3つの惑星は肉眼で見えます。夕方の西空に 3つの明るい星が見えたら、上から順番に土星(黄色っぽい白)、火星(淡いピンク色)、金星(白く最も明るく輝いている)です。時間の経過とともに金星、火星、土星の順番に西の地平線に沈んでいくので、日没から時間が経つと明るい星が 2つ、あるいは 1つしか見えないことになります。
惑星は黄道上を移動しています。3つの惑星を結んだ線を延長すると、空のどの辺を黄道が通っているかイメージできます。
7月 14日には、上記 3つの惑星に水星と新月直後の細い月が加わり、夕方の西空は非常ににぎやかになります。地球から見て夕方の空の狭い範囲にこれら 5つの天体が集まって見えるということは、地球から近い順に、月、金星、太陽、水星、火星、土星がおおよそ同じ方向にあるということを意味しています。
以下に今月の主なイベントを列挙します(『天文年鑑 2010年版(誠文堂新光社)』より抜粋):
- 6日: 地球が遠日点を通過
- 12日: 新月; 南太平洋で皆既日食
- 13日: 水星が月の北 4°10´に接近; 月が最近(地球に最も近づく)――見かけの大きさ(視直径)が最小時に比べて約 12% 増加
- 14日: 夕空で細い月と水星、金星、火星、土星の会合
- 15日: 金星が月の北 6°01´に接近
- 16日: 火星が月の北 6°12´に接近
- 17日: 土星が月の北 8°09´に接近
- 26日: 満月
- 28日: 海王星が月の南 4°38´に接近
- 29日: 月が最遠(地球から最も遠ざかる)
- 31日: 天王星が月の南 6°28´に接近; 木星が月の南 7°14´に接近
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