2011年9月14日水曜日

小惑星 2005 YU55 が再び地球接近


昨年4月に地球から約230万kmのところを通過していった小惑星〝2005 YU55〟が、11月9日(日本時間)に再び地球に接近します。今度の接近距離は昨年より大幅に縮んで約32万km(昨年の距離の約14%)です。

以下の資料は3月10日付(日本時間では3月11日)でNASAのウェブサイトに掲載されましたが、直後におきた東日本大震災のために紹介しそびれていたものです:

〝2005 YU55〟はC型小惑星で直径は約400m。自転周期は約20時間です。地球に接近する小惑星の中では比較的大型です。

上記のNASA資料によれば、〝2005 YU55〟が地球に最も近づくのは日本時間11月9日午前8時28分です。接近時の明るさは11等級と見積もられています。接近距離は約32万5000kmで、地球から月までの距離の84%に相当します。地球と月の間に割り込んでくるように思えますが、接近時の地球・月・小惑星の位置関係を黄道面から見た図(上記NASA資料の2番目の図)を参照すると必ずしもそうではなく、〝2005 YU55〟は黄道面からかなり「上」に離れたところを通過していくことがわかります。

〝2005 YU55〟は地球に接近したあと、同日午後4時13分には月にも約24万kmまで近づきます。

ちなみに、エレーニン彗星(エレニン彗星)は、近日点通過を生き延びられたとすれば、10月16日に地球から約3500万kmのところを通過すると予報されています。

なお、上記NASA資料の1番目の図は、クリックするとアニメーションとして見ることができます。

Image credit: NASA/Cornell/Arecibo

上の写真は、昨年4月に〝2005 YU55〟が接近した際におこなわれたレーダー観測の成果です。解像度は7.5mです。今回の接近では、前回よりも大幅に近いところを小惑星が通過していくので、4mの解像度でレーダー画像が得られ、さらに可視光線や近赤外線による観測も併用することによって、表面の粗さや鉱物組成に関するデータも得られると期待されています。

昨年の接近時の記事にも書きましたが、〝2005 YU55〟は今後少なくとも100年間は地球に衝突する可能性がないことが確認されています。上記NASAの資料は、次のような記述で締めくくられています:
Although classified as a potentially hazardous object, 2005 YU55 poses no threat of an Earth collision over at least the next 100 years. However, this will be the closest approach to date by an object this large that we know about in advance and an event of this type will not happen again until 2028 when asteroid (153814) 2001 WN5 will pass to within 0.6 lunar distances.

〝2005 YU55〟は潜在的危険性のある天体に分類されているが、少なくとも今後100年間は地球に衝突の脅威をもたらすことはない。しかし、われわれが事前に把握している範囲では、今度の接近は、このような大きさの天体によるものとしてはこれまでで最大の接近である。このような接近は、2028年に小惑星〝(153814) 2001 WN5〟が地球から月までの距離の0.6倍以内を通過するまでおこることはない。

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