いは地が裂けて埋まり死んだ。馬や牛は驚いて走り、或いは重なり合い踏みつけ合った。城郭や倉庫、門や櫓(やぐら)や墻壁(石・煉瓦・土などで築いた塀)が崩れ落ちたり倒壊したりし、その数は数えきれないほどであった。海では猛獣の吠え叫ぶような音がし、その音は雷霆(激しい雷)のようで、驚くほどの大波とわき上がる潮がどんどん溯ってきて、その勢いはすさまじかった。たちまち多賀城下まで到達し、海から数十百里、広範囲を覆いその果てがどこなのかわからないほどであった。原野や道路がたちまち広い海となり、船に乗るいとまもなく、山に登って避難することもできず、約千人が溺れ死んだ。財産や苗や収穫は、ほとんど残らなかった。

後半の津波の描写は、東日本大震災と瓜二つといってもよいほど似ています。

「溺死者千許」(溺死スル者千バカリ)は、東日本大震災の津波被害に比べると少なすぎるように思います。理由はいくつか考えられます ―― (1)当時の東北地方の人口密度が低かった、(2)まだ被害の全容が把握できていない段階での陸奥国府からの報告をもとにした記述かも知れない、(3)津波で戸籍が失われたり、集落全員が犠牲になるなどしたため、死者の集計ができなかった、(4)津波被害が大きかったと考えられる三陸海岸一帯は蝦夷の居住地で、被害の調査がおこなわれなかった  ―― などなど。


(続く)

朝鮮半島で5年以内にM6以上?


朝鮮半島でM6以上の地震と津波が5年以内に起きる可能性が高いという研究結果が発表され、南東部の蔚山(ウルサン、地図)近海が注目されているとのことです:

「蔚山近海」は日本の対馬近海でもあります。

下の図は2000年1月1日以降に発生した地震の震央を示したものです。対馬の南西から北東に地震多発帯が伸びていることがわかります。このうち、対馬の北東沖の部分は蔚山近海といってよい場所です。

震央分布 2000年1月1日~2012年3月9日 (クリックで拡大)
気象庁一元化地震カタログ、TSEIS web version 0.1 を使用

考えすぎとは思いますが、先日の隠岐の島でのサケガシラや大量のキュウリエソの漂着も、対馬海流の流れを考えるとひょっとしたら何か関係があるかも知れません:

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2012年3月9日金曜日

学校に鵜が迷い込む ― 兵庫県洲本市


3月7日、淡路島の小学校(地図)に1羽の鵜が迷い込みました。「幼鳥なので、カワウかウミウか見分けがつかない。ペットで飼われるものではないはず」(鳥獣保護員):

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ツングースカ級小惑星が地球接近 (続報-2)


3月7日付「ツングースカ級小惑星が地球接近 (続報)」の続報です。

小惑星〝2012 DA14〟が地球に接近するときの様子を描いた動画があるので紹介します。3月5日の時点で判明している軌道データにもとづいています。12秒目以降の画面で地球の周りに描かれている複数の点と緑色の文字は静止衛星を表しています。52秒目以降の画面では、今回の接近の際に〝2012 DA14〟の軌道が地球の重力によって大きく変化することがわかります:

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イルカが集団座礁 ― ブラジル


3月5日の朝(現地時間)、ブラジルのリオデジャネイロ近郊にあるアハイアウ・ド・カボ(Arraial do Cabo、地図)の砂浜に約30頭のイルカの群れが乗り上げましたが、海岸にいた人たちによって海にもどされました。以下の記事に掲載されている動画には、沖にいたイルカの群れが砂浜に乗り上げ始める様子が写っており、イルカの集団座礁がなぜ起きるのかを解明する上で貴重な資料だと思います:

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2012年3月8日木曜日

富士山3合目付近で湯気 ― 気象庁 (続報-2)


