2009年1月2日金曜日

イエローストーンの群発地震(続報)

イエローストーン火山観測所(YVO)が1月1日づけでレポートを発表しています:
内容を以下にまとめてみました:
火山警戒レベル: 平常
航空カラー・コード: グリーン

地震についての概括

イエローストーンの地震活動は2008年12月に顕著に増加した。これは、12月26日に始まった活発な群発地震活動によるものである。この群発地震は、イエローストーン国立公園内にあるイエローストーン湖北部の地下でおきている。このレポート執筆時点までで、最大の地震は12月27日午後10時15分に発生したM3.9である(時刻はアメリカ山岳部標準時間、以下同じ)。12月31日午後5時までにM3.0~3.9の地震が12回、M2.5~2.9の地震が約20回、M1以上で震源を特定可能な地震が少なくとも400回発生している。

群発地震の震央は、南北方向にのびた長さ約7kmの帯状の地域に集中している。ほとんどの震源の深さは5kmより浅い。原因となる断層の特定は現時点では不可能。

今回の群発地震は、ここ数年内にこの地域で発生したものとしては、もっとも強力なものである。被害の報告はない。イエローストーンでは、類似の群発地震がこれまでにも発生しているが、水蒸気爆発や火山活動に結びついてはいない。今回の群発地震については、今後、熱水爆発(hydrothermal explosions)、地震活動の継続、地震規模の増大などの潜在的可能性があるが、火山活動の可能性はそれらに比べると非常に低い。

地盤変動についての概括

2008年12月までのGPSデータによる連続観測では、イエローストーン・カルデラの多くの場所は隆起を続けている。しかし、ここ数年と比べると隆起の速さは低下している。過去53ヶ月間で最大の隆起は、ホワイト・レーク観測点で記録された23cmである(観測データのグラフ)。