下記は、火星を周回中のNASAの探査機〝マーズ・リコネッサンス・オービター〟(MRO)が8月4日に撮影したすり鉢状の穴です:
すり鉢状の穴の底が抜けて天窓状になり、地下の洞窟が見えています。この天窓の直径は35m。洞窟の底に見える影から計算して、天窓から洞窟の底までは20mと推定されています。
上記のページで、右側に WALLPAPER と書かれたところの数字をクリックすると、さらに高解像度の画像を見ることができます。
月でも同じような穴がいくつか発見されていますが、成因は地球上にもある溶岩トンネル(溶岩チューブ)に向かって地面が陥没したためと推定されています。
このすり鉢状の穴は、火星の赤道近くにあるパボニス(Pavonis)火山の麓にあります(上記ページの下部にある地図参照)。この地域ではパボニス火山を含む3つの火山が等間隔で直線上に並んでいますが、これはかつて火星にもプレートの移動があったことを示していると考える研究者もいます。ホットスポットの上をプレートが移動してハワイ諸島が形成されたのと同じメカニズムが、この地域の火山の連なりにもはたらいていたというわけです。
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