2024年1月31日水曜日

「だいたい1カ月後に最大余震が発生」

 
福井新聞』の記事です。「だいたい 1カ月後に最大余震が発生し、断層の端のどちらかで起こることが多い」「鯖江市や敦賀市には、断層があるものの近年地震が起きていない地震活動の『空白域』がある」:

こちらは『福井テレビ』の記事です。「長年地震が起きていない『鯖江市』と『敦賀市』で、特に地震の可能性があると呼び掛けた」:

湧き水減少 — 福島県喜多方市

 
福島県喜多方市(地図)で湧き水の数が減っています。福島大学と市による 2006年の調査では市内に 68ヶ所あった湧き水が、NHKによる調査では現在は涸れるなどして 22ヶ所になっているとのことです。この結果について、福島大学の専門家は地下水位が低下しているためだとして 2つの原因をあげています —— (1)稲作の効率化のために行われた圃場整備で、水もちを良くするために水田の下に固い土を敷いたため、地下に水が浸透しにくくなった、(2)消雪用に地下水の利用が増えた:
 
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2024年1月30日火曜日

カマイルカ漂着 — 北海道室蘭市

 
1月23日朝、北海道室蘭市のイタンキ浜(地図)にカマイルカが漂着しているのが見つかりました。体長 183.4cm で、発見時には生きていたとのことです。 漂着場所は北海道駒ヶ岳の対岸です:
 

2024年1月27日土曜日

NASA の LRO が JAXA の SLIM を撮影

 
NASA の Lunar Reconnaissance Orbiter(LRO)が月の周回軌道から、先日月着陸に成功した JAXA の SLIM 着陸機を撮影しました。撮影は着陸から 5日後で、撮影時の月面からの高度は 80km:

着陸前と後を比較している 2枚目の写真が特にわかりやすいです。着陸機の周囲(特に左側)の明るさが微妙に変化しています。これは、着陸時のロケット噴射によって表面の塵が吹き飛ばされたりしたためです。画面の左外にはシオリ(Shioli)クレーターがあり、そこから右に向かって明るい帯(光条)が伸びていますが、これはクレーターから放出された岩石物質です。
 
 
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2024年1月26日金曜日

火星ヘリコプター運用終了

 
1月23日付「火星ヘリコプター通信途絶 (続報)」の続報です。
 
火星ヘリコプター・インジェニュイティは、少なくとも 1枚の回転翼が損傷したため、ミッションが終了することになりました:

NASA の歴史を作った火星ヘリコプター・インジェニュイティは、予想を上回り、予定よりも数十回も多く飛行した後、火星での任務を終えた。 ヘリコプターは直立した状態で地上管制官と通信しているが、今週地球に送信された 1月18日の飛行の画像によると、着陸時にローター・ブレードの 1枚以上が損傷しており、もはや飛行できないことが判明した。

インジェニュイティは、元々は、30 日間で最大 5回の実験テスト飛行を実行する技術デモンストレーションとして設計された。別世界最初の航空機は、ほぼ 3年間にわたって火星表面で運用され、72 回の飛行を実行し、総飛行時間 2時間以上を記録しながら、計画の 14倍以上の距離を飛行した
 
NASA のビル・ネルソン長官は次のように語っている。「他の惑星で初の航空機となったインジェニュイティの歴史的な旅が終わりを告げた」、「あの驚くべきヘリコプターは、私たちの想像を超える高さと距離を飛行し、NASA が最も得意とすること、すなわち不可能を可能にすることに貢献した。インジェニュイティのようなミッションを通して、NASA は太陽系における将来の飛行や、火星やその先への、よりスマートで安全な有人探査への道を切り開いている。」
 
 

小惑星 2024 BJ が月と地球に接近

 
[1月27日追記:最新の予報に合わせて、接近日時誤差、推定直径、次の地球接近日時を修正・追加しました。]
 
1月27日から28日にかけて、かなり大きな小惑星〝2024 BJ〟が月と地球の近くを通過します。
 
2024 BJ
(2024年1月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月27日 22:54
 (地球)1月28日 02:30
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.16 LD
(地球)0.92 LD
推定直径
16 ~ 36 m
対地球相対速度
6.4 km/s ≅ 2万3000 km/h
初観測から地球接近まで10 日
次の地球接近2034年3月31日ごろ
公転周期595 日 ≅ 1.63 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年1月25日木曜日

北海道駒ヶ岳が活発化 (補足)

 
1月13日付「北海道駒ヶ岳が活発化」の補足です。

気象庁のウェブ・サイトに載っている北海道駒ヶ岳(地図)の月別地震回数のグラフを見ると、おおよそ6年間隔で地震数が増えていることがわかります:
 
月別地震回数(山頂部の観測点による)(クリックで拡大)
気象庁「北海道駒ヶ岳の火山観測データ」より

 このグラフから地震数のピークを読み取ると、2012年1月、2017年11月、2023年12月です。このピーク後に近隣で発生した大きな地震を調べてみました:

▼ 2012年1月のピーク後
  • 2012年5月24日 青森県東方沖(下北半島の東) M6.1、最大震度 5強
  • 2012年7月22日 十勝地方南部 M5.1
  • 2012年8月25日 十勝地方南部 M6.1 最大震度 5弱

▼ 2017年11月のピーク後
 
▼ 2023年12月のピーク後
 

2024年1月24日水曜日

大阪湾でクジラの目撃相次ぐ

 
1月12日ごろから、大阪湾(地図)でクジラの目撃が相次いでいます。体長は目撃情報によって幅があり、7〜15m。クジラの種類はわかっていませんが、背びれの形状や潮の吹き上げ方からすると、昨年 1月に淀川河口に迷い込んだ「淀ちゃん」と同じマッコウクジラではないでしょうか:
 

リュウグウノツカイ漂着 — 福井県敦賀市

 
1月18日、福井県敦賀市白木海水浴場(地図) に深海魚のリュウグウノツカイが漂着しているのが見つかりました。体長 397cm、体重 30.15kg で損傷が激しいとのことです:
 

小惑星 2024 BR2 が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2024 BR2〟が 1月22日から 23日にかけて地球と月の近くを通過していたことが、1月23日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。この小惑星は地球最接近の当日に発見されました。地球との相対速度は非常に低速でした。
 
2024 BR2 (2024年1月23日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月22日 20:57
 (月)1月23日 22:57
接近日時 誤差
(地球)± < 0 分
(月)± < 0 分
接近距離 (地球)0.76 LD
(月)0.86 LD
推定直径
10 ~ 22 m
対地球相対速度
4.0 km/s ≅ 1万5000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近2027年11月1日ごろ
公転周期296 日 ≅ 0.81 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年1月23日火曜日

火星ヘリコプター通信途絶 (続報)

 
1月21日付「火星ヘリコプター通信途絶」の続報です。

火星ヘリコプター・インジェニュイティは 1月18日の飛行中に通信が途絶えましたが、20日に通信が再確立されました:
 1月20 日土曜日、インジェニュイティと探査車パーシビアランスの間で通信が再確立された。 インジェニュイティの運用チームは、ヘリコプターのパワーが残存しており、地表に垂直の姿勢で立っていると判断している。 次のステップは、さらに診断チェックを実行し、インジェニュイティに現在地の地表の写真を撮るよう指令し、スピン ・テストを実行することである。 
 
 
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2024年1月22日月曜日

ベルリン西方に小惑星落下

 
中央ヨーロッパ時間 1月21日01時32分ごろ(日本時間 同日09時32分ごろ)、小惑星〝2024 BX1〟(Sar2736)が ベルリン西方で大気圏に突入し、明るい火球となりました。この小惑星はハンガリーの天文台が突入の数時間前に発見したもので、事前に情報が広まったため、多くの映像が撮影されました。小惑星の直径は 1〜2m と推定され、大気中で燃え尽き、地上にはほとんど到達していないとみられています。



以下は、NASA/JPL のデータベースに載っている予報です。接近距離 0.002LD=774km は地球の中心からの距離で、これに対して地球の半径は約 6400km なので、衝突すると判定されます。地球との相対速度は極めて高速でした。
 
2024 BX1
(2024年1月21日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月21日 03:43
 (地球)1月21日 09:40
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.763 LD
(地球)0.002 LD
推定直径
1 ~ 2 m
対地球相対速度
33.8 km/s ≅ 12万2000 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近
公転周期563 日 ≅ 1.54 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年1月21日日曜日

