いつも見ている USGS(米国地質調査所)のウェブサイトに、いきなり以下の記事が掲載され、少々面食らいました:
原因は、天然ガスを扱う会社の社長で自称「地質学者」の男が、自分の管理するウェブサイトに、USGS のロゴを使って "Yellowstone National Park - State of Emergency"(イエローストーン国立公園 ― 非常事態)と題する文言を掲載、イエローストーン周辺から避難するように呼びかけたことにあるようです。この男のサイトは現在アクセス不能になっています。下記記事に経緯が書かれています。記事の下部には、この男がイエローストーンの噴気を背景に、深刻な顔つきで噴火の危険性を述べる YouTube の動画が掲載されています:
以下の記事は、この男に電子メールでインタビューした結果を掲載しています。本人はいたって大まじめで、過去10年間、カリフォルニア州の多くの災害を予知してきたと述べ、繰り返し自分の事業(天然ガスの採掘)が連邦政府と深い繋がりを持っていることや、自分の経験の豊富さを強調しています。USGSのロゴを使ったことも正当なことだと主張しています:
さらに別のサイトも、ニセの避難命令を転載したようです。こちらはアクセス可能ですが、問題の記事はすでに削除されているようです。
日本でも、巨大地震の危険を煽って「非常事態」を連発し、避難を呼びかけるようなサイトを見かけますが、何とかならないものでしょうか。騙される人はほとんどいないでしょうが、このようなサイトがあるせいで、宏観異常にもとづく地震予知への信用が大きく損なわれ、色眼鏡で見られる状況になっていると思います。