5月3日月曜日以来、エイヤフィヤトラヨークトルの地下では地震の増加が記録されている。震源の位置は当初は非常に深く地下 23km であったが、その後、上に向かって移動している。この事実は、「新しい」マグマが火道に陥入し、上にあるマグマを押し上げていることを強く示唆している。したがって、今後数日間は強力な噴火が続くものと予想される。
エイヤフィヤトラヨークトルの周囲に設けられた GPS 観測点(複数)では、過去 48時間に顕著な水平方向の移動が観測されている。氷冠の直近北側に設置された 2つの観測点では北方向への移動が見られる。南側の観測点では西方向の移動が明白であるが、その観測点より東にある別の観測点では東向きの移動が見られる。
火道における地震の分布から、4月14日以降の噴火を引きおこしているマグマ溜まりの位置が推定できる。このマグマ溜まりは地下 3~5km のところに存在し、その付近では地震がおきていない。
気象レーダーの観測によると、噴煙は海抜 5.5~6.5km の高さまで達している。
溶岩は北に向かって流れ、海抜 500m 付近に広がっている。溶岩流の先端は約 200m の幅があり、その先端部で合流している溶岩溝の幅は 30~60m である。溶岩溝は日増しに幅を拡げている。
噴火が短期間で終息する兆候は見られない。
以下のページで、噴煙の流れの予報を見ることができます。地図の部分をクリックすると動画が止まります。再びクリックすると、動き出します。また、ページの上部に並んでいる小さい四角形の部分をマウスでなぞると、好みの速さで動画を再生したり、任意の時刻で止めたり、時間を遡る方向に再生したりすることができます。
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