2024年3月31日日曜日

十勝岳で火山性微動と傾斜変動

 
3月30日午後、北海道の十勝岳(地図)で火山性微動と傾斜変動が観測されました。
 
「30日13時00分頃から継続時間約23分間の振幅の小さな火山性微動が発生しました」、「微動に概ね同期して、62-2火口周辺の傾斜計でわずかな傾斜変動を観測しました」、「十勝岳での火山性微動の発生は2023年7月4日(継続時間約29分間)以来です」: 

十勝岳の一番最近の噴火は 2004年2月で、小規模な水蒸気噴火でした。
 
 
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2024年3月27日水曜日

「南関東全域の地表からガス噴出を確認」?

 
NEWSポストセブン』の記事です。
 
「3月中旬に衛星画像データの解析で、東京、神奈川、千葉の南関東全域の地表から、地震の前兆と思われるガスの噴出を確認しました。また、『水平方向の動き』では電子基準点『千葉大原』などで南南東方向の大きな動きが見られました。これは2018年7月7日、千葉県東方沖で発生した地震(最大震度5弱、M6)の直前の動きと酷似しています」、「〈関東地方周辺〉〈4月13日まで〉〈M5.5±0.5〉」:
 
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2024年3月24日日曜日

呼吸で体内に入り込むマイクロプラスチック

 
Live Science』に掲載された記事です: 

以下は記事の概略です ——

人間は毎週、驚異的な量の有害なマイクロプラスチックを吸い込んでいる可能性があり、科学者たちは初めて、それが体内のどこに行き着くのかを突き止めた。

2019年、研究者のチームは 1時間に最大 16.2個のマイクロプラスチックが私たちの気道に入ってくると推定した。そして今、研究者たちはこれらの知見を基に、プラスチックが呼吸器系をどのように移動するかを解明した。

3種類のプラスチック形状(球形、四面体、円筒形)を想定し、ゆっくりとした呼吸と速い呼吸の条件下で分析した結果、マイクロプラスチックの最も大きな塊、すなわち約5.56ミクロン(人間の髪の毛の幅の 70分の 1)のものが、最も滞留しやすいことを研究者たちは発見した。これらの大きな塊は、鼻腔や喉の奥などの上部気道に留まる傾向があった。

マイクロプラスチックが人体に与える健康への影響の全容はまだわかっていない。しかし、マイクロプラスチックは人間の細胞を死滅させ、マウスでは腸の炎症や生殖能力の低下を引き起こすことがわかっている。

また、マイクロプラスチックはウイルスやバクテリア、その他の有害な化学物質を運ぶ可能性があり、それらはプラスチックの微細な表面に付着して移動する。

「何百万トンものマイクロプラスチック粒子が水、空気、土壌から見つかっている。世界のマイクロプラスチック生産量は急増しており、空気中のマイクロプラスチックの密度は著しく増加している」と論文の筆頭著者は語っている。
 
 
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大量のイワシ漂着 — 北海道小樽市

 
3月20日ごろから、北海道小樽市(地図)の海岸約 7km にわたって大量のイワシが漂着しています。 

「漁師やって 40年以上経つけどイワシ上がるのは初めて。いい現象じゃないね」:
 

噴火続く — アイスランド (続報)

 
アイスランドの放送局 RÚV のポストから ——「レイキャネス半島の噴火は続いています。昨日は、溶岩が建設プロジェクトに使われる砂利の採石場まで流れ込みました。ドラマチックなビデオをご覧ください」:
 
 
 

2024年3月23日土曜日

北海道駒ヶ岳で火山性微動と傾斜変動

 
3月23日02時33分ごろ、北海道駒ヶ岳(地図)で火山性微動が発生しました。

「北海道駒ヶ岳では、本日(23日)02時33分頃から、継続時間約1分40秒程度の火山性微動が発生しました」、「この火山性微動に同期して、山頂火口原方向が上がる傾斜変動を観測しました」、「火山性微動を観測したのは2001年1月17日以来です」:

北海道駒ヶ岳は、2月20日に開かれた火山噴火予知連絡会の定例の会合で評価が見直され、これまでの「噴火の兆候は認められない」から「やや活発化する傾向が認められ、今後の火山活動の推移に注意が必要」に変更されていました:

北海道駒ヶ岳の一番最近の噴火は 2000年9月から11月にかけてで、水蒸気噴火が 6回記録されています。
 
 

2024年3月22日金曜日

茨城県南部の地震

 
昨日の午前9時過ぎに発生した茨城県南部の地震(暫定値 M5.3、深さ 46km、最大震度5弱)についての気象庁の報道発表資料です。 

「北西‐南東方向に圧力軸を持つ逆断層型」、「フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生」、「今回の地震の震源周辺では、相模トラフ沿いで発生する大規模地震が想定されています」、「過去には、2008年の茨城県沖の地震のように、大きな地震の発生後、より大きな地震が発生し、当初の活動域が広がった例もあります」:
 

2024年3月21日木曜日

噴火続く — アイスランド

 
3月17日付「噴火始まる — アイスランド」の続報です。
 
アイスランド気象局が 3月20日22時45分(日本時間)におこなった発表からの抜粋です:
 
噴火活動は比較的安定しており、噴出場所は前日から変化していない。溶岩は火口から南に向かい、噴火初日に流れ出た溶岩の上を流れている。南海岸道路(South Coast Road)とスヴァルツェンギ(Svartsengi)付近の溶岩流の先端部では、ほとんど動きが検出されていない。土曜夜に噴火が始まって以来、地震活動は小規模で推移している。
 
昨日公開された InSAR画像(干渉合成開口レーダー画像)では、3月17日から18日にかけてスヴァルツェンギで地盤が膨張した形跡がはっきりと見られた。 3月18日の GPSデータは、膨張率が減少している可能性を示唆している。これは、マグマがスンドヌクル(Sundhnúkur)の火口列の地表に向かって流れているため、スヴァルツェンギの地下に蓄積していないことを示している可能性がある。今後数日間の噴火と地盤の変形の兆候の推移によって、スヴァルツェンギの地下に流入するマグマとスンドゥンクル火口列から地表に流れ出る溶岩が平衡状態に達するかどうかが明らかになるであろう。
 
 
 以下のポスト(ツイート)の画像で、赤い線は噴火している亀裂、オレンジ色の矢印は西と南に向かう溶岩の流れを示しています。地下にマグマが貯まっているとされるスヴァルツェンギは、亀裂から西に離れたところにあることがわかります: 

 
 

2024年3月20日水曜日

硫黄島沖新島、ほぼ海没

 
23年11月25日付「新島誕生 — 硫黄島沖 (続報-2)」の続報です。

昨年 10月下旬に始まった噴火によって硫黄島・翁浜の沖に誕生した新島(地図)は、3月16日におこなわれた海上保安庁による無人機・シーガーディアンを使った観測によると、ほぼ海没しているとのことです:
 
新島付近の海面からは大量の白煙が立ちのぼっており、火山活動は活発になっているようです。
 
 

千島海溝巨大地震 「そろそろ満期だ」

 
千島海溝で発生する M9  クラスの巨大地震に警鐘を鳴らす長い記事です。
 
「過去の履歴を見るとM9クラスが三百何十年に1回は起きている、そろそろ”満期”なので、次に起こるのはそのクラスである可能性が割とある」、「観測の結果、陸側のプレートが広い範囲で太平洋プレートと同じように動いているため、両者が大規模に固着している可能性が高い(中略)海溝の最深部である海溝軸に近い所まで固着していると、これが一気に滑った際には巨大な津波を引き起こす」:
 

首都直下型地震 「以前と違う状態」

 
千葉県東方で起きているスロー・スリップにともなう群発地震についての『FRIDAY DIGITAL』の記事です。この種の記事には珍しく、地震学者のロバート・ゲラー東大名誉教授のコメントも載っています。

「いつどこで大地震が起きてもおかしくない。ただ群発地震が起きている場所の近くで大地震の起きる確率が多少上がることは、統計学上明らかになっています」(ゲラー名誉教授)、「ここまで地震が続発するということは、地下で何か大きなことが起きているのでしょう。以前とは違う状態です。巨大な地震の予兆である可能性はありえます」(元東京大学地震研究所准教授、深田地質研究所客員研究員の都司嘉宣氏):
 

温泉の成分が変化 — 富山県黒部市

 
富山県黒部市にある宇奈月温泉(地図)では、能登半島地震の後、温泉水のメタケイ酸とマンガンが増加したとのことです。
 
「富山県の宇奈月温泉の湯が、能登半島地震後 “赤茶色” に変わる現象がおきています。一方で肌に良い成分が4倍以上に増えたことがわかり、利用者には好評だというのです」:
 

小惑星 2024 FC1 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 FC1〟が 3月10日に月と地球の近くを通過していたことが NASA/JPL による 3月19日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 FC1
(2024年3月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)3月10日 11:30
 (地球)3月10日 23:58
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.28 LD
(地球)0.87 LD
推定直径
8 ~ 17 m
対地球相対速度
5.7 km/s ≅ 2万1000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2024年8月21日
公転周期303 日 ≅ 0.83 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年3月17日日曜日

漁港にクジラが迷い込む — 福島県浪江町

 
3月16日午前10時ごろ、福島県浪江町の請戸漁港(地図)にクジラが迷い込んでいるとの通報が福島海上保安部にありました。体長は約 10m で、マッコウクジラとみられています。
 
「請戸漁港にクジラが入り込むのはここ30年では初めて」(漁協関係者)、「元気そうに見える。何らかの理由で漁港内に迷い込んだのだろう。干満差で自力で脱出できる可能性がある」(アクアマリンふくしま): 
 
翌 17日06時17分ごろ、福島県沖を震源とする M5.4、深さ 50km、最大震度 4 の地震が発生しました。速報値によると、震央はクジラの迷い込みがあった請戸漁港から南東に 51km の地点です。

気象庁「震源・震度情報」より


小惑星 2024 ER4 が地球と月に接近

 
3月17日夜、小惑星〝2024 ER4〟が地球と月の近くを通過します。
 
2024 ER4 (2024年3月16日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)3月17日 18:14
 (月)3月17日 22:58
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.421 LD
(月)1.339 LD
推定直径
9 ~ 20 m
対地球相対速度
8.3 km/s ≅ 3万 km/h
初観測から地球接近まで3 日
次の地球接近2026年11月12日ごろ
公転周期288 日 ≅ 0.79 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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噴火始まる — アイスランド

 
 
3月17日早朝(日本時間)、アイスランドのレイキャネス半島で噴火が始まりました。 以下は、アイスランド気象局による 17日08時50分付(日本時間)発表の概略です ——
 
ハガフェル山(Mt. Hagafell)とストラ・スコグフェル山(Mt. Stóra Skógfell)の間で噴火が始まった。スンドヌクスギガ火口列(Sundhnúksgíga crater row)での噴火はこれで 4回目となる。

噴火は協定世界時 3月16日20時23分(日本時間 17日05時23分) に始まり、長さ 2.9km の亀裂が急速に開いた。亀裂の長さと位置は 2024年2月8日の噴火と似かよっている。

噴火前の前兆段階は非常に短かった。 国民保護緊急事態管理省への最初の警報は協定世界時19時43分に発出され、そのわずか 40分後にウェブ・カメラで噴火の開始が確認された。噴火は噴出性であり、噴煙は主に蒸気とガスで構成されている。

沿岸警備隊が噴火地域上空でヘリコプター飛行を実施した。この飛行にはアイスランド気象局(IMO)、アイスランド大学、国民保護緊急事態管理省の専門家が同行した。溶岩は噴火の亀裂から西に向かって流れ、グリンダヴィークルヴェグル(Grindavíkurvegur、道路)とスヴァルツェンギ(Svartsengi)地域の防護壁の方向に向かっている。それに加えて、大きな溶岩流が南東方向に流れ、グリンダヴィーク(Grindavík)の防護壁の方向に向かっている。

ウェブ・カメラの画像とヘリコプター飛行による航空写真の初期評価から、この噴火はマグマ放出量の観点から、スンドヌクル火口列(Sundhnúkur crater row)からの過去 3回の亀裂噴火の中で最大のものであると考えられている。 この推定は、噴火活動の最初の 1 時間に対するものである。

協定世界時 22時10分、南側の溶岩流の先端はグリンダヴィーク東側の防護壁からわずか 200 m のところに迫っており、時速約 1km の速度で移動。協定世界時 22時20分、グリンダヴィーク北西のグリンダヴィークルヴェグルからは溶岩流は 700〜800メートル離れており、1時間半で約 1km 移動。
 
 

2024年3月16日土曜日

駿河湾奥にクジラ — 静岡県沼津市

 
3月13日、駿河湾の奥にある沼津市西浦木負(地図)付近でクジラが目撃/撮影されました。ザトウクジラの可能性があるとのことです。
 
「この付近でクジラの目撃情報は数年に1回あるかないか」、「今回のように駿河湾の奥まで入って来るケースはあまりない」、「珍しい。漁師の人も初めて見たと言っていた」:
 

マッコウクジラが座礁 — 北海道浦幌町

 
3月12日、北海道浦幌町にある厚内漁港(地図)近くの海岸にマッコウクジラが打ち上げられているのが見つかりました。体長 4.8m で、発見時には生きていました。
 
「ほかの動物に襲われたような大きな傷は見つからず、海で泳いでいたときに何らかの原因で弱り、海岸に流れ着いて死んだとみられる」:
 

2024年3月15日金曜日

小惑星 2024 EJ4 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 EJ4〟が 3月13日から14日にかけての深夜、月と地球の近くを通過していたことが NASA/JPL による 3月14日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
地球への接近距離は 0.068 LD(2万6246 km)で、発見は最接近の 当日でした。
 
2024 EJ4
(2024年3月14日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)3月13日 23:56
 (地球)3月14日 02:22
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.997 LD
(地球)0.068 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
8.7 km/s ≅ 3万1000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近2029年7月6日ごろ
公転周期841 日 ≅ 2.30 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2024年3月14日木曜日

マグマの蓄積進む — アイスランド (続報)

 
2月24日付「マグマの蓄積進む — アイスランド」の続報です。
 
アイスランド気象局の発表(日本時間3月13日02時付)の概略です:

スヴァルツェンギ(Svartsengi)の地下のマグマは増加し続けており、新たなマグマ岩脈の貫入や、場合によっては噴火を引き起こす可能性がある。

噴火の警報は、おそらく30分以内という非常に短い予告時間になる可能性がある。
 
噴火の可能性が最も高いのは、ストラ・スコガフェル(Stóra-Skógafell)とハガフェル(Hagafell)の間である。

モデル計算によると、スヴァルツェンギでのマグマの蓄積は一定の速度で続いている。 過去の噴火では、蓄積されたマグマの量が 800万から 1300万立方メートルに達するとマグマ貫入が始まった。現在蓄積されているマグマの総量はすでにこのしきい値に達している。したがって、マグマだまり内の圧力は上昇し続け、今後数日以内に新たなマグマ岩脈の貫入が起こり、噴火が発生する可能性が高まっている。


小惑星 2024 EL3 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 EL3〟が 3月11日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 3月13日付のデータベース更新で明らかになりました。地球への接近距離は 0.094 LD(3万6170 km)、相対速度はマッハ 40超で、発見は最接近の 1日後でした。

 (Credit: Tony Dunn @tony873004

 

2024 EL3
(2024年3月13日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)3月11日 12:27
 (地球)3月11日 19:31
接近日時 誤差
(月)± 6 分
(地球)± 5 分
接近距離 (月)0.246 LD
(地球)0.094 LD
推定直径
5 ~ 10 m
対地球相対速度
13.7 km/s ≅ 4万9000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期1117 日 ≅ 3.06 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2024年3月11日月曜日

国際宇宙ステーションの一部が落ちてくる (続報)

 

国際宇宙ステーションから投棄されたパレット EP-9 はカリブ海とメキシコ湾の上空で大気圏に突入したようです。今のところ、目撃情報や撮影したとの報道は見当たりません。

「EP-9 パレットは協定世界時19時29分(日本時間 翌日04時29分)にカンクン(地図)とキューバの間のメキシコ湾上空で大気圏に突入した。これは事前の予測ウィンドウと一致していたが、進路の "最も可能性の高い" 部分の少し北東であった。あと数分突入が遅ければ、フォート・マイヤーズ(地図)に到達していただろう。」:
 
 
 
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2024年3月10日日曜日

アトサヌプリ近くで有感地震 — 北海道弟子屈町

 
3月9日16時56分ごろ、北海道弟子屈町にある気象庁の常時観測火山・アトサヌプリ(地図)の近くで有感地震が発生しました。最大震度 1、M1.0で、震源の深さは「ごく浅い」。

気象庁「震度・震源情報」より
 
アトサヌプリに噴火の記録はありませんが、これまでにも有感地震が何回も発生しています。今年 1月には地震が急増しています:
 

水道水中のマイクロプラスチックを取り除く方法

 
"Live Science" に掲載された記事です:

記事の概略です ——

世界保健機関(WHO)によれば、マイクロプラスチックが人間の健康にどのような影響を与えるかについての研究はまだ乏しく、結論は出ていない。今のところ、いくつかのプラスチックは無害であると考えられているが、ポリスチレンなどの他のプラスチックは、人間の細胞を破壊し、腸の炎症を引き起こし、マウスの生殖能力を低下させることがわかっている。
 
