2020年11月30日月曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-119)

米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、現地時間11月29日14時37分(日本時間30日06時37分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年46回目の噴出です:

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7
8 3月15日 9
9 3月24日 9
10 4月2日 9
11 4月10日 8
12 4月27日 17
13 5月8日 11
14 5月14日 6
15 5月19日 5
16 5月23日 4
17 5月31日 8
18 6月3日 3
19 6月8日 5
20 6月12日 4
21 6月18日 6
22 6月23日 5
23 6月29日 6
24 7月3日 4
25 7月9日 6
26 7月13日 4
27 7月19日 6
28 7月24日 5
29 7月30日 6
30 8月3日 4
31 8月9日 6
32 8月14日 5
33 8月20日 6
34 8月26日 6
35 9月1日 6
36 9月9日 8
37 9月16日 7
38 9月26日 10
39 10月5日 9
40
10月14日 9
41
10月19日 5
42
10月27日 8
43
11月3日 7
44
11月11日 8
45
11月20日 9
46
11月29日 9


以下は、最寄りの地震計と、噴出した熱水が流れ込む川の流量の記録です。断続的に 2時間以上にわたって噴出が続いたようです:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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モノリスが消えた

 
11月27日「モノリス? (続報)」の続報です。

米国ユタ州で 11月18日に見つかったモノリスが消えてしまいました。跡にはモノリスの底だったと思われる三角形の金属板が残されているだけです。ユタ州当局は、撤去に関与していないが、20日の夜間に何者かが持ち去ったとみられる、と発表しています:
 
州当局は、公有地に無許可でものを設置することは違法であると繰り返し述べてきました。モノリスを設置した人物(あるいはグループ) が捜査を怖れて撤去したのかも知れません。
 
 
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2020年11月29日日曜日

小惑星 2020 SO は人工物体

12月1日、小惑星〝2020 SO〟が地球に接近します。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 SO5~10 (地球)12月01日 17:47
 (月)12月23日 04:11
0.13
2.16
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星は9月9日に発見され、アポロ群に分類されています。 接近時の地球との相対速度は非常に遅く秒速 3.9km(時速約 1万4000km)と予報されています。

この小惑星は、地球とほとんど同じ軌道で地球より少しだけ外側を地球に寄り添うように移動していましたが、11月8日に地球の引力が優越する領域に入り、11月10日に地球を周回する軌道に乗りました。
 
この天体の軌道が、一般の小惑星とは違って地球と非常に似通っていること、重力だけではなく太陽光の影響を受けており密度が非常に低く中空の構造であると考えられることなどから、NASA ではこの天体は過去の探査機打ち上げに使われたロケットの一部であると考えています。
 
この天体の軌道を過去に遡って調べたところ、1966年に月面軟着陸を目指しながら月面に激突してしまった探査機サーベイヤー2号(Surveyor 2)の打ち上げに使われたセントール・ロケットの上段ブースターである可能性が高いとのこと。

半世紀以上にわたって宇宙を放浪した末に地球のそばに戻ってきたブースターは、2021年3月までゆっくりと地球の周りを2周ほどした後、新たな太陽公転軌道に入るものと予測されています。地球を周回中に分光器などを使って、この天体が人工物体であることが確認される見込みです:
 
このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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定置網に深海魚テングノタチ — 福井県美浜町

 
11月25日、福井県美浜町(地図)沖の定置網に、深海魚のテングノタチが入りました。 全長約 1.5m。Wikipedia には、生態について「深海魚でかつ、稀種なので詳しい事は不明 」と書かれています。

「とても珍しい魚だが、今秋は若狭湾でほかに少なくとも3例見つかっているようだ。複数の発見が何を意味しているのかは、さっぱり分からない」(越前松島水族館):


2020年11月28日土曜日

ヒマラヤ山脈の形成?

 
ツイートには「5000万年前のヒマラヤ山脈の形成(Himalayan mountain formation 50 mya)」 と書かれていますが、高架側の線路はほとんど隆起していないので、むしろ付加体(accretionary prism)の形成とした方がよいかも知れませんね。
 
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2020年11月27日金曜日

モノリス? (続報)

 
11月24日付「モノリス?」の続報です。
 
モノリスを発見したユタ州公安部は、現地に一般人が立ち入ると道に迷って救助の要請が多発する可能性があるとの理由でモノリスの位置を公表していなかったのですが、インターネット上ではすでに場所が特定され、現地には大勢の人が訪れています。
 
グーグル・マップの画像にもモノリスとその影が見えています:

2015年8月に撮影された衛星写真にはモノリスが写っておらず、2016年10月のものには写っていることから、モノリスはこの間に設置されたと考えられています。
 
報道では映画「2001年宇宙の旅」に登場するモノリスを連想させることから「ユタ・モノリス(Utah monolith)」と呼ぶことが多いようですが、フランスの報道では「オベリスク(obelisk)」 という用語が使われています:

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小惑星 2020 WC4 が月と地球に接近


11月28日、小惑星〝2020 WC4〟が月と地球に接近します。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 WC44~10  (月)11月28日 01:33
(地球)11月28日 18:12
1.64
1.83
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星はアポロ群に分類されています。

直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは11月24日です。

接近時の地球との相対速度は非常に遅く、秒速5.1km(時速約1万8000km)と予報されています。

現時点の予報では、月への接近時刻に ±3分の誤差が見込まれています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2020年11月26日木曜日

はやぶさ2 が見えた!

 
ハワイのマウナ・ケア山の頂上にある「すばる望遠鏡」 が11月20日(現地時間)、地球に向かって 580万km(地球から月までの距離の約15倍)彼方を飛行中の小惑星探査機「はやぶさ2」を捉えました:

動画の方は見分けにくいですが、画面中央を右下方向に移動している非常に小さな白い点が「はやぶさ2」です。
 
小惑星の物質が入っているカプセルは「はやぶさ2」本体から分離され、12月6日にオーストラリアのウーメラ地区に落下することになっています。午前3時30分〜4時30分の間に大気圏に突入し、マイナス7〜9等級程度の明るさの火球が見えると予測されています。大気圏に突入するのはカプセルだけで、「はやぶさ2」本体は別の小惑星を目指して飛行を続けるため、前回の時のように複数の火の玉が見えることはないとのことです。
 
 
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2020年11月25日水曜日

橋がずれる — 山口県上関町 (続報)

 
20年11月15日付「橋がずれる — 山口県上関町」の続報です。
 
まだ原因はわかっていませんが、現地で調査をした山口大大学院の麻生稔彦教授(橋梁工学)は「本土の室津半島側の桁が約 20センチせり上がり、逆に橋中央部がシーソーのように約 1センチ沈んでいた」「橋本体にひび割れなどの重篤な損傷は見られない。初めて見るケース」と話しています:
 
以下の2本の記事には、橋の構造の概略とどのようにずれたのかを示すが掲載されています。
 
「上関大橋では、室津側(本州側)から長島側に渡るさいの橋の入り口付近で、手前の道路に対して橋が浮き上がるようにして約 20㌢(幅 8・8㍍)の段差ができた」「桁中央のヒンジ部分に 1cm ほどの沈下が見つかった。北側(本州側)の橋脚を中心に、桁が回転するように動いたとみられる」「(地震被害などを除けば)桁がこれほど動くのは見たことがない」:

図を見ると、橋の中央部に想定外の荷重がかかったように見えます。重量制限を大幅に超えた車両が通過したのでしょうか。
 
なお、長島の南端部には原子力発電所の建設が予定されていますが、活断層の有無を調査するためのボーリングは滞っています:


2020年11月24日火曜日

モノリス?

 
11月18日、米国ユタ州公安部(Utah Department of Public Safety)のヘリコプターが、同州野生生物資源局(Division of Wildlife Resources)からの依頼を受けて、同州南部の人里離れた地域で野生のオオツノヒツジ(bighorn sheep)の個体数を上空から数えていたところ、奇妙な物体を見つけました:

誰が何のためにこのようなものを設置したのでしょうか。


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-227)

 
八ヶ岳南麓天文台の串田氏が 11月23日17:00付で更新情報を出しています:
 
今回の更新情報をまとめると次のとおりです:
  • 前回の更新情報では「11月23日± に前兆変動終息した場合 → 12月3日± に地震発生の可能性」と述べたが、11月23日午後段階でも前兆変動は継続中。

  • 前兆変動の変化関係の認識が誤っていたことが確実。前兆変動の変化を見直し、再検討。

  • 最も早い場合、来年3月3日± に対応地震発生の可能性。

    • 19年8月8.0日極大、20年10月8日終息 → 3月4日±3日発生 (経験則 *1)
    • 19年12月23.2日極大、20年11月10日終息 → 3月1日±3日発生 (経験則 *1)
    • 19年11月18日初現、20年5月1.5日極大 → 3月3日±3日 (経験則 *2)

  • この認識が正しい場合、経験則より、今年5月1日に現れた極大に対応する前兆変動の終息が 12月15日± に観測されると推定。

  • 少なくとも来年3月より前に対応地震が発生する可能性は否定できる。

推定時期3月3日±3日が考えやすいが、12月15日± に前兆変動終息がない場合は再考する。
推定時刻 午前9時30分±1時間30分 または 午後5時±3時間
推定震央領域 続報 No.291」所載の図2、図3を参照
推定規模 M7.8 ± 0.5
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震、火山近傍の可能性が高い


(*1) [極大〜発生]:[終息〜発生] = 3.9:1
(*2) [初現〜発生]:[極大〜発生] = 20:13
 
 

2020年11月23日月曜日

大量のハマグリが打ち上げられる — 千葉県・九十九里浜 (補足)

 

地震前に貝類に何らかの異常が見られたとする証言や記録は、他の動物に比べると非常に少ないです。上記の記事では、関東大地震(関東大震災)前の事例を 2つ紹介しましたが、以下は兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)と東南海地震の前の事例です。前者は『阪神淡路大震災 前兆証言 1519!』(弘原海清編著、東京出版株式会社、1995)、後者は『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次著、東京大学出版会、1986)からの引用です。
 
▼ 兵庫県南部地震(阪神淡路大震災) M7.3 1995年1月17日
  • 高槻市・緑地資料館(震央からの距離約 60km)「104種類に及ぶ淡水魚や貝類の中に自殺行動や逃亡、産卵遅れなど多くの異常現象が見られた」

  • 和歌山市加太海岸大川(震央からの距離約 35km)「1月8日午前11時頃、和歌山市加太海岸(大川)で大型の貝(ホタテ貝類)が 7〜8個貝がらを開いた状態で海岸に打ち上げられていた。死後 7〜8時間ほどの様に思われ、“春一番の後でもないのに不思議だな”と 2人で話した。1月15日ちょうど 1週間後昼すぎ同じ場所で再び同類の貝が 5個、死後 7〜8時間と思われるのを発見した。また、同時に特大の伊勢エビ(全長 30〜38cm位)3尾が波打ち際に打ち上げられていた」

▼ 東南海地震 M7.9 1944年12月7日
  • 静岡県榛原地区(震央からの距離 180km、地図)「その前に海岸で貝類(ナガラミ)が採れたとのことがあったとか、その量が多かったとのことです(榛原地区の教員から聞いた)」


2020年11月22日日曜日

エラスムス彗星が太陽に接近

 
南アフリカ共和国のニコラス・エラスムス氏によって 9月17日に発見されたエラスムス彗星(C/2020 S3)が太陽に近づいています。12月9日ごろに水星の軌道の内側に入り、12月12日に近日点を通過します。現在は 7等級の明るさですが、12月には5等級まで増光すると予測されています。
 
以下の写真は 11月20日にナミビア共和国で撮影されたものです(写真をクリックすると拡大します):
 
エラスムス彗星の公転周期は、NASA ジェット推進研究所のデータベースによると 2512 ± 105年。前回この彗星が太陽に接近した時期は、地球ではアテネやローマが民主政/共和政に移行し、マラトンの戦いやサラミスの海戦でアテネがペルシャを破ったころに当たります。日本は弥生時代でした。
 

2020年11月21日土曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-118)

米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、現地時間11月20日10時12分(日本時間21日02時12分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年45回目の噴出です(夏時間が終了し、現地と日本との時差は16時間に戻っています):

