2010年1月21日木曜日

イエローストーンの群発地震

イエローストーンで群発地震が起きていますが、同地域では年中行事のようによくあることで、とりたてて異常なことではありません。この記事の末尾に列挙した「過去の関連記事」にあるように、2008年末から 2009年始めにかけてもかなり活発な群発地震が起きていました。イエローストーン周辺では隆起を続けている地域があり、長期的に見れば何らかの火山活動が起きる可能性はありますが、今現在生きている人がスーパー・ボルケーノとしてのイエローストーン・カルデラの巨大噴火を目にすることはないでしょう。

以下の引用に見られるように、この群発地震を取り上げて大騒ぎをし不安を煽る向きもありますが、これは “Doom Sayer” とか “Fear Monger” といわれる類の人たちの典型的な所業です:
北米プレートの異変を示す行徳稲毛などのデータが昨年11月から異常な高揚を続けていて、北米大陸に巨大地震が迫っている可能性を何度も書いている。ハイチM7.3以降もまったく収まっていない。イエローストーン公園における群発地震が激化していて、地球上最大級の巨大噴火を起こす可能性があり、またカリフォルニア・サンアンドレアス断層の巨大活動に関連している可能性がある。やはり北米にスーパークラスの地震か噴火が迫っていると考えるしかない。

(http://www1.odn.ne.jp/cam22440/yoti01.htm 「2010年01月20日水曜日 7時半更新」の記事から引用)
上記のような憶測や妄想よりは、毎日間近でイエローストーンを観測している人たちの見解に目を通すべきでしょう。以下は 1月 19日付でイエローストーン火山観測所が出した最新のステートメントです:
以下に抄訳します:
現在の火山警戒レベル: ノーマル
現在の航空カラー・コード: グリーン

イエローストーン・カルデラ北西縁の群発地震は継続中

イエローストーン国立公園で山岳部標準時 2010年 1月 17日 午後 1時から始まり、現在も継続中の群発地震について、ユタ大学地震観測所(複数)が報告する。当該群発地震はワイオミング州オールド・フェイスフルの北西 10マイル(16km)、モンタナ州ウェスト・イエローストーンの南東 9マイル(約 14km)で起きている。山岳部標準時 2010年 1月 19日午後 3時までに発生した最大の地震は、同 19日午後 2時 31分に発生した M3.7 のイベントである。469回の地震が観測されており、規模は M0.5 から M3.7 の範囲である。このうち、M3 を上まわる地震は 5回、M2 から M3 の地震は 34回、M2 未満の地震は 430回観測されている。比較的規模の大きな地震については、イエローストーン国立公園内や隣接するモンタナ州やアイダホ州で有感地震として報告されている。今回のような性質の群発地震は、イエローストーン国立公園内では比較的よく起こる。

現時点でイエローストーン火山観測所は、今回の群発地震を異常だとは考えていない。これらの地震は、地質構造上の断層を起源とするものであると推定される。また、火山活動や熱水活動の兆候はないが、継続中の分析ではそれらの可能性も評価する予定である。


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