2月18日付「富士山3合目付近で湯気 ― 気象庁」および2月29日付「富士山3合目付近で湯気 ― 気象庁 (続報)」の続報です。

富士山の湯気について、気象庁が3月8日付で発表した「全国月間火山概況(平成24年2月)」(PDF形式)に今までより具体的な情報が載っています:
10日、富士山北西麓の3合目付近(標高1760m付近)で湯気が出ているとの通報を受けて、11日、16~17日及び27日に現地調査を実施しました。その結果、各調査日とも道路の切り通し面の岩の隙間(複数箇所)からごく弱い湯気が出ているのを確認しました。湯気の温度は最高でも+10℃程度でした(外気温は-10℃~0℃)。噴気音や硫黄臭は確認されませんでした。

この「全国月間火山概況(平成24年2月)」で気になるのは以下の記述です:
萩原(富士山山頂の東南東18km)に設置してある遠望カメラでは、悪天候のため不明の期間がありますが、その他の期間は、山頂部に噴気は認められませんでした。

これまでの「月間火山概況」では、富士山山頂部の噴気の有無については言及がなかったと思います。3合目の湯気の件があるので、「噴火の兆候はない」という建前はあるものの、気象庁も注視し始めたということでしょうか。

以下の資料には湯気が出ている現場の写真、赤外線映像、温度変化のグラフなどが掲載されています。3ページと4ページにある図5、表1、図6を参照してください:

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深海のサメ「ラブカ」を捕獲 ― 静岡県沼津市


3月8日、静岡県沼津市(地図)の沖で深海魚のラブカが生きたまま捕獲されました。体長は1.3m。「ラブカは水深500メートルから1000メートルの深海に生息するとみられています」が、「水深およそ300メートルで網にかかった」とのことです:

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2012年3月7日水曜日

X-37B 2号機 打ち上げから1年経過


3月5日、アメリカ空軍のロボット・スペース・プレーン〝X-37B〟の2号機が打ち上げから1年を軌道上で迎えました。〝X-37B〟は軌道上に最大9ヵ月(270日)間とどまれるよう設計されていると発表されていますが、すでにその限界を大幅に超えています。空軍の広報担当者によれば、〝X-37B〟の状態は良好で、飛行実験の成果を最大限に引き出すため、いつ地球に帰還させるかは決定していないとのことです:

空軍は〝X-37B〟の目的について依然として明らかにしていません。〝X-37B〟の飛行を追跡している一般の観測者によれば、同機は31周(2日弱)ごとに同じ地点の上空に戻ってくる軌道をとっており、これはアメリカの偵察衛星が使う軌道と同じ。しかし、これだけで〝X-37B〟の任務が地上の偵察であるとは断言できないとのこと。

今年の秋には〝X-37B〟の3回目の打ち上げ予定されており、2010年に225日間の飛行をおこなった初号機が再利用されることになっています。

〝X-37B〟はボーイング社のファントム・ワークスが開発・製造を担当しています。


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ツングースカ級小惑星が地球接近 (続報)


2月27日付「ツングースカ級小惑星が地球接近」の続報です。

NASAの〝Near Earth Object Program〟のサイトが、小惑星〝2012 DA14〟が地球に接近する際の軌道図を掲載しています(軌道図はクリックで拡大):

最接近は協定世界時で2013年2月15日19時26分(日本時間16日午前4時26分)で、地表からの距離は地球の半径の3.2倍(約20400km、地球の中心からだと約26900km)。これは赤道上空35800 kmに浮かぶ気象衛星や放送衛星などの静止衛星の軌道よりも内側を〝2012 DA14〟が通過していくことを意味しています(軌道図で〝Geosynchronous Ring〟と書かれているのが静止衛星の軌道です)。

地表から見ると、〝2012 DA14〟は天球上を南から北に向かって高速で移動していきますが、最接近時でも明るさは7等級前後で肉眼では見ることが困難です。最接近の4分後には地球の影に入り、18分間ほどは影から出てこないと予測されています。


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火山活動が終息 ― カナリア諸島


カナリア諸島エル・イエロ島(地図)の南沖で昨年10月から続いていた火山活動が終息した、と地元の防災当局が3月6日に宣言しました。これに伴って、島の南端部にあるラ・レスティンガ村に出されていた警報はレッドからイエローに下げられました:

海底火山の周辺ではまだ地震が観測されているものの、海面に気泡や浮遊物は見られないとのこと。最新の測量では、海底火山の頂上は海面下約88mの高さまで成長していますが、海面上に姿を現すことなく活動を終えてしまったようです。この海底火山の噴火に先立って昨年7月から始まったエル・イエロ島の群発地震は、これまでに11000回に達したとのことです。


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2012年3月6日火曜日

科学的裏づけ無くても情報収集 ― 高知県


高知県知事が県議会で「過去の大地震の前触れとして起きたとされる異常な自然現象などについて、地震予知の観点からアプローチすることも重要」と表明。「研究者や地域住民にこれまでの異常現象に関する聞き取り調査を行うと共に、県のホームページ上で実際に起きている異常現象などを随時報告してもらってそれを県民が共有できるようなシステムを作っていく」:

異常現象の情報を共有するシステムを作るのは結構なことですが、情報の採用基準を明確にして管理をきちんとしないと、頭痛や耳鳴り、体感といった客観性の乏しい報告や、電卓の誤表示などトンデモ系の書き込みによって重要な情報が埋没してしまうことになりかねません。システムの管理者は割れ窓理論や「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉を肝に銘じる必要があると思います。


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2012年3月3日土曜日

全国で頻発 地下水異常


琵琶湖で湖底堆積物が吹き上げられる現象が徐々に激しさを増していることについてはこのブログでもたびたび取り上げてきましたが、それ以外にも各地で異変が起きています。以下は『日刊ゲンダイ』の記事です:

琵琶湖以外の最近の異変を記事から抜き書きすると次の通りです:
  • 兵庫県川辺郡猪名川町(地図) ―  2009年以降、 地下水温が年間1000分の9.4度の割合で上昇
  • 兵庫県西宮市武田尾温泉(地図) ― 2002年中ごろから水温が年間100分の31度の割合で低下
  • 潮岬(地図) ― 水位が最近2年で1mほど上昇
  • 南紀一帯 ― 地下水温に乱れ
  • 静岡県焼津市(地図) ― 水温が上昇し続け、湧き水の量も増加

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2月15日前後に北海道太平洋側で巨大地震? (続報)


2月10日付「2月15日前後に北海道太平洋側で巨大地震?」の続報です。

昨年末から、GPSによる地殻変動データに、道東から道南にかけての広い範囲で東方偏移加速が同期して現れたことにもとづいて、北海道の太平洋側でM9以上の規模の地震が2月15日前後までに発生するとされていた「予測」のその後について、『北海民友新聞』が3月3日付で伝えています。

「異常は2月4日をピークに収束し、2月11日にかけて平常に近いレベルまで落ち着いた」、「異常が観測されながら大地震が無かったのは東日本大震災の4ヵ月前に1度あったのみ」なので「その後の変動に警戒が必要」とのことです:

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2012年3月2日金曜日

イランが地震予知衛星を計画


地震の前後に地上から放出される電磁波を捉えて地震予知をめざす人工衛星の打ち上げを、イランが計画しています:

以下は記事の要約です:
人工衛星は Ayat (「前兆」の意)と名付けられ、地震の発生時刻を予知する。同国としては最初の試み。 
この衛星は、地震の前や後に地球から放出される信号を識別する。衛星の重量は50~70kgで、低軌道に投入される。 
フランス、中国、ロシアはこの分野での研究を進めている。Ayat 衛星は、地震擾乱(seismic disturbances)を処理する上で重要な役割を果たす。 
イランの領土はいくつかの巨大断層帯にまたがっているので地震が多発し、多くの被害が出ている。 
近年に起きた最悪の地震は、2003年12月に南東部のケルマン州で発生したバム地震である。バム市の人口の4分の1にあたる3万1千人が死亡した。 
最も死者の多かった地震は1990年7月に発生したマグニチュード7.7の地震で、北西部のギーラーン州とザンジャーン州で3万7千人の死者と10万人の負傷者が出た。この地震では、27の町と1870の村が破壊された。 
首都テヘランは2つの巨大断層にまたがっており、1400万人の住民は大地震の恐怖におびえながら暮らしている。

人工衛星や国際宇宙ステーションから電離層の変化などを観測して地震予知につなげる研究では、フランスやロシアが先行しており、すでに具体的な成果を上げています。日本では、予算配分の硬直化などで、正面切って「地震予知」を看板にした衛星打ち上げは予算獲得が困難なようです。

イランの首都テヘラン(地図)では直下型の巨大地震が起きる可能性が指摘されており、数年前から首都移転計画がスタートしています。密集地域に住む市民の強制移住が始まっていると伝えられたこともあります。詳しくはこのブログの2009年11月2日付「イランが首都移転計画をスタート」を参照してください。

同じく直下型の大地震が懸念される東京では、首都機能の一部を他の都市に移転することすら進展が見られません。


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2012年3月1日木曜日

2040年のアルマゲドン (その2)


2月29日付「2040年のアルマゲドン (その1)」からの続きです。

この件についてNASAはどのように言っているのでしょうか。以下はNASA・JPL(ジェット推進研究所)が掲載している記事です(2つの記事の内容は同一で、URLが異なっているだけです):

以下は記事からの抜粋・テキトー訳です:
28年後に地球に衝突する軌道に乗っているという極めて可能性の低いシナリオのために、〝2011 AG5〟という小惑星が最近注目を集めています。現時点では10段階のトリノスケールで〝1〟にランクされている、このとりたてて特徴のない宇宙の岩塊について、科学的観点から真偽を確認してみましょう。 
小惑星〝2011 AG5〟は、2012年2月26日の時点で8744個見つかっている地球接近天体の一つに過ぎません。その直径はおおよそ140m。その軌道は、太陽から遠いところで火星の軌道の外側、近いところでは地球と金星の軌道の中間を通っています。この小惑星を発見したのは、アリゾナ州ツーソンの北に位置するカタリナ山地(地図)のレモン山山頂にある口径60インチのカセグレン式反射望遠鏡を使った天文学者たちで、2011年1月8日のことでした。 
現在、〝2011 AG5〟は昼間の空に位置しているため、地上の望遠鏡では観測できません [訳注: 夏の星座を冬に見ることができないのと同じ理由]。そのため、科学者たちは数十年先のその小惑星の位置を信頼できるレベルで決定できずにいます。しかし、観測可能になる日はやって来ます。 
NASAの地球接近天体プログラム・オフィス(カリフォルニア州パサディナ、ジェット推進研究所)のマネージャーであるドン・ヨーマンズは次のように語っています ―― 「2013年9月になると、〝2011 AG5〟は地球から1億4700万kmまで近づき、追加の観測ができる機会がやって来ます」、「その時期になれば、この宇宙の岩塊を観測し、その軌道をさらに精密に求めることができます。このサイズの地球接近小惑星が地球に衝突する可能性はきわめて低いので、この時期の観測によって〝2011 AG5〟が予見可能な将来に地球に衝突する確率を大幅に低くするか、衝突の可能性を完全に除外することができると考えています。」 
次に〝2011 AG5〟が地球に近づくのは2023年2月です。そのときの地球との距離が190万kmを下回ることはありません。その次は2028年ですが、このときの距離は2060万kmを下回りません。地球接近天体プログラム・オフィスは次のように公式に発表しています ―― これらの地球接近の際に〝2011 AG5〟が地球の重力の影響を受けて2040年2月5日に地球に衝突するコースに載る可能性があるが、それが起こる確率は非常に低く、625分の1である。 
「繰り返しになりますが、来年おこなわれる追加の観測によって衝突の確率は変わるという点に留意してください。私たちはそれが地球にとって良い方向に変わると考えています」とヨーマンズは語っています。

昨年のエレーニン(エレニン)彗星のときと同じように、フィア・モンガーやドゥーム・セイヤーの人たちが、この小惑星に関する報道に尾ひれをつけて騒ぎ立てるかも知れません。でも、そのような人たちの言を信ずるならば、マヤのカレンダーの終了にともなって2012年12月に人類は滅亡しているはずですから、2040年に小惑星が落ちてきたところで人類にとっては痛くもかゆくもありません(笑)。


(完)


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