1977年9月に打ち上げられ、人工物体としては史上もっとも遠い地点に到達しているボイジャー 1号に通信障害が発生しています。地球からの指令は受信しているようですが、観測データの地球への送信に障害が発生しています:
ボイジャー 1号は、NASAで最も長寿の宇宙ミッションのひとつであるが、通信の不具合に見舞われており、ミッション・チームは、遠く離れた探査機が回復しないかもしれないと不安を募らせている。エンジニアたちは現在、探査機が地球にデータを送信するのを妨げているコンピューター・エラーの修正に取り組んでいるが、ソフトウェアの制限と探査機までの距離がそれを困難にしている。
昨年11月14日以来、恒星間探査機ボイジャー 1号は、その観測機器が収集したデータを地球へ送ることができないでいる、と NASA当局者は声明で述べた。カリフォルニア州に拠点を置くサポート・チームによれば、探査機は地球からのコマンドを正常に受信・実行しているとみられ、地球から 150億マイル(240億キロメートル)以上離れた、太陽系のはるか彼方の恒星間空間を飛行し続けている。しかし、不具合のあるシステムにアクセスできなければ、エンジニアがこの船の状態を完全に把握することは難しい。
1977年9月5日に打ち上げられたボイジャー 1号は、秒速約 10.5 マイル(約 17km)で太陽から遠ざかっている。ボイジャー 1号は 2012年に(太陽系を脱出して)正式に恒星間空間に到達し、それを達成した最初の探査機となった。現在、ボイジャー 1号は地球から最も遠い人工物体である。
通常、探査機は搭載された 3つのコンピューターのうちの 1つであるフライト・データ・システムを使って地球にデータを送信する。しかし、サブシステムのひとつであるテレメトリー・モジュレーション・ユニット(TMU)に明らかな不具合が生じ、通常のバイナリー・コードではなく、ゼロを繰り返す文字列を数ヶ月にわたって送信し続けている。
残念なことに、探査機の年齢と地球からの距離のため、故障の修理は複雑であることが判明した。NASAによれば、コマンドを送った後、地上チームは探査機が応答するまで 45時間待たなければならない。また、探査機は 1970年代に設計・製造されたため、搭載されている技術の多くはもはや最新ではなく、回路図もデジタル化されていない。
「探査機を作った人たちはもう生きていません」と(ボイジャー・プロジェクト・マネージャーの)スザンヌ・ドッドは言う。「私たちはそれなりに良い文書一式を持っていますが、その多くは紙媒体です。」
ボイジャー 1号との交信を回復できなくても、NASA には恒星間空間に少なくとももう 1機の探査機がある。その双子の探査機であるボイジャー 2号は 2018年に太陽系外に出て、それ以来、大部分の期間は地球との交信を維持している(NASA の研究者は 2023年夏に数週間にわたって探査機との交信を誤って切断してしまった)。NASA の冥王星探査機ニュー・ホライズンズは、2040年代に太陽系から完全に脱出する見込みだ。
ボイジャー 1号は現在、地球から 163天文単位(約 244億km)の距離にあり、地球からの電波が届くのに片道 22.58時間、往復では約 45時間かかります。
パイオニア 10号、同 11号、ボイジャー 1号、同 2号、ニュー・ホライズンズの現在の位置や距離は以下のページで見ることができます: