2015年7月31日金曜日

諏訪之瀬島が噴火 ― 鹿児島県十島村


7月30日午後9時50分ごろ、諏訪之瀬島(地図)の御岳(おたけ)が噴火しました。 諏訪之瀬島の御岳は長期にわたって噴火を繰り返しており、今年1月に4回、2月に12回、4月に2回の爆発的噴火を起こしています。また、3月と5月にはごく小規模な噴火がありましたが、6月には珍しく噴火がありませんでした:

ここのところ、気象庁の「火山観測報」は桜島や口永良部島に関するものがほとんどでした:

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2015年7月30日木曜日

深海魚「ヒレナガユメタチ」捕獲 ― 和歌山県白浜町


7月27日、和歌山県白浜町(地図)沖で、深海魚のヒレナガユメタチが釣り上げられました。全長1.1m。和歌山県では1999年と2008年に捕獲の記録があるとのこと。「県内での捕獲はまれで、人目に付くことはほとんどない」:

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2015年7月29日水曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-49)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が7月29日付で更新情報を出しています:

前兆は完全終息に至っていませんが、現時点での予測は前回の更新情報と大きな差はありません (「※初めて経験する特殊ケースで前例無い為、難しい」、「※8月3日迄に発生なく前兆継続の場合は発生日再考」):

推定発生日 7月31日~8月1日
(最大誤差: 7月30日~8月3日)
推定発生時刻 午前9時±2時間 または 午後6時±2時間
推定震央 琵琶湖を含む領域(滋賀、福井、三重、京都東部、奈良北部、石川南部、岐阜西部、愛知西部)、または東北地方南部(福島県南部から新潟県にかけての領域)
(上記PDF資料の地図参照)
推定規模 M7.8±0.5 (M7.5~M7.9が考えやすい)
陸域で震源の深さ30km以浅


まとめです:
  • 八ヶ岳で、7月10日と18~19日に2つの観測装置に出現した「直接波近似変動」と、それに同期するように3つの観測装置に現れた特異状態。後者のうち、1つは終息したが、2つは弱い特異状態が継続している。

  • 八ヶ岳では、上記2つの直接波近似変動と2つの弱い特異状態のみで、他に顕著な前兆なし。秋田観測点と高知観測点には前兆出現なし。

  • すべてが8月1日±2日の時期を示していることから、前兆が完全終息しなくとも予測どおりの地震発生となる可能性を否定できない。

  • 8月1日±2日に現行前兆が極大となる、あるいは新たな前兆群が出現して第8ステージへ移行し、地震発生が先送りとなる可能性も残っている。

  • 前例のない前兆出現パターンのため、予測が難しい。8月3日段階で地震発生がなく、前兆が継続、あるいは顕著化した場合には、第8ステージに移行したものと考えられるので、地震発生時期を再考せざるを得ない。

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箱根山の温泉水枯れる ― 神奈川県箱根町


箱根山・大涌谷(地図)の温泉水が枯れていることが確認されました。「温泉が湧いていた穴から蒸気が噴出し、温泉水が枯れていた」、「水蒸気が増え、地下水の水位が下がっている可能性がある」:

神奈川県温泉地学研究所の地下水位データを見ると、南足柄や湯本では7月初めごろから地下水位が上昇しています。芦ノ湖の水位も7月に入って急上昇しています:

6月半ばには以下のような記事もあったのですが:

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岩手山の湧水枯れる ― 岩手県


7月27日、岩手県北西部にある活火山・岩手山(地図)の8合目にある「御成清水」と呼ばれる湧水が出なくなりました。原因としては、「送水経路の不具合などのほか、晴天と高温が続く天候が影響している可能性もある」とのこと:

御成清水は、2012年にも枯れたことがあります。8月22日から出なくなり、9月8日に復活しました。その2年前にも1週間ほど枯れたことがあります:

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2015年7月28日火曜日

雌阿寒岳の噴火警戒レベル引き上げ (続報)


7月28日付「雌阿寒岳の噴火警戒レベル引き上げ」の続報です。

解説資料が出されました。4ページ目の図3下段のグラフを見ると、7月26日ごろから深さ0km付近の地震が増えていること、7ページ目の図7下段のグラフでは今年3月ごろから全磁力値がはっきりとした低下傾向を示していることがわかります。その他、火口付近の地表面温度分布の画像などもあります:

全磁力を観測することによって、なぜ地下の温度の昇降を知ることができるのかについては、以下の資料をご覧ください。わずか1ページです:

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雌阿寒岳の噴火警戒レベル引き上げ


7月28日午後4時、雌阿寒岳(地図)に火口周辺警報が出され、噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」に引き上げられました。 上空からの観測および現地調査の結果、ポンマチネシリ火口付近で地熱域が拡大し、噴煙の勢いも増加しており、ごく小さな噴火が発生する可能性があるとのことです:

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2015年7月27日月曜日

Volcanic activity 2015


ボストン・グローブ』紙の〝The Big Picture〟が、今年前半に起きた火山噴火の写真集を掲載しています。全部で29枚。冒頭と最後の火山雷は圧巻です。それらに比べると色彩が乏しく地味ですが、口永良部島の新岳で発生した火砕流の写真も1枚入っています:

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雌阿寒岳で地震増加 (続報-2)


7月27日付「雌阿寒岳で地震増加 (続報)」の続報です。

雌阿寒岳(地図)について、札幌管区気象台が解説資料を出しました。 「短期間に地震増加が繰り返されるなど、火山活動の高まりがみられます」、「全磁力連続観測によると、ポンマチネシリ 96-1 火口近傍の地下では、2015 年3月中旬以降熱活動が活発化している可能性があります」:

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雌阿寒岳で地震増加 (続報)


7月14日付「雌阿寒岳で地震増加」の続報です。

雌阿寒岳(地図)で再び火山性地震が増加しています。「昨日(26日)から、雌阿寒岳でポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする振幅の小さな火山性地震が増加しています (中略) 今月13日頃から振幅の小さな火山性地震が増加し、17日以降は徐々に減少していましたが、昨日から再び増加しています」:

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2015年7月26日日曜日

えびの高原硫黄山で火山性微動と傾斜変動


7月26日、えびの高原の硫黄山(地図)周辺で、火山性微動と傾斜変動が観測されました。火山性微動の発生は14年8月20日以来。また、火山性地震も増加しています:

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近畿圏中心領域大型地震 (続報-48)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が近畿圏に予測している大型地震発生まで1週間を切りました。これまでの経緯からして、今回も直前で新たな前兆が現れ延期になる公算が大きいと思っていましたが、これまでのところ、串田氏からそのような更新情報は出ていません。

前兆は7年前から現れていますが、串田氏が予測している領域になにか異常な地殻変動が現れていないか、国土地理院の「最新の地殻変動情報」をずっとモニターしてきました。串田氏の予測では震源は陸域の浅い所ということですので、前兆継続中に震源断層周辺に何らかの変動が現れても不思議ではありません。

で、これまでモニターしてきた結果、何かわかったかというと、怪しい所が多すぎて、決め手に欠けるというのが正直なところです。「最新の地殻変動情報」では、電子基準点のGPS観測データにもとづいた変動ベクトル図、座標変化グラフ、基線変化グラフを見ることができるのですが、以下は変動ベクトル図に現れた「異常」の例です。

(1) 琵琶湖西岸の「安曇川」観測局が南西方向に大きく移動。2つの期間、2015年5月20日~6月3日と6月20日~7月4日、の位置情報の平均値を比較し、水平方向の差をベクトルとして表示:

国土地理院「最新の地殻変動情報」から必要部分を当ブログ筆者が切り出し

(2) 「京都西京」観測局が北方向に大きく移動。2つの期間、2014年2月12日~2月26日と3月15日~3月29日、の位置情報の平均値を比較し、水平方向の差をベクトルとして表示:

国土地理院「最新の地殻変動情報」から必要部分を当ブログ筆者が切り出し

(3) 滋賀・岐阜県境の「関ヶ原」観測局や、京都府の「福知山2」、「綾部」両観測局などが大きく隆起。2つの期間、2014年2月26日~3月12日と3月29日~4月12日、の位置情報の平均値を比較し、垂直方向の差をベクトルとして表示:

国土地理院「最新の地殻変動情報」から必要部分を当ブログ筆者が切り出し

注意しなければならないのは、季節変動や「観測点固有のローカルな動きやGPS電波の受信障害等により、地殻変動とは関係のない異常な座標変化を示す」場合があるという点です。たとえば、観測局周辺の樹木の生長や伐採、建物の新築などによっても観測データに影響が出るのだそうです。したがって、上掲の例が実際の地殻変動によるものである保証はありません。詳しくは以下をご覧ください:

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2015年7月25日土曜日

火星の土器?


火星探査車〝キュリオシティ〟が7月11日に撮影した画像です。土器の破片のように見えます。大きさは約10cm×10cm。シリカ成分が異常に高い濃度で集積しており、過去の有機物が保存されるには理想的な条件をもっているとのこと:

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もっと地下核実験を ― 巨大地震を阻止するために


地下核実験がさかんにおこなわれていた時期には、巨大地震は発生しなかった。本当でしょうか。掲げられている二つのグラフ (上が地下核実験で放出されたエネルギー、下はM8.3以上の大地震、ともに放出されたエネルギーをマグニチュードに換算) が正しいとしたら、たしかに偶然とは思えない巨大地震の空白期間があるようです:

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御嶽山で火山性地震増加、火山性微動も


沈静化する一方だと思っていた御嶽山(地図)ですが、7月19日から20日にかけて火山性地震が一時的に増加、20日早朝には継続時間約2分50秒の火山性微動も発生、同時に山頂側が盛りあがる傾斜変動も観測されました:

「火山性地震の日回数が20回を超えたのは2015年2月14日(22回)以来」、「火山性微動が観測されたのは2014年11月23日以来」とのことです。

Mt.Ontake strikes back?


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2015年7月24日金曜日

地鳴り ― 三重県


以下のグラフは、「地鳴り」という語が Google で検索された頻度を示しています:

大きな2つのピークがありますが、左側は東北地方太平洋沖地震の翌月、2011年4月に山形県米沢市(地図)で地鳴りの報告が相次いだことに対応しています。右側のピークは、2015年4月に三重県で地鳴りが聞こえるとネット上で騒がれたことに対応しているようです:

上記記事では、4月12日に津市沖で小規模な地震があったことや、土砂災害の前兆として地鳴りが発生していたのではという指摘が紹介されていますが、はっきりしたことはわかっていません。

4月12日の地震や地鳴りそのものが、もっと大きな地震の前兆ということはないのでしょうか。折しも、八ヶ岳南麓天文台の串田氏が7月31日または8月1日に予測している「近畿圏中心領域大型地震」では、震央となりうると推定される領域に三重県もほぼ全域が入っています。

以下は、三重県またはその近隣で「地鳴り」以降に発生した有感地震をまとめたものです:

日付 震央 M 震度
5月7日 伊勢湾 2.2 1
5月24日 三重県南東沖 3.0 1
5月30日 京都府南部 3.0 1
6月8日 伊勢湾 2.6 1
6月24日 奈良県 2.6 1


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2015年7月23日木曜日

竹の花が咲く ― 東京都瑞穂町


7月半ば、東京都瑞穂町(地図)の庭で竹の花が咲いているのが見つかりました。竹の花が咲くのは凶事の前兆と言われることがあります。「タケの花は、60~120年の周期で咲き、散った後は竹林が枯れるなど古くから諸説あるが、よく分かっていないことが多い」:

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地震雲、月の満ち欠けと地震


「地震雲」や月の満ち欠けと地震の関係についての記事です。 「大きな地震の余震活動や群発地震活動の中には、潮汐と同期した12時間周期の活動変化を示すものもありますが、大地震に関しては、それがあまり顕著には見られません」、「日本及びその周辺で起こっている地震の数(2001年~2010年の平均)は、M5以上で年間150回以上、つまり1週間に3回も起きている (中略) 何の根拠がなくても『1週間以内に関東地方でM6以上の地震が起きる』と書けば、偶然当たるかもしれない」:

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小惑星 2015 OQ21 が地球と月に接近


小惑星〝2015 OQ21〟が、7月24日午前9時00分(日本時間)に、地球に 1.48LD(約56万8000km) まで接近します(1LD=地球から月までの平均距離)。さらに、同日午後6時42分(日本時間)には、月に 0.89LD(約34万2000km)まで接近します。

この小惑星は7月19日に発見されたもので、アテン群に属し、直径は7~16mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速7.6km(時速約2万8000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2015 OQ21 7~16 7月24日 09:00 1.48


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準惑星ケレスに靄(もや)が漂う


6月12日付「準惑星ケレスに謎の輝点 (続報-3)」の続報です。

今月初め、例の謎の輝点群がある直径92kmのクレーターに〝Occator〟という名前が付けられました。ローマ神話でケレスは農業や豊穣の女神ですが、Occator はその随神(helper god)で、鋤で耕すことを司るとされています。

この Occator クレーター内に靄(haze)のようなものが漂っているのが、ケレスを周回中の小惑星帯探査機ドーンによって観測された、とドーン・ミッションの研究責任者が7月21日に発表しました。靄のようなものは、 Occator クレーターの半分ほどを覆い、クレーターの縁を越えていない、ということです:

以下は NASA が公表している画像です。クレーター中央部の輝点に比べて、その右側の輝点群が滲んだように写っているのは、靄のせいかも知れません:

前出の研究責任者によると、Occator クレーターの真昼時(太陽がほぼ真上から照らす時)に斜め上方の視点から観測すると靄のようなものが見えるとのことです。

謎の輝点の正体については、氷や塩などの結晶という説が出ていますが、2014年にハーシェル宇宙望遠鏡による観測でケレスから水蒸気が噴出しているのが観測されていること(後続の観測による確認はない)、ケレスの質量の少なくとも4分の1は水である(ほとんどの小惑星に比べて異常に高い比率)と推定されていること、そして今回、靄のようなものが観測されたことで、輝点の正体は氷である可能性が高まったと言えます。

ドーン探査機には赤外線分光計が搭載されており、輝点の正体を容易に判別できると考えられますが、以前から短時間の機能停止を繰り返しており、まだ輝点を含む領域の観測ができていないとのことです。


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2015年7月22日水曜日

箱根山、大涌谷の火口から噴煙 (蛇足)


7月22日付「箱根山、大涌谷の火口から噴煙」の「蛇足」です。

気象庁: こ、こんな程度なら噴火って呼ばないからねっ
箱根山: それなら ・・・ これでどうだ ドカーン

気象庁の詭弁に箱根山がお怒りになりませんように。


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箱根山、大涌谷の火口から噴煙


7月21日正午ごろ、箱根山の大涌谷の火口から火山灰が混じった灰色の噴煙が上がりました:

それにしても何なのでしょうか、この気象庁の言いぐさは ―― 「現象は噴火だが、住民の不安をあおるなどの防災上の影響もあるので、噴火との表現は適切でない」、「理科研究の小学生に、噴火かと問われれば噴火だと答える。ただ、気象庁では噴火と記録はしないと説明する」:

気象庁は、箱根山に関しては以前にも自らの噴火の定義を無視しています。6月29日に大涌谷の北約1.2kmで降下物が確認された際に、8時間半も沈黙を続けた後に「この現象は噴火ではないと考えています」。気象庁が公開している資料では、噴火の定義は「固形物または放出物が噴出場所から水平若しくは垂直距離概ね 100~300m の範囲を超すもの」、「それより小さな現象(阿蘇山の土砂噴出等)でも、記事として記載している場合もある」となっているにも関わらずです。