水道水の中には小さなプラスチック粒子が浮遊しているが、それらが人体にどのような影響を与えるのかはまだ不明である。 しかし、新たな研究によって、水を 5分間沸騰させると、潜在的に有害なマイクロプラスチックの少なくとも 90%を除去できることが判明した。
 
研究者らは、一般的に存在する 3種類のマイクロプラスチック化合物——ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン——と、一般的に存在する多くのミネラルを含む水道水のサンプルを作成した。研究者らはまた、炭酸カルシウムの濃度を調整することによって、水のサンプルの「硬度」を変化させた(アメリカの家庭の大多数は硬水を使用しており、これは、水にミネラル含有量が高いことを意味している)。
 
研究者らは、サンプルを 5分間煮沸して冷ました後、マイクロプラスチックの量が激減していることに気づいた。硬度の高い水では、マイクロプラスチックが 90%近く減少した。これは、水中の炭酸カルシウムが高温で固体となり、プラスチック粒子を内部に閉じ込めたからである。

この方法を普通のコーヒー・フィルターと併用して凝固したカルシウムを除去すれば、健康を害する可能性のあるマイクロプラスチック粒子を簡単に除去できる可能性がある、と研究者らは語っている。
 

2024年3月9日土曜日

タチウオが爆釣 — 神奈川県小田原市

 
気象庁「震源・震度情報」より
「(株)小田原魚市場公式ブログ」 の 3月7日付記事に「小田原の近海で『タチウオ』が爆釣ってのも珍しい(改行)なにかの予兆でしょうか?」とあります。 
 
そして、翌 3月8日02時58分ごろ、小田原から目と鼻の先の相模湾(熱海沖)で M3.0、深さ 10km、最大震度 2 の地震が発生しました。
 
 

国際宇宙ステーションの一部が落ちてくる

 
国際宇宙ステーション(ISS)から投棄された船外露出パレット EP-9 が、日本時間 3月8日21時30分から 9日17時30分の間(ハーバード・スミソニアン天体物理学センター)に、制御されない状態で大気圏に突入するとのことです。一部が大気圏中で燃え尽きずに地表に到達する可能性があります:
 
EP-9 は重量 3トン弱で、リチウムイオン電池を搭載しており、これまでに ISS から投棄された物体としては最大。2020年5月に日本の HTV9こうのとり 9号機)によって ISS に運ばれ、2021年3月に宇宙ステーションから投棄されました。
 
 
 
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2024年3月7日木曜日

宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-59)

 
高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の報告受付件数の表が更新されています。更新の日付は前回と同じ「2023年11月20日」のままですが、昨年 11月から今年 2月分までの報告件数が追加記入されています(いままでこのようなことはなかったのですが、担当者が替わったのでしょうか)。
 
今回の更新では、2月に地鳴りの報告が 2件とありますが、具体的な報告内容は記載されていません。他のカテゴリーはすべて 0件でした。
 
 
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ハイドロキシアパタイト

 
NASA のウェブサイトに掲載された記事です:
 
ハイドロキシアパタイトという鉱物をベースにした歯磨き粉は、今日アジアやヨーロッパの多くの地域で普及しており、アメリカでも最初の足がかりを見つけつつある。しかし、フッ素ベースの歯磨き粉に代わる選択肢の背後にあるアイデアは、50年以上前に短期間存在した NASA のフィールド・センターで着想されたものである。
 
上級科学者のバーナード・ルービンは、1964年から 1970年までマサチューセッツ州ケンブリッジにあった NASA のエレクトロニクス研究センターに勤務していたとき、エレクトロニクス用の半導体結晶がシリカゲルの中で最もよく成長することを発見した。彼はすぐに、このゲル拡散システムが、骨や歯の中でハイドロキシアパタイト結晶が成長する過程と類似しており、骨や歯に硬度を与えていることに気づいた。この観察をもとに、彼と同僚は歯の表面にハイドロキシアパタイト結晶を成長させることで歯を修復する方法の特許を取得した。

数年後、東京で株式会社サンギを設立したばかりの佐久間周治という日本の青年実業家がこの特許を取得し、歯科専門家の協力を得て製品化に着手した。 ルービンの特許は、1980 年代初頭から中期にかけて製品化された同社のアパデントおよびアパガード歯磨き粉という製品ラインにインスピレーションを与えた。 現在、日本および他の多くの政府はハイドロキシアパタイトを虫歯予防剤として認めており、さらに研究によって、歯の白さを改善したり知覚過敏を軽減したりするなど、他の効果があることも判明している。
 

2024年3月6日水曜日

愛知県西部? の地震

 
気象庁「震源・震度情報」より
3月4日13時03分ごろ、愛知県西部を震源とする M3.1、深さ 30km、最大震度 1 の地震がありましたが、この地震の震央を地図で見ると愛知県西部ではなく、愛知県東部としか見えません。

なぜこのようなことになるのかというと、愛知県の大半は震央地名「愛知県西部」とされていて、震央地名「愛知県東部」は同県北東部と三河湾東岸の狭い範囲となっているからです。歴史的な経緯があるのかも知れませんが、ちょっと不自然です。
 
愛知県の震央地名は以下のページで確認できます:
 
 過去 10年間の有感地震数を比べると、愛知県西部は東部の 4倍近い地震が起きています。概ね、面積に比例しているようです。 
 

2024年3月4日月曜日

小惑星 2024 EF が地球と月に接近

 
3月4日午後、小惑星〝2024 EF〟が地球と月の近くを通過します。


 
2024 EF (2024年3月4日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)3月4日 16:00
 (月)3月4日 20:34
接近日時 誤差
(地球)± < 0 分
(月)± < 0 分
接近距離 (地球)0.15 LD
(月)0.80 LD
推定直径
4 ~ 9 m
対地球相対速度
8.6 km/s ≅ 3万1000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近2024年9月20日ごろ
公転周期534 日 ≅ 1.46 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年3月3日日曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-159)

 
米国イエローストーン国立公園の 2月の状況です。
 
スティームボート間欠泉(地図)が 2月26日に噴出しました。今年最初の噴出です。昨年は 9回の噴出が記録されました。
 
日付(現地時間) 間隔(日)
1
2月26日 58
 
 
2月の地震活動は通常のレベルでした。125件の地震が観測され、最大は 2月23日の M2.6でした。2つの群発地震があり、49件と 15件の地震が記録されました。
 
イエローストーン・カルデラでは、2015年以来続いている長期的沈降傾向が継続しています。9月末以降では約 2.5cm 沈下しています。ノリス間欠泉盆地では夏の終わり以降、地盤の大きな変形は発生していません。
 

 

2024年3月2日土曜日

震度5弱程度の強い揺れが観測される可能性

 
震央地名「千葉県東方沖」と「千葉県南部」で続発している地震について、気象庁の 3月1日付報道発表と政府地震調査研究推進本部地震調査委員会(臨時会小会議)の評価結果の資料です。

「今後も引き続き地震が発生し震度 5弱程度の強い揺れが観測される可能性がある」、「概ね 北北西-南南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、いずれの地震もフィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震」、「過去にも数年に一度程度の頻度でゆっくりすべりを伴う同様の地震活動が観測されている。これまでに、1996年、2002年、2007年、2011年、2014年、2018年に見られており、1週間から数か月間程度地震活動が継続することがある。また、2007年には最大震度 5弱を観測している」:
 
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2024年3月1日金曜日

房総半島で非定常地殻変動

 
国土地理院が本日午後に発表した資料によると、千葉県東方沖で地震が多発しているのはスロースリップが原因のようです。
 
「房総半島の電子基準点観測データに、2024年2月26日頃から、通常とは異なる地殻変動(非定常地殻変動)が検出されています」、「この変動は、房総半島沖のフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界面で発生している『ゆっくりすべり(スロースリップ)現象』によるものと推定されます」:
 
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北朝鮮の軍事偵察衛星が軌道変更

 
北朝鮮が昨年 11月21日に打ち上げ軌道に乗せることに成功した軍事偵察衛星 Manligyeong-1(万里鏡 1号)が、2月21日から 24日の間に複数回のロケット噴射をおこなって近地点の高度を上昇させたことがわかりました。これまで、この衛星が「生きている」のか疑問視する見方もありましたが、実際に機能しているようです。

下のグラフで、赤紫色(マゼンタ)は遠地点、赤色は近地点、青色は平均の高度を示しています。衛星名の後に「(3)」とあるのは、3度目の打ち上げで成功した機体ということを示しています:
 
 
 
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