2011年8月21日日曜日

カトラ山の噴火についてわかっていること


アイスランドのニュース・サイト『Iceland Review Online』が、カトラ山(地図)の噴火について過去の傾向をまとめた記事を7月31日付で掲載しています:

ヨーロッパの航空路を大混乱に陥れたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の噴火が始まったのは昨年3月のことですが、これまでの事例では、カトラ山はエイヤフィヤトラヨークトル氷河で火山噴火がおきてから2年以内に噴火しているとのことです。

以下は、上記記事のテキトー訳です:
カトラ山の周辺でくり返される地震や洪水、そしてほかの火山の噴火を見るにつけ、多くの人たちが思いを巡らせている ―― カトラ山はいつ噴火するのだろうか、噴火したらそれはどのくらい続くのだろうか、と。

ミルダルスヨークトル(Mýrdalsjökull)氷河の下に埋もれているカトラ山は、最初の植民者(*1)がアイスランドにやってきて以降、少なくとも20回の噴火を起こしている。噴火は、短いもので2週間、長いものでは4ヶ月間続いた。一番最近の噴火とされる1918年の噴火(*2)は24日間、1823年の噴火は28日間続いたが、記録に残っている噴火としては最大である1755年の噴火はおよそ120日間継続した。

エイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajökull)の噴火がカトラ山の噴火に先行することもある。1821年の噴火はその例である。このような場合には、カトラ山は常にエイヤフィヤトラヨークトルの噴火から2年以内に噴火を起こしている。

最後にカトラ山が目に見える(氷河を突き破って噴煙が出てくる)噴火を起こしてから93年が経過しているが、1955年に氷河の下で小規模な噴火が発生し Múlakvísl の洪水を引き起こした可能性がある、と考える地質学者もいる。2011年7月9日、Múlakvísl で洪水が発生し橋を押し流した。これによって、カトラ山の噴火圧力が減少した可能性がある。

カトラ山は、平均して50年ごとに噴火し、現在継続中の(93年という)静穏期間より前では、最長の静穏期間は80年、最短は14年であった。

多くの人たちがカトラ山が次に噴火するのはいつかを推測している。これは今に始まったことではない。2004年、ノルディック火山センターの Freysteinn Sigmundsson は、3年以内にカトラ山が噴火する可能性があり、5年以内に噴火する可能性が非常に高い、との予測を述べている。

噴火を予測するのは非常に困難である。アイスランドの著名な地質学者である Sigurdur Thórarinsson は1975年に、「確実に言えることは、噴火が日に日に近づいているということだけである」と語っている。


(*1) アイスランドの植民については、『世界大百科事典』(平凡社)に次のような記述があります:
アイスランドの本格的な植民開拓は870年ころに始まり、930年ころに全国集会アルシングの設置をもって終了。最初期の植民者は主としてノルウェー西部の出身だったが、さらにブリテン諸島人、他の北欧人もいた。アイスランドからは10世紀後半以後グリーンランドへの植民がなされ、そこから北アメリカ大陸への移住も試みられたとされる。

(*2) この噴火以降も、噴火が氷河の下だけで完結し、噴煙などが氷河を突き破って出てくることがなかった小規模な噴火が少なくとも2回あった、という説もあります。


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