2009年12月1日火曜日

イルカの群出現と地震

今日の産経新聞の記事です:
こういう記事の掲載があると、過去をふり返って宏観異常と地震の関係を考えるきっかけになるので、ありがたいと思います。

で、このイルカの群が出現したあと、対応するような地震はあったのでしょうか。被害地震に限っていえば、「ノー」です。

しいて上げるならば、約半年後の 2000年 6月 26日夕刻から始まった三宅島を中心とする伊豆諸島の群発地震があります。2000年内の有感地震は 14200回超。7月 1日に神津島近海 M6.4、7月 9日に同じく M6.1、7月 15日に新島近海で M6.3、7月 30日に三宅島近海で M6.4、8月 18日に神津島近海で M6.0 が発生しています。

7月 8日には、三宅島の雄山(おやま)が噴火を始め、火山ガスの流出などにより、9月 2日には全島民の避難が指示されました。その後、長期間にわたって避難が続いたことは、記憶されている方も多いと思います。

上記のイルカの出現と、この群発地震を結びつけることには相当の無理があります。タイムラグ(先行時間)が長すぎること、伊豆諸島周辺には他にもイルカやクジラの群がいただろうに、なぜ 1群だけなのか、他の前兆はあったのか、などなど。もちろん、群発地震として認識されるかなり前から、海底で密かに異変が進行していたという可能性はありますが。

伊豆諸島の群発地震については、『日本の地震地図』(岡田義光、東京書籍)を参照しました。


過去の関連記事