2008年12月6日土曜日

ロスト・イン・スペース(2)

スペースシャトル・エンデバーの女性宇宙飛行士が国際宇宙ステーションでの船外活動中に紛失したツールバッグですが、その後、地球を周回する衛星軌道にのったことが確認されています。以下は、夜空を横切るツールバッグを地上から撮影した動画です:



肉眼や双眼鏡で見た場合の衛星に比べると、かなり速く移動しているように見えます。しかし、ツールバッグが他の人工衛星よりも速い速度で地球を周回しているという事実はありません。おそらく、倍率の高い光学機器を使って撮影したためだと思います。視野の中に写っている星の数が少ないことも、そのことを示しています。

衛星となったツールバッグは“ISS Toolbag”と命名され、国際宇宙ステーションなどに危険をもたらす可能性のある宇宙ゴミ(スペース・デブリ)の一つとして追跡・監視されています。比較的明るいので、双眼鏡でも観測可能とのことです。

いつ頃、どの方向に双眼鏡を向けると“ISS Toolbag”を見ることができるのかについての情報は、以下のサイトで得られます:
Satellite Tracker
上記サイトで、国名・都道府県名・市町村名を選択すると、その地点で観測可能な日時や方向が表示されます。ただし、アメリカのサイトなので、市町村名の選択肢はかなり怪しいです。たとえば神奈川県の大和市は“Yawato”となっていたり、その都道府県にはない市町村名が選択肢に入っていたりします。選択後に“Go!”のボタンを押して、表示される情報の上部に書かれている緯度と経度が、選択した場所と大きく違っていないか念のために確認した方が良いでしょう。

上記のサイトの情報によれば、たとえば東京の赤坂で次に“ISS Toolbag”が見えるのは、12月7日午後5時52分頃からで北北西の方角、仰角52°、明るさ6.6等級となります。