2010年10月28日木曜日

地震予測プログラム

数ヶ月以内に発生する地震を予測するプログラムを比較するコンテストの結果、京都大学のプログラムが特に精度が高かったとのことです:

どういう手法で予測しているのかなど、詳しいことは記事に書かれていません。広島で開催中の日本地震学会で発表されたとのことなので、同学会の 「2010年秋季大会講演プログラム」(PDF 形式)を調べてみました。すると、「地震活動評価に基づく地震発生予測システムの構築に向けて」というセッションの中で、東京大学地震研究所が “Report on prospective evaluation of the 3_month CSEP_Japan earthquake forecasts” という発表を行っています。おそらくはこの発表に基づいて上記の記事は書かれたのだろうと思います。

CSEP については以下のサイトを参照してください:

どのような予測なのか、以下のブログ記事がわかりやすいと思います:

2010年10月26日火曜日

日暈は大地震の前兆だったのか ― インドネシア

昨夜(日本時間 25日午後 11時 42分、現地時間同日午後 9時 42分)、インドネシアのスマトラ島沖で大地震が発生しました。USGS(米国地質調査所)の発表では M7.7、気象庁の発表では M7.5 でした。大きな被害は出ていないようです。

以下の記事は、上記地震の 4日前にインドネシアのニュースサイトに掲載されたものです:

以下は記事の要約です:
  • 10月 21日の午前 10時ごろから、西スマトラ州・パダン市(地図)の上空で、太陽の周りに暈が出現した。
  • ほとんどの人が自宅やオフィスから外に出て、この自然の驚異を眺めたり写真に撮ったりした。
  • 多くの人たちが、この現象はパダン市を間もなく襲うであろう地震の前兆であると考え、不安を感じている。
  • 日暈が現れた時、空は晴れ渡っており、所々に小さな雲があるだけであった。
  • ウィキペディアによれば、日暈は、対流圏上部(高さ 5-10km)に現れる巻雲に含まれる氷の結晶によって起きる光学現象であるとのことである。

記事の書きぶりからすると、パダン市周辺では日暈がかなり珍しい現象であるように感じられます。

日暈が現れるときには、空にうっすらと靄か曇がかかっているように見える場合が多いですが、上の報道記事では空は晴れ渡っていて、所々に雲が浮かんでいる状態 (“the clear sky was only dotted with some clouds”) だったとのことです。

パダン市はほぼ赤道直下にあり、今回の大地震の震央からほぼ真北に約 280km 離れたところに位置しています。


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2010年10月25日月曜日

「かみなりきのこ」 ― キノコの生育と電磁気

昨日の記事「巨大キノコのオンパレード」では、巨大キノコの出現や、マツタケが大豊作だというニュースを取り上げましたが、それに関連して「かみなりきのこ」の研究を紹介します。今年の 4月にナショナル・ジオグラフィック誌のサイトに掲載されていたのですが、アイスランドの火山噴火があったため、このブログに書きそびれていたものです:

「日本では古くから落雷でキノコが豊作になるという言い伝えが信じられており、農家は農地への嵐の到来を歓迎してきた」、「1000万分の1秒間に5万~10万ボルトの電気を浴びせたときにキノコの生長が最も活発になることがわかった」、「今までに10種類のキノコで実験し、8種類で効果が確認された。最も効果が高かったのはシイタケとナメコ」とのことです。

ところで、巨大キノコの出現やマツタケの大豊作が伝えられる今年は、雷や落雷が多かったのでしょうか。包括的な統計データは見つけられませんでしたが、私が収集した気象関係の記事に以下のようなものがありました:

上記は長野県で発行されている 『信濃毎日新聞』 に 8月31日付で掲載された記事です。現時点では当該記事はサーバーから削除され、リンク切れ状態になっていますので、以下に一部を引用します:
今年6~8月に長野市の長野地方気象台が落雷を観測した日数は計20日に上り、過去10年で最多となったことが30日、分かった。

長野県以外でも同様の傾向であったとすると、巨大キノコの出現やマツタケの大豊作の一因が雷にあったのかも知れません。


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ムラピ山の警戒レベルが最高度に ― インドネシア

インドネシア・ジャワ島中央部にあるムラピ山(Merapi; 地図)は、かねてから火山活動の活発化が伝えられていましたが、その噴火警戒レベルが 10月 25日に最高度に引き上げられました:

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2010年10月24日日曜日

巨大キノコのオンパレード

北海道から九州まで、全国で巨大なキノコの報道が相次いでいます。今夏の猛暑や降水量の影響とのことです:

うれしいことに、今年はマツタケも大豊作です:

2010年10月23日土曜日

ニュージーランドの大地震と「硫黄の臭い」

ニュージーランド南島のクライストチャーチ市(地図)を中心とした地域で、現地時間 9月 4日(土)午前 4時半過ぎに発生した M7.0 の大地震(USGS 資料)では、地震以降少なくとも数日にわたって強い硫黄の臭い(strong smell of sulphur)がしたと報道されています:

井戸水も強い「硫黄の臭い」がしたため、沸騰させてしばらく放置しないと使えなかったとのことです。この場合の「硫黄の臭い」は、記事中に「ロトルアと同じような臭いがした」(it smelt similar to Rotorua)との文言があるので、硫化水素ガスの臭いと考えられます。ロトルア(地図)はニュージーランド北島の温泉地帯にある街です:

ニュージーランドの火山は北島に集中しており、南島にあるクライストチャーチ周辺に火山はありません。したがって、クライストチャーチ郊外に漂った「硫黄の臭い」は、本震あるいはその後に多発した余震と何らかの関係があるものと考えられます。


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硫黄の臭い?

このブログの 10月 20日付記事 「地震を予知していた女性 ― 米国・オクラホマ州」 で紹介した女性は、「硫黄の臭い」をもとに地震を予知していたということでした。この「硫黄の臭い」は文脈から硫化水素ガスの臭いであろうということがわかるのですが、「硫黄の臭い」という表現には曖昧なところがあります。

日本の地震前兆関係の掲示板でも、ときおり「硫黄の臭いがしています」という類の報告が見受けられます。短い報告文の場合、文脈から推定できないので、どのような臭いがしたのか解釈に迷います。

なぜ「硫黄の臭い」では曖昧なのでしょうか。それは、硫黄は常温では固体で臭わないからです。もちろん、硫黄の塊に鼻を近づけたり、細かく砕いた粉末を吸い込んだりすれば何らかの臭気を感じるかも知れませんけれど、「硫黄の臭い」を報告している人が感じているのはそのような臭いではないはずです。

つまり「硫黄の臭い」という言葉では、どんな臭いがしたのか明確ではありません。

可能性が高いのは、上記の記事と同じ硫化水素ガスの臭いか、硫黄が燃えたときなどに発生する亜硫酸ガス(二酸化硫黄ガス)の臭い(刺激臭)でしょう。前者であれば「温泉の臭い」、「腐った卵のような臭い」、「下水のような臭い」、後者であれば「硫黄が燃えたような刺激のある臭い」というように具体的に表現すれば、第三者にもわかりやすいと思います。

「メタン(ガス)のような臭い」という表現も見かけることがあります。しかし、メタンガスにも臭いはありません。無色無臭の気体です。これも実際は硫化水素ガスの臭いを表現している場合が多いようです。


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2010年10月22日金曜日

異常湧水 ― 静岡県富士宮市

静岡県富士宮市淀師(地図)で湧水量が増え、市が警戒本部を設置しました:

記事から摘記します:
  • 富士宮市淀師で湧水量が増え、住宅地調整池の一部が浮き上がるなどしている
  • 1998年に発生した異常湧水に比べれば、水位はまだ低い
  • 同じ富士山周辺の富士市は異常なし、三島市は目立った動きはないが地下水位は高め、山梨県側の富士五湖の水位は高めになっている
  • 台風9号による豪雨で市内の9月の雨量が大きく増えたことが原因か

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2010年10月20日水曜日

地震を予知していた女性 ― 米国・オクラホマ州

アメリカ合衆国中部のオクラホマ州で、現地時間 10月 13日(水)午前 9時過ぎ、 M4.3 の地震がありました。震央は同州の州都オクラホマ・シティの南南東 35km の地点で、震源の深さは 13km とされています(USGS 資料震央地図)。報道によると、数名の負傷者が出たとのことです。

日本に比べると地震がきわめて少なく、有感地震をまったく経験せずに一生を終わる人も多い土地柄ですので、人びとの受けたショックは相当なものだったようです。このめったにない地震を予知していた女性がいると、テレビ局系のニュースサイトが報じています:

以下に記事を抄訳します:
オクラホマ州エドモンド市(州都オクラホマ・シティの北約 20km、地図)に住むジェニファー・ビンガムさんは、地震の数週間前から、同市内の小川や川から発生する硫黄の悪臭(sulfur stench)に気づいていた。その臭いは地震発生の 2日前にもっともひどくなり、エドモンド市全体が下水道のように臭った、と彼女は語る。

「空気中に硫黄の臭いが漂っていて(smell sulfur in the air)、うちの近所の小川(複数)からものすごく強く臭って来たの。いままで、あんなに強く臭ったことはなかったわ」とビンガムさんは言う。

ビンガムさんはこれまでにも地震を経験している。彼女はカリフォルニア州からオクラホマ州に引っ越してきた。カリフォルニア州では、1989年 10月 17日にサンフランシスコ湾一帯を揺らした M6.9 の “Quake of '89” とよばれる地震(訳注:ロマ・プリータ地震)を経験している。

ビンガムさんによると、硫黄の臭いがする水(sulfur scented water)は大地震の最初の兆しで、地震発生前の数週間継続するとのことである。

「オクラホマ州に引っ越してきたのは、地震から逃れたかったから。カリフォルニア州に住んでいる両親を訪ねることすら嫌なんです。だって、カリフォルニア州でもうじき起こるといわれているビッグ・ワン(大地震)が怖くてしかたがないんです。ビッグ・ワンは発生時期を大幅に過ぎていて、いつ起きても不思議はないといわれているでしょ。」

ある地震学者(名前は記載されていません)は次のように語っている ―― 硫黄の臭い(sulfur smell)にもとづいて地震を予知することは可能である。世界中でそのような研究が行われている。硫黄の臭い以外にも、耳鳴り、吐き気、地震を予期したときのペットの静止状態などが地震の予兆と考えられている。

記事では「硫黄の臭い」(sulfur smell、sulfur stench など)という言葉が使われています。この「硫黄の臭い」は、「下水道のように臭った」や「近所の小川からものすごく強く臭って来た」という記述から、硫化水素ガスの臭いであると考えられます。

