2017年4月30日日曜日

降っていないのに「猛烈な雨」 ― 朝鮮半島南東沖、山陰沖


4月30日、午前1時ごろから9時半ごろまで、気象庁のウェブサイトの「レーダー・ナウキャスト」や「高解像度降水ナウキャスト」などで、実際には雨が降っていないにもかかわらず猛烈な雨が降っていることを示す誤表示が発生しました。場所は朝鮮半島の南東、山陰地方の北方の海上です。気象庁は「非降水エコー」という現象がおきたため、と説明しています:

NHKのニュース画面より

非降水エコーとは、「気温や湿度、風などの影響でレーダーの電波が曲げられ、海面や地表面などに当たり」「海上の波やしぶきを雨と間違えて観測」してしまうことだそうです。

私は、アメリカ海軍の空母カール・ビンソンが日本海に入ったことによって電子戦がはじまったか、朝鮮半島南東部で続いている地震や「異常現象」に関係があるのではないか、とも考えてしまいました。


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全国地震動予測地図の見どころ


4月27日、政府の地震調査研究推進本部(地震本部)が「全国地震動予測地図 2017年版」を公表しました。関東地方から四国にかけての太平洋側が赤く塗られた地図を、テレビや新聞などでご覧になった方も多いと思います。

ほとんどのマスコミは、高確率を示す赤(赤紫)で太平洋側が占められた地図だけを伝えているのですが、地震本部はそれ以外にも多数の地図を同時に公表しています。例えば以下です:

地震調査研究推進本部
「全国地震動予測地図2017年版」より

地震本部は地震を以下の3つのカテゴリーに分けて地図を作成しています:
  • カテゴリーⅠ: 海溝型地震のうち震源断層を特定できる地震
  • カテゴリーⅡ: 海溝型地震のうち震源断層を特定しにくい地震
  • カテゴリーⅢ: 活断層など陸域と海域の浅い地震

上の地図はカテゴリーⅢの地震が起こす震度6弱以上の揺れに見まわれる確率を示しています。もっとも高リスクとされているのは諏訪湖を中心とした帯状の地域です。加えて、大阪、名古屋、静岡東部、神奈川沿岸部や、福井北部、石川・富山、新潟、山形、秋田の沿岸部、筑後川流域、熊本、島原など。

カテゴリーⅢの地震による揺れの範囲は、海溝型地震に比べると桁違いに狭いので、海溝型と同じ地図に重ね合わせて記載されるとほとんど目立たないか、海溝型の揺れの範囲に埋もれてしまいます。そして、マスコミが伝えているのは海溝型地震(カテゴリーⅠやⅡ)が絡んだ予測地図がほとんどなので、多くの国民も予測地図といえばそれしか印象に残っていません。そこへ、熊本地震や鳥取県中部の地震のようなカテゴリーⅢの地震が発生すると、あの予測地図は何だったのだ、役に立たない「はずれ地図」じゃないか、という不当な評価が下されることになるわけです。

カテゴリーⅢの予測地図には、全国で地道におこなわれている活断層調査の結果が反映されていることを忘れないでいただきたいと思います。

公表されたすべての予測地図は以下で見ることができます。J-SHISで地図を見るときには、左上の「考慮した地震」欄で地震カテゴリーを指定することをお忘れなく:

コスタリカ沖中米海溝 (その1)


以前、3回にわたって連載し好評をいただいた「グーグル・マップを使ったプレートテクトニクス名所巡り」の第4回目です。前3回では、(1)海溝に近づき裾野が崩壊し始めた海山(襟裳海山)、(2)山体の半分が海溝に崩落、海溝の陸側斜面に一部が付加し始めている海山(第一鹿島海山)、(3)海山が沈み込んだ後に陸側プレートに残っている痕跡(九州・パラオ海嶺と南海トラフ)を取り上げました。

今回は、同様の現象が大規模におきている中米・コスタリカ沖を取り上げます。地図1をご覧ください:

左上から右下に向かって伸びているのが中米海溝です。メキシコからニカラグアにかけては海洋底に比較的凹凸が少なく、海溝軸もなめらかな曲線を描き、陸側斜面にも大きな出入りはありません。ところが地図右下のコスタリカ沖ではこの状況が一変します。コスタリカ沖を拡大した地図2をご覧ください:

コスタリカ沖の中米海溝には、ガラパゴス海嶺(ココス・プレートとナスカ・プレートの境界)で作られた海洋プレートが沈み込んでいます。このプレート上には、ガラパゴス・ホットスポットで誕生した海山群やココス・リッジが存在しています。これらの海底の高まりがプレートの動きによって中米海溝に次々に沈み込んでいったため、海溝の陸側斜面にその痕跡が凹凸として残っているのです。

この領域の海山の沈み込みについては詳細な研究がなされています。それについては次回に紹介したいと思います。


(続く)


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  1. 襟裳海山 (09年3月5日)
  2. 第一鹿島海山 (09年3月17日)
  3. 九州・パラオ海嶺 (09年4月7日)

2017年4月28日金曜日

断続的に海面変色 ― ベヨネーズ列岩 (続報-3)


4月7日付「断続的に海面変色 ― ベヨネーズ列岩 (続報-2)」の続報です。

4月27日、ベヨネーズ列岩(地図)で新たに複数の場所から気泡が発生しているのが確認されました。「気泡は幅200メートルから300メートルの範囲内の4か所から出ている」、「海底火山の地下深くでマグマが上昇した可能性が高く、マグマから出たガスが気泡となって海面に達したと考えられる」:

気象庁や海上保安庁は「ベヨネー」と表記していますが、このブログでは火山学の書籍などにならって「ベヨネー」を使用しています。引用する情報に「ベヨネース」とある場合には原文どおりとします。命名の由来(列岩を発見したフランスの軍艦名)からすると「ベヨネーズ」が正しいと考えています。


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えびの高原硫黄山で傾斜変動 (続報-3)


4月27日付「えびの高原硫黄山で傾斜変動 (続報-2)」の続報です。

霧島連山えびの高原の硫黄山(地図)では、「硫黄山南西観測点の傾斜計で、硫黄山方向が隆起する傾斜変動が繰り返し発生しています」、「28日に噴気が稜線上で最高200mまで上がるなど、噴気活動が活発化しています」(グラフ):

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近畿圏中心領域大型地震 (続報-151)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が4月27日15:00付けで更新情報を出しています:

以下は今回の更新情報のまとめです ――

推定時期5月3日± に前兆終息が確認された場合は
  5月6日±
5月4日時点で前兆が継続している場合は
  再考し、続報で修正
推定時刻 午前9時±1時間 (または午後6時±3時間)
推定震央領域 岐阜県、福井県、石川県南部、滋賀県北部
更新情報の地図参照 (点線: 大枠推定領域、太線: 可能性が考えやすい領域)
ある程度火山に近い領域の可能性あり
推定規模 M7.8 ± 0.5
推定地震種 震源の深さ30km以浅の陸域地震
 

▼ 現状 (4月27日午後現在)
  • CH17(八ヶ岳) 断続的に糸状特異が出現

  • CH21(八ヶ岳) 4月17日午後から糸状特異が継続

  • CH29(八ヶ岳) 4月26日に特異がいったん終息したように見えたが、4月27日午前から特異が再出現

▼ 考察
  • 第23ステージの前兆出現状況を見直し

  • 複数の前兆の出現状況から、次に早い時期で地震発生の可能性があるのは5月6日±。この場合 ――

    • CH17の特異とCH21の特異は、4月23.5日極大に対する終息推定時期が5月3日±

    • CH29の特異は、4月18.4日極大に対する終息推定時期が5月1日~2日

  • 以上より、5月3日± に前兆が終息するかに注目する必要がある

串田氏の地震予測手法については、同氏の著書(『地震予報』、PHP新書 833)か以下の資料をご覧ください:

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2017年4月27日木曜日

えびの高原硫黄山で傾斜変動 (続報-2)


