2月 16日付 「バレンタイン・デーの邂逅 (続報)」 のフォローアップです。NASA のサイトに追加の画像が掲載されました。
以下は 2005年にディープインパクト探査機の衝突体によって形成されたクレーターの画像です:
左側の画像は、2005年にディープインパクト探査機から分離された衝突体に搭載されたカメラが、衝突前に撮影した彗星の中心核の表面です。右側は今回、スターダスト探査機が撮影した同じ領域です。矢印で囲まれた部分が衝突体によって形成された人工クレーターです。クレーターの直径は約 150m。
クレーターの中央部は、盛り上がっています。NASA のサイトは、衝突の際に噴き上がった物質がその後降り積もったためと説明していますが、衝突の衝撃によって彗星内部の物質が隆起したという 「アイソスタティック・リバウンド」 説もあります。
以下のページには新たに公開された 11枚の画像がスライド・ショーの形で収められています:
特に注目して頂きたいのは 3枚目と 5枚目の画像です。各画像とも、上が 2005年、下が今回撮影されたものです。
画面左上から右に向かってクレーターのない平坦な地形が広がっています。この平坦な領域は周囲より標高が高く、右端は円弧状の崖になっています。NASA の科学者たちによると、この崖が 2005年に比べて 20~30m 後退しているとのことです。
また、5枚目の画像で黄色の長方形で囲まれたクレーター群が、今回撮影された画像ではつながってしまっています。
これらの変化は、2005年以降、テンペル第 1彗星が太陽の周りを 1周する間に、揮発性の物質が蒸発することによって生じた浸食作用であるとのことです。
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