日本のようにほぼ毎日どこかで地震が発生する場所で 「地震が来る」 と何度も繰り返していれば、いつかはその「予知」が的中するのは当たり前で、そのような「予知」に価値はありません。一方、上記記事に見られるオクラホマ州のケースは、地震がまれな地域で、しかも同州の観測史上でもトップ 5(報道記事によってはトップ 2)に入るほどの規模の地震、つまり地震の中でも稀な地震を予測していたという点で、注目に値すると思います。


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2010年10月19日火曜日

伊豆大島で火山性地震多発

伊豆大島の西側沖合で 10月 17日夕方から多発した地震について、気象庁が解説資料を発表しています:

以下に重要と思われる点を箇条書きにします:
  • 10月 17日夕方から 18日未明にかけて、伊豆大島西方沖を震源とする火山性地震が多発; その後は体に感じない微小な火山性地震の発生回数も次第に少なくなっている
  • 火山性地震の発生回数は、10月 17日は 305回(うち最大震度3が1回、最大震度1が7回)、18日は 09時までに 77回; 最大地震は 17日 20時 01分に発生したマグニチュード 3.4
  • 伊豆大島でのこのような地震活動はこれまでも数年に1度発生; 直接噴火に結びつくものではない
  • 三原山の熱活動に特段の変化はない; 火山性微動は観測されていない

長期的な傾向としては、以下の点が指摘されています:
  • カルデラ直下を震源とする地震の発生回数は今年7月以降増加傾向; カルデラ周辺でも、8月下旬から島の東部、10月上旬から島の西部で地震が増加
  • GPS と体積歪計による観測では、2009年秋頃から今年5月にかけて収縮傾向、5月下旬から伸びの傾向; 今回の地震活動に伴って特段の変化はない

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2010年10月18日月曜日

熱水の爆発的噴出 ― 宮城県大崎市

10月 17日(日)午後 3時半過ぎ、宮城県大崎市鳴子温泉鬼首(おにこうべ)の鬼首地熱発電所(地図)で、高温の水蒸気などが高さ約 30m まで吹き上がり死傷者が出ました:

記事によると ―― 行方不明になっていた男性の遺体は、水蒸気の噴出口から約 100m のところで土砂に埋まっていた、周辺には噴出によって土砂が1メートル程度堆積していた ―― とのことですから、かなり大量の土砂が噴出したようです。

この死傷事故の発生する 3日前の 10月 14日(木)、東北地方整備局鳴子ダム管理所と電源開発株式会社鬼首地熱発電所が連名で次のような資料を出しています:

この資料によると、水蒸気の噴出が始まったのは 10月 8日(金)10時 30分ごろのことで、これを「新たな地獄が発生」と表記しています。この時点では河川の水質の変化に主眼がおかれていて、「9日夕方からの降雨により敷地内を流れる沢水が増水したため、沢水とともに鳴子ダムに流入」、ダム湖流入直前の地点でヒ素の含有量が平年値の約7倍に達する水質の変化があったことを明らかにしています。

このブログの 10月 15日付記事「温湯(ぬるゆ)温泉の源泉復活 ― 宮城県栗原市」で、20年ほど前に枯渇し使われなくなっていた温泉の源泉から再び湯が流れ出し始めたことを取り上げましたが、この温泉と鬼首地熱発電所とは、鬼首カルデラの外輪山をはさんで直線距離で 8.4km しか離れていません。

鬼首カルデラと栗駒山は別々の火山です。理科年表などを調べても、鬼首カルデラの噴火記録はありませんが、隣接する鳴子火山群には 837年(平安時代初期、仁明天皇の治世)に不確実ながら噴火の記録があるようです。

鬼首カルデラ周辺の地震については、以下の資料があります(説明図はクリックすると拡大します):

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2010年10月15日金曜日

核実験が白頭山噴火の引き金に?

以前から噂としてささやかれていましたが、北朝鮮の核実験が白頭山(ペクトゥサン)の噴火を誘発する可能性があるのだそうです:

この発表には韓国の与党・ハンナラ党の政治家が絡んでいますので、核実験と白頭山の噴火を無理矢理結びつけようとしているようにも思えます。

朝鮮語からの翻訳記事ですので不自然になっているのかも知れませんが、「白頭山の下に流れる4つのマグマ層」という記述には違和感があります。火山の下に複数のマグマ層があって、それが流れているというようなことが本当にあるのでしょうか。

発表では 「核実験の場所は、白頭山から約110キロメートル離れていたが、白頭山の地下と繋がっている1つのマグマ(地下10キロメートル地点)と2層のマグマ(地下20キロメートル地点)は、核実験の場所のすぐ下を通っている。白頭山と繋がっているマグマ層と核実験場所との距離は、8キロメートルしかないため、核実験がマグマ層を刺激した可能性が高い」 としていますが、たかだか 15キロトンと 20キロトンと見積もられている 2回の核実験が 110km も離れている火山に影響を与えるものでしょうか。

2006年 10月 9日に行われたとされる 1回目の核実験の 9日後(10月 18日)、ロシアの気象衛星が白頭山の頂上から高温ガスと熱が噴出したのを測定したとの記述にも疑問があります。仮に事実であっても、「高温ガスと熱の噴出」と核実験を結びつける根拠は薄弱です。それ以前にはまったくなかった現象なのでしょうか。それまでにも 「高温ガスと熱の噴出」 が起きていたのだとすれば、たまたま核実験の 9日後にもその現象がおきただけ、ということも十分にありえます。


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温湯(ぬるゆ)温泉の源泉復活 ― 宮城県栗原市

宮城県栗原市花山(地図)の温湯(ぬるゆ)温泉で、20年ほど前に枯渇し使われなくなっていた源泉が、少ない湯量ながらも復活したとのことです:

この源泉は「月の湯」とよばれ、「平安末期の1150年ごろ、山崩れにより湯がわき出」たもので、「市内の温泉旅館で最も歴史が古い佐藤旅館は、月の湯を源泉の一つとしてきたが、20年ほど前に湯量がほとんどなくなり、利用をやめていた」のだそうです。

源泉が復活しているのに気づいたのは今年 8月のこと。「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」(2008年 6月 14日発生、M7.2)が何らかのきっかけになったと推測されています。


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レユニオン島で噴火始まる

このブログの 9月 25日付記事 「レユニオン島で噴火切迫」 の続報です。現地時間 10月 14日(木)午後 7時 10分、日本時間 15日(金)午前 0時 10分、レユニオン島のフルネーズ山(Piton de la Fournaise、地図)が噴火し、溶岩の流出が始まったとのことです:

フルネーズ山の写真や ウェブカメラは以下のサイトにあります:

フルネーズ山ではここ数日、地震活動が非常に活発になっていたとのことです。同山はレユニオン島の南東部にあるのに対して、人口の多い地区は島の反対側にあるため、当面、危険はないようです。


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X-37B 再発見

このブログの 10月 12日付記事 「X-37B が再び『行方不明』」 で、アメリカ空軍のスペース・プレーン X-37B が 10月初旬から「行方不明」になり、すでに着陸したのではという憶測が流れていることを書きましたが、南アフリカ共和国の観測者が軌道飛行中の X-37B を再び発見しました:

「行方不明」といっても、それは一般の観測者がその位置を見失ったという意味で、アメリカ空軍が常にその位置を把握していることは言うまでもありません。新たな観測データによると、X-37B は以前より 54km 低い軌道に移ったということです。X-37B は、これで少なくとも 2回の軌道変更を行ったことになります。

以下は、今後 1週間、東京都心で X-37B を見ることができる日時の予報です。10月 20日(水)の早朝午前 4時過ぎには、天頂付近から東南東に向かって 2.0 等級の明るさで輝きながら移動していく様が約 2分間にわたって見られそうです。最大高度(仰角)も 86度に達します:

以下には、10月 20日のX-37Bの移動経路が図で示されています。天頂付近に見えている「ぎょしゃ座」と「ふたご座」の間あたりに出現し、東南東の地平線に向かって移動していきます:


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2010年10月14日木曜日

笠間稲荷の大鳥居の中貫落下 ― 茨城県笠間市

13日(水)夕方、茨城県笠間市の笠間稲荷神社(地図)の大鳥居(一の鳥居)の中貫(なかぬき)が突然落下しました:

原因はわかっていません。石材にもともとあった傷から長年かけて亀裂が徐々に広がり、福島県沖など、ここのところの地震による揺れで、とうとう疲労破壊が起きたのかも知れません。

笠間稲荷神社は日本三大稲荷の一つです。同神社のウェブサイトによると、御祭神は稲荷大神=宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)で、「食物を司る神さまであるとともに、一族に流通や稲に関わる神を持つ、人間の生活にとって根源的な役割を司る神さま」、「五穀豊穣、商売繁栄、殖産興業、開運招福、火防(ひぶせ)の守護神」とされています。同神社には地震を押さえ込んでいるとされる要石の類はないようです。

<迷信モード on>
地図を見ると、笠間稲荷神社は東京の鬼門(北東)にあたる筑波山の背後にあるので、今回の大鳥居崩落は東京にとっては不吉かも ……。
<迷信モード off>


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2010年10月13日水曜日

ミミズの大量死 ― 中国・広州市

中国・広東省広州市(地図)内の各地でミミズの大量死が報告され、大地震の予兆ではとの噂が流れています:

専門家は「大地震の予兆」説に否定的で、「ミミズの大量発生はそれほど珍しいことではなく、またミミズが大量発生した後に大地震が起きたという記録はない」との見解です。

ミミズの大量死の原因としては、「長く続いた暑い夏からここ数日で急に朝晩涼しくなり、土中の温度差が大きくなった」、「植樹された新種の樹木の影響で土壌の成分が変化した」、「緑地帯を保つために使用した殺虫剤や農薬によりミミズが住めない土壌になった」などの可能性が指摘されています。


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今夜、小惑星が地球直近を通過 (続報)

昨日の記事「今夜、小惑星が地球直近を通過」に書いた小惑星 2010 TD54 は、予報どおりに地球の傍を通過していきました。この通過の様子を撮影した映像が YouTube で公開されています:

2010 TD54 は、天球上を非常に高速に移動しているので棒状に写っています。

以下は Animated GIF による動画です。こちらは、2010 TD54 を追尾した写真をつなぎ合わせているため、2010 TD54 が点状に、背後の恒星が棒状に写っています:

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2010年10月12日火曜日

白頭山周辺で地震 2回 ― 朝鮮半島

10月 11日(月)、中国と北朝鮮の国境に位置する火山・白頭山の近くで M3.7 と M3.2 の地震が発生しました:

2つの地震の震央は、北朝鮮に隣接する吉林省内の延辺朝鮮族自治州。揺れがもっとも強かったのは白頭山から 20~30km 離れた地域で、負傷者は出なかったものの、建物に若干の被害があったようです。

中国気象局(China Meteorological Administration)によると、白頭山周辺では 1999年以降、おおよそ 3000の小規模地震が発生しており、その発生頻度は上昇し続けているとのことです。


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X-37B が再び「行方不明」

アメリカ空軍が今年 4月 22日に打ち上げたスペース・プレーン X-37B が、再び「行方不明」になっています:

X-37B の飛行を追跡している複数のアマチュア観測者によると、X-37B は 10月 7日と 9日、軌道計算によって予報されていた飛行ルートで観測されなかったということです。

X-37B は 7月末から 8月上旬にかけても軌道変更によって「行方不明」になりましたが、アマチュア観測者によってすぐに新しい軌道がつきとめられました。

今回の「行方不明」については、前回と同様の軌道変更という見方と、すでに着陸したのではという見方があります。X-37B は、宇宙空間に 270日間留まれるように設計されていることがわかっていますが、すでに着陸しているとすれば、100日近くの余力を残して地表に帰還したことになります。


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今夜、小惑星が地球直近を通過

日本時間の今夜 8時 25分、小惑星 2010 TD54 が地球のすぐそばを通過します:

最新の発表では、最接近時の距離は地球表面から 46,000 km (初期の発表より近くなっています)。これは気象衛星や放送衛星などが使っている静止軌道の外側です。

2010 TD54 は 9日(土)の朝に、アメリカのカタリナ掃天天文台によって発見されました。直径は 10m 未満と見積もられています。

NASA の 地球近傍天体プログラム・オフィス(Near-Earth Object Program Office)によると、地球に衝突する確率は 100万分の 1。衝突する場合でも、大気圏を貫いて地表に到達することは、小惑星のサイズから考えてありえないとのことです。

2010 TD54 は約 2.5年の周期で太陽の周りを公転しています。太陽からもっとも遠ざかるときには火星軌道よりも外側に達し、太陽にもっとも近づくときには金星軌道の内側に入り込みます。

2010 TD54 の軌道傾角は火星、地球、金星とほとんど同じです。これが何を意味しているかというと、2010 TD54 と これら 3惑星の公転軌道がほぼ同じ平面上にある、つまり、2010 TD54 は公転のたびにこれら 3惑星の軌道を横切るということです。そのため、遅かれ早かれ、いずれかの惑星に衝突する可能性が高いと考えられます。可能性が高いにも関わらず、これまで衝突せずにいるということは、2010 TD54 が現在の軌道で公転し始めたのは、それほど昔のことではないと考えられます。おそらく、比較的最近、他の天体の重力によって軌道が変わり、現在の軌道にのったのではないでしょうか。


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2010年10月10日日曜日

ネバド・デル・ルイス火山が活発化 ― コロンビア

南米・コロンビアのネバド・デル・ルイス火山(地図)で、9月末から地震が多発、火山ガスの成分が変化するなど、火山活動が活発化する兆候を見せています。

現在までのところ、噴火の警戒レベルは “イエロー” で、住民の避難は行われていないようです。

ネバド・デル・ルイス火山は 1985年に大噴火をおこし、火砕流が山頂付近の氷河を融解。その結果、大規模な火山泥流(ラハール、Lahar)が発生し、麓のアルメロ市を壊滅、さらに近くの町も半壊させ、全体で約 25000人の死者をだしています。


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2010年10月8日金曜日

チリ海溝沖でも 「プチスポット火山」 を発見

これまで日本海溝付近でしか見つかっていなかった第 4のタイプの火山 ― プチスポット火山 ― が南米・チリ海溝沖でも見つかりました:

プチスポット火山は、従来の地球科学の常識では火山活動は有り得ないとされていた場所 ― 海溝に近い深海底 ― で発見された新タイプの火山です。海洋プレートが海溝に近づくと沈み込みに伴う屈曲によって亀裂を生じます。その亀裂を通じて、プレート直下に存在するマグマが上昇し火山が形成されると考えられています。

プチスポット火山は日本海溝周辺でしか見つかっていませんでしたが、その発生メカニズムから、世界中の海底に存在していると予想されていました。チリ海溝沖でも見つかったことによって、この予想が実証されたわけです。

火山の 4つのタイプについては、このブログの 8月 15日付記事「パキスタンで火山噴火? (続報 5)」を参照してください。


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煮えたぎるマグマ

ニュージーランドの火山学者 Geoff Mackley 氏やエクストリーム・クライマーの Drew Bristol 氏からなるチームが、南太平洋・バヌアツ共和国にあるアンブリム山(Ambrym、地図)のマルム火口(Marum)に懸垂下降を試みたときの様子を撮した動画です:

何でそんな危険なことをするのかとの思いもありますが、火口の底で煮えたぎるマグマの様子には圧倒されます。一見の価値ありです。

合成されたフェイク映像ではないかとの声もあるようですが、本物だそうです。

耐熱服を着た人物が煮えたぎるマグマのすぐそばまで近寄っているように見える映像ですが、注意して頂きたいのは、実際はもっと距離があるという点です。離れた場所から長焦点の望遠レンズを使って撮影しているため、遠近感が圧縮され、人物が実際よりもマグマのすぐそばにいるように見えているのです。

焦点距離の長い望遠レンズや天体望遠鏡で撮影したために遠近感が圧縮されている事例を以下に紹介します:

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地震解析ラボ

「西多摩の鶯」さんが運営している「宏観休憩室 地震前兆研究村」で紹介されていたサイトです:

今後の展開を大いに期待したいと思います。毎日チェックするサイトが一つ増えました。

八ヶ岳南麓天文台の FM 電波観測による地震予知や、e-PISCO(大気イオン地震予測研究会)の大気イオンの計測による地震予知が演じた失敗の二の舞にならぬよう祈っています。前者は、南関東圏の大地震を「予知」して失敗、その後は予知情報の公開をやめています。後者は、やはり「予知」に失敗したあげく、失敗の原因をアメリカの HAARP に転嫁したことで一気に信用を失ってしまいました。


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2010年10月7日木曜日

21 の火山が “噴火準備完了” ― インドネシア

インドネシアの 『ジャカルタ・グローブ』 紙が 10月 1日付で掲載している記事です:

記事は同紙が Volcanology and Geological Disaster Mitigation Agency (火山学・地質災害軽減局)の当局者に取材したものです。

記事によれば、インドネシアに 59 ある活火山のうち、21 の火山はいつ噴火を初めてもおかしくない状態にあるとのことです。現時点でもっとも噴火警戒レベルが高いのは、8月末に 410年ぶりの噴火をおこしたスマトラ島北部のシナブン山(地図)、スラウェシ島(セレベス島)北方のシアウ島にあるカランゲタン山(Karangetang、地図)、その東南東約 300km のハルマヘラ島にあるイブ山(Ibu、地図)の 3つです。

上記 3つの火山より警戒レベルは 1段下がりますが、アナク・クラカタウ山(Anak Krakatau、地図)も注目を集めています。同山は、1883年に史上最大級の大噴火をおこして山体のほとんどが吹き飛んでしまったクラカタウ山の跡にできた火山です。「アナク・クラカタウ」は「クラカタウの息子」という意味だそうです。


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蜂群崩壊症候群の原因に新説

蜂群崩壊症候群(ミツバチの大量失踪)の原因については、気候変動、農薬、遺伝子組み換え農作物、ウィルス、携帯電話の電磁波などなど、これまでさまざまな説が唱えられてきました。しかし、いまだに決定的な原因は見つかっていません。10月 6日付でオンラインの科学ジャーナルに発表された論文で、メリーランド州に本拠を置く陸軍の科学者とモンタナ大学の昆虫学者が新たな説を提唱しています:

記事やオリジナルの論文によると、IIV(insect iridescent virus)というウィルスと Nosema ceranae という真菌の 2つにミツバチが感染することが原因である可能性があるとのこと。蜂群崩壊症候群のハチにはこのウィルスと真菌がペアで見つかるのに対して、健全な群のハチではこのウィルスと真菌がまったく見つからないのだそうです。

IIV ウィルスは、20年前にインドで初めて発見されたウィルスと類似しており、蛾にも類似のウィルスが見られるとのこと。一方の真菌はハチが胞子を摂取することによって感染するのだそうです。

現時点では、この新しい説も決定打とは言えないようです。ウィルスと真菌のペアがどのようなメカニズムで蜂群を崩壊させるのかが解明されていないので、崩壊した群のハチにだけウィルスと真菌のペアが見つかるという事実も状況証拠にすぎません。研究者自身も言っているのですが、崩壊した群のハチがこれらのウィルスや真菌に感染しやすくなる、つまり、原因ではなく結果であるという可能性も残っているからです。

2010年10月6日水曜日

カトラ山で地震 ― アイスランド (続報 22)

(グラフはクリックすると拡大します)


カトラ山の地震数や震央分布に大きな変化はありません。依然として、ほとんどの地震はカルデラの西から北西にかけての山腹・山麓(エイヤフィヤトラヨークトル氷河に近い側)で発生しています。

今年 4月末にカトラ山域で最初の地震が起きて以降、ほとんどの地震はマグニチュード 1 前後でした。同山域では 10月 5日(GMT)までに 430件の地震が発生していますが、マグニチュード 2.0 以上のものはわずか 14件(3%)です。

マグニチュードが 2.0 以上の地震 14件のうち、9件は 9月以降に発生しています。9月 18日にそれまでで最大の M2.5 が発生、27日にはさらに大きな M2.6、そして翌 28日にはこれまでで最大の M2.9 が発生しました

以下は、9月 11日以降にカトラ山域で発生した地震のリストです(時刻は GMT):
  • 9月11日 13:58:27 深さ 1.0 km M1.2
  • 9月11日 14:31:32 深さ 1.0 km M1.4
  • 9月11日 14:31:33 深さ 1.1 km M1.9
  • 9月11日 17:57:08 深さ 1.0 km M1.0
  • 9月11日 17:57:15 深さ 1.0 km M1.7
  • 9月13日 10:39:19 深さ 1.9 km M0.4
  • 9月13日 16:01:41 深さ 0.6 km M0.5
  • 9月13日 17:17:22 深さ 21.3 km M2.0
  • 9月13日 18:51:45 深さ 0.1 km M0.9
  • 9月13日 20:45:36 深さ 0.1 km M1.3
  • 9月14日 03:55:25 深さ 0.1 km M1.2
  • 9月14日 10:18:09 深さ 1.9 km M1.2 (カルデラ内)
  • 9月14日 18:29:02 深さ 4.3 km M0.7
  • 9月15日 01:02:17 深さ 5.4 km M1.9
  • 9月15日 12:44:53 深さ 0.4 km M0.6
  • 9月15日 14:32:16 深さ 1.0 km M1.1
  • 9月15日 17:55:35 深さ 1.0 km M1.4
  • 9月15日 19:13:49 深さ 0.1 km M1.4 (カルデラ内)
  • 9月16日 05:07:26 深さ 1.0 km M0.8
  • 9月16日 07:55:00 深さ 1.5 km M0.5
  • 9月16日 08:39:56 深さ 1.0 km M1.2
  • 9月17日 03:30:05 深さ 1.0 km M1.3
  • 9月17日 07:10:57 深さ 1.0 km M2.0
  • 9月18日 19:55:04 深さ 1.1 km M2.5
  • 9月18日 19:55:04 深さ 1.1 km M1.6
  • 9月20日 00:41:56 深さ 8.7 km M0.7
  • 9月20日 07:38:03 深さ 11.6 km M0.8
  • 9月20日 20:49:09 深さ 2.3 km M0.2
  • 9月20日 22:42:29 深さ 1.0 km M1.1
  • 9月21日 01:24:51 深さ 1.0 km M0.9
  • 9月21日 02:20:57 深さ 0.7 km M0.2
  • 9月21日 11:16:39 深さ 1.8 km M1.7
  • 9月21日 11:16:40 深さ 1.0 km M0.4
  • 9月21日 14:39:02 深さ 1.1 km M0.7
  • 9月21日 14:51:36 深さ 1.0 km M0.9
  • 9月21日 15:42:44 深さ 1.0 km M0.6
  • 9月23日 12:58:47 深さ 1.0 km M1.6
  • 9月24日 00:20:39 深さ 1.0 km M-0.2?
  • 9月24日 04:48:38 深さ 1.0 km M1.4
  • 9月24日 04:54:33 深さ 1.0 km M1.7
  • 9月24日 12:56:01 深さ 5.4 km M0.3
  • 9月25日 02:36:02 深さ 1.0 km M1.4
  • 9月25日 02:36:03 深さ 1.1 km M1.6
  • 9月26日 02:11:40 深さ 1.0 km M1.5
  • 9月26日 02:26:12 深さ 1.0 km M1.8
  • 9月26日 08:33:28 深さ 1.0 km M1.1
  • 9月26日 08:48:47 深さ 1.0 km M1.6
  • 9月26日 12:58:02 深さ 1.0 km M1.0
  • 9月26日 14:26:32 深さ 1.0 km M1.1
  • 9月26日 21:33:39 深さ 1.0 km M1.4
  • 9月26日 21:44:02 深さ 10.8 km M1.2
  • 9月27日 00:27:14 深さ 0.6 km M2.6
  • 9月27日 07:36:23 深さ 1.0 km M1.4
  • 9月27日 13:02:05 深さ 1.0 km M0.7
  • 9月27日 14:27:57 深さ 5.0 km M1.7
  • 9月27日 19:12:29 深さ 1.0 km M1.5
  • 9月28日 01:48:12 深さ 1.0 km M2.9
  • 9月28日 05:37:29 深さ 1.0 km M0.6
  • 9月28日 06:47:39 深さ 5.0 km M1.5 (カルデラ内)
  • 9月28日 16:16:53 深さ 1.0 km M1.4
  • 9月28日 20:35:29 深さ 5.0 km M0.9
  • 9月29日 02:14:07 深さ 3.2 km M2.1
  • 9月29日 06:03:43 深さ 1.0 km M0.9
  • 9月29日 09:36:30 深さ 5.0 km M1.9
  • 9月29日 14:12:33 深さ 6.3 km M1.3
  • 9月29日 16:56:45 深さ 1.0 km M1.3
  • 9月29日 22:52:22 深さ 1.0 km M0.3
  • 9月30日 01:23:13 深さ 1.0 km M0.6
  • 9月30日 08:43:18 深さ 3.8 km M2.2
  • 9月30日 13:12:04 深さ 1.0 km M1.2
  • 9月30日 13:12:05 深さ 2.6 km M1.4
  • 9月30日 14:09:09 深さ 1.0 km M1.1
  • 9月30日 14:43:23 深さ 1.0 km M1.4
  • 9月30日 19:31:47 深さ 1.0 km M1.1
  • 10月01日 04:52:57 深さ 16.9 km M1.5
  • 10月01日 04:52:57 深さ 7.6 km M1.6 (カルデラ内)
  • 10月01日 10:17:38 深さ 1.0 km M0.8 (カルデラ内)
  • 10月01日 18:36:06 深さ 1.0 km M1.1
  • 10月02日 03:26:43 深さ 1.4 km M1.6
  • 10月03日 01:35:50 深さ 1.0 km M0.5
  • 10月03日 08:51:00 深さ 1.0 km M1.0
  • 10月03日 18:11:11 深さ 1.0 km M1.1 (カルデラ内)
  • 10月03日 20:10:06 深さ 2.0 km M0.7
  • 10月03日 21:01:46 深さ 4.3 km M1.0 (カルデラ内)
  • 10月03日 22:02:40 深さ 1.0 km M1.3 (カルデラ内)
  • 10月03日 22:02:42 深さ 1.0 km M1.2
  • 10月04日 05:00:18 深さ 1.0 km M1.0
  • 10月04日 10:29:02 深さ 1.0 km M1.0
  • 10月04日 11:27:26 深さ 0.1 km M1.1
  • 10月05日 03:12:25 深さ 1.1 km M1.5
  • 10月05日 07:49:43 深さ 1.1 km M2.4


過去の関連記事

2010年10月4日月曜日

謎の飛行物体?

以下の写真をご覧ください。10月 1日に NASA が公表したものです:

詳しい説明(英語)は以下のページにあります:

過去の関連記事

2010年10月1日金曜日

ヘビが原因の停電 ― 愛知県一宮市

9月 27日(月)から 28日(火)にかけての深夜、愛知県一宮市(地図)の北西部で約 4万 1000戸が最長 1時間 15分にわたって停電しました。変電所内の高さ 3~4m に設置された高圧電流が流れるアルミ製パイプに、体長 1.3m のヘビが登り接触したこととが原因とみられています:

下の 「過去の関連記事」 に見られるように、昨年に比べると今年はヘビが原因となった停電の発生件数が少ないままシーズンオフとなりそうです。


過去の関連記事

グリーゼ 581 星系から謎の光パルス

地球によく似た惑星が見つかったグリーゼ 581 星系。そこから発せられたと考えられる正体不明の光パルスが見つかっていたとのことです:

記事によると、光パルスを観測したのはウェスタン・シドニー大学の科学者で、SETI オーストラリア支部のメンバーである Ragbir Bhathal 博士。光パルスが観測されたのは 2008年 12月のこと。レーザーかそれに類似した技術を使って発せられたと考えられるスパイク状の非常に明瞭なシグナルだったとのことです。


過去の関連記事

地球類似惑星 グリーゼ 581g の発見

これまでに発見された太陽系外惑星の中では最も地球に似た惑星が、グリーゼ 581(別名: てんびん座 HO 星、ウォルフ 562 など)と呼ばれる恒星の周りで発見されました:

この惑星はグリーゼ 581 という恒星の周囲で 6番目に発見されたので 「グリーゼ 581g」 と名付けられました(最初に発見された惑星から順番に b、c、d … という文字がつけられます)。

「地球に最も似た惑星」とはいっても、これまでに発見されている約 500個の太陽系外惑星(exoplanets, extrasolar planets)の中では地球に一番似ているという意味で、地球そっくりで人間が住めるというわけではありません。以下に、オリジナルの論文や報道記事から集めた情報をまとめてみます:
  • グリーゼ 581 星系の第 4惑星
  • 地球からの距離: 20光年
  • 恒星(グリーゼ 581 星)からの距離: 0.14601 天文単位(太陽-地球間の距離 = 1)
  • 公転周期: 36.562 日
  • 直径: 地球の 1.2~1.4 倍 (地球のような岩石惑星と仮定)
  • 質量: 地球の 3.1~4.3 倍
  • 表面温度の平均: -31~-12度C
  • 表面重力: 地球と同じかやや強い程度

グリーゼ 581 は赤色矮星に分類される恒星で、表面温度が低く、直径は太陽の 3分の 1 ほどです。グリーゼ 581g はこの恒星のかなり近くを公転していますが、恒星の表面温度が低いため、その公転軌道はゴルディロックス・ゾーンと呼ばれる居住可能域(温度が中庸で液体の水が存在しうる範囲)の中心部に完全に入っていると考えられています。

惑星表面の温度は、恒星からの距離以外に、自転周期、地軸の傾き、大気の密度などに大きく影響されます。太陽系を考えた場合、ゴルディロックス・ゾーンに入っているのは金星、地球、火星の 3つです。しかし金星は大気が濃密すぎて非常に高温、逆に火星は大気が希薄すぎて低温で、表面に水が液体の状態で存在することは不可能です。

グリーゼ 581g は恒星に近いところを公転しているため、恒星の潮汐力によって自転にブレーキが掛かり、いつも同じ面を恒星にむけていると推定されています。恒星に向いた面は常に昼、反対側は永久に夜です。大気があれば昼の半球と夜の半球の間で大気の循環が起こり、トワイライト・ゾーン(昼と夜の境界領域)には水が液体の状態で存在可能で生命の進化に適した環境が形成されているかも知れません。

以上は、かなり楽観的な推測を重ねた場合の結論ですが、そうでなくても今回のグリーゼ 581g の発見には大きな意味があります ―― 直径 10万光年の銀河系宇宙に属する 2000億個の恒星の中で、赤色矮星はもっとも数が多いという事実。太陽系のすぐそば(たった 20光年!)にある赤色矮星系に地球に似た惑星が見つかったという事実。これらの事実から導き出される結論は、銀河系宇宙全体では膨大な数の地球類似惑星が存在している可能性が非常に高いということ ―― この点こそがグリーゼ 581g の発見の意義であろうと思います。

赤色矮星系の惑星の居住可能性については以下のウィキペディアに詳しい解説があります:

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