「噴火」という言葉は使うなという指示が上の方(笑)から降りてきているのでしょうか。


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2015年7月21日火曜日

箱根山全体が危険 (補足)


今回、箱根山の火山活動が活発化した際に、箱根町の町長は県知事をも巻き込んで「箱根隠し」に奔走し、所管大臣を通じて気象庁に圧力をかけました。このような姿勢を見ると、箱根山の地元は本当に観光客や住民の安全を第一に考えているのだろうか、自分たちの観光収入を維持することの方を優先させているのではないのか、との疑念が涌いてきます。

自分たちの観光収入を守るためなら地元はここまでやるという事例が「災害史は語る No.143 阿蘇山噴火と観光災害」に紹介されています。1979年9月6日に阿蘇山が爆発的噴火を起こし、大量の噴石が観光客を直撃して、死者3人、重軽傷者16人という痛ましい結果になったのですが、これは地元が地図を改竄してまでロープウェイの運転を強行したことが招いた「人災」でした。

以下は上記の記事から、事件の経緯を抜粋・引用したものです:
  • 阿蘇山測候所は9月5日、火山情報を発表して注意を喚起したのだが、地元の反応は鈍いものであった。

  • 9月6日午後1時6分、中岳第一火口が大音響とともに爆発、横なぐりに飛んできた噴石によって、仙水峡ロープウェイの終点「火口東」駅と、展望台のある楢尾岳とのあいだを往復していた観光客が死傷した。

  • 「火口東」駅は、中岳第一火口から約850mの距離にある。1km規制円の内側にあるのだから、(中略)ロープウェイも運転されていてはならないはずである。

  • 地元の阿蘇火山防災会議協議会が作成した地図(中略)それを見ると、「火口東」駅は、なんと1km規制円の外に出ていた。

  • 地図の上で「火口東」の駅は、1km規制円の外にあることにして、ロープウェイを運転していたのである。

  • 「観光優先、安全は二の次」という地元の姿勢が招いた“人災”であった。

その後、地元の関係者が処罰されたのか否かはわかりませんが、未必の故意による殺人や傷害の罪に問われて然るべき「犯罪」です。

観光地の地元がいくら「安全ですよ~」とアピールしても、真に受けてはいけません。話半分、いや、話一割程度に聞き流す方が賢明です。信じて馬鹿を見るのは自分です。彼らにはウソをつく十分な動機があるのですから。


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-47)


6月27日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-46)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が7月20日付で更新情報を出しています:

最新の予測は以下のとおりです。前回の予測からの大きな変更はありません:

推定発生日 7月31日 または 8月1日
(最大誤差: 7月30日~8月3日の可能性)
推定発生時刻 午前9時±2時間 または 午後6時±2時間
推定震央 琵琶湖を含む領域(滋賀、福井、三重、京都東部、奈良北部、石川南部、岐阜西部、愛知西部)、または東北地方南部(福島県南部から新潟県にかけての領域)
(上記PDF資料の2ページ目の地図参照)
推定規模 M7.8±0.5 (陸域で震源の深さ30km以浅)


更新情報をまとめると以下のとおりです:
  • No.1778前兆群は、2008年7月の出現から満7年が経過。これまで観測した前兆群では最長。

  • 2008年7月以来、No.1778前兆群は、いくつものステージの盛衰を繰り返してきた。No.2443前兆や、今年になって出現した複数の新たな前兆は、No.1778前兆群の別形態前兆と認識。

  • 前回の更新以降、新たに八ヶ岳の2つの観測装置に「直接波近似変動」が同期出現した。スポラディックE層の影響でないことは確認済み。このような「直接波近似変動」は、M7±以上の規模の地震の前兆として観測例がある。経験則を適用して解析すると、7月31日前後の発震が推定される。

