2010年3月3日水曜日

フォボス最接近

ESA(欧州宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスが、協定世界時 3月 3日 20:55:40(日本時間 4日午前 5時 55分)に、火星の衛星フォボス(写真)の地表から 50km の高度まで近づきます。以下のページの表にあるように、過去および将来予定されているフォボスへの接近の中では最短の距離です:

今回の接近によって得られる情報は、2012年に予定されているロシアの “Phobos-Grunt”(フォボスの土)探査機(完成予想図)の着陸地点選定にも使われることになっています。このロシアの探査機は、フォボスに着陸して土壌を採取し、地球に持ち帰ることになっています。

このブログの 2月 2日付記事「フォボスとデイモス」にも書きましたが、フォボスはいろいろと謎の多い天体です。過去には、フォボスが中空の人工天体ではないかという「フォボス空洞説」があり、最近ではアポロ 11号で月面に到達したバズ・オルドリン飛行士が「人類は火星の衛星を目指すべきだ、なぜなら火星の衛星フォボスにはモノリスがあるからだ」という趣旨の発言をしています。

私は、今回の接近によって、フォボスの表面をほぼ平行に走る無数の「溝」の正体を解明するヒントが得られれば、と思っています。


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