2019年11月30日土曜日

小惑星 2019 WJ4 が地球と月に接近


12月1日朝、小惑星〝2019 WJ4〟が地球と月に接近します。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 6~13m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは11月26日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2019 WJ46~13 (地球)12月1日 05:05
 (月)12月1日 07:46
0.85
0.19
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星の接近時の地球との相対速度は秒速18.6km(時速約6万7000km)と予報されています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2019年11月28日木曜日

宇宙戦争? 銀河鉄道?


イーロン・マスク氏が率いるスペースX社が打ち上げたスターリンク衛星群の動画です。光線兵器が飛び交う宇宙戦争のようです:

こちらの動画では銀河鉄道のようです:

観測の妨げになるとして天文学者から非難の声があがっています:

2019年11月27日水曜日

ギリシャで M6.0


11月27日16:23(日本時間)ごろ、ギリシャ本土とクレタ島の間のアンディキティラ海峡で、M6.0、深さ約72kmの地震がありました。大きな被害は出ていないもようです:

震源付近では、ヘレニック海溝(地図中の紫色の曲線)から地中海の海底の岩盤が北に向かってエーゲ海の下に沈み込んでおり、スラブ地震がしばしば発生しています。今回の地震も震源の深さや発震機構から判断して、その類いだと思われます。ヘレニック海溝の北側はアナトリア・ブロック(マイクロプレート)で、エーゲ海は伸張テクトニクスによって薄化した大陸性地殻からなっています(木村学、『プレート収束帯のテクトニクス学』、東京大学出版会)。

余談になりますが、(A)アルバニアのM6.4、(B)ボスニア・ヘルツェゴビナのM5.4、(C)クレタ島沖のM6.0の震央はほぼ直線上にならんでいます。


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ボスニア・ヘルツェゴビナで M5.4


アルバニアの地震(M6.4)から6時間25分後に、ボスニア・ヘルツェゴビナでM5.4、深さ10kmの地震が発生しました。震央は首都サラエボの南西約70km。アルバニアのM6.4の震央からは北西に約230km離れています。ディナル・アルプス沿いの横ずれ断層が動いたことによる地震と思われます。


アルバニアの地震に比べると報道が非常に少ないのですが、26日の時点で判明しているのは、負傷者2人、複数の建物に被害が出ているもようです。


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イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-74)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、11月27日00時47分(日本時間27日16時47分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年45回目の噴出です(これまで最多だった昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月4日 10
2 1月16日 12
3 1月25日 9
4 2月1日 7
5 2月8日 7
6 2月16日 8
7 2月25日 9
8 3月4日 7
9 3月11日 7
10 3月17日 6
11 3月25日 8
12 4月8日 14
13 4月25日 17
14 5月3日 8
15 5月8日 5
16 5月13日 5
17 5月20日 7
18 5月27日 7
19 6月1日 5
20 6月7日 6
21 6月12日 5
22 6月15日 3
23 6月19日 4
24 6月23日 4
25 6月28日 5
26 7月4日 6
27 7月10日 6
28 7月18日 8
29 7月24日 6
30 7月30日 6
31 8月12日 13
32 8月20日 8
33 8月27日 7
34 9月3日 7
35 9月11日 8
36 9月17日 6
37 9月25日 8
38 10月1日 6
39 10月7日 6
40 10月16日 9
41 10月22日 6
42 10月30日 8
43 11月8日 9
44 11月17日 9
45 11月27日 10


以下は、最寄りの地震計の記録です。降雪シーズンになって観光客の立てるノイズがなくなり、記録が見やすくなっています:

昨年(2018年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は32回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした。今年はすでにこの記録を上回っています:

スティームボート間欠泉の年間噴出回数
(過去50年間)


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2019年11月26日火曜日

アルバニアで M6.4 (補足-2)


震源付近の地下構造を示す断面図です(クリックすると拡大します)。

中新世以降に沈み込み帯が西(図の左方向)に後退(roll back)したために、アドリア海に近い領域(図の左半分)は圧縮応力の場に、遠い領域(右半分)は伸張応力の場になっています。今回の地震は圧縮応力の領域で生じた逆断層が原因ですが、伸張応力が卓越する右半分では正断層が発達して盆地や湖が形成されています。



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アルバニアで M6.4 (補足)


今回のアルバニアの地震について、米国地質調査所(USGS)の資料にある解説の要旨です:
  • 今回の地震は、アフリカ・プレートとユーラシア・プレートの収束境界付近の衝上断層運動の結果として発生した。
  • 発震機構解は、浅い角度あるいは急傾斜の断層における逆滑りを示している。
  • 北西-南東方向の逆断層が、この地域のテクトニクスと整合する。
  • 今回の震源付近では、アフリカ・プレートがユーラシア・プレートに対して年速 73mm で収束している。
  • アフリカとユーラシアの間の収束境界にある地中海のテクトニクスは複雑で、多くのマイクロプレートや局所的地質構造の動きが関与している。
  • アドリア海東岸に位置するアルバニアで発生した逆断層運動は、アドリア海の閉塞、およびクロアチアからギリシャに伸びる山岳地帯の短縮と整合している。

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アルバニアで M6.4


11月26日午前3時54分(日本時間同日午前11時54分)ごろ、アルバニアの首都ティラナの北西約30kmで M6.4、深さ約20km の地震(震央地図)があり、建物が崩壊するなど大きな被害が出ています。これまでに判明しているのは、死者少なくとも4人、負傷者150人以上。逆断層の動きによる地震だったようです:


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クロトカゲギス捕獲 — 神奈川県小田原市


『小田原魚市場公式ブログ』から。11月25日、神奈川県小田原市国府津(地図)沖の刺し網に、深海魚のクロトカゲギスがかかりました。体長約 15cm:

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2019年11月25日月曜日

ハチワレ漂着 — 徳島県海陽町


11月23日、徳島県海陽町大里(地図)の海岸に、ハチワレの死骸が漂着しているのが見つかりました。体長約 4m。ハチワレはオナガザメ科に属し、「水深500m以深の中層まで見られる。多くは100m以深にいる」(Wikipedia)とのこと:

ハチワレは、今年9月に神奈川県で定置網に入って水揚げされたことがあります:

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2019年11月24日日曜日

クロサバフグ異常発生 — 大阪湾、豊後水道


瀬戸内海の東と西でクロサバフグが大発生しています。

▼ 大阪湾(地図

「クロサバフグが大阪湾で釣れ出したのは11月7~8日頃からで、突然の大量発生だった」、「(大阪湾では)ほとんどがシロサバフグであり、普段はクロサバフグは見かけないか、居ても非常に珍しい」、「なぜ、タチウオ釣りのテンヤに掛かってくるほど大量に大阪湾へ入り込んできたのかは不明」:

▼ 豊後水道

佐賀関(地図)、臼杵(地図)、津久見(地図)沖の豊後水道で異常発生し、漁業に被害が出ています。「(大分県近海では例年は)7月中旬から確認され始め、10月中にはいなくなる」、「爆発的な増加の理由は明確には分からないが、水温の高さが一因ではないか」(大分県農林水産研究指導センター水産研究部):

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2019年11月23日土曜日

イワシの大群が川を遡る — 大阪府堺市


11月20日、大阪府堺市の土居川に、約10万匹のマイワシの大群が遡ってきているのが見つかりました。見つかったのは国道26号の住吉橋(地図)の直下で、河口から 1km 弱。発見者は大阪府立環境農林水産総合研究所主任研究員で、「これほどのイワシの群れがいたのは見たことがない」「イワシは水温が下がるこの時期に南下を始めるが、満潮で水位が高かったときに他の魚に追われるなどし、川に遡上してきた可能性がある」と話しています:

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夕空が紫色に染まる — 沖縄県


11月22日、沖縄本島では夕空が怪しげな紫色に染まったとのことです。「台風の接近に伴って湿った空気が運ばれ、空気中に水蒸気が充満していることが要因です」:

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エレファント・ロック


アイスランド南岸沖の Heimaey という島にあるエレファント・ロック(象岩、地図)。写真をクリックすると拡大します。玄武岩質の溶岩が固まる際に生じた柱状節理によって、象の皮膚のしわまでみごとに「表現」されています:


白亜紀の花崗岩に超臨界流体の痕跡


岐阜県瑞浪市(地図)内の地下 550m から採取した約7600万年前(中生代白亜紀)の花崗岩中に、超臨界流体の痕跡と、流路になっていた細かな割れ目があるのが見つかりました。「(超臨界流体は)地下深部の高温のマグマや溶岩から発生し、粘性が低く、水よりも気体に近い性質を持つ高温の流体。水を主成分としており(中略)低密度のため上昇し、温度低下(374℃未満)に伴い熱水に変わる」。

「従来、割れ目の発達は、地殻変動に伴う断層運動によって生じると考えられてきました」、「割れ目が発達していないにもかかわらず地下水などが流れやすい岩盤があり、その原因は明らかになっていませんでした」、「超臨界流体の痕跡に関する研究は、地下深部における流体の移動や、それに伴う微小地震などの現象の理解に繋がることが期待されます」:

2019年11月22日金曜日

屋根裏のエーリアン




近畿圏中心領域大型地震 (続報-218)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が 11月21日19:00付けで更新情報を出しています:

以下は今回の更新情報のまとめです:
前回の更新情報では、最も早い場合の地震発生可能性を 11月28日± とした。しかし、各前兆関係が示す時期に差がありすぎることと、その後に再出現した前兆があることから、11月28日± 地震発生の可能性は否定される。

重要な変化として、これまで継続していた複数の前兆(CH6、CH21、CH26、K1)が 11月19日午後に終息。21日夕刻現在も再出現なし。

上記の前兆関係より、12月25日± が地震発生日として考えやすい。ただし、前兆が再出現した場合には、修正する可能性がある。

推定時期前兆終息を確認後に確定 (現状では、最も早い場合、12月25日± の可能性が若干ある)
推定時刻 午前9時30分±1時間30分 または 午後4時±3時間
推定震央領域 長野県北部、群馬県、栃木県西部など
続報 No.281」所載の地図参照、斜線部分が推定領域
推定規模 M7.8 ± 0.5
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震、火山近傍の可能性が高い
浅間山(または草津白根山)で地震発生と相前後して噴火が発生する可能性あり


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2019年11月20日水曜日

グレタ・トゥーンベリはタイム・トラベラー?


『ニュージーランド・ヘラルド』紙の記事によると、9月に国連気候行動サミットで「挑発的」な演説を行い、日本でも一躍名前を知られるようになったスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16歳)が実はタイム・トラベラーではないか、との説が陰謀論者の間で話題になっているとのことです。

ワシントン大学(University of Washington)の写真史料保管所で最近見つかった古い写真に、トゥーンベリさんにそっくりの人物が写っていたことが発端です。問題の写真は、1898年にカナダのユーコン準州の金採掘所で働く子どもたちを撮ったものです:

フォトショップで加工された写真だとの意見もあります。どうなんでしょうか。「他人の空似」という言葉もありますね。


霧島山(新燃岳)に噴火警報 (続報)


霧島山(新燃岳)(地図)では、11月17日から18日にかけて、「火口直下を震源とする火山性地震が増加しましたが、その後は少ない状態で経過しています」、19日に行われた現地調査では「新燃岳火口内の噴煙の状況や、火口及び西側斜面の割れ目付近の地熱域の状況に特段の変化は認められませんでした」とのことです:

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小惑星 2019 WF が地球と月に接近


11月20日から21日にかけての夜、小惑星〝2019 WF〟が地球と月に接近します。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 11~24m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは11月17日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2019 WF11~24 (地球)11月20日 20:44
 (月)11月21日 00:44
1.64
1.06
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星の接近時の地球との相対速度は秒速11.6km(時速約4万2000km)と予報されています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2019年11月19日火曜日

小惑星 2019 WH が地球と月に接近


11月19日、小惑星〝2019 WH〟が地球と月に接近します。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 16~36m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは11月15日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2019 WH16~36 (地球)11月19日 17:01
 (月)11月19日 19:48
0.22
0.94
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星の接近時の地球との相対速度は秒速11.0km(時速約4万km)と予報されています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2019年11月18日月曜日

