2010年5月16日日曜日

ロサンゼルス上空に彩雲

5月 13日、いつ大地震が起きてもおかしくないと言われるロサンゼルスの上空に彩雲 (rainbow cloud) が出現し、大地震の前兆ではないかとツイッターなどで話題になっています:

記事によれば、この彩雲は 中国・四川省の大地震(2008年)や、チリの大地震(2010年)の前に現れたものと同じだとのことです。たしかに、四川大地震の前には彩雲が現れていました。しかし、チリの地震の前にも現れていたのでしょうか。私は、大地震が起きるたびに、過去に遡って現地の報道記事などをチェックし、宏観前兆が現れていなかったかを調べていますが、チリの地震については管見の限りでは彩雲の報道はありませんでした。

この件についてのツイッターの流れは以下で見ることができます:

彩雲が地震の前兆であるか否かについて、アメリカの専門家は 「都市伝説の一種」とバッサリ切り捨てています。

私も彩雲が地震と関係しているという考えには懐疑的です。理由はいろいろありますが、過去の記録もその一つです。日本書紀に始まる六国史や平安時代の貴族の日記などには彩雲と思われる現象がかなり記録されています。しかし、それらの現象の後に大きな地震が記録されているケースはまれです。

また、当時の人たちは彩雲を吉兆と見なしていました。もし彩雲が地震の前兆であるならば、現代人と比べて自然と密着した暮らしをしていた当時の人たちが気づかぬわけがなく、彩雲を凶事の前兆として扱っていたのではないでしょうか。