4月27日付「えびの高原硫黄山で傾斜変動 (続報)」の続報です。

霧島連山えびの高原の硫黄山(地図)で、再び隆起変動が観測されました(4月26日18時ごろから27日05時ごろにかけて)。

27日におこなわれた現地調査によると「硫黄山の火口周辺で引き続き噴気活動や大きな噴気音が認められ、前回(4月18日)の観測と比較して、硫黄山の西側の熱異常域が拡大し、噴気の量が増加」とのことです:

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定置網にイルカ ― 富山県滑川市


4月23日、富山県滑川市の滑川漁港(地図)から1.5kmの沖合に仕掛けられたホタルイカ漁の定置網に、イルカが入っているのが見つかりました。カマイルカとみられ、体長約2m。「『5、6年に一度』という珍事に船上の漁師が驚きの声を上げた」:

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ミンククジラ漂着 ― 北海道えりも町


4月22日、幌泉郡えりも町目黒の海岸(地図)にミンククジラが漂着しているのが見つかりました。体長約7.5m:

また、4月25日には、北海道苫小牧市樽前の海岸(地図)でネズミイルカの死骸が見つかっています。体長約1.3m:

ところで、ミンククジラの「ミンク」の由来を知っていますか。毛皮が珍重されるミンクとは縁もゆかりもありません。「19世紀にこの鯨種をシロナガスクジラと誤認したマインケ(Meincke)というノルウェー人の鯨取りの名が訛ったものではないかとされており ・・・」:

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定説に疑問符 ― 津波の原因


NASAのジェット推進研究所に所属する海洋学者による研究が、津波の原因についての定説に疑問を投げかけています。

定説では、地震による海底の垂直方向の動き(隆起あるいは沈降)が津波の原因であるとされています。この定説には、1980年代に日本の科学者がおこなった波浪水槽を使った実験が大きく寄与しています。その実験の結果、海底の水平方向の変位が津波に与えるエネルギーは無視してよい量だという結論が導き出されたのです。

ところが、NASAの研究者によると、地震計やGPSのデータを使って2004年に発生したインド洋大津波を検証すると、定説では十分に説明できないことが判明。海底の水平方向の変位を計算に入れると、現実の観測データに非常によく合致することがわかったということです。

海底の水平方向の動きが作り出す運動エネルギーは、水深と海底の動くスピードに比例します。ところが、NASAの研究者が波浪水槽を使った日本の実験を検証したところ、次のような欠陥が明らかになりました ―― 水深と海底の水平変位の実際の比率を再現するには水槽が浅すぎたこと、地震の際のプレートの動きを再現するために使った水槽内の壁の動きが遅すぎたこと。

これらの欠陥を取り除いた新たな実験の結果、2004年のインド洋大津波と2011年の東北地方太平洋沖地震にともなう津波において、海底の水平方向の変位が津波の持つエネルギーの半分以上に寄与したことが明らかになったとのことです。

詳細は以下をご覧ください:

気象庁などが発表している津波の波高の予測なども、見直しが必要になるかも知れません。


ニホンカモシカを保護 ― 和歌山県田辺市


4月24日、和歌山県田辺市龍神村龍神(地図)の国道沿いにニホンカモシカが現れ、保護されました。「人が近寄っても逃げるそぶりは見せず、動きがやや不自由そうで立ち尽くしていた」:

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えびの高原硫黄山で傾斜変動 (続報)


4月25日付け「えびの高原硫黄山で傾斜変動」の続報です。

霧島連山えびの高原の硫黄山(地図)の傾斜変動は、25日夜以降、次第に鈍化。火山性地震は少ない状態で経過、火山性微動は観測されていないとのことです:

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2017年4月25日火曜日

えびの高原硫黄山で傾斜変動


4月25日昼ごろから、霧島連山えびの高原の硫黄山(地図)で傾斜変動が観測されています。火山性地震は少ない状態、火山性微動は観測されていないとのことです。「硫黄山南西観測点の傾斜計で、硫黄山方向が隆起する傾斜変動がみられています」:

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東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報-5)


4月24日付け「東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報-4)」の続報です。

今日も東京湾でクジラが目撃されています。湾から出られなくなっているのでしょうか。湾内にクジラの餌が豊富にあるとは思えません。

▼ 「25日0635現在、東京湾中ノ瀬航路内の中ノ瀬航路第1号灯標と中ノ瀬航路第2号灯標間の海域付近において、クジラらしき物(1頭)の目撃情報がありました」:

▼ 「25日1159現在、東京湾東水路南側の川崎(地図)沖付近において、クジラらしき物(1頭)の目撃情報がありました」:

上の記事中にある「中ノ瀬航路第1号灯標」と「中ノ瀬航路第2号灯標」の位置は、以下の海図で知ることができます。左側ペイン内「灯浮標」の下の “more” をクリックし、現れたメニューの中から該当する灯標を選択して下さい。右側海図で対応する灯標が白丸で囲まれます:

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シャチが海岸に近づく ― 北海道苫小牧市


4月20日、北海道苫小牧市真砂町(地図)の海岸にシャチが近づき、サーファーが避難する騒ぎがありました。「苫小牧の沿岸でシャチが目撃されるのは珍しい」:

以下は、これまでにこのブログで取り上げたシャチ関連のできごとです:

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2017年4月24日月曜日

オマーン・オフィオライト


アラビア半島のオマーン(地図)では、かつての海洋プレートと上部マントルがまるごと陸上に姿を現しています。中央海嶺の下がどうなっているのかや、モホ面や上部マントルを直接観察できる希有な場所です。

「オフィオライト(ophiolite)とは、海洋地殻から上部マントルにかけての連続した層序がみられる地質体」のことで、特にオマーンのオフィオライトは「海洋地殻―マントルの層序があまり乱されることなく」露出しているとのこと:

かつてのモホ面や上部マントルの写真:

JAMSTEC(海洋研究開発機構)では、オマーン・オフィオライトを掘削して、風化していないサンプルを採取するプロジェクトを各国と共同で進めています:


土星の衛星アトラスはもっと変だ


先日、土星の衛星パンは変な形をしていると紹介しましたが(下記関連記事を参照)、同じく土星の衛星であるアトラスも負けず劣らず奇妙な形をしています。イタリア料理のラビオリでしょうか、中華料理のワンタンでしょうか、それとも踏んづけた大福でしょうか。

NASAの土星探査機・カッシーニが、4月12日にアトラスに1万1000kmまで接近した際に撮影した画像です。アトラスは直径30km前後で、土星のAリング(写真)のすぐ外側を回っています:

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東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報-4)


4月21日付け「東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報-3)」の続報です。

一昨日と同じ場所を遊弋しているようです。

▼ 「23日1323現在 富津岬(地図)付近海域において、クジラらしき物(1頭)の目撃情報がありました」:

▼ 「23日1710現在 第二海堡(地図)東側海域付近において、クジラらしき物(1頭)の目撃情報がありました」:

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2017年4月23日日曜日

球状コンクリ-ション


自然に形成される大きな球体。オーパーツと間違われることもあるようです。「粒子が細かく均一な海底の土中で、生物が死んで腐り、周囲に炭素が拡散。海水のカルシウムと反応して炭酸カルシウムとなり、風船が膨らむように急速に形成」:

記事中で言及されているニュージーランドのモエラキ海岸(地図)については以下をどうぞ:

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2017年4月22日土曜日

リングの彼方のふるさと


NASAの土星探査機・カッシーニが土星のリング越しに撮影した地球と月です。月は地球の左側に小さく写っています。カッシーニにとっては、20年前に旅立ち、2度と帰れぬふるさとです。カッシーニは今年9月半ばに土星の大気圏に突入して燃え尽きます:

撮影は日本時間で4月13日午後。地球までの距離は14億km。カッシーニからは南大西洋が見えていたはずだそうです。

カッシーニを土星の大気圏に突入させるのは、将来、同探査機が生命存在の可能性がある衛星に衝突して地球由来の微生物で汚染するのを防ぐため、とされています。カッシーニには放射性同位元素をエネルギー源とする原子力電池が3基搭載されていることも理由かも知れません。