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7
8 3月15日 9
9 3月24日 9
10 4月2日 9
11 4月10日 8
12 4月27日 17
13 5月8日 11
14 5月14日 6
15 5月19日 5
16 5月23日 4
17 5月31日 8
18 6月3日 3
19 6月8日 5
20 6月12日 4
21 6月18日 6
22 6月23日 5
23 6月29日 6
24 7月3日 4
25 7月9日 6
26 7月13日 4
27 7月19日 6
28 7月24日 5
29 7月30日 6
30 8月3日 4
31 8月9日 6
32 8月14日 5
33 8月20日 6
34 8月26日 6
35 9月1日 6
36 9月9日 8
37 9月16日 7
38 9月26日 10
39 10月5日 9
40
10月14日 9
41
10月19日 5
42
10月27日 8
43
11月3日 7
44
11月11日 8
45
11月20日 9


以下は、最寄りの地震計と、噴出した熱水が流れ込む川の流量の記録です。勢いのよい噴出だったようです。現地は積雪期に入ったため、昼間でも観光客の起こす震動はほとんど見られなくなりました:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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2020年11月20日金曜日

大量のハマグリが打ち上げられる — 千葉県・九十九里浜

 
すでにテレビ等でも報道されていますが、11月10日ごろから、千葉県匝瑳市(地図)から一宮町(地図)までの九十九里浜で、40数km にわたって握りこぶしほどの大きさのチョウセンハマグリが大量に打ち上げられています。
 
「大量にハマグリの大きな個体が打ち上がったってことは聞いたことがない。実際に文献で確認できることはなかった。極めて珍しい現象だ」「打ち上げられているのが大きなハマグリばかりなのも不思議だ(中略)大きなものだけが影響を受けるような変化が起きたのかもしれない」(千葉県立中央博物館): 

『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次著、東京大学出版会、1986)には、1923年9月1日に発生した関東大地震関東大震災)の前のハマグリに関するできごととして以下の2件が収録されています:
  • 地震の1週間前、千葉県稲毛海岸(震央からの距離 88km、地図)「大正12年8月25日頃から稲毛海岸でアサリやハマグリが沢山取れた。」

  • 地震の2日前、千葉県一ノ宮(震央からの距離 101km、地図)「8月30日異常に汐が引き、平常沖にあるハマグリが波打際に多く寄って来てとれた。」

今年は、相模湾に面する神奈川県藤沢市(地図)沖でも大きなチョウセンハマグリが豊漁でした。ただし、こちらは時期が少し早く 9月のことでした:

海底に棲む生物が大量に打ち上げられる事件としては以下のようなものがありました:

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2020年11月19日木曜日

水星の尾 (続報)

 6月4日付「水星の尾」の続報です。

水星に尾があることは1980年代に予想され、2001年に確認されました。尾は、水星の極めて薄い大気に由来し、主成分はナトリウムです。

下の写真は、Dr. Sebastian Voltmer がナトリウム・フィルターを使ってフランスの Spicheren にある自宅の裏庭で撮影したものです。尾の長さは 2400万km 以上に達しているとのことです。右に写っているのは乙女座の 1等星スピカです:


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2020年11月18日水曜日

動かないマントル

 
東京工業大学の発表です:

「太平洋から北海道・東北地方沿岸部の地下に、冷たく動かないマントルがあることがわかった」、「本研究で明らかになった火山フロント付近を境とするマントルウエッジの流動・非流動という動的性質の違いは、沈み込み帯の基本的な構造を示すものである可能性があります」とのこと。

動かないマントルの存在をどうやって調べたのでしょうか。「マントルに流動があると鉱物が一定の方向に並び、鉱物を含む岩石全体が地震波速度異方性をもつ」、「流動しない場合は、岩石内の鉱物の方向がばらばらとなり、岩石全体としては異方性を持たなく」なる、「したがって、地震波速度異方性があるかどうかで、マントルの流動・非流動を見分けることができ」るのだそうです。


東京・栃木・茨城で異常震域

 
出典:気象庁ウェブサイト

11月18日10時01分ごろ、東海道南方沖(震央地図)で、M5.1、震源の深さ約 450km(防災科学技術研究所の資料では M5.0、深さ340km)の地震がありました。この地震で、東京都千代田区、栃木県宇都宮市、茨城県日立市と笠間市で震度 1の揺れが観測されました。
 
遠方の地震による揺れが太平洋プレートに沿って伝わる「異常震域」と呼ばれる現象です:

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定置網にリュウグウノツカイ — 富山県高岡市

11月17日朝、富山県高岡市伏木(地図)沖の富山湾で、定置網にリュウグウノツカイが入っているのが見つかりました。全長 2.32m。発見時には生きていました。

「富山湾で確認された三十五匹目の個体だが、これほどやせているのは珍しい」「富山湾では2009年以降、たくさんのリュウグウノツカイが見つかっていて少しずつ増えている印象だが、正確な原因はわからない」(魚津水族館):

 

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小惑星 2020 VX4 が地球と月に接近

11月19日、小惑星〝2020 VX4〟が地球と月に接近します。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 VX48~18 (地球)11月19日 06:09
 (月)11月19日 10:47
1.05
1.80
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星はアポロ群に分類されています。

直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは11月13日です。

接近時の地球との相対速度は秒速 11.4km(時速約 4万1000km)と予報されています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2020年11月17日火曜日

定置網にリュウグウノツカイ — 福井県高浜町

 
11月12日、福井県高浜町(地図)沖の浅瀬に設けられた定置網にリュウグウノツカイが入っているのが見つかりました。全長 2.26m。水族館への輸送中に死んだとのことです:
 

ホシホウネンエソ捕獲 — 神奈川県小田原市

 
小田原魚市場公式ブログ』から。11月16日、神奈川県小田原市国府津(地図)沖の相模湾で深海魚のホシホウネンエソが捕獲されました。捕獲されたのは水深 80m。
 
ホシホウネンエソの生息域は「水深100〜350mの大陸棚斜面、海山、中層遊泳種」とされています。

「相模湾産『ホシホウネンエソ』は初めて」、「それもいまだかつてない 12~3センチの大型個体」、「こんなに大きい『ホウネンエソ』がいるなんて」:

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2020年11月16日月曜日

小惑星 2020 VT4 が地球を掠める


11月14日、小惑星〝2020 VT4〟が地球を掠めるようにして通過して行ったことが判明しました。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 VT45~11  (月)11月14日 01:51
(地球)11月14日 02:20
0.91
0.0176
(1LD=地球から月までの平均距離) 

地球への接近距離 0.0176LD(6754km)は地球の中心から測ったものです。地球の半径(赤道半径 6378km)を差し引くと地表からの高度がわかります。今回の場合、高度約 380km となります。気象衛星などの静止衛星の軌道高度は赤道上空約 3万6000km、はるかに低い軌道を周回する国際宇宙ステーションの高度は約 400km です。今回の 2020 VT4 はそれよりも地表に近いところを通過して行ったことになります。

 この小惑星はアポロ群に分類されています。

直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは11月14日(通過後)です。

接近時の地球との相対速度は秒速13.4km(時速約 4万8000km)でした。

上記の接近時刻は、月に対して ±3分、地球に対しても ±3分の幅があります。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2020年11月15日日曜日

橋がずれる — 山口県上関町

 
 11月14日夜、山口県上関町の室津半島と沖合の長島を結ぶ上関大橋(全長約 220m、1969年開通、地図)で、県道と橋の接続部分に約 20cmの段差ができて乗用車が衝突する事故がありました。段差は橋の側が高くなる形で生じています。第6管区海上保安本部によると、橋に船などが衝突した情報はないとのことで、橋を管轄する山口県が原因を調査中です:
 
橋が隆起したのでしょうか、県道側が沈降したのでしょうか。 

防災科学技術研究所の Hi-net には上関観測点があるのですが、14日分の連続波形には特に大きな震動は記録されていません。ただ、20時50分33秒ごろに 1〜2秒間ほどの短い震動が見られますが(グラフ)、これは自動車の衝突によって生じたものでしょうか。
 
 下の関連記事は、橋に何らかの異常が生じた出来事を扱ったこのブログの過去の記事です。自分でも驚いているのですが、今回も含めて全てが 10月末〜11月前半に起きています。
 
 
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余震は流体に駆動される

 
『Nature Communications』に 11月13日付で掲載された「余震は流体に駆動され、(発生頻度の)減衰速度は透水性に支配される」と題する論文です:
 
以下は Abstract のテキトー訳です:
一部の地震では数千の余震が発生するのに対して、他の地震では余震がほとんど発生しないのはなぜなのか。これは、地震物理学で未だに適切に説明されていない側面の1つである。また、余震の発生頻度が時間におおよそ逆比例して減衰する理由も解明されていない。
 
本論文では、これら2つ(余震の多寡と減衰)が関連しており、余震が少ないのは深部に高圧流体源がないことを反映しているのに対し、余震が多く長期間続くのは、連続する余震を駆動する高圧流体の貯留層があることを反映していることを示す。
 
本研究では、地殻内の透水係数の支配的な側面を捉えた物理モデルを用いて、大森・宇津の法則のような広く用いられている経験則よりも優れた観測値への適合性を示すとともに、余震の減衰速度と、地震と同時あるいは地震後に生成された亀裂ネットワークを修復するための地質構造的な能力との間に機能的な関係を見いだした。これらの結果は、広範囲に影響があり、地震速度の回復、減衰、移動などの他の観測結果を解釈するのに役立つ可能性がある。
 
 
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2020年11月14日土曜日

小惑星 2020 VT3 が地球と月に接近

【11月15日 最新の予報にもとづいて接近時刻、相対速度、誤差を修正しました】

11月16日、小惑星〝2020 VT3〟が地球と月に接近します。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 VT35~11 (地球)11月16日 04:40
 (月)11月16日 14:02
1.22
1.23
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星はアポロ群に分類されています。

直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは11月12日です。

接近時の地球との相対速度は秒速 9.0km(時速約 3万3000km)と予報されています。

月への接近時刻には ±2分の誤差が見込まれています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2020年11月13日金曜日

小惑星 2020 VB3 が地球と月に接近

【11月16日 最新の予報にもとづいて誤差の範囲を修正しました】

【11月15日 最新の予報にもとづいて接近時刻、接近距離、相対速度、誤差を修正しました】

11月16日から17日にかけて、小惑星〝2020 VB3〟が地球と月に接近します。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 VB33~7 (地球)11月16日 17:06
 (月)11月17日 11:17
1.53
1.73
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星はアポロ群に分類されています。

直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは11月12日です。

接近時の地球との相対速度は非常に遅く、秒速 5.5km(時速約 2万km)と予報されています。

地球への接近時刻には ±2分、月への接近時刻には ±3分の誤差が見込まれています。 月への接近時刻には ±2分の誤差が見込まれています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2020年11月12日木曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-117)

 米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、現地時間11月11日06時05分(日本時間11日22時05分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年44回目の噴出です(夏時間が終了し、現地と日本との時差は16時間に戻っています):

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7
8 3月15日 9
9 3月24日 9
10 4月2日 9
11 4月10日 8
12 4月27日 17
13 5月8日 11
14 5月14日 6
15 5月19日 5
16 5月23日 4
17 5月31日 8
18 6月3日 3
19 6月8日 5
20 6月12日 4
21 6月18日 6
22 6月23日 5
23 6月29日 6
24 7月3日 4
25 7月9日 6
26 7月13日 4
27 7月19日 6
28 7月24日 5
29 7月30日 6
30 8月3日 4
31 8月9日 6
32 8月14日 5
33 8月20日 6
34 8月26日 6
35 9月1日 6
36 9月9日 8
37 9月16日 7
38 9月26日 10
39 10月5日 9
40
10月14日 9
41
10月19日 5
42
10月27日 8
43
11月3日 7
44
11月11日 8


以下は、最寄りの地震計と、噴出した熱水が流れ込む川の流量の記録です。勢いのよい噴出だったようです。現地は積雪期に入ったため、昼間でも観光客の起こす震動はほとんど見られなくなりました:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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2020年11月11日水曜日

小惑星 2018 VP1 が地球衝突の可能性 (続報-2)

 
 
前回の記事では 2018 VP1 の接近について
現在の予報は2018年12月11日に出されたもので、観測データが限られていることから、地球への接近時刻に ±3日と7時間11分、月への接近時刻に ±2日と20時間22分の幅があります。

この小惑星が最後に観測されたのは 2018年11月16日で、それ以降は完全に見失われてしまったようです。ある日突然、地球の直近で再発見され、そのまま地球に衝突するということもあり得ます。
 と書きましたが、11月10日に 2018 VP1 が再発見されたようです。
 
最新の観測データにもとづく接近予報は次のようになっています。接近時刻の誤差は 1分未満です:
 
小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 VP18~18 (地球)11月11日 15:59
 (月)11月11日 18:12
0.48
0.39
(1LD=地球から月までの平均距離)

接近時の地球との相対速度は非常に速く、秒速 21.8km(時速約 7万9000km)とされています。