2018年6月30日土曜日

湾内にイルカ定住? ― 高知県高知市


5月下旬から、高知県高知市の浦戸湾(地図)にハンドウイルカ(バンドウイルカ)が姿を見せているとのことです。「ウミガメやエイは見たことあるけど、イルカは初めて」(県営渡船の船員):

浦戸湾といえば以下の怪現象です。「急に魚たちが跳ね回り始め、月に照らされていた海面が突然真っ暗になったかと思うと、押し寄せる波とともに海底が昼間のように輝き、『ジャーン』という音が響き・・・」という現象です。高知県出身の物理学者・寺田寅彦は「おそらくは宝永地震後、安政地震の頃へかけて、この地方の地殻に特殊な歪を生じたために・・・」という仮説を立てています:

関連記事

十勝岳で火山性地震や火山性微動が増加 (続報)


6月11日付「十勝岳で火山性地震や火山性微動が増加」の続報です。

十勝岳(地図)ではその後も火山性微動が発生しています。発生したのは、6月19日、23日、25日、28日で、各1回です。火山性地震も継続して発生していますが、特に多かったのは 5月29日(11回)と 6月8日(13回)です。

気象庁の「平成30年 No.26 週間火山概況 (6月22日~6月28日)」によると、火山性地震と火山性微動が発生しているのは、62-2火口(地図)付近の浅い所です。「2006年以降の山体浅部の膨張が継続する中で、噴煙高の高い状態、地熱域の拡大や温度上昇、地震の一時的な増加など、火山活動の活発化を示唆する現象が観測されていますので、今後の火山活動の推移に注意」とのことです。

なお、気象庁が原則として毎週金曜日午後4時前後に発表してきた『週間火山概況』は、次号「平成30年第27号(7月6日発行)」が最後となります。理由は説明されていません。日本の火山の動向を1週間分まとめて把握できる便利な資料だったので残念です。気象庁は火山に関して多種多様な資料を作成・発表しており、内容が重複することもしばしばです。『週間~』の廃止は、業務の見直し、働き方改革の一環かもしれません。


関連記事

2018年6月28日木曜日

巨人目覚める ― ガラパゴス諸島最大の火山が噴火 (続報)


シエラ・ネグラ山(地図)の噴火を捉えた写真集です。複数の亀裂から溶岩が噴出しています。1枚目や7枚目の溶岩流の写真はハワイ島と勘違いしそうです:

関連記事

2018年6月27日水曜日

巨人目覚める ― ガラパゴス諸島最大の火山が噴火


6月26日、ガラパゴス諸島最大のイサベラ島にあるシエラ・ネグラ山地図)が群発地震(最大 M4.6)に続いて噴火を始めました。噴煙は最高1万メートルに達し、山頂から流れ出した溶岩は海に向かっているとのことです。山麓の住民約250人が避難しています。シエラ・ネグラ山はガラパゴス諸島最大の火山で、カルデラは 9km × 7km の大きさがあります。エクアドルの環境大臣 Tarcisio Granizo 氏は "The colossus is awakening"(un nuevo coloso se despierta、新たな巨人が目覚めた)と発言しています。:

シエラ・ネグラ山が最後に噴火したのは 2005年のことです。

ガラパゴス諸島では、10日ほど前にフェルナンディナ島(地図)にあるラ・クンブレ山も噴火し、溶岩が海に流れ込んでいます:

関連記事

「はやぶさ2」がリュウグウに到着


6月27日、JAXA の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウ(Ryugu)に到着しました。「到着」といってもリュウグウに着陸したわけでも、周回軌道に入ったわけでもありません。リュウグウまで約20kmの距離を保って並進する状態になった、ということです:

以下はアメリカの惑星協会(Planetary Society)のブログ記事ですが、小惑星の大きさを比較する画像が掲載されています:

1枚目の画像は、初代「はやぶさ」が訪れた小惑星イトカワと、今回「はやぶさ2」が到着したリュウグウを比較するものです。

2枚目の画像は、人類が送り出した探査機がこれまでに調べた小惑星と彗星の大きさが比較されています。NASAの探査機ドーン(Dawn)が現在も周回軌道上から観測を続けているケレス(セレス)は含まれていません。ケレスは小惑星ではなく、準惑星に格上げされたからと思われます。

2枚目の画像にはイトカワやリュウグウも入っているのですが、小さすぎてよく見えません。以下はオリジナルのサイズの画像へのリンクです。ファイルのサイズが非常に大きいので、表示されるまでに時間がかかるかも知れません:

画面の左半分を占める小惑星ルテティア(Lutetia)と右端に置かれている小惑星マティルド(マチルデ、Mathilde)の間にある小さな2つの「点」のうち、左側がリュウグウです。右側はNASAの小惑星探査機 OSIRIS-REx が目指している小惑星ベヌウ(ベンヌ、Bennu)ですが、現時点では画像がないので大きさに相当する円が描かれています。

イトカワはリュウグウの2つ上の小さな「点」です。


関連記事

イカルス計画と地震・噴火予知 (その4)


National Geographic』誌の記事です。「モノのインターネット」(Internet of Things、IoT)ならぬ「翼のインターネット」(Internet of Wings)がいよいよ始動します:

以下は記事の主要部分のテキトー訳です:
迫り来る地震を警告してくれる新しいシステムに科学者たちは賭けようとしている。それは小さなバックパックを背負った鳥の群れだ。

地震や他の災害の前に、しばしば動物が普段と違う振る舞いをする理由が詳しくわかっているわけではないが、渡り鳥の群れがいつもとは違うコースを移動したり、通常とは異なる時間に活発に活動したりする可能性がある、と語るのはドイツのマックス・プランク鳥類学研究所の生態学者で『National Geographic』のフェローでもある Martin Wikelski である。彼は「宇宙を利用した動物研究のための国際協力」(International Cooperation for Animal Research Using Space、ICARUS、イカルス計画)と呼ばれるプロジェクトを指揮している。同計画では、軽量の電子タグを使用する。タグは、バックパックのように背中に取り付けたり、足輪や時には帽子にさえ取り付けられる。タグの目的は、数万羽の鳥やコウモリ、その他の生物の行動パターンを監視して地震が差し迫っていることを示す異常を見つけ出すことである。

すでに、世界規模のボランティアのネットワークが動物にタグを付け始めている。Wikelski はタグのことを「野生生物のためのウェアラブル」と呼んでいる。タグは装着した生物の動きなどのデータを国際宇宙ステーションに送信する。ロシアの宇宙飛行士たちが、今後に予定されている船外活動でイカルスのデータ収集ハードウェアを取り付けることになっている。「翼のインターネット」と呼ぶにふさわしい災害予知ネットワークとなることを Wikelski は望んでいる。

私の経験では、渡り鳥がいつもと違う場所に現れた時には、その本来の渡りのコース付近で地震が発生することがあるようです。もちろん、台風などの気象条件に左右されることが多いとは思いますが。


関連記事

2018年6月26日火曜日

三瓶山周辺~広島県北部: いつ大きな地震が起きてもおかしくない (続報)


 防災科学技術研究所
AQUAシステム
メカニズム解カタログ
より
6月26日午後5時00分ごろ、広島県北部で最大震度4の地震が発生しました(震央地図)。

気象庁発表では M4.9、深さ 10km、防災科学技術研究所(Hi-net)では Mw4.6、深さ 9km としています。震度4を観測したのは、広島県三次市と庄原市、島根県飯南町です:

メカニズム解は、この地震が横ずれ断層によるものであることを示しています。


関連記事

2018年6月25日月曜日

ガラパゴス諸島で噴火 (続報)


ガラパゴス諸島フェルナンディナ島(地図)で起きたラ・クンブレ山の噴火では、溶岩が短時間で海に到達しました。その様子を海上から撮影した動画です。もうもうと立ち昇る水蒸気の中で雷が発生しています:


関連記事

池が干上がる、水源の井戸が枯渇 ― 群馬県太田市


群馬県太田市世良田町にある長楽寺(地図)の蓮池が、干上がった状態になっています。水源となっている井戸が枯渇したことが原因です。井戸は昨秋から水位が下がり始め、年末には底が露出したとのこと:

同じころ、南西に約30km離れた埼玉県秩父市でも、複数の井戸の水位が低下したり、完全に枯渇したりしています:

関連記事

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-5)


書きそびれていましたが、6月15日夕方(現地時間)、イエローストーン国立公園内にあるスティームボート間欠泉が復活後10回目となる噴出を起こしました。噴出の間隔は4日に縮まっています。

2014年9月3日を最後に長らく噴出が止まっていたスティームボート間欠泉が噴出を再開したのが今年3月15日ですが、それ以降の噴出を以下にまとめてみました:

日付(現地時間) 間隔(日)
1 3月15日 1289
2 4月19日 35
3 4月27日 8
4 5月4日 7
5 5月13日 9
6 5月19日 6
7 5月27日 8
8 6月4日 8
9 6月11日 7
10 6月15日 4
11 ? ?


関連記事

ハワイ島: マウナ・ロア山の警戒レベルを引き下げ


米高知質調査所(USGS)のハワイ火山観測所(HVO)は6月21日、ハワイ島の中心部にあり世界最大の山体体積をもつマウナ・ロア山(地図)の噴火警戒レベルを ADVISORY(注意)から NORMAL(正常)へ、航空機向けのカラー・コードを YELLOW から GREEN に引き下げました。過去6ヶ月以上にわたって地震活動と地殻変動が低下しているためです。引き下げは約3年ぶりとなります:

マウナ・ロア山は、現在大規模な溶岩流出を続けているキラウエア山に隣接する火山です。


関連記事

2018年6月21日木曜日

ハワイ島: 取り残された道路


幸運にも? 溶岩流を免れた道路。ツイートに書かれている "Nothing beside remains" 以下の文言は、イギリスの詩人パーシー・ビッシュ・シェリーの "Ozymandias" と題する詩の最後の部分です。「ほかには何も残っていない/この巨大な遺跡のまわりには/果てしない砂漠が広がっているだけだ」:

オジマンディアスは古代エジプトの大王・ラムセス2世の別名です。詩の全体と日本語訳は以下にあります:

関連記事

大阪府北部の地震: 大きな揺れ


「大阪府北部の地震」の大きな揺れを端的に捉えた動画です。各国のメディアから転載の許可を求めるコメントが寄せられています。撮影場所の詳細はわかりません。なぜ、このようなところにカメラを据えていたのかもわかりません:



地震20分前、モグラが地上を走り回る


6月18日、大阪北部の地震が発生する20分前、モグラが地上に現れ、走り回っているという動画です。場所が書かれていないのが残念。本当に大阪北部の地震の前だったのかも確認できませんが、いちおう記載しておきます:

兵庫県南部地震(1995年1月17日、M7.3、阪神・淡路大震災)の前兆を集めた『阪神淡路大震災 前兆証言1519!』(弘原海清、東京出版、1995)には、モグラについての証言がいくつも記録されています。3つ引用します:
  • [愛媛県松山市、1日前] 夕方、近所の路面電車が通っている道路を、もぐらが5匹走っていくのを目撃しました。もぐらを見たのは25年ぶりです。本当に不思議な気持ちでした。

  • [淡路島・北淡町、2日前] 地震が起きる2日前に、父の趣味でやっている畑にいたモグラが死んでいたそうです。退治に困っていたモグラが急に死んでいるので、とても不思議に思ったそうです。

  • [兵庫県神戸市、25日前] (略)その区画だけで百以上の墓があると思います。驚いたことに、その区画の墓地中モグラが動き回ったあとが、盛り上がっているのです。それは異様な光景だったため4人ともびっくりしたほどです。墓の上の土まで、掘り返した場所もありました。1匹のモグラではなく、何匹ものモグラが暴れ回った様に推測されました。盛り上がった土が、そんなに乾いている様ではなかったので、そんなに日数が経っていたとは思われません。(略)この時期もぐらが、この様な行動をするのかは存じませんが、ここ10年近く毎年12月のこの時期に墓参りをしておりますが、この様な現象は初めてです。

また、伊豆大島近海地震(1978年1月14日、M7.0)の際も、モグラについての証言が記録されています。『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次、東京大学出版会、1986)から引用します:
  • [静岡県西伊豆町、震央から38km、1.5日前] モグラの穴が畑一面に走っていた。

  • [静岡県東伊豆町、震央から16km、1週間前] モグラが庭の植木をかじってあらす。

  • [千葉県市川市、震央から140km、15日前] モグラが毎日あばれる。

関連記事

テンガイハタ捕獲 ― 石川県輪島市


6月16日、石川県輪島市の鹿磯漁港(地図)に、深海~中層に生息するテンガイハタが水揚げされました。体長約35cmで、幼魚とみられています。「リュウグウノツカイと間違われることが多い魚。能登でも年に数回網に入ることもあるが、珍しいことに変わりない」(のとじま水族館):

関連記事

東京湾にクジラ


6月18日朝、東京都江戸川区の葛西海浜公園(地図)沖で、体長約15mのクジラが目撃されました(第三管区海上保安本部発表)。同日の午後には、千葉県浦安市(地図)沖でクジラが泳いでいるのが目撃・撮影されました:

なお、海上保安庁の発表では「葛西海浜公園」、報道では「葛西臨海公園」となっていますが、両者は隣接しているものの別の公園です。


関連記事

2018年6月20日水曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-186)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が一般に公開している更新情報は、3月20付を最後に途絶えています。今日でちょうど3ヶ月になりますが、今のところ更新はありません。一方、「地震前兆検知公開実験」(有料)の参加者には頻繁に更新情報が配信されているようです。

6月18日朝に発生した「大阪北部の地震」について、串田氏は前兆を捉えていたようです。規模の推定は正しかったものの、前兆の解釈を誤っていたために発生時期はもう少し後と予測していたようです。震央の位置は、前兆が現れた観測装置が1台しかなかったために大ざっぱな推定でしたが、いちおう推定領域の中に入っていたようです。

以下は伝聞情報をまとめたものです。私の記憶に頼って書いていますので、各文末には「~ようだ」、「~らしい」、「~そうだ」などがついていると思ってお読みください:
  • 高知観測点の観測装置にBF前兆(典型的な地震前兆波形で、基線がうねるように変動する)が複数回出現
  • 5月末と6月初めに極大となった
  • 2つの極大について、主極大・副極大型の前兆と解釈して経験則を適用、発生時期を推定 → 6月末ごろの地震発生を予測
  • 予測よりも早く6月18日に予測規模の地震が発生したために、再検討
  • 5月末の極大が単独の極大であると解釈して経験則を適用すると、発生時期の推定が6月18日の地震に合致する
  • 6月初めの極大に対応する地震はまだ発生していない (串田氏は規模や発生時期を予測しています)

関連記事

小惑星 2018 MZ4 が月と地球に接近


6月17日に発見された小惑星〝2018 MZ4〟が、その前日の6月16日から17日にかけて月と地球に接近していたことがわかりました。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 5~10m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 MZ45~10  (月)6月16日 20:07
(地球)6月17日 03:55
0.20
0.54
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は、秒速9.8km(時速約3万5000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

2018年6月19日火曜日

ガラパゴス諸島で噴火


6月16日午前11時ごろ(日本時間17日午前2時ごろ)、エクアドル領ガラパゴス諸島のフェルナンディナ島地図)にあるラ・クンブレ山が噴火しました。8時30分過ぎから地震が始まり、9回の地震(最大 M4.1)が記録された後に噴火が始まりました。山腹に生じた亀裂から複数の溶岩噴泉が立ち昇り、流出した溶岩が海に流れ込んでいるとのことです:

ラ・クンブレ山は昨年9月にも噴火しています。

ガラパゴス諸島はガラパゴス・ホットスポット上に形成された群島です。フェルナンディナ島は同諸島で最も若い島で、人は住んでいないとのことです。


関連記事

2018年6月17日日曜日

ハワイ島: 溶岩の奔流


ものすごい勢いで溶岩が流れている様子の動画です。想像を絶しています。走れば逃げ切れるという次元ではありません。自動車のそばに見えている人物の動きや背景の人声、カエルの鳴き声、溶岩流から時折はね上がる「火の玉」の上昇や落下、画面左上に見える木の枝の揺れる様子などから、この動画は実際の速さで撮影・再生されていると思われます:

望遠系のレンズで撮影しているために遠近感が圧縮され、人や自動車から溶岩流までの実際の距離は、画面から受ける印象以上に離れているのではないでしょうか。


関連記事

リュウグウでは太陽が西から昇る


6月14日に小惑星探査機「はやぶさ2」から撮影された小惑星リュウグウの動画です。リュウグウが自転しているようすが写っています。自転の向きは地球とは逆で「逆行」です。リュウグウの赤道付近に立ったとすると、おおよそ7時間半ごとに太陽が西から昇ってくることになります(リュウグウの自転周期は約7.6時間):

関連記事

2018年6月16日土曜日

千葉県東方沖: スロースリップの中心が南に移動、すべり量増大


6月12日付「千葉県東方沖 ― 比較的大きな地震が起きる可能性」の続報です。

国土地理院の発表です。「6月8日以降はすべりの中心が6月8日以前と比べて南側に移動し、すべり量も大きくなっています」:

「過去5回のゆっくりすべりでは、房総半島を中心とした領域で非定常地殻変動が約10日間観測されました」とあります。今回のスロースリップ(ゆっくりすべり)は6月5日ごろに始まっているので、そろそろ終息するかも知れません。終息しなかったときは ???


関連記事

トイレが空を飛ぶ、何かをまき散らしながら


6月11日にフェイスブックに投稿され広まった動画とのことです。コロラド州デンバー(地図)で、公園に置かれた簡易トイレ(重さ最大300ポンド=約136kg)が強風で空に巻き上げられました。何かをまき散らしながら(spraying a mysterious substance):

風向きが短時間で逆転しているので、つむじ風が発生したのだと思われます。

幸いなことに、使用中の人はいなかったようです。

空港に噴火口 ― 兵庫県豊岡市


兵庫県豊岡市にあるコウノトリ但馬空港(地図)で、敷地内にある噴火口跡が公開されます。こんなところに火山?と思われるかも知れませんが、近くには神鍋火山群地図)や玄武岩の見事な柱状節理が見られる玄武洞地図)があるので、火山があっても不思議ではない場所です。滑走路の下にも噴火口が埋まっているとのこと:

記事には、「噴火口跡は、滑走路(1200メートル)南端部の東約150メートル付近」とあるので、この辺でしょうか:

関連記事

マダケが一斉開花 ― 神奈川県川崎市


6月上旬ごろ、神奈川県川崎市宮前区菅生1丁目(地図)の竹林で、マダケが一斉に開花しました。「正確な記録は残っていないが竹の花はモウソウチクで約60年、マダケは約120年周期で開花すると言われている」(神奈川県立生命の星・地球博物館):

[参考]マダケ、モウソウチクなどの見分け方:

関連記事

2018年6月15日金曜日

井戸水が濁る ― 広島県神石高原町


広島県神石高原町福永(地図)で今年1月、井戸水が濁って使用できなくなったとのことです。近隣での保育所の新築工事が影響した可能性があるようですが、場所が先日紹介した「三瓶山周辺~広島県北部」の延長上にあるため、いちおう記載しておきます:

関連記事

箱根山で黒灰色の噴出物が飛散


気象庁「箱根山の火山活動解説資料(平成30年5月)」より

5月16日夜から17日にかけて、箱根山の大涌谷(地図)で、一部の噴気孔から黒灰色の噴出物が熱水に混じって飛散し、風下側約30mの範囲が黒く変色しました。「大涌谷周辺の想定火口域では、噴気活動が活発なところがあります。大涌谷周辺の想定火口域では、噴気や火山ガスに引き続き注意してください」:

関連記事

2018年6月14日木曜日

ハワイ島: 川の流れのように


美空ひばりは好きではないですが、「ああ 川の流れのように とめどなく」流れていく溶岩流。

まるで大きな川のように、中洲ができていたり、溶岩流が溶岩を浸食して「川岸」に段差ができていたり・・・

春になって川の氷が融けて一気に流れ出したのかと思いきや、上流は火の滝でした・・・


関連記事

火星で巨大砂嵐、オポチュニティ応答せず


5月30日に火星に出現した砂嵐が急速に発達し、火星表面の4分の1を覆うまでに成長。火星に着陸してから約14年5ヶ月(設計寿命は90日)にわたって調査活動を続けてきた探査車・オポチュニティは砂嵐のまっただ中にあり、地球からの指令に応答しなくなっています:

オポチュニティは太陽電池を動力源としていますが、砂嵐によって太陽光がほとんど届かない状態になったために電圧が低下し、"low power fault mode" に入っていると NASA ではみています。このモードでは、ミッション・クロックを除くすべての搭載機器への電力供給が停止されます。ミッション・クロックは定期的にコンピューターを作動させて、電力が回復しているかをチェックすることになります。砂嵐が去っても、太陽電池板に分厚く砂塵が積もっていれば回復が見込めないこともあり得ます(積もった砂塵を風が吹き飛ばしてくれる可能性もあります)。