火星ヘリコプター通信途絶

 
火星ヘリコプター「インジェニュイティ」は、2021年2月に火星探査車パーシビアランスとともに火星に到着し、同年4月19日に初飛行に成功、その後も飛行を繰り返してきました。今年 1月18日に行われた 72回目の飛行で、事前に設定された高度約 12m に達した後、降下中に地球との通信を中継する探査車との通信が途絶えたとのことです:
 

小惑星 2024 BQ1 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 BQ1〟が 1月20日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 BQ1
(2024年1月20日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月20日 07:50
 (地球)1月20日 19:25
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.37 LD
(地球)0.90 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
6.6 km/s ≅ 2万4000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近2028年12月30日ごろ
公転周期626 日 ≅ 1.71 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年1月19日金曜日

米国版「はやぶさ」が地球衝突へ (続報-2)

 
 
Astrobotics社の Peregrine 着陸機は日本時間の今朝6時ごろに南太平洋上空で大気圏に突入したようです —— 「予測通り、米国東部標準時の午後3時50分ごろにAstrobotic 社は Peregrine 着陸機からのテレメトリー(遠隔測定信号)を失った。これは、Peregrine 着陸機が東部標準時午後4時4分に南太平洋の海上で制御された大気圏突入を完了したことを示しているが、政府機関による独立した確認を待ちたい」:
 
 

JAXA 小型月着陸実証機の月着陸

 
今夜 00時20分です。ライブ中継は23時から以下で:
 
東京では月着陸の16分後に月が西の地平線に沈んでしまいます。 

 
 

2024年1月18日木曜日

米国版「はやぶさ」が地球衝突へ (続報)

 
1月17日付「米国版『はやぶさ』が地球衝突へ」の続報です。
 
Astrobotics 社が Peregrine 着陸機の大気圏突入日時と場所を発表しました。米国東部時間 1月18日16時ごろ(日本時間 19日06時ごろ)、南緯 23.087°、東経 176.594°(地図)を中心とした帯状の海域(フィジーの南)です:
 
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溶岩流との戦い — アイスランド

 
アイスランドでは亀裂から噴出した溶岩流が市街地に流れ込むのを防ぐために、数週間前から堤防(溶岩流偏向障壁)の建設が始まっていました。以下は『Live Science』の記事です:
 
アイスランド当局が 1月15日に発表したところによると、主亀裂からの溶岩は一部が堤防を乗り越えた(写真)ものの、大部分が堤防の外側に沿って市街地とは違う方向に流れた、しかし、堤防の内側にも新たな亀裂が開いて溶岩が流れ出したために市街地に被害が発生したということです。
 
記事では、これまでに人類が溶岩流を防ぐために行った試みが紹介されています。日本でも富士山が噴火して周辺都市が溶岩流に脅かされるような事態になれば、検討を迫られることになるでしょう。
 
▼ 溶岩固化作戦 1973年、アイスランド沖にあるヘイマエイ(Heimaey、地図)という小さな島で噴火が起きた際、この島の漁業とアイスランド本土へのライフラインにとって重要な港を溶岩流から守るためにおこなわれた。小さなボートや漁船からなる船団を使って海水を給水ホースで汲み上げ、溶岩に向かって放水して溶岩を冷やし固化させようとした。この作戦の成否がはっきりする前に噴火は終わり、港は生き残った。
 
▼ 溶岩流爆撃作戦 1935年と 1942年、ハワイ島では、マウナ・ロア山(地図)の溶岩流からヒロ(地図)の市街地を守るために、飛行機から爆発物(爆弾)を投下して溶岩流の方向を変えようとした。どちらの試みも成功しなかった。爆発により新しい流路が形成されたが、溶岩流はすぐに元の流路にもどってしまった。

▼ 障壁建設 1992年、イタリアではエトナ山(地図)の溶岩流を止めるために障壁を建設した。溶岩の流れを遅らせることには成功したが、最終的には溶岩が障壁を乗り越えてしまった。

 

