朝鮮半島で地震が増えています。今年 1月から9月までの集計では、M2.0 以上の地震が 45回発生。1999年から 2010年までの年平均 32.6回を、9月末の時点ですでに上回っています:
45回の地震のうち、M3.0 以上は 8回、有感地震は 6回。最近では最も地震が多かった 2009年は、1月から9月までで 47回の地震を記録しているので、これと同水準。最大震度を記録したのは、北朝鮮との国境付近に位置する白翎島(Baengnyeong island、ペンニョン島、地図)の南西 16km で発生した M4.1 とのこと。
以下は 3月15日付の記事ですが、3月11日の東北地方太平洋沖地震で朝鮮半島が東に向かって最大 5cm 移動した、特に大きく移動したのは日本に近い竹島と鬱陵島だと伝えています。このような地殻の移動が地震数の増加に関与している可能性があります:
- 日の地震で、韓半島最大 5cm 東へ移動 (朝鮮語、移動ベクトルを示した地図あり)
以下は、中国東北地方、朝鮮半島の地震活動と、西南日本とトラフの地震活動には有意な相関関係がある、とする研究報告です:
上記報告によれば、過去には日本の大地震が朝鮮半島や中国東北地方の地震を誘発した事例があるとのことです。このような「遠地誘発地震」の例として上記報告が上げているのが、1944年12月19日に中朝国境近傍の西朝鮮湾で発生した M6.8 の地震です。この地震は、1944年12月7日の東南海地震(M7.9)の 12日後に発生しています。朝鮮半島とその周辺では M5 を上回る地震はほとんど発生していないので、突出して大きな地震です。
東北地方太平洋沖地震は東日本で発生した地震で、プレートも異なるため、上記報告の範疇外です。しかし、この地震による地殻の移動が朝鮮半島にも及んでいることから、朝鮮半島や中国東北地方で誘発地震がおきないとも限りません。日本では震度 5クラスの地震で被害がでることはほとんどありませんが、建物の耐震化が日本より遅れている韓国・北朝鮮ではこのクラスの地震でも被害の発生が懸念されます。そのとき、日本人が「韓国の大地震をお祝います」などという醜な横断幕を掲げることがないように願いたいものです。
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