霧虹と過剰虹


11月12日、栃木県宇都宮市(地図)、「珍しい現象。私は見たことがない」(宇都宮地方気象台気象情報官):

11月14日、石川県津幡町(地図)、「紫色の帯のさらに内側に、何色かの色の帯」「降っている(いた)水滴が比較的小さく、大きさがそろっているときに現れやすくなります」:

「霧虹」は「白虹」と同じものだと思います。11月5日に長野県白馬村でも見られました:

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イルカの親子が滞在 — 高知県大月町


11月11日から、高知県大月町柏島(地図)の港などで、ハンドウイルカの母子とみられる2頭のイルカが目撃されています。

「群れからはぐれて、港に迷い込んだのかもしれません」(NPO法人黒潮実感センター)、「2頭のイルカは9月上旬ごろ、宿毛市の宿毛新港岸壁に現れた。同じ個体かは不明だが、10月末ごろに大月町の泊浦や一切の漁港近くで見られるようになり、11月11日からは同町柏島の湾内に連日姿を見せている」:

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霧島山(新燃岳)に噴火警報


霧島山(新燃岳)(地図)の噴火警戒レベルが「1(活火山であることに留意)」から「2(火口周辺規制)」に引上げられました。「新燃岳では、噴火が発生するおそれがあります。昨日(17日)19時頃から火口直下を震源とする火山性地震が増加しており、本日(18日)06時までに21回発生しました」:

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イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-73)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、11月17日12時29分(日本時間18日04時29分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年44回目の噴出です(これまで最多だった昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月4日 10
2 1月16日 12
3 1月25日 9
4 2月1日 7
5 2月8日 7
6 2月16日 8
7 2月25日 9
8 3月4日 7
9 3月11日 7
10 3月17日 6
11 3月25日 8
12 4月8日 14
13 4月25日 17
14 5月3日 8
15 5月8日 5
16 5月13日 5
17 5月20日 7
18 5月27日 7
19 6月1日 5
20 6月7日 6
21 6月12日 5
22 6月15日 3
23 6月19日 4
24 6月23日 4
25 6月28日 5
26 7月4日 6
27 7月10日 6
28 7月18日 8
29 7月24日 6
30 7月30日 6
31 8月12日 13
32 8月20日 8
33 8月27日 7
34 9月3日 7
35 9月11日 8
36 9月17日 6
37 9月25日 8
38 10月1日 6
39 10月7日 6
40 10月16日 9
41 10月22日 6
42 10月30日 8
43 11月8日 9
44 11月17日 9


以下は、最寄りの地震計の記録です。今回も勢いのある噴出だったようです。降雪シーズンになって観光客の立てるノイズがなくなり、記録が見やすくなっています:

昨年(2018年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は32回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした。今年はすでにこの記録を上回っています:

スティームボート間欠泉の年間噴出回数
(過去50年間)


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2019年11月13日水曜日

フランス南東部で地震、断層出現


11月11日、フランス南東部でM4.9(報道では M5.4としている記事が多い)の地震がありました。震源が浅かった(10km)ためか、重傷1人、軽傷3人、建物の損壊約30棟などの被害が出ました。この地震では地表に長さ数キロメートルの断層が出現したようです:

上記のツイートでは正断層とのこと。落差は不明です。これは「震源断層」が地表に到達したものでしょうか。それとも、単なる「地震断層」でしょうか。上記地図に記載されている星印が震央だとすると、断層の走向や位置関係がどうも釈然としません。

一方、EMSC(CSEM)の最新情報に示されている震央の経緯度(44.57N; 4.62E)だと、断層との位置関係が比較的理解しやすくなります:

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恵山で地震増加 — 北海道函館市


11月11日に気象庁が発表した下記資料によると、10月18日から19日にかけて恵山(地図)直下を震源とする地震が一時的に増加したとのことです。最大は18日11時31分に発生した M2.6 で、函館市で有感(震度1)となりました。火山活動に特段の変化は認められていません:

恵山は、1846年と 1874年に水蒸気噴火を起こしてします。


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八甲田山で地震急増 (続報-2)