2024年1月17日水曜日

米国版「はやぶさ」が地球衝突へ

 
米国の Astrobotic 社が月への軟着陸を目指して 1月8日に打ち上げた Peregrine 着陸機(重さ約 1.3トン、Peregrine はハヤブサの意)は、打ち上げ直後に燃料(酸化剤?)漏れが起こり、同社は月への着陸を断念しました。最新の発表によると、Peregrine は米国時間 1月18日に地球の大気圏に突入するとのことですが、精確な場所はわかっていません。一説ではオーストラリア沖のグレート・バリア・リーフ付近になるのでは、と言われています:
 
Peregrine 着陸機には NASA などの実験機器や観測装置が搭載されていますが、それらにまじって Celestis 社と Elysium Space 社が付託した人間の遺骨や DNA が積まれているため、月を神聖視するナバホ族からは抗議の声が上がりました:

噴火始まる、市街地に溶岩流入 — アイスランド (続報)

 

噴火が止まったようです。アイスランド気象局の発表(現地時間1月16日日11時45分、日本時間同日20時45分)から ——
 
現在、亀裂内に目に見える活動はない。昨夜の午前 1時過ぎに北の亀裂からの噴出が確認されたのが最後である。地震活動は減少し続けており、この地域が安定しつつあることを示している。 真夜中以降、(地下の)マグマの通り道付近で約 200回の小さな地震が記録されており、マグマがまだ移動していることを示している。 ほとんどの地震活動はハガフェル付近で発生している。日曜日の朝に最初に開いた噴火亀裂に近い場所である。現時点で噴火が終わったと宣言するのは時期尚早である。

GPS センサーはグリンダヴィーク(地図)とその周辺の地盤の変形を検出し続けており、グリンダヴィークの地下のマグマ道が依然としてこの地域の膨張を引き起こしていることを示している。 昨夜、ドローンから撮影した熱画像は、グリンダヴィークの南西に見つかっていた亀裂が大幅に拡大していることを示している。 この地域には依然としてかなりの危険が存在している。
 
 

2024年1月16日火曜日

アヒイ海山の噴火警戒レベル上昇 — マリアナ諸島

 
1月14日、硫黄島の南東 620km にあるアヒイ海山(Ahyi Seamount、地図)の噴火警戒レベルが UNASSIGNED から ADVISORY に、航空カラーコードが YELLOW に引き上げられました:
2023年12月24日と31日、2024年1月4日と10日の衛星画像で、海山から 2.4〜10km 離れたところに変色した水域があるのが確認された。ウェーク島の水中音響アレイのデータでは、アヒイ海山の方向から有意なものは検出されていない。しかし、アヒイ海山では過去に明確な水中音響信号なしに海底噴出物が見つかっている。アヒィ海山で海底噴火が発生する可能性が高まったため、航空カラーコードと火山警戒レベルをYELLOWとADVISORYに引き上げる。
 
米国地質調査所(USGS)によると、アヒイ海山は円錐形の火山で、火口は海面から 137m 以内にあるとのことです。

西之島の噴火、硫黄島沖の新島形成、孀婦海山付近の火山活動が原因とみられる謎の津波、福徳岡ノ場の噴火による大量の軽石漂着、海徳海山の活発化など、このところフィリピン海プレートと太平洋プレートの境界が騒がしいようです。
 
 
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2つの小惑星が月と地球に接近・通過

 
1月10日から 12日にかけて、2つの小惑星が月と地球の近くを通り過ぎていたことが、1月15日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。どちらも地球接近後に発見されました。このうち、〝2024 AM4〟はアティラ群という珍しいグループに属し、地球との相対速度も非常に低速でした。
 
2024 AM4
(2024年1月15日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月10日 17:50
 (地球)1月11日 18:49
接近日時 誤差
(月)± 7 分
(地球)± 3 分
接近距離 (月)0.66 LD
(地球)0.31 LD
推定直径
5 ~ 11 m
対地球相対速度
3.2 km/s ≅ 1万1000 km/h
初観測から地球接近まで−3 日
次の地球接近2030年10月19日ごろ
公転周期326 日 ≅ 0.89 年
分類
アティラ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2024 AG4
(2024年1月15日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月11日 23:56
 (地球)1月12日 06:32
接近日時 誤差
(月)± 12 分
(地球)± 11 分
接近距離 (月)1.13 LD
(地球)0.89 LD
推定直径
6 ~ 13 m
対地球相対速度
12.0 km/s ≅ 4万3000 km/h
初観測から地球接近まで−3 日
次の地球接近2147年1月14日ごろ
公転周期916 日 ≅ 2.51 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
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2024年1月15日月曜日

噴火始まる、市街地に溶岩流入 — アイスランド

 
23年12月29日付「再噴火の可能性高まる — アイスランド」の続報です。

現地時間 1月14日朝(日本時間同日16時57分)、ハガフェル山の南東で亀裂が開き噴火が始まりました。亀裂は南西に延び、正午過ぎにはグリンダヴィーク(地図)の市街地のすぐ北に開いた新たな亀裂で噴火と溶岩の流出が始まりました。亀裂の開口部は、グリンダヴィークの北に建設中の溶岩流偏向障壁の南側に開いたため、溶岩は市街地に流れ込んでいるとのことです。
 
 
 

日の出が早くなり始める

 
1月上旬は 1年のうちで日の出の時刻がもっとも遅い時期です。東京の場合、冬至(12月22日)の際の日の出は 6時47分でしたが、1月2日から 13日の間の日の出はさらに遅く 6時51分台です。これが、1月14日には 6時50分、18日には 6時49分と徐々に早くなり、今月末には 6時42分になります。
 
太陽の南中高度も、月初めには 31度台だったものが、月末には 37度近くまで高くなります。太陽が北半球に戻ってきつつあります。陰鬱な季節が早く終わってほしいものです。 
 
 
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2024年1月14日日曜日

アトサヌプリで地震急増 — 北海道弟子屈町

 
1月12日、気象庁の常時観測火山であるアトサヌプリ地図)で地震が急増し、速報値で20回を数えました。翌13日午後には最大震度 4 を含む有感地震が 3回発生しました。そのうち 2回はアトサヌプリ・カルデラ内部で発生したようです:
 
気象庁「アトサヌプリの火山観測データ」より(クリックで拡大)
 
アトサヌプリの西側では 2021年秋以降、山体の膨張を示すと考えられる変動が観測されています。2022年夏以降はその変動が大きくなっています:
 
アトサヌプリには地震、鳴動、地殻変動の記録はありますが、噴火の記録はありません:
 
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小惑星 2024 AZ3 が地球と月に接近

 
1月15日、小惑星〝2024 AZ3〟が地球と月の近くを通過します。
 
2024 AZ3 (2024年1月13日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月15日 05:53
 (月)1月15日 10:44
接近日時 誤差
(地球)± 4 分
(月)± 4 分
接近距離 (地球)0.66 LD
(月)0.61 LD
推定直径
5 ~ 10 m
対地球相対速度
9.9 km/s ≅ 3万6000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近2031年6月7日ごろ
公転周期508 日 ≅ 1.39 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2024年1月13日土曜日

グリムスボトン山に噴火の兆し — アイスランド

 
アイスランド南東部のグリムスボトン火山(地図)周辺で、氷河の融解による洪水が発生し、同山の噴火の可能性が指摘されています —— Uncertainty Phase Declared As Eruption Could Follow Glacial Flood At Grímsvötn
  • 国民保護・緊急事態管理省は、現在進行中のヨークルフラウプ(氷河の融解による爆発的な洪水)が噴火の前兆である可能性があるとして、(1月11日午後)グリムスボトン火山周辺が不確実段階(uncertainty phase)に入ったと宣言した。

  • グリムスボトンは、アイスランド南東のヴァトナヨークトル氷河の下に埋もれた火山である。

  • 氷河からの洪水に加えて、1月11日の朝7時ごろ、グリムスボトンで M4.3 の地震が発生した。 この地震は、1991年の観測開始以来、この地域で記録された最大の地震である。

  • 氷河からの洪水が起こると、グリムスボトンの水位が低下し、その下にあるマグマだまり上部の圧力が低下する。

  • 最近では 2004年にグリムスボトンで氷河からの洪水に続いて噴火が発生した。1934年と 1922年の氷河洪水でも火山の噴火が発生した。2021年と 2022年の洪水の際には、噴火は発生しなかった。
 

北海道駒ヶ岳が活発化

 
北海道駒ヶ岳(地図)では、昨年11月下旬から火山性地震の回数がやや多い状態が続き注目していたのですが、ようやく気象庁から「火山の状況に関する解説情報」が出されました: 火山名 北海道駒ヶ岳 火山の状況に関する解説情報 第1号 令和6年1月12日14時00分
  • 12月以降、山頂火口原浅部を震源とする低周波地震を主とした地震活動が続いている。
  • 12月の地震回数の合計は31回。1か月間の地震回数の合計が30回以上となったのは1990年4月の61回以来。
  • 火山性微動は観測されていない。
  • 「昭和4年火口」の噴気を観測する日数が21年秋以降増加傾向。
  • 22年ごろから山頂火口原浅部の膨張を示す変化が認められる。

月別地震回数(山頂部の観測点による)
気象庁「北海道駒ヶ岳の火山観測データ」より
(クリックで拡大)
 
北海道駒ヶ岳が最後に噴火したのは 2000年です。この時は水蒸気噴火が複数回発生しています。
 
 

2024年1月12日金曜日

大量のイワシ漂着 — 北海道せたな町

 
1月10日夕方、北海道せたな町(地図)の漁港や海岸に大量のイワシが漂着しているのが見つかりました。数十トン規模で、およそ 1km にわたって漂着しているということです。原因はわかっていません:

昨年から北海道や青森県ではイワシの漂着が相次いでいます:
 

2024年1月11日木曜日

大量のイワシ漂着、48時間後に大地震 — フィリピン

 
1月7日の早朝、フィリピン・ミンダナオ島南端のサランガニ県マーシム市(地図)周辺の海岸に無数のイワシが漂着し始めました。数百万匹とみられる魚が海岸を覆い、海岸線が銀色に変わったとのことです。約48時間後、同地域は強い地震に襲われました。魚たちが差し迫った自然災害を察知して浅瀬に逃げたのではないかという憶測が広がりましたが、専門家は、湧昇流、イワシの個体数過剰、海水温や塩分濃度の変化、捕食者の分布、人里からの光害などを原因として指摘して、魚の大量漂着と地震の関係を否定しています:

地震は 1月9日05時48分(日本時間)に発生した M6.7、深さ 68km で、震央はミンダナオ島の南沖、大量漂着のあった海岸から南東に約 170km の地点です:
 
 
 

2024年1月9日火曜日

能登半島地震: 地震前夜の赤い空

 
地震の前兆だったのか定かではありませんが ・・・
自宅に向かって車を走らせていると、深夜1時だというのに空が真っ赤に染まっていることに気づく。

「あれは何? 火事?」 家族とそんな話をしながら、車を停めて空の写真を撮影した。この赤い空の原因はいまだにわかっていなくて、これが翌日の地震に関係しているのかもわからない。

ただ、地震が起こる12時間ほど前、富山から見た石川方面の空が赤く染まっていたのは事実。
 
 
 

2024年1月7日日曜日

人工知能は大地震を予測するのに役立つか?

 
スミソニアン・マガジン』の 1月2日付記事です: Could A.I. Help Seismologists Predict Major Earthquakes?(人工知能は地震学者が大地震を予測するのに役立つか?)——
  • 地震への備えの中心となるのは、間違いなく、この分野で最も物議を醸している研究分野、つまりいつ地震が発生するかを予測することである。 多くの科学者は長い間、地震予知は不可能であると考えてきた。「地震予知というテーマそのものは、ネス湖の怪物の捜索と同様に主流の研究の範囲外であり、深刻ではないと考えられていた」

  • 最近の人工知能の進歩を考慮して、一部の研究者はそれが変わる可能性があるかどうかを研究している。 ロス・アラモス国立研究所で機械学習に取り組む地震学者のポール・ジョンソン氏は、「必ずそうなるとは言えないが、数十年以内に大きな進歩を遂げることを期待している」 「今はこれまで以上に希望を持っている」と語った。

  • 昨年の秋、テキサス大学オースティン校の研究者らは、中国での 7ヶ月間の試験で地震予知に対するこうした期待を裏付けた。 9月に『アメリカ地震学会紀要』に発表された彼らの研究では、A.I. アルゴリズムは、地震の 70% を発生 1週間前に正確に予測した。

