昨年あたりから地震が多発しているサントリーニ島(地図)ですが、同島に設置されているGPS観測網が前例のない地殻変動を捉えたと、米国・ジョージア工科大学の研究チームが発表しています:
- Georgia Tech instruments measure unprecedented deformation (ジョージア工科大学の観測機器が前例のない地殻変動を計測)
- Santorini: The ground is moving again in paradise (サントリーニ島: 楽園の大地が再び動いている)
- Greek volcano reawakens (ギリシャの火山が再び目覚める)
記事をまとめると以下の通りです:
サントリーニ・カルデラでは、1950年の噴火以降、数十年間にわたってほとんど変化がなかったが、2011年1月から地震が続発するようになり、地殻変動が始まった。島の北部が水平に5cmから9cm移動した。2011年1月以降、マグマ溜まりは1400万立方メートル膨張した。これはマグマ溜まりに十分なマグマが供給されたことを示している(山体の膨張を示すGIF動画)。
観測された変動がただちに噴火に結びつくかはわからない。他の類似したカルデラで同様の規模の変動が観測されたケースでも、噴火がおきなかったことがある。
カルデラが海面下で噴火を始めると非常に危険な事態になる。局地的な津波が発生し、観光クルーズ船などカルデラ内を航行する船舶に危険をもたらす。地震によって建造物が損傷し、崖では地滑りが発生する(サントリーニ島は断崖絶壁で有名)。5月から10月にかけての夏の期間には、毎日5万人を超える観光客が島を訪れ、5隻ものクルーズ船が火口の上に浮かぶ。
サントリーニ島は、人類史上最大級の火山活動が起きた現場である。紀元前1650年ごろに起きたミノア期の噴火は、大港湾都市アクロティリ(Akrotiri)を20メートルの火山灰で埋め尽くし、同島の有名な断崖絶壁を形成した。しかし、そのような大規模な噴火は10万年に1度ほどしか起きないし、現在観測されているマグマ溜まりの膨張はミノア期の大噴火当時の1%未満であるので、今回は噴火したとしてもミノア期のように大規模ではないだろう。
サントリーニ島は紀元前1650年ごろに大規模な噴火をおこして現在見られるカルデラを形成しました。このときの噴火によってエーゲ海で栄えていたミノア文明は大きな影響を受け、さらにはアトランティス伝説に大きな影響を与えたと考えられています。
アイスランドではエイヤフィヤトラヨークトルやグリムスボトン、イタリアではエトナ、ギリシャではこのサントリーニ。財政破綻したりそれに近い状態に陥った国で火山が噴火しているように思えます。日本では富士山が噴火するのでしょうか。
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