10月8日付「八甲田山で地震急増 (続報)」の続報です。

気象庁が11月11日に発表した下記資料によると、常時観測火山の八甲田山(地図)で、10月7日から8日にかけて発生した地震は、7日に110回、8日に20回を観測したとのことです。震源は大岳山頂の西約 4km 、深さ約 1km:

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十和田で火山性地震増加 — 青森県、秋田県


気象庁が11月11日に発表した下記資料によると、常時観測火山である十和田で、10月4日と19日に火山性地震が一時的に増加したとのことです。震源は中湖(地図)付近で、4日は10回、19日は7回。最大規模は4日20時27分ごろの M2.8で、十和田周辺で有感でした:

十和田の最新の噴火は平安時代の 915年で、マグマ噴火やマグマ水蒸気噴火によって火砕サージや火砕流、泥流が発生しています。


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2019年11月12日火曜日

少女と楽器


トルコのツイートから、バイオリンと手風琴。前者では人(とお金)が集まり、後者では牛が集まってきます:



2019年11月10日日曜日

死骸漂着増加 — 北海道羅臼町・標津町


北海道の羅臼町(地図)と標津町(地図)で、クジラ、アザラシ、トドなどの死骸の漂着が増えています。両町は国後島や根室海峡に面しています。「理由はよく分かっておらず、10月までの漂着頭数は、両町とも昨年の累計数に比べ10頭以上増加」、「本年度の羅臼町の漂着数はこれまで19頭で、既に昨年度の計7頭を12頭上回った。標津町も本年度これまでに24頭と、昨年度の計1頭から大幅に増えている」:

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2019年11月9日土曜日

ノコギリクワガタ現る — 和歌山県田辺市


夏に見られるはずのノコギリクワガタが、和歌山県田辺市中辺路町にある県林業試験場(地図)の試験林で見つかりました。「この時季に見るのは初めて」(県林業試験場の研究員)、「写真を見るかぎり、きれいな個体なので、来年出てくる予定のものが最近の暖かさで成長が早まり、土中から出てきた可能性がある」(元県立自然博物館副館長):

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2つの小惑星が月と地球に接近


小惑星〝2019 VB5〟と〝2019 VF5〟が11月9日から10日にかけて月と地球に接近します。

2つの小惑星はアポロ群に分類され、直径は前者が 1~3m、後者が 8~19m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。2つの小惑星が最初に観測されたのは11月5日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2019 VB51~3  (月)11月09日 13:20
(地球)11月10日 02:29
0.91
0.38
2019 VF58~19  (月)11月10日 03:36
(地球)11月10日 08:16
1.07
0.50
(1LD=地球から月までの平均距離) 

地球との相対速度は、VB5 が秒速 6.2km(時速約2万2000km)、VF5 が秒速 18.0km(時速約6万5000km)と予報されています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2019年11月8日金曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-72)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、11月8日03時59分(日本時間8日19時59分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年43回目の噴出です(これまで最多だった昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月4日 10
2 1月16日 12
3 1月25日 9
4 2月1日 7
5 2月8日 7
6 2月16日 8
7 2月25日 9
8 3月4日 7
9 3月11日 7
10 3月17日 6
11 3月25日 8
12 4月8日 14
13 4月25日 17
14 5月3日 8
15 5月8日 5
16 5月13日 5
17 5月20日 7
18 5月27日 7
19 6月1日 5
20 6月7日 6
21 6月12日 5
22 6月15日 3
23 6月19日 4
24 6月23日 4
25 6月28日 5
26 7月4日 6
27 7月10日 6
28 7月18日 8
29 7月24日 6
30 7月30日 6
31 8月12日 13
32 8月20日 8
33 8月27日 7
34 9月3日 7
35 9月11日 8
36 9月17日 6
37 9月25日 8
38 10月1日 6
39 10月7日 6
40 10月16日 9
41 10月22日 6
42 10月30日 8
43 11月8日 9


以下は、最寄りの地震計の記録です。この記録を見る限りでは、今回は勢いのあるかなり顕著な噴出だったようです:

昨年(2018年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は32回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした。今年はすでにこの記録を上回っています:

スティームボート間欠泉の年間噴出回数
(過去50年間)


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