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牧草地の大規模隆起続く ― 北海道陸別町


2016年4月21日付「牧草地が大規模な隆起 ― 北海道陸別町」と2016年4月22日付「牧草地が大規模な隆起 ― 北海道陸別町 (続報)」の続報です。

昨年4月に報道された、北海道陸別町上陸別(地図)の牧草地が大規模に隆起した件ですが、1年が経過してさらに1m高くなり4m弱に達しているとのことです:

昨年の報道では、隆起は長さ60m、幅30m、高さ最高3mでしたが、現在は長さ約80m、幅約40m、高さは最大で4m弱に達しています。

当初、専門家は凍上という現象が原因としていましたが、その後、「近くの斜面が崩れて雪解けで弱くなった牧草地を押し上げた」との説明に変えていました。

それにしても、記事の説明図にあるように、河川に面した斜面の地滑りが、対岸の地面を長期間にわたって隆起させ続けるということがありうるのでしょうか。河川の水流によって川底の部分などがすぐに浸食されてしまうように思うのですが。


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水深減少 ― 海上保安庁第5管区 (続報)


3月25日付「水深減少 ― 海上保安庁第5管区」の続報です。

水深減少の情報が新たに2カ所、追加されました:

第五管区海上保安本部は、主に関西から四国地方の太平洋側にかけての範囲を管轄していますが、なぜこの管区にだけ水深減少が続発するのでしょうか。


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「宏観異常」で客寄せ ― 韓国


「浜辺まで上がってきてバタつく魚の群れ、空を覆ったカラスの群れ」。朝鮮半島南東部で地震が増加し、人々の不安が高まっていることに乗じて稼ごうとした男らが起訴されました:

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2017年4月21日金曜日

白山で火山性地震急増 ― 石川県・岐阜県 (続報)


3月18日付「白山で火山性地震急増 ― 石川県・岐阜県」の続報です。

4月20日、石川県金沢市の南方約50km の石川・岐阜県境に位置する白山(地図)で、再び火山性地震が急増しました。前回の急増は3月17日で42回の地震を記録、今回は48回の地震が記録されています。

気象庁「白山の火山観測データ」より

白山は、八ヶ岳南麓天文台の串田氏が予測している大地震(M7.8 ± 0.5)の推定領域内にあります。また、串田氏は震源について「ある程度火山に近い領域の可能性あり」としています。


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東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報-3)


4月21日付「東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報-2)」の続報です。

その後もクジラの目撃が続いています。

▼ 「21日1125現在 第二海堡(地図)東方(北緯35度18.68分、東経139度44.78分付近)において、クジラらしき物の目撃情報がありました」:

▼ 「21日1652現在 富津岬(地図)北側付近海域において、クジラらしき物(3頭位)の目撃情報がありました」

17日朝の段階では2つのグループ(1頭と2頭)が離れた場所で目撃されていたのですが、今日夕方の段階では合流しているようです:

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東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報-2)


4月17日付「東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報)」の続報です。

4月21日朝、東京湾でクジラらしきものが目撃されました。「21日0833現在 第二海堡東側付近において、クジラらしき物の目撃情報がありました」:

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NASAが小惑星 2014 JO25 の地球接近を解説 (続報)


4月10日付「NASAが小惑星 2014 JO25 の地球接近を解説」の続報です。

4月19日に地球に接近した小惑星〝2014 JO25〟のレーダー画像をNASAが公開しています。2つの岩塊が接合したような亜鈴状の形をしています:

上の記事のまとめです:
  • 画像の解像度は1画素あたり7.5m。
  • 自転周期は約5時間。
  • 「コンタクト・バイナリー」と呼ばれる形状。2つの大きな塊が細い首のような部分でつながっている。
  • 大きい方の塊の大きさは約620mと推定。
  • 狭い平坦部、凹み、角張った部分などが識別できる。

日本の小惑星探査機「はやぶさ」が表面の物質を採取して持ち帰った小惑星イトカワや、欧州宇宙機関の彗星探査機ロゼッタが到達し、着陸機フィラエが送り込まれた67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星も2つの塊がつながったような形状をしていました。小惑星や彗星のような小天体にはコンタクト・バイナリーが多いのかも知れません。


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2017年4月20日木曜日

信号機の不具合続発 ― 滋賀県大津市


滋賀県大津市の琵琶湖ホテル(地図)前にある「島ノ関西」交差点で、昨年8月ごろから信号機の不具合が続発し、それが原因の交通事故も発生しています。事故後の昨年8月30日に信号制御機の基盤を交換、さらに今年3月に制御機を新品に交換したものの不具合が続発し、滋賀県警は現場に警備員を配置しているとのことです:

「県道に並行して京阪石山坂本線が走っており、信号は市道側にある踏切と連動している」という点が、不具合と関係しているのかも知れません。


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イルカ座礁・漂着 ― 北海道北斗市、苫小牧市、小樽市


▼ 4月3日 北海道北斗市飯生(地図イシイルカ 体長1.05m 「イルカが波打ち際でもがいているのを住民が発見」:

▼ 4月4日 北海道苫小牧市有明町(地図ネズミイルカ 体長約1m 付近の住民が発見 腐敗進行

▼ 4月17日 北海道小樽市祝津 (地図ネズミイルカ 体長1.48m 付近の住民が発見 腐敗進行

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クジラ漂着 ― 沖縄県嘉手納町


4月17日、沖縄県嘉手納町兼久の嘉手納マリーナ(地図)の海岸に、コマッコウが打ち上げられているのが見つかり、保護されました。体長2.22m、体重160kg。「弱った状態で迷い込んだ可能性がある」、「ダルマザメにかまれたとみられる傷跡も複数あった」:

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近畿圏中心領域大型地震 (続報-150)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が4月17日15:30付と4月19日15:30付けで更新情報を出しています:

以下は今回の更新情報のまとめです ――

推定時期4月26日~27日に前兆終息が確認された場合は
4月29日(または30日、最大誤差5月2日まで)
(4月28日段階で前兆が継続している場合は再考・修正)
推定時刻 午前9時±1時間 (または午後6時±3時間)
推定震央領域 岐阜県、福井県、石川県南部、滋賀県北部
更新情報の地図参照 (点線: 大枠推定領域、太線: 可能性が考えやすい領域)
ある程度火山に近い領域の可能性あり
推定規模 M7.8 ± 0.5
推定地震種 震源の深さ30km以浅の陸域地震
 

▼ 現状 (4月19日夕刻現在)
  • CH15(八ヶ岳) 4月18日09時ごろ、短時間の特異状態出現、ふだんは正常基線

  • CH17(八ヶ岳) 静穏な正常基線の状態が長く続くが、時折、糸状特異が出現

  • CH20(八ヶ岳) ほぼ正常基線、4月18日午前に特異状態が出現

  • CH21(八ヶ岳) 不規則な変動、4月17日午後から完全な糸状特異

  • CH29(八ヶ岳) 4月11日まではほぼ正常基線、4月12日08時ごろから下向きの特異変動が出現、4月18日午前が最も顕著

  • その他の観測装置は静穏基線で、前兆の再出現なし

▼ 考察
  • 観測歴上最長の継続期間 ― 2008年7月初旬から8年9ヵ月継続

  • CH29の下向き変動が出現し始めた4月12日08時ごろを初現、CH29の下向き変動の顕著化およびCH15とCH20に短時間の特異が出現した4月18.4日を極大として、経験則 [初現~地震発生]:[極大~地震発生] = 20:13 を適用 → 4月29日± を算出

  • 静穏期間(前兆終息~地震発生)は2.8日と計算されるので、4月26日午後に前兆終息の可能性

  • 4月26日~27日に前兆が静穏化するか、27日以降も継続するかを観測・確認して続報予定

串田氏の地震予測手法については、同氏の著書(『地震予報』、PHP新書 833)か以下の資料をご覧ください:

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西之島が噴火


「20日14時過ぎに西之島(地図)において噴火が確認されました。また、19日夜から気象衛星ひまわりにより、西之島付近で周囲に比べて温度の高い領域が確認されています」:

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2017年4月17日月曜日

すべての爆弾の「父」


アメリカが「すべての爆弾の母」(MOAB)という大型爆弾をアフガニスタンで初めて実戦に投入しましたが、ロシアも負けてはいません。「これが全ての爆弾の父だ: MOABに対するロシアの答え」と題する下の記事では、ロシアの燃料気化爆弾(thermobaric bomb)を紹介しています。MOABの約4倍の大きさで、TNT火薬44トンに相当し、半径約300m以内を爆風で破壊し尽くすそうです:

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東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など (続報)


4月16日付「東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など」の続報です。

4月17日朝、根岸湾海づり公園前(地図)と第二海堡(地図)東方の2カ所でクジラが目撃されています。目撃時刻の間隔が短いので、同じクジラが移動したとは考えにくいです。2つのグループ、合計3頭のクジラが東京湾内に入りこんでいるようです。

▼ 「17日0816現在 京浜港、横浜区、第5区、根岸湾海づり公園前において、クジラらしき物の2頭の目撃情報がありました」:

▼ 「17日0830現在 第二海堡東方300から400メートルの位置において、クジラらしき物の目撃情報がありました」:

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2017年4月16日日曜日

朝鮮半島南東部で地震連発 (補足)


4月16日付「朝鮮半島南東部で地震連発」の補足です。

韓国では、ここのところ、毎週末に地震が発生しているとのことです。4月1日、8日、9日、そして15日。韓国気象庁は「週末ごとに地震が発生するように見えるが、地震に特別な周期があるのではなく偶然の一致」としています:

去年、韓国では3回の地震がいずれも午後8時33分に発生して話題になりました。この時も韓国気象庁は「単なる偶然にすぎない」と説明しています:

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すべての地域で地震予兆?


早川正士・電気通信大名誉教授(『予知するアンテナ』)の地震予測についての記事です。「すべての地域で地震予兆」という記事のタイトルはどういうことなのでしょうか。あまりにも予測が当たらないので、とうとう破れかぶれになってしまったのかと思いました:

記事に書かれている予測をまとめると以下のとおりです。地震の規模は、いずれも陸上ならM5.0、海底ならM5.5とのこと:

時期 震源 震度
~4月17日 福島から千葉北部 福島・茨城・千葉で最大震度4前後
東京・神奈川で最大震度2前後
~4月19日 北海道の道東 最大震度3前後
~4月19日 東北地方の太平洋側 最大震度3前後
~4月19日 九州 最大震度3前後


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東京湾にクジラ? ― 神奈川県横浜市沖など


海上保安庁の「海の安全情報」から ― 「16日1300現在 京浜港、横浜区、八景島沖において、クジラらしき物の目撃情報があります」:

このブログの過去の記事から、東京湾内にクジラやイルカが入りこんだ事例を集めてみました。偶然でしょうが、西暦の末尾が奇数の年ばかりです:

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朝鮮半島南東部で地震連発


韓国南東部・慶尚北道(地図)で小規模ですが地震が連発しています:

韓国気象庁の Earthquake Information には、4月15日に以下の3件が記録されています:
  • 5時41分52秒 M2.2
  • 11時31分13秒 M3.1
  • 17時16分47秒 M2.0

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放散虫革命とプレートテクトニクス


プレートテクトニクスは1960年代の後半に発展し、ヨーロッパやアメリカでは広く受け入れられてきました。ところが、日本の地質学界はソビエト連邦(現ロシア)と並んでプレートテクトニクスに対する抵抗が強く、1970年代末になっても、プレートテクトニクスを認めず、地向斜造山運動によって日本列島の形成を説明しようとする勢力が学界を牛耳っていました。

そんな学界の閉塞状況を打ち破って、地向斜造山運動論に止めを刺し、頑迷固陋な抵抗勢力の息の根を止め、一気にプレートテクトニクスを受け入れさせる契機となったのが、1970年代末から1980年代初頭の数年間に起こった「放散虫革命」でした。

放散虫は主に海産のプランクトンで、先カンブリア紀から現代まで生息しています。珪酸質の骨格が化石として残りやすく、その形状が多様で時代による変化が大きいため、岩石や地層の年代を決定するのに極めて有効です。この放散虫の化石を岩石から効率よく分離する方法が見つかったことで、日本国内の岩石や地層の年代が詳細に解明されるようになり、地向斜造山運動論は成り立つ余地がなくなりました。

以下は、「革命の渦中にいた」福井市自然史博物館の研究者による放散虫革命のわかりやすい解説記事です。地元福井県の南条山地(地図)を例にとっているのですが、同地域のプレートテクトニクス以前と以後の地質図の比較が非常に面白いです。多数の断層で区切られた前者と断層がほとんどない後者。その変化の理由は何でしょうか:

放散虫革命の立役者の一人が、高知大学理学部助教授だった平朝彦・国立研究開発法人海洋研究開発機構理事長です。以下は『プレート収束帯のテクトニクス学』(木村学、東京大学出版会、2002)からの引用です:
日本の地質学界は世界に遅れること十数年にして、プレートテクトニクスを新たな証拠とともに受け入れることとなったが、逆にこの放散虫革命は日本の地質学界でしかなし得なかった新たな到達点であった。1981年アメリカ地質学会のペンローズ会議における平朝彦の四万十帯研究成果の発表は、集まった世界の付加体研究者に大変な衝撃を与えた。日本列島は付加体研究のフィールドとして一挙に世界の最前線に躍り出ることになった。今や付加体の研究をするうえで、日本列島を無視することはできない。

2017年4月15日土曜日

巨大地震の可能性? 検潮所の地盤に異変 ― 北海道根室市


北海道文化放送』の記事から。根室市花咲港(地図)では検潮所の地盤が沈み続けていて、1955年以降、約60年で60cm近く沈下。通常、大きな地震があると隆起に転じるはずですが、同所では、過去2度の大きな地震の後も沈降が続いていて、ひずみが解消されていないとみられています(グラフ)。「極端に地震が大きくないと、マグニチュード9近くじゃないと、(ひずみが)とれないという説がある」(北海道大学地震火山研究観測センター・谷岡勇市郎教授):

グラフは奇異に感じる方がおられるかも知れません。上半分の「通常」は仮想的な潮位の変位だと思われます。潮位は地盤を基準に測るので、地盤が沈下すれば逆に潮位は上昇します。記事中に「この辺りの地盤は緩やかに上昇し、地震のたびに一気に下がって・・・」とあるのは、潮位のグラフを見て記事を書いた記者の勘違いではないでしょうか。

短期間の潮位の変化は以下で見ることができます:

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弾性反発説は否定された?


ロバート・ゲラー元教授(東京大学・地震学)のツイートから:

伊豆大島で火山性地震増加 (続報-2)


伊豆大島(地図)西方沖の火山性地震多発について、気象庁が4月14日に発表した「平成29年 No.15 週間火山概況 (4月7日~4月13日)」には次のように書かれています:
9日18時頃から、主に伊豆大島西方沖を震源とする火山性地震が増加しました。伊豆大島町元町で震度1を観測する地震が5回発生し、このうち最大の規模の地震は9日18時09分に発生したマグニチュード2.4の地震でした。地震の発生は9日夜から10日午前中にかけての期間が最も多く、それ以降徐々に少なくなっています。

伊豆大島西方沖では2015年3月ごろにも同様の地震活動があったとのことです

以下は、4月1日~13日の震源分布と断面図です:

(クリックで拡大)

図の作成には地震活動解析システム(TSEIS)を使用しました。TSEISは気象庁により決定された地震カタログを使用しています。同システムについては以下を参照してください:
  • 鶴岡 弘. WWWを用いた地震情報検索・解析システムの開発.情報処理学会研究報告;データベースシステム115-9, 情報学基礎 49-9, 65-70 (1998)

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要石(かなめいし)


鹿島神宮(地図)と香取神宮(地図)の要石が、地震を起こす大ナマズの頭と尾を押さえつけているといわれていますが、2つの要石は地下でつながっているという説や金輪際(こんりんざい)から生えたものだという説があるのだそうです:

上記の記事によると、鹿島神宮と香取神宮は直線距離で13kmほど離れているとのこと。もし、2つの要石が地下でつながっているとすると、世界最大の一枚岩であるマウント・オーガスタスや、同2位のウルル(エアーズロック)を上まわる大きさの一枚岩ということになるかも知れません。


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