2009年4月17日金曜日

地震予報 4月末 イラン南部 M5.0~6.0

イギリスの科学誌『ニューサイエンティスト』のサイトに 4月 16日付で掲載されているブログ形式の記事です:
著名な科学誌のサイトが、この種の日時や場所を指定した「予報」記事を載せることはあまりないと思います。それも「地震雲」が根拠となっている「予報」です。先日のイタリア・ラクイラ地震でラドン・ガスによる予知がなされていた云々という「ラドンゲート事件」があったばかりだからなのでしょうか。

記事によると ――
予報を送ってきたのは、中国・南京師範大学リモート・センシング・センターの研究者。この研究者のチームは、イラン上空に地震特有の異常な雲を検知。これにもとづいて、イラン南部で 4月末に M5.0~6.0 の規模の地震が起こると予測。地震前に岩盤に歪みが蓄積すると、電磁気的な撹乱が発生し、上空の雲の形成に影響する。このような地震特有の形状をした雲は衛星写真で見つけることができ、テクトニックな応力の早期警戒シグナルとなる。しかし、「この方法は、地震発生の場所とマグニチュードを予報することには使えるが、地震の日付を予報するのは困難だ」と研究者は書いている。
―― とのことです。

予想されている震央の位置は以下のグーグル・マップにマークされています:
なお、この中国の研究チームの雲を使った予報技術については、『ニューサイエンティスト』が昨年 4月 11日付で記事を掲載しています:
中国の研究チームによる「予報」どおりにイラン南部で地震が発生したとしても、その事実だけで「予報」が成功したとは言えないと私は思います。なぜなら、イラン南部では、M5.0~6.0 クラスの地震がかなりの頻度で発生しているからです。4月末に発生しなくても、少し期間をずらせば、かなりの確率で発生するでしょう。研究チームも「日付を予報するのは困難だ」と予防線を張っているようです。私ですらこのように考えるのですから、専門の地震学者がこの「予報」を認めることはまずないと言ってよいでしょう。