  • チームは AIを過去 5年間の地震記録で訓練し、現在の地震活動に基づいて今後の地震の位置を特定するよう指示した。その結果、このアルゴリズムは、実際の震源地から約 200マイル以内の範囲で 14件の地震を予測することに成功した。 その間、1つの地震を見逃し、8つの実際には起こらなかった地震を予測した。

  • 機械学習は地震学者がデータ内の隠れたパターンを検出したり、より多くのデータを収集して地震予測に役立つ情報を提供したりするのに役立つ可能性がある。 例えば、研究者の中には、A.I.が特定の地震発生場所からの記録を使って地震の規模を予測する方法を示している者もいる。あるチームは、本震後に余震が発生する可能性のある場所を予測するニューラルネットワークを構築し、訓練している。また、他の研究者たちは、機械学習を使って、ノイズの多い振動の記録から地震波を識別し、抽出している。

  • 「ご存知のとおり、私たち(地震学者)のコミュニティには大きな懐疑論がありますが、それには十分な理由があります」「しかし、これ(A.I.)により、これまでは決してできなかった方法で、データを見て分析し、それらのデータに何が含まれているかを認識できるようになったと思います。」
 

2024年1月6日土曜日

中国・甘粛省の地震は予測されていた

 
中国・甘粛省で 12月18日深夜(現地時間)に発生した M6.2(USGSの発表では M5.9)の地震では、これまでに 150人を超える死者が報告されています。甘粛省の東に隣接する陝西省の研究チームはこの地震の兆候を数日前に検知し、規模も正確に予測していたものの、発生場所の特定には至らなかったとのことです。香港の英字紙『South China Morning Post』が伝えています:
 
中国の研究者らは、甘粛省北西部で発生した M6.2 の致命的な地震を、発生の何時間も前に予想していたが、どこで発生するかについては明らかにすることができなかった。

陝西省の研究者らは、過去 10年間に世界中で発生した M7.0 以上のすべての地震を予測できる画期的な技術を開発した。

しかし、残念ながら、地震の発生場所を予測する方法はまだない。

研究チームは、高精度の機器を使用して地球の重力場を低周波領域で監視し、地震が切迫している兆候である可能性がある重力波の異常を探している。

研究者らが今回の地震の発生が迫っていることに初めて気づいたのは、金曜日(12月15日)の朝に複数のセンサーからの異常なデータ読み取りに関する警告テキストを受け取ったときだった。

その後、チームは地震が発生する可能性のある場所について議論を開始した。

この時点で、チームは、異常なデータ読み取り値が記録されてから 3 ~ 5 日以内に地震が発生する可能性が高いと計算していた。

また、観測されたデータのピークの強さに基づいて、地震のマグニチュードが 6.27 前後であると予測していた。

しかし、研究チームは、自分たちの省と隣接する省で地震が起きるとは予想できなかった。
 
研究者らは、2月に発生した壊滅的なトルコ・シリア地震を含む複数の地震の前兆を早期に検知することに成功しており、前兆観測手法と予測結果の詳細を 6月に中国の学術誌『Northwestern Geology』に発表している。

甘粛省の地震が発生する 4日前に、研究チームは陝西省周辺の 4つの異なるセンサーで異常な重力波の測定値を記録した。センサーは異なる都市に設置されていたが、異常な波はすべてほぼ同時に記録され、波が光の速さで移動していたことを示していた。他の発生源からの重力の乱れが異常なデータ測定を引き起こす可能性がある一方で、重力地震波(gravitational earthquakes waves)は特徴的に光速で伝播するため、これが地震の前兆であるかどうかを判断するのは難しくない。
  

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2024年1月5日金曜日

海のコウモリ

 
クリオネ(ハダカカメガイ)と同類(pteropod、翼足類)らしいです。南極で採集されました。
 
 
 

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-157)

 
米国イエローストーン国立公園の 12月の状況です。
 
スティームボート間欠泉(地図)の噴出が 12月30日にありました。2023年の噴出回数は 9回となりました。
 
日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月5日 30
2 1月28日 23
3 3月11日 42
4 5月7日 57
5 6月9日 33
6
8月25日 77
7
10月8日 44
8
11月13日 36
9
12月30日 47
 
 
12月の地震活動は通常のレベルでした。89件の地震が観測され、最大は 12月16日の M2.1でした。3つの群発地震があり、それぞれ 16件、14件、11件の地震が記録されました。
 
イエローストーン・カルデラでは、2015年以来続いている長期的沈降傾向が継続しています。9月末以降では約 2cm 沈下しています。ノリス間欠泉盆地では夏の終わり以降、地盤の大きな変形は発生していません。
 

 

2024年1月4日木曜日

弥陀ヶ原で火山性地震急増

 
1月1日、富山県の活火山・弥陀ヶ原(地図)で火山性地震が急増しました。 現時点では地震数は 43回となっていますが、今後の精査で変更されるかも知れません。2日は 9回に減少しています。

弥陀ヶ原は気象庁の常時観測火山で、「令和6年能登半島地震」の震源から南に約 110km のところにあります。ふだんの火山性地震発生回数は 1日あたり 0回ないし 1回で推移しています。
 
気象庁「弥陀ヶ原の火山観測データ」より
(クリックで拡大)

 
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小惑星 2024 AD が地球と月に接近

 
1月5日(日本時間)、小惑星〝2024 AD〟が地球と月の近くを通過します。
 
 
2024 AD (2024年1月3日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月5日 03:45
 (月)1月5日 12:04
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.63 LD
(月)0.77 LD
推定直径
5 ~ 11 m
対地球相対速度
9.9 km/s ≅ 3万6000 km/h
初観測から地球接近まで3 日
次の地球接近2035年4月17日
公転周期1031 日 ≅ 2.82 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

小惑星 2024 AL が地球と月に接近・通過

 
大晦日から元日にかけて、小惑星〝2024 AL〟が地球と月の近くを通過していたことが、1月3日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。この小惑星は地球最接近の2日後に発見されました。
 
2024 AL (2024年1月3日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月31日 17:07
 (月)1月1日 00:58
接近日時 誤差
(地球)± 4 分
(月)± 3 分
接近距離 (地球)0.93 LD
(月)1.04 LD
推定直径
8 ~ 17 m
対地球相対速度
12.6 km/s ≅ 4万5000 km/h
初観測から地球接近まで−2 日
次の地球接近
公転周期1601 日 ≅ 4.38 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年1月3日水曜日

能登半島地震は予報されていた

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が 1月2日17:00 付けで更新情報を出しています。1月1日16時10分に発生した「令和6年能登半島地震」M7.6 について、場所の絞り込みはできなかったものの、発生時期と規模は正確に予報できていたとのことです:
 
2023年12月27日から28日にかけて、4台の観測装置(八ヶ岳 CH26、CH04、CH07、CH14)に周期約4分の短周期 PBF(周期的基線うねり)前兆変動が出現。これらにもとづいて、地震発生場所は東北地方南部から中部地方(更新情報の図2参照)、規模は PBF 変動が極めて微弱であることから明らかに前兆変動が減衰していると認識し、減衰補正して最大の場合 M7.3 ± 0.5、時期は 1月2日 ±2日と推定して、12月31日11時に公開実験参加者にメールと Fax で配信。場所は絞り込めず能登半島付近に震源があると特定することはできながったが、「大地震発生前に地震発生の可能性を配信できました」。
 
 
なお、No1778 長期継続前兆の推定には変更がないとのことです:

推定日2024年6月9日 ±3日の可能性
(今後新規前兆変動出現の場合は再考)
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
推定震央領域 続報 No.355」所載の図4太線内
斜線領域: 可能性が考えやすい領域
推定規模 M8.0 ± 0.3
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震、火山近傍領域の可能性
 
 
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能登半島地震の加速度


カスカディア地域地震科学センターの所長のポスト(ツイート)から —— 
 
「NIED(防災科学技術研究所)によって報告された M7.5 の地震の驚くべき加速度。1g = 980gal であることを思い出してほしい。日本の科学と工学の勝利だ。被害の程度はまだ評価中だが、比較的『控えめ』に見えるからだ。他の場所では、このような地震動は壊滅的である。 」: