2012年9月30日日曜日

熒惑守心(熒惑心を守る)


日没後の南西の空に2つの赤い星が輝いています。火星とさそり座の1等星(さそりの心臓)アンタレスです。両者は徐々に近づきつつあり、最も近づくのは10月21日です。

アンタレスの名前は、「火星に敵対するもの(アンチ・アレース)」(ギリシャ語で火星はアレース)に由来しています。火星と同じように赤く明るい星であることからそう呼ばれるのは無理からぬことです。

古来、この2つの星が近づくのは不吉の前兆とされています。ウィキペディアの火星の項から引用します:
火星は五行説に基づくオカルト的な呼び名であって、学問上(天文史料)では熒惑(ケイコク、エイコク)といった。「熒」はしばしば同音の「螢」と誤られる。また、この場合の「惑」は「ワク」ではなく「コク」と読む。営惑とも書く。(略) 
火星がさそり座のアンタレス(黄道の近くに位置しているため)に接近することを熒惑守心(熒惑心を守る)といい、不吉の前兆とされた。「心」とは、アンタレスが所属する星官(中国の星座)心宿のこと。

『星の神話傳説集成』(野尻抱影、恒星社、1975)には次のように書かれています:
また中国では、火星が天王(アンタレース)に近ずくのを、「けいわく(火星)心に迫る」と云って、最も不吉としていた。(略) 
そこで、中国の昔の本には、「けいわくが心に迫る」と、王者勝たず大将戦死すとか、大臣反いて天下に乱起るとか、王の世つぎが絶えて貴人がうえ死にするとか、ろくなことは書いていない。たとえば、秦の始皇帝の三十六年にこの天文があって、火星の光がまっ赤で、にわとりの血のように見えた。あくる年果たして始皇帝が崩じ、二世が即位して、兄弟や大臣大将らを殺し、ついに秦が亡びたとあったり、唐の世には玄宗の天宝十三年に火星が心宿にあること五十日余で、よく年安禄山が反き、帝が蜀に逃げたなどとある。

以上はもちろん迷信ですが、最近の不穏な世界情勢を考えると少し不安になります。イスラエルがイランの核施設を奇襲攻撃するとか、東シナ海で尖閣諸島沖海戦が勃発するとかといったことがないように願いたいものです。


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2012年9月29日土曜日

台風17号のミステリー


台風第17号(ジェラワット)は本州直撃の可能性が高いようですが、その衛星画像に説明不能のパターンが現れていたとのことです:

以下は上記の抄訳です:
スーパー・タイフーン(超大型台風)としての勢力を保っていた時期には、ジェラワットは衛星画像上で典型的な外観を見せていた ―― 大きく対称的な「目」と、その周囲の非常に低温の雲頂部を持った強力な雷雲群である。しかし、その移動過程の2つの時期 ―― 9月25日の数時間(画像)と9月27日の協定世界時08時(日本時間同日午後5時、画像) ―― に撮影された可視光線と赤外線の衛星画像の両方には、大変奇妙な境界線が「目」の北東側から北北西に向かって約50マイル(80km)にわたって伸びているのが写っている。私はこのようなものが熱帯低気圧(台風は熱帯低気圧の一種)にあるのを見たことがなく、何がおきているのか説明に窮している。この台風は陸地にそれほど近づいていたわけではないので、地形の影響とは考えられない。また、このような境界線を生じさせる可能性のある乾燥した大気塊や顕著なウィンド・シア(風と風がぶつかる所に発生する急激な風速・風向の変動)もなかった。

私自身は以前にも何度かこのようなパターンを見たことがあるような気がするのですが、記憶が定かではありません。


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2012年9月28日金曜日

地震予報業務許可事業者の経営実態調査


9月27日、(株)帝国データバンクが「気象・波浪および地震動の予報業務許可事業者27社の経営実態調査」を発表しました。このうち、地震動の予報業務に関しては、「気象庁長官の許可を受けた(中略)地震動の予報業務許可事業者は、2012年5月11日時点で54者」、「2011年度の収入高合計は52億2786万円となり、2010年度に比べ、36.5%増加」、「2011年度の損益合計は1億4165万円となり、2010年度比4.7倍の大幅増」、「東日本大震災後の受注増が寄与したものと見られる」:

「地震動の予報業務」というと地震予知を連想してしまいますが、実際は違うようです。収入高順に業務内容を上記PDF資料から抜き書きすると次のようになります:
  1. 白山工業(株) ― 高精度計測とIP技術を活用した地震計測機器、地震防災システム、緊急地震速報システムなどの開発、販売
  2. (株)小堀鐸二研究所 ― 耐震・免震・耐震構造に関する調査・研究開発、解析、コンサルティングなど
  3. (株)ドリームウェ ― 緊急地震速報を受信して、震度・地震の到達時間を利用者に通知する専用端末の販売
  4. (株)エイツー ― 防災科学技術研究所と共同で研究開発した次世代緊急地震速報端末などの設計、開発、販売
  5. (株)ANET ― 鉄道総合技術研究所グループで、緊急地震速報サービスのリーディングカンパニーとして、緊急地震速報の配信サービス、緊急地震速報の受信システムの構築など

スーパーコメット(?)がやって来る


9月21日にロシアとベラルーシの観測者によって発見され、24日に詳細が公表された新彗星〝 C/2012 S1 (ISON)〟が、昼間でも見えるぐらい明るくなる可能性があると話題になっています。

このアイソン彗星(〝ISON〟は発見に使われた望遠鏡の所属する〝International Scientific Optical Network〟の略)は、現在、木星軌道の外側にあり太陽に向かって進行中です。太陽に最も近づくのは来年11月28日で、太陽の中心から約190万km(太陽の直径は約140万km)のところを通過すると計算されています。アイソン彗星はこの近日点通過の前後(特に通過後)に明るさを増し、満月の十数倍の明るさで輝き、長大な尾を引くのではないかと期待されています:

アイソン彗星は、太陽に向かう途上の来年10月には火星に非常に近づくので、火星表面を調査中の探査車〝キュリオシティ〟搭載のカメラでも撮影できるかも知れないと言われています。火星の地平線上に見える彗星の画像をぜひ見てみたいものです。

彗星がどのくらいの明るさになるかの予測には不確実性が伴います。明るくなると予想されていた彗星が期待を裏切った例がたくさんあります。逆に、明るくなることはないと思われ注目されていなかった彗星が非常に明るくなり、観測者を驚かせることもあります。昨年末のラブジョイ彗星はその例です。


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2012年9月26日水曜日

地震予知失敗で禁錮4年求刑 ― イタリア


2009年4月にイタリア中部のラクイラ(地図)で発生したラクイラ地震(M6.3、死者300人以上)について、当時ラクイラで頻発していた小規模地震の分析を地震発生の6日前に実施したにも関わらず、大地震になる可能性が低いと結論付けた政府委員会のメンバー7人に対する裁判で、検察側は過失致死傷罪で禁錮4年を求刑しました。「委員会の判断が人々の死に結び付いたのは明らかだ」(検察側):

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ストリートビューに神の姿?


グーグル・マップやストリートビューには不思議な地形や奇妙なものが映り込んでいることがあり、このブログでもいくつか取り上げてきました。今回は、スイスの湖畔を走る道路の上に現れた神の姿です。私には、雲に乗り後光に包まれたキリストと聖母マリアのように見えます:

現時点ではまだ修正されていないようで、実際にストリートビューで確認できます:

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2012年9月23日日曜日

噴火警報解除 ― 青ヶ島南東沖


8月30日付「海底噴火のおそれ ― 青ヶ島南東沖」の続報です。

9月21日、気象庁は青ヶ島(東京都、地図)南東沖の変色水域について、「噴火のおそれなし 噴火警報解除」と発表しました。「8月26日に海上保安庁によって確認された青ヶ島の南東沖(島の南端から南東方向に約1300m付近)の変色水は、本日(9月21日)の上空からの観測では認められず、海域で噴火が発生する兆候はありません。8月29日に船舶向けに発表した海上警報を本日17時20分に解除しました。引き続き、地震活動や地殻変動にも特段の変化は観測されておらず、島内でも噴火が発生する兆候は認められません」:

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2012年9月20日木曜日

人食いバクテリアの感染急増 ― 日本


国立感染症研究所によると、人食いバクテリアに感染する人の数が、昨年から急増しているとのことです。「60歳以上の男女と30歳代の女性の発症が多いが、増加の原因は分かっていない」:

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クジラが港に迷い込む ― 和歌山県新宮市


9月19日、和歌山県新宮市(地図)の新宮港にクジラ1頭が迷い込んでいるのが見つかりました。体長は約3mで、コビレゴンドウの子供とみられています:

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2012年9月19日水曜日

自分撮り


船外活動中の星出彰彦宇宙飛行士:

火星のゲール・クレーターを調査中の探査車・キュリオシティ:

日本の無人補給船「こうのとり」は、国際宇宙ステーションに物資を補給した後、9月14日に大気圏に突入して燃え尽きましたが、アイボール(i-Ball)という球形の再突入データ収集装置で、ハッチが高温で破壊される様子や、自分自身がバラバラになっていく様子を撮影しました:

木星で発光現象


日本時間9月10日午後8時半ごろ、木星の赤道付近に閃光が走るのが観測されました。木星の大気圏に小惑星か彗星が突入し発光したものとみられています:

1994年7月16日から22日にかけて、分裂しながら次々に木星に衝突したシューメーカー・レビー第9彗星の場合には、衝突によって木星の大気中に生じた擾乱によって巨大な衝突痕が残ったのですが(写真写真)、今回の衝突地点には衝突痕のようなものは観測されていません。そのため、衝突した天体は比較的小さく、木星大気の深いところまでは到達しなかったと考えられています。


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2012年9月18日火曜日

シベリアの隕石孔に巨大ダイヤモンド鉱床


シベリアにあるポピガイ・クレーター(Popigai Crater、地図)の地下に、膨大な量のダイヤモンドが眠っていることが明らかになりました。同クレーターは3500万年前に形成されたもので、直径は約100km。埋蔵量は数兆カラットと推定されており、今後3000年間にわたって世界市場に供給するに十分な量だということです:

ポピガイ・クレーターの地下に巨大なダイヤモンド鉱床があることは1970年代に判明していました。しかし、時のソビエト連邦政府は、すでに大きな利益を生み出していた同国のダイヤモンド産業を保護するために、長らくその存在を隠してきました。先週末になって、ロシア政府が国内の報道関係者に情報を開示することを許可したため、その存在が世界中に知れ渡ることになりました。。

ポピガイ・クレーターのダイヤモンドは、小惑星などがグラファイト(石墨、黒鉛)の鉱床に高速度で突入することによって生成されたもので、通常のダイヤモンドの2倍の固さがあります。このユニークな性質のため、高精度の科学実験や製造業での研磨など重要性を増している分野でロシアが独占的な供給者になり、ダイヤモンド市場の構造を根底から覆す可能性があるとみられています。


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化石? 火星探査車が奇妙な鉱物を発見


2004年1月に火星のメリディアニ平原に着陸し、現在も探査活動を続けている火星探査車〝オポチュニティ〟が奇妙な球状の鉱物を発見しました:

画像は、オポチュニティが顕微撮像装置(Microscopic Imager)を使って9月6日に撮影したもので、写っている範囲の差しわたしは約6cmです。オポチュニティは、着陸直後にも多数の球粒状の鉱物(「ブルーベリー」と呼ばれています、写真)を発見していますが、今回発見されたものはそれとは明らかに産状が異なっています。一部の球体は割れて内部の構造が見える状態になっています。

どのようなプロセスでこの様な形状の鉱物が形成されたのでしょうか。さらに詳しい調査がおこなわれることになっているので、期待したいと思います。これが何らかの生物の化石だったら非常におもしろいのですが。


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2012年9月17日月曜日

大地震の前後に温泉の温度や水位が変化


「東日本大震災の地震直後、和歌山県の白浜温泉で泉源の水位が急激に下がっていた」:

大地震の前後に温泉に現れた変化を上記記事から抽出します:
  • 白浜温泉(和歌山県白浜町)では、昨年3月9日に起きた東日本大震災本震前の揺れで、十数分後に水位が低下。すぐに回復したが、2日後の本震から十数分後、再び水位が急激に下がり、そのまま4日以上、低い状態が続いた
  • 城崎温泉(兵庫県豊岡市)では、阪神・淡路が起きる2ヵ月前の1994年11月初めごろから、本震前の群発地震により源泉の一部で湯温が急上昇。70~80度台で上下を激しく繰り返し、本震では80度まで一気に上昇
  • 山形県・秋田県の温泉では、東日本大震災の地震で湯量が激減
  • 福島県では東日本大震災の余震後に突然、住宅街に温泉が噴出し地盤が陥没する被害
  • 有馬温泉(兵庫県神戸市)では、1596年の慶長伏見大地震で、湯が入浴できないほど高温になった
  • 塩田温泉(兵庫県姫路市)では、1984年の山崎断層地震で塩素イオン濃度が急激に低下

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雹(ひょう)が雨霰(あめあられ)のように ・・・


雹にまつわる動画を3本紹介します。私は、テキサス州の州都オースチンに滞在していたときに、すごい雹が降るのを目撃したことがあります。さいわい、その日は休日でホテルの部屋におり、自動車も屋根のある駐車場に駐めていたので被害はなかったのですが、翌日、オフィスに向かう道路では、ウィンドシールド(フロントガラス)がひびで真っ白になり、ルーフやボンネットがぼこぼこになった車が何台も路肩に乗り捨てられているのを目にしました。

雹で大量の木の葉や枝が散っています。青空駐車の車も雹に叩かれています。最後には撮影者のいる家の窓ガラスも割れて ・・・:

雹に襲われウィンドシールドにひびが入り始めた車の中では、初めのうちは笑い声も聞こえていたのですが ・・・:

まるで空から機関銃の乱射を受けたように、プールに水柱があがっています。あまりの激しさに、最後はプールの水が煮えたぎっているように見えます:

2012年9月16日日曜日

カゲロウが大量発生 ― 長野県千曲市


長野県千曲市(地図)で、9月12日ごろから、オオシロカゲロウが大量発生しています。「羽の音がすごく、雪が降っているみたいだった」、「多かれ少なかれ毎年発生しているが、ことしのような大量発生はここ数年なかった」:

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2012年9月14日金曜日

各地に白いツバメ飛来


各地に白いツバメが飛来しています。飛来した3ヶ所の緯度がほぼ同じです:

ヒキガエルが樹上に集合 ― 和歌山県田辺市


「和歌山県田辺市(地図)の山中で、複数のナガレヒキガエルが高い樹上にある洞に集まっているのが確認された」、「繁殖期以外は単独行動が多く、複数集まって過ごすのは珍しい」とのことです:

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2012年9月13日木曜日

NASAが小惑星の名前を募集


NASAは、小惑星の表面のサンプルを地球に持ち帰る探査機〝OSIRIS-REx〟の打ち上げを計画しています。同探査機の目的地である小惑星には〝1999 RQ36〟という符号しかないため、名前を募集しています。参加資格は世界中の18歳未満の青少年。締め切りは12月2日です:

小惑星の名前については、アルファベットで16文字以内、発音可能であること、既存の小惑星と紛らわしくないことなど、国際天文学連合の定めたガイドラインがあります:

上記のガイドラインには、“non-offensive”であることという決まりもあります。“Takeshima”や“Senkaku”などはこの規定に抵触する公算大です。

〝1999 RQ36〟は〝Potentially Hazardous Asteroid〟(将来地球に衝突する危険性のある小惑星)に分類されており、170年後の2182年に地球に衝突する可能性があるとされています。NASAがこの小惑星に探査機を送る目的は、「太陽系の起源と、地球に生命をもたらした可能性がある有機分子について手がかりを得ること」とされていますが、地球衝突に備えて事前にこの天体の性質を調べておくということもあるのではないでしょうか。

〝OSIRIS-REx〟は2016年に打ち上げられる予定です。NASAは2025年に小惑星への有人飛行を計画しています。


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2012年9月11日火曜日

サントリーニ島に噴火の可能性 ― ギリシャ


このブログの11年11月16日付「サントリーニ島の地震続く ― ギリシャ」、12年1月27日付「サントリーニ島近海で M5.2 ― ギリシャ」、12年3月22日付「サントリーニ島で前例のない地殻変動 ― ギリシャ」の続報です。

アトランティス伝説のもとになったとも言われるサントリーニ島(地図)。その地下にマグマが蓄積・増加しているとの研究論文(英文要旨)が『ネイチャー・ジオサイエンス』誌に掲載されました。それをもとにさまざまな報道がなされています ―― 「3600年前の噴火でクレタ島を中心に栄えていたミノア文明を壊滅させた火山が70年ぶりに噴火する可能性が出ている」、「サントリーニ火山の地下マグマの量が2011年1月-12年4月までの間に1000万-2000万立方メートル増えた」、「マグマのデータが差し迫った噴火を示唆するものではないが、その可能性を排除することはできない」:

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2012年9月10日月曜日

白山で微小地震増加


気象庁が9月10日に発表した8月分の火山活動解説資料によると、8月3日と19日に白山(地図)付近の浅いところを震源とする微小な地震が一時的に増加したとのことです:

8月3日は満月の翌日、19日は新月の翌日です。


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乗鞍岳で地震増加


気象庁が9月10日に発表した8月分の火山活動解説資料によると、「11日から13日にかけて乗鞍岳(地図)の北約5㎞付近を震源とする地震が増加しました。この間、震度1以上を観測する地震が4回発生し、最大の地震は12日22時06分に発生したマグニチュード3.7の地震で、岐阜県高山市で震度2を観測しました」とのことです:

上記の地震は、防災科学技術研究所の『AQUAシステム メカニズム解カタログ』によれば、マグニチュード3.9、深さ3km(浅い!)で、横ずれ断層が震源となっています。

草津白根山で火山性地震 ― 群馬県・長野県 (続報)


4月6日付「草津白根山で火山性地震 ― 群馬県・長野県」の続報です。

気象庁が9月10日に発表した8月分の火山活動解説資料によると、草津白根山(地図)で8月19日から20日にかけて、振幅の小さな火山性地震の一時的な増加がみられたとのことです:

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小惑星〝2012 QG42〟が地球接近


8月26日に発見され〝Potentially Hazardous Asteroid〟(将来地球に衝突する危険性のある小惑星)に分類された小惑星〝2012 QG42〟が、日本時間9月14日14時13分に地球に285万kmまで接近します。これは、地球から月までの平均距離の約7.4倍に相当する距離です。〝2012 QG42〟は直径200~500mと推定されており、「フットボール競技場なみの大きさ」と表現されています:

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2012年9月9日日曜日

ボイジャー探査機 打ち上げから35周年


順序が逆ですが、ボイジャー2号は1977年8月20日、1号は同年9月5日に打ち上げられました。それから35年、両探査機とも太陽圏の最外層(太陽圏から恒星間空間に移行する遷移領域、)を飛行中で、今なお観測データを送ってきています。