もう1台の探査車・キュリオシティは、放射性プルトニウムを熱源とする原子力電池を動力源としているため、問題は生じていないようです。"I'm safe. Science continues":


関連記事

小惑星 2018 LV3 が地球と月に接近


6月15日、小惑星〝2018 LV3〟が地球と月に接近します。

この小惑星は6月11日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は 13~29m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 LV313~29 (地球)6月15日 11:31
 (月)6月15日 15:48
0.86
1.51
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速11.1km(時速約4万km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

2018年6月13日水曜日

マイヨット島で群発地震続く


マイヨット島(Mayotte、マヨット島、マホレ島、マオレ島、地図)は、アフリカ大陸とマダガスカル島の間にあるフランス領の火山島です。コモロ諸島がフランスから独立する際に、同諸島の一部であるマイヨット島は住民投票でフランス残留を決めたという経緯がありますが、独立したコモロ国(コモロ・イスラム連邦共和国、現コモロ連合)はそれを認めていません。フランスとコモロ連合の対立は深まっていて、今年5月4日にフランスがコモロ国民に対するビザの発給を停止すると、6月6日にはコモロ連合がフランス国民に対するビザの発給を停止するという事態になっています。

話がそれてしまいましたが、このマイヨット島の東方沖で5月10日から群発地震が続いています。M4から5程度の地震が多く、建物の被害や負傷者が出ています。5月15日には、コモロ諸島で観測された地震としては最大規模の M5.8 が発生しています(それまでの最大は 1993年に発生した M5.2)。

原因についてはよくわかっていないようです。マイヨット島自身が火山島であることなどから火山性の公算が大きいようですが、テクトニックな原因も排除できずにいます:


関連記事

三瓶山周辺~広島県北部: いつ大きな地震が起きてもおかしくない


読売新聞』の記事です。「あまり意識はされていないが、三瓶山(地図)東側から広島県北部にかけては地震活動の多い地域で、今回の地震(4月9日、M6.1、深さ12km、最大震度5強)はその活動域の北西端で発生」、「今回の地震は78年6月に並ぶ大きさ。30年12月にも広島県北部でM6・1が起きており、大きな地震も発生しうる地域」:

記事に掲載されている地図を見ると、「三瓶山東側から広島県北部」とは、三瓶山の北から東側を通って広島県北部に至る、北北西~南南東に伸びる帯状の地域を指しているようです。

ちなみに、三瓶山は中国地方では最も若い火山で、活火山に指定されています。

2018年6月12日火曜日

「環太平洋火山帯」という言葉にご用心


6月13日、テキトー訳部分を追加しました。この文と同色にしてあります。

サン』や『デーリー・スター』、『デーリー・エクスプレス』といったイギリスの大衆紙は、火山噴火や地震について、しばしばセンセーショナルな憶測記事や科学的根拠のないデタラメ記事を掲載します。購読者層の教育・教養のレベルが低いので、それでかまわない、売れるからいい、と思っているのでしょう。ハワイ島のキラウエア山やグアテマラのフエゴ山の噴火が大きな被害を出して世間の耳目を集めている昨今、その傾向はますますヒートアップしています。

当然、そのような記事を苦々しく思っている専門家は多いわけで、ツイッターやブログなどで批判や反論をしています(海外ではよく見かけるのですが、日本の専門家は、雑誌などのトンデモ記事に対して「沈黙は金」とばかりに黙殺することがほとんどです)。

火山学者のツイートから ―― 「環太平洋火山帯とグアテマラのフエゴ山について何か言っている記事を見かけたら、すぐにゴミ箱に放り込んで。不安をあおって販売部数や売り上げを増やそうとするゴミくずですから。(そんな記事を読んで)時間を無駄にしないで。記事を書いた人たちは、この地域のことについて何もわかっていません」:

もう一つ、同じ火山学者がツイート ―― 「皆さん、環太平洋火山帯について疑問があったらこれを読むといいですよ」と別の火山学者のブログ記事を紹介:

で、紹介されたブログ記事「No, the “Ring of Fire” is Not a Real Thing」にはどんなことが書かれているのでしょうか。全部を翻訳している余裕がないので、主要な部分を抜粋・テキトー訳してみました:
たしかに、太平洋の縁に沿ってたくさんの地質構造上の境界が存在しています。太平洋は、複数の海洋プレートを敷き詰めた巨大な海洋です。それらの海洋プレートは、多くの大陸や他の海洋プレートと相互に影響し合っています。しかし、チリの出来事がカリフォルニアや日本やニュージーランドの出来事を実際に変化させるわけではありません。テクトニクスはそのようには作用しないのです。テクトニクスのスケールは非常に大きいのです。ですから、フィリピンにあるマヨン山が噴火したからといって、それが日本の草津で噴火を引き起こしたり、アラスカの地震のきっかけになることはありません。それらの事象は直接関連し合っているわけではないのです(同一のプレート内であってもです!)。

現在、私たちが目の当たりにしている「環太平洋火山帯がどんどん活発化している」という類いのニュース記事の盛り上がりは地質学的な現象ではなく、むしろ人間の性質が関係しているのです ―― ある出来事が注目を集める、するとこれまであまり報道されていなかった事柄(複数)が突然報道されるようになる、なぜならそれらは私たちの心の中で関連づけられるから。そしてブームが起き、「環太平洋火山帯がすごいことになりそうだ」となってしまいます。

地質学的なプロセスはいつもと変わらず進行しています。今、私たちは火山噴火や地震などの出来事の集中的発生を目撃しているのかも知れないし、そうではないかも知れません(実際の統計を見る必要があります。わかりますね、データです)。先週、私たちはまだ環太平洋火山帯のことでパニックに陥っていませんでした。その時から地球には何の変化も起きていないのです。

とにかく、「環太平洋火山帯」は私がほんとうに嫌いな言葉です。なぜなら、火山噴火や地震がなぜ起こるのかをよく理解する上でまったく役に立たないからです。地球上には、環太平洋火山帯以外にも多数の火山があります。地震も、いたる所で発生しています。「環太平洋火山帯」という言葉は、ある地域で起きる地震や火山活動の地質学的背景を調べたり理解したりしたくない、面倒はいやだ、というときに使われる言い訳に過ぎないのです。

火山噴火や地震には、地域によってそれぞれ異なる地質学的な背景があるのに、「環太平洋火山帯(Ring of Fire)」というマジックワードで一括りにしてわかった気にさせてしまうのはよろしくない、本当の理解を妨げる、ということです。


関連記事

怪異伝承と地震前兆


音だけで姿のない妖怪、原因のわからない音の怪異伝承の中には地震前兆の記憶が含まれているかも知れません。たとえば、高知県長岡郡や土佐郡に伝わる「山鳴り」という怪異など:

関連記事

千葉県東方沖 ― 比較的大きな地震が起きる可能性


6月11日、政府の地震調査委員会「千葉県東方沖で6月に入って約6.5cmのスロースリップ発生」、同委員会の委員長で東京大学地震研究所の平田直教授「今後、比較的大きな地震が起きる可能性がある」:

6月12日午前5時9分ごろ、千葉県東方沖でM4.9、最大震度3の地震が発生。

6月12日、平田直教授「指摘したとおりに地震が起きたといえる。今回は震度3だったが、今後はより揺れの大きい地震が起きる可能性もあるので、地震活動に引き続き注意してほしい」:

2007年の事例 ―― 房総半島九十九里浜沖で8月13日に群発地震活動と傾斜変動がほぼ同期して始まる。スロースリップの発生が捉えられた。8月16日にM5.3、18日にM4.8、最大震度5弱が発生:

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-4)


6月5日付「イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-3)」の続報です。

現地時間 6月11日朝、スティームボート間欠泉で今年9度目の噴出が始まりました。

スティームボート間欠泉は、世界で最も高くまで熱水を吹き上げる間欠泉として知られていますが、2014年9月3日の噴出を最後に活動が停止していました。しかし、今年3月15日に活動を再開。それ以降、4月19日、27日、5月4日、13日、19日、27日、6月4日に噴出が確認されています。

スティームボート間欠泉は活動がランダムで、噴出時期を予測するのは困難とされてきたのですが、ここのところは 6~8日間隔で律儀に噴出しています。


関連記事

2018年6月11日月曜日

動物と列車の衝突多発 ― 三重県


6月6日18時から21時ごろにかけての約2時間半の間に、三重県内のJR紀勢本線(地図)で、動物(シカ、イノシシ)と列車との衝突が4回立て続けに発生しました:

関連記事

十勝岳で火山性地震や火山性微動が増加


6月8日付「十勝岳で火山性微動」の続報です。

十勝岳(地図)で5月29日と6月8日に火山性地震が増加。6月5日から10日にかけて火山性微動を5回観測。両者とも「62-2火口」(地図)付近の浅所で発生。「62-2火口」や振子沢噴気孔群では、昨年秋の観測時に比べて噴気量が増加。2006年以降、「62-2火口」直下浅部の膨張を示すと考えられる変動あり:

関連記事

日本と世界で地震の少ない状態続く


日本と世界で地震の少ない状態が続いています。以下の記事は6月4日~9日の集計ですが、今日現在(11日10時)も少ない状態が続いています。

「日本域の最近一週間の地震回数は前の週より少ない水準で経過しました。震度3の地震は1回のみ(6月9日 静岡県東部 M3.4)」、「(世界では)マグニチュード6以上はこの一週間もありませんでした。5月18日以降はM6以上の地震が発生していません」:

あと3日で、俗に地震が起きやすいとされる新月になりますが、どうなることやら。

2018年6月10日日曜日

フエゴ山噴火 ― グアテマラ (続報)


6月5日付「フエゴ山噴火 ― グアテマラ」の続報です。

6月3日に発生し、多くの死者を出したフエゴ山(3763m)の火砕流(pyroclastic flow)は、落差3000m、全長12kmにわたって流下したようです。フエゴ山と同じ成層火山である富士山(3776m)に当てはめると、山中湖村、鳴沢村、富士サファリパーク、富士山こどもの国あたりまで火砕流が届いたことになります。

火砕流が流れた範囲が黄色の線で囲まれています(画像はクリックで拡大します):



関連記事

イスラエルとグアテマラ


グアテマラではフエゴ山の噴火によって3つの村落が壊滅状態になり、多くの死者、負傷者、避難民が出ましたが、いち早く支援の手を差しのべたのはイスラエルでした。一見、あまり関係がなさそうな両国ですが、歴史的にイスラエルは親グアテマラ、グアテマラは親イスラエルなのだそうです。そのワケとは・・・:

グアテマラは、ユダヤ人国家の創出を目指す国連のパレスチナ分割決議案に賛成した最初の国の一つで、このグアテマラの行動によって中南米の多くの国々が賛成に回ることになりました。この分割案が国連総会で採択された後、1948年5月にイスラエルが建国されると、グアテマラは世界で2番目にイスラエルを国家として承認しました。これらの点にイスラエル国民は恩義を感じているようです。さらに、今年5月、イスラエルが同国の首都だと主張するエルサレムに米国が大使館を移すと、その2日後にグアテマラもエルサレムに大使館を開設しました。

グアテマラには多くのイスラエルの企業が進出し、地熱発電所の建設や運営、民間インフラの整備、水質浄化、農業技術などにかかわっています。また、グアテマラは内戦が終結したとはいえ、その後遺症もあって治安があまり良くない(殺人事件の発生率は世界で最も高いと考えられている)ため、イスラエル軍のエリート戦闘部隊経験者などが所属する警備会社が多く設立されています。

ちなみに、日本がイスラエルを承認したのは、1952年にサンフランシスコ条約によって主権を回復した直後のことでした。


関連記事

動物の異常行動と地震予知を結び付けたことは、ある意味目新しいが・・・


6月9日付「芥川龍之介は藤の花を見て関東大震災を予知した?」と「関東を中心に日本各地で動物の宏観異常」に関連した『Viewpoint』の記事です。執筆しているのは雑誌記者、編集長を経て現在は編集委員を務めている方です。

「(わが国の地震予知研究は)これまで一度も予知をしたことはない、したことがないから失敗したこともないという体たらくだ」、「この種の地震予知の研究は破綻しているのである」:

宏観前兆の中に電離層での変化を含めるなど、首をかしげたくなる記述もあります。「宏観」現象とは、高度な観測機器を使わなくとも基本的に人間の五感で関知できる現象のことで、電離層での変化など、測定機器を使用して初めてわかる現象は「微観」現象というのが本来の区分です。

また、「宏観異常現象というものの研究が盛んになっている」、「動物の異常行動と地震予知を結び付けたことは、ある意味目新しいが」とも書かれていますが、宏観異常による地震予知については日本のみならず海外でも否定的な結果がたびたび出ていて、むしろ下火になっているというのが私の実感ですし、古代からおこなわれ、現代の週刊誌でもたびたび取り上げられていることを「目新しい」と言われても頭の中が「?」でいっぱいになるだけです。

pyroclastic flow と lahar


グアテマラのフエゴ山関連の記事に頻出する言葉に "pyroclastic flow" と "lahar" があります。メディアによっては混同しているところもあるようです。以下はそれらの意味を説明している火山学者のツイートです:

Wikipedia などから引用すると――
  • pyroclastic flow ― 火砕流(「熱雲」、「軽石流」、「岩屑なだれ」を含めて「高温のマグマの細かい破片が気体と混合して流れ下る現象」の総称)
  • pyroclastic surge ― 火砕サージ(火砕流に似ているが火山ガスの比率が高いため密度が小さく、高速)
  • pyroclastic density current ― 火砕物密度流(火砕流と火砕サージなどを重力流の一種とみなしていう)
  • lahar ― ラハール(ジャワ語)、火山泥流(火山砕屑物が水により流動性を持ち重力に引かれ流動する現象)、volcanic mud flow

関連記事

痛みの尺度


日本の病院にも「pain scale」に相当するものはあるのでしょうか。病院や歯科医院で痛さをうまく表現できず医師や看護師にわかってもらえないことありますよね。

「ピカソ・レベルの痛みです」とか「ムンク級に痛いんです」・・・ :


関連記事

小惑星 2018 LU2 が地球と月に接近


6月7日に発見された小惑星〝2018 LU2〟が、その前日の6月6日に地球と月に接近していたことがわかりました。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 13~29m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 LU213~29 (地球)6月6日 20:40
 (月)6月6日 22:27
1.54
2.08
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は、秒速9.8km(時速約3万5000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

2018年6月9日土曜日

関東を中心に日本各地で動物の宏観異常


週刊ポスト』の記事です。今年、関東を中心に日本各地で動物の “奇妙な現象”(=宏観異常)が見られている、という記事です:

記事の2ページ目にある、東日本大震災前の乳牛の乳量減少については、中国でも類似の現象が報告されています:

関連記事

芥川龍之介は藤の花を見て関東大震災を予知した?


週刊ポスト』の記事です。芥川は、4~5月に咲くはずの藤の花が8月に咲いているのを見て「『自然』に発狂の気味のある」と考え、「人の顔さへ見れば天変地異が起こりさうだと云つた」そうですが、植物学者の見解は身も蓋もないものです:

1855年11月に起きた安政江戸地震(M6.9)では、次のような記録があります。文中の「帰り花」、「帰花」は、上の記事で植物学者が指摘していた「二度咲き」のことです:
今年は例より青頭菌多く出て、梨李桃帰り花多く、(中略)思へば今年は処々に彼岸桜梨等の帰花多く開き栗柿早く熟し(後略)

力武常次著『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』 (東京大学出版会)

上の記事の2ページ目に書かれている「妙見七つ井戸」の異変については、以下を参照してください:

