2009年6月10日水曜日

バイカル湖の 「ミステリー・サークル」

バイカル湖の凍結した湖面に巨大な黒いリングが現れているのを、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士が撮影し話題になっています:
  1. Mystery of Giant Ice Circles Resolved (写真あり)
  2. Astronauts Notice Mysterious Ice Circles in Lake Baikal in Russia (写真 2葉あり)
2番目の記事に掲載されている写真の 1枚目は拡大写真、2枚目は全体像で湖の南西端に小さくリングが写っています。

以下は記事の要約です:
  • ロシア側の記録によると、このようなリングは 1985年と 1994年にも見つかっている。
  • 黒いリングの部分は氷が薄くなっている。
  • 最新のものは直径 4.4km あり、氷上はもちろん、近くの山の頂から見ても大きすぎてリングとは認識できない。
  • 湖底から湧きだしたメタン・ガスや温かい水が、コリオリの力(低気圧や台風が渦を巻く原因)によって渦を形成しながら上昇、湖面の氷の下面をリング状に溶かすことによって、黒いリングが形成される。
なぜ円盤状ではなくリング状に氷が溶けるのか、今ひとつすっきりしません。

バイカル湖については広辞苑(岩波書店)に次のように書かれています:
シベリア南部にある大淡水湖。水面標高 455m、面積 31500 平方km。世界一深い湖で、最大深度 1620m。透明度は 40m を超え、世界一級。断層で生じた地溝湖。12月 ~ 5月は氷結。
なお、バイカル湖はユーラシア・プレートとアムール・プレートの境界にできた地溝湖とも考えられており、湖底から熱水やガスが立ちのぼっていることがわかっています。