最新の発表では、最接近時の距離は地球表面から 46,000 km (初期の発表より近くなっています)。これは気象衛星や放送衛星などが使っている静止軌道の外側です。
2010 TD54 は 9日(土)の朝に、アメリカのカタリナ掃天天文台によって発見されました。直径は 10m 未満と見積もられています。
NASA の 地球近傍天体プログラム・オフィス(Near-Earth Object Program Office)によると、地球に衝突する確率は 100万分の 1。衝突する場合でも、大気圏を貫いて地表に到達することは、小惑星のサイズから考えてありえないとのことです。
2010 TD54 は約 2.5年の周期で太陽の周りを公転しています。太陽からもっとも遠ざかるときには火星軌道よりも外側に達し、太陽にもっとも近づくときには金星軌道の内側に入り込みます。
2010 TD54 の軌道傾角は火星、地球、金星とほとんど同じです。これが何を意味しているかというと、2010 TD54 と これら 3惑星の公転軌道がほぼ同じ平面上にある、つまり、2010 TD54 は公転のたびにこれら 3惑星の軌道を横切るということです。そのため、遅かれ早かれ、いずれかの惑星に衝突する可能性が高いと考えられます。可能性が高いにも関わらず、これまで衝突せずにいるということは、2010 TD54 が現在の軌道で公転し始めたのは、それほど昔のことではないと考えられます。おそらく、比較的最近、他の天体の重力によって軌道が変わり、現在の軌道にのったのではないでしょうか。
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