2009年9月9日水曜日

駿河湾の地震についてあれこれ (その 4)


熱川のワニは鳴いたのか


(その 3)で紹介した伊豆大島近海地震の前兆資料には、地震の前に「熱川のバナナ園のワニ、何年来かでめずらしく鳴いた」という記事があるのですが、今回の地震ではどうだったのでしょうか。
上記の資料に、e-PISCO の弘原海清氏が次のように書いています:
私自ら、熱川バナナワニ園(静岡・東伊豆町)、伊豆バイオパーク(同町)、ふれあい動物園(神奈川・平塚市)、新江ノ島水族館(神奈川・藤沢市)に直接電話したが、いずれの施設でも動物には異常はみられないとのことである。
この資料の発行日から考えて、少なくとも地震の数日前まで、それらの施設で飼育されている動物たち(熱川のワニも含まれる)に異常は見られなかったようです。


海中の異変

下記『日刊スポーツ』紙の 8月 12日付記事に、地震の 2日前に駿河湾の震源の真上あたりで見られたスルメイカやプランクトン、海水温の異常についての記述があります:
短期間でリンク切れになるかもしれないので、当該部分を引用しておきます:
… 震源地となった駿河湾では 2日前に前兆らしき現象が起こった。焼津小川港の釣り船「幸進丸」は、9日に駿河湾に出漁し、普段は水深 200メートル以上深い場所で釣れるスルメイカが 110メートル前後の浅場で釣れた。

船頭歴 40年の長谷川博男船長(60)は「魚群探知機でプランクトンが浮いている反応が出た。イカがそれを追い掛けたようだ。ちょうど震源地の上ぐらい。こんなの初めて。最近の海水温も 19~ 23度に激しく上下したし、変な感じだった」と首をひねっていた。

カラスやハトの挙動

カラスやハトなどの鳥類は地震の起こる前に避難するため、震源の近くではそれらの鳥を見かけることが少なくなると言われています。しかし、大きな地震があるたびにいつも思うのですが、地震の前に鳥が逃げだすことはあったとしても極々まれなことではないのかと。なぜそう思うかというと、テレビの地震報道で流される定点カメラの映像です。多くの場合、放送局の屋上に据え付けられたカメラが撮影した街並みの映像なのですが、鳥が写っていることがしばしばあります。今回の地震でも、揺れが大きかった地域の放送局の屋上に設置された定点カメラが捉えた映像が何種類も放映されました。そのうちのいくつかには、揺れに驚いて飛び立つ鳥(カラスやハトなど)の群が写っていました。その鳥たちの仲間は地震の前兆を察知してすでに逃げだしていたが、たまたまカメラの前にいた彼らだけが地震の前兆に鈍感だったために取り残されていたとは考えにくいと思います。

(続く)