関連記事

小惑星 2018 LE1 が地球と月に接近


6月5日に発見された小惑星〝2018 LE1〟が、1週間前の5月28日から29日にかけて、地球と月に接近していたことがわかりました。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 9~19m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 LE19~19 (地球)5月28日 21:54
 (月)5月29日 21:33
1.60
1.60
(1LD=地球から月までの平均距離) 

地球と月に対する接近時刻には、それぞれ ±7分と ±6分の誤差が見込まれています。

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度はかなり遅く、秒速5.9km(時速約2万1000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

リュウグウノツカイ漂着 ― 福岡県福津市


6月3日、福岡県福津市(地図)の海岸にリュウグウノツカイが漂着しているのが見つかりました。全長183cm、体高9cm、重さ1010g:

関連記事

2018年6月8日金曜日

溶岩竜巻 “lavanado”


5月29日、ハワイ島の8号亀裂から噴出した溶岩流上に発生した竜巻(volcanic tornado、lavanado)。目撃されるのはまれだそうです。撮影地点との距離はおおよそ半マイル(約800m):

"volcanic tornado" や "lavanado" を何と訳すべきか。"tornado" は雷雲の中で発達した気流の渦が地上にまで降りてきた巨大なものを指すのに対して、地上の熱によって上昇する気流が渦を巻く "dust devil" は塵旋風、"firestorm" は火災旋風と訳されるので、火山旋風とか溶岩旋風と訳すのが正しいかも知れません。


関連記事

世界で最も危険な8つの火山


TIME』誌の記事です。専門家が選んだ世界で最も危険な8つの火山。周辺の人口密度とマグマの質がキーポイントのようです。富士山も、イタリアのヴェスヴィオ山(ヴェスヴィアス山)やインドネシアのムラピ山(メラピ山)と並んで「入選」しています。記事によれば、富士山が噴火すれば2500万人が影響を受けるとのこと:

関連記事

十勝岳で火山性微動


十勝岳(地図)で6月5日と7日に火山性微動が発生しました。振幅は小さく、継続時間は約2分と約1分。微動発生前後で噴煙の状況に変化はなく、火山性地震の増加もなし。微動の発生は昨年12月以来。ただし、十勝岳では2006年以来、山体浅部の膨張が継続。噴煙の高い状態、地熱域の拡大と温度上昇、地震の一時的な増加などが観測されているので要注意とのこと:

関連記事

変な虹


赤一色でまっすぐ。6月5日に米国ペンシルベニア州ドーバー(地図)で撮影されたものです:

赤色しか見えないのは、太陽が低い位置にあるので赤以外の色の光が散乱してしまったため。直線状に見えるのは、太陽のそばにある雲が光を遮っているため、本来は円弧状の虹の一部しか見えていないから、なのだそうです。下の写真もご覧ください:

関連記事

火星で太古の有機物を発見、大気メタンの季節変動を観測


6月7日付「火星で新発見?」の続報です。

日本時間8日早朝に開かれたオンラインの記者会見での発表はこれです。詳細は6月8日付の科学誌『Sciemce』に掲載されるとのこと:

すぐに日本のメディアでも報道されると思いますので、手短にまとめると ――
NASAの火星探査車キュリオシティが2つの新たな証拠を発見。1つは、30億年前の堆積岩中に有機物を発見。これは、過去の火星が生命を育む条件を満たしていたことを示唆。もう1つは、火星の約3年間(地球の約6年間)の観測で、火星大気中のメタンガスの量が季節的に変動していることを発見。両者とも生命の存在に直結するものではないが、前者は過去の火星に、後者は現在の火星に、生命が存在していた/存在している可能性を示す。

関連記事

小惑星 2018 LD1 が地球と月に接近


6月15日、小惑星〝2018 LD1〟が地球と月に接近します。

この小惑星は6月5日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は比較的大きく 14~32m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 LD114~32 (地球)6月15日 01:09
 (月)6月15日 06:45
1.57
2.00
(1LD=地球から月までの平均距離) 

現時点では、接近時刻の予報に ±16分の誤差が見込まれています。

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速11.0km(時速約4万km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

2018年6月7日木曜日

ハワイ島: 溶岩が Kapoho 湾を埋め尽くす (続報)


6月6日付「ハワイ島: 溶岩が Kapoho 湾を埋め尽くす」の続報です。

「湾」が「半島」になってしまいました:


関連記事

火星で新発見?


6月7日午後2時(日本時間8日午前3時)から、NASAがオンラインで記者会見をおこないます。内容については「火星探査車キュリオシティがもたらした新たな科学的成果(複数)」としか書かれていません:

NASAがこれまでおこなった同種の期待はずれだった発表に比べると、かなり地味です。しかし、出席者の中に、探査車に搭載されている SAM(Sample Analysis at Mars)という分析装置の主任研究員が含まれていることから、期待が高まっています。SAM は、二酸化炭素とメタンに含まれている酸素と炭素の同位体比を高精度で測定し、火星の大気中に含まれる二酸化炭素やメタンの由来が地質学的なプロセスによるものか、生命活動によるものかを判別できる、とされています。


関連記事

リング状の雲 ― カザフスタン


5月22日、カザフスタン東部のバルハシ湖(地図)近傍に現れたリング状の雲。直径は約400km。複数の衛星によって撮影されました。NASAの説明によると、リング状の雲は、数時間前には、南西方向にある天山山脈西部の上昇気流域と繋がっていたとのことです:

以下は、類似の雲についての過去の記事です:

関連記事