  • 大規模で長期間にわたる前兆群では、終盤になって新たな前兆群が出現し、解析すると同じ発生時期と発震領域を示すという事例が過去にもある。

  • 以前から継続している前兆は2つの観測装置に残るのみ。これらは、新たに出現した上記「直接波近似変動」に関連して残っている可能性がある。また、2008年の宮城内陸地震の際も、発生前日まで2つの観測装置の前兆が消えなかった。

  • 現在までの前兆変化に経験則を当てはめると、すべて7月31日±2日を指し示す。偶然とは考えにくい。

このブログ記事は、串田氏の「近畿圏中心領域大型地震」についての予測情報を、同氏の予測手法が解説されている著書を読んでおられない方にもわかるように要約して紹介しているものです。同氏の予測手法には、前兆が完全終息した段階で初めて発震時期が正確に確定できる、という制約があります。収束すると思った前兆が継続したり、新たな前兆が始まったり、といったことがありえます。そのため、以下に列挙されている過去の記事にも示されているように、串田氏の「近畿圏中心領域大型地震」の予測は、これまでに何度も発震時期が延期されてきた経緯があります。同氏の予測にどの程度の信を置くかは、あくまでもご自身の責任において判断されるようお願いいたします。


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2015年7月20日月曜日

マッコウクジラ漂着 ― 愛知県豊橋市


7月19日、愛知県豊橋市(地図)の海岸に、体長約10mのマッコウクジラの死骸が漂着しているのが見つかりました。「スナメリやイルカの漂着はあるが、これだけ大きなクジラの漂着は珍しい」(豊橋市自然史博物館の学芸員):

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箱根山全体が危険


週刊誌の煽り記事ですが、一般の報道ではあまり触れられていない情報が含まれています ――  「(群発地震の震源が)大涌谷だけでなく箱根カルデラ全体に広がり、特に最近は外輪山の北西側から西側の地域で多発するようになってきた。つまり、マグマの影響が大涌谷以外の場所にも広がっているのだ」、「湖の北西側、湖尻峠に近い山の斜面でも昔から噴気が出ていて、その勢いが6月後半から急に強まったと思っていたら大涌谷で噴火が始まった。今は大涌谷だけが警戒されているけど、違う場所でも噴火が起きる恐れはある」、「元々は箱根全体が大活火山なんだから」:

箱根町は、ウェブサイトで「大涌谷周辺の想定火口域から約700mの範囲を警戒区域とし、立ち入りを規制しています」(箱根町周辺の火山・地震活動 最新情報(7月3日0時00分警戒区域の設定))と書いています。その一方で「規制の対象となる範囲が大涌谷噴煙地を中心とした半径約300mから、半径約1kmに広げられました」と書いた「観光客の皆様へ」(PDF形式)と題した文書(日付なし)もウェブサイトに掲載しています。距離を測る起点が「想定火口域」と「大涌谷噴煙地」で違っているので異なった数字になっているのかも知れませんが、混乱させられます。

また、700mという中途半端な規制の範囲が絶妙な設定であることは、以下の気象庁の資料冒頭にある規制範囲の地図を見るとわかります。黒色の太線で囲まれた地域が居住区域なのですが、700mの規制ではぎりぎりのところで居住地域が避けられています。他の火山では、1kmとか2kmといったきりのいい距離で規制範囲を設定していることが多いのですが、箱根山では違っているようです。仮に規制の範囲が1kmであったとしたら、避難対象となる住居が一気に増えることになります:

規制の範囲は事前に地元と気象庁の協議で決まることになっているようですが、ほんとうに住民や観光客の安全を第一に考えた設定になっているのでしょうか。箱根町は先に掲げた「観光客の皆様へ」という文書で「適切に情報発信をしながらお越しいただくお客様の安全と安心を第一に取り組んでいきたいと考えております」と美辞麗句を並べているのですが疑わしいかぎりです。


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