2009年6月25日木曜日

サウジアラビアの群発地震 避難長引く

サウジアラビア西部の火山地帯周辺で続いている群発地震については、これまで何度か書いてきました(下記「過去の関連記事」参照)。一時は火山噴火が今にも起こりそうだという切迫感がありましたが、現在までのところ噴火には至らず、地震だけがいつまでも続く状態になっています。

下記の記事は、SGS(サウジアラビア地質調査所)が、避難中の Al-Ais とその周辺集落の住民の帰宅を無期限に延期したことを伝えています:
上記記事によると、小規模な地震が続いているものの、火山周辺の温度、ラドンや二酸化炭素ガス濃度に変化はなく、また、火山の頂上付近にできた亀裂にも危険な兆候は現れていないとのことです。

避難住民のうち 691家族が滞在しているのは近隣都市のホテルです。サウジアラビア王国の財務省が宿泊費を負担しているのですが、この宿泊費が閑散期の格安レートであるため、ホテルの所有者たちの間にはビジネス上の損失を懸念する声が出ています:
学校が夏休みに入る 7月以降は観光客が増え、ふだんの年ならば宿泊料が最大 10倍程度に跳ね上がる時期なのだそうです。そのような書き入れ時に、格安レートで大量の避難民に居座られてはたまらないという思いがホテルのオーナーたちにあるのも無理からぬことです。かつてほどの勢いはなくなったとは言うものの、依然としてオイル・マネーで潤う王国の財務省ですから、おそらく太っ腹な施策を講じてくれるのではないでしょうか。

過去の関連記事
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency