2009年1月15日木曜日

スウェーデンの牛

「ノルウェーの森」じゃなくて「スウェーデンの牛」についての残念なお知らせです ;-)

先月このブログに「スウェーデンで1世紀ぶりの強いゆれ」(12月16日付)という記事を書きましたが、この地震のさいに、震源から 5km のところにいた牛の挙動を分析した研究者がいました。地震の少ないスウェーデンに、動物の地震察知能力に関心を寄せる専門家がいたことは、いささか驚きです。以下はそのことを伝えるスウェーデンとイギリスの報道記事です:
結果は研究者の期待どおりというわけにはいきませんでした。以下は、スウェーデンの記事の概略です:
スウェーデンで12月中旬に発生した地震のさいに収集されたデータによると、スウェーデン南部の牛は足下の揺れにほとんど気づいていないことが明らかになった。動物は自然災害を察知する本能的な能力を持っているのではないかと考えている研究者たちは、この結果に落胆している。

スウェーデン農業科学大学(SLU)の研究者たちは、スウェーデン南部の牛の群に取り付けたセンサーが、12月16日にスウェーデン南部を襲った地震の前や最中の牛の行動について興味深い手がかりを明らかにしてくれるものと期待していた。しかし、牛に取り付けた最先端のGPSセンサーと動物監視装置はあまり説得力のある結果を示さなかった。

「地震の前や揺れの最中に、牛たちはごくわずか、というよりは、ほとんど何も反応を示さなかった」と SLU の研究者 Anders Herlin 氏は地元紙に語る。

Herlin 氏によると、牛たちは震源から5kmのところにいたにもかかわらず、センサーを取り付けた8頭のうち、1頭が揺れの始まる1分前に、もう1頭が揺れの最中に起きあがっただけだった。他の2頭の牛は起きあがった姿勢、もう2頭は寝そべった姿勢を地震の前・最中・後も続けていた。1頭の牛が揺れが始まる瞬間にしゃがみ込んだ。8番目の牛は、取り付けた装置が故障していて記録が残らなかった。

サンプルの数が8頭と少なかったが、Herlin 氏はこれらの結果から、ある種の結論を引き出せると考えている ―― 「牛という種は、世界中で最も地震に対して敏感な動物というわけではない。」
記事に書かれている8頭の牛の挙動をまとめると次のようになります:
1頭: 揺れの始まる1分前に起きあがる
1頭: 揺れの始まる瞬間にしゃがみ込む
1頭: 揺れの最中に起きあがる
4頭: 姿勢に変化なし
1頭: 装置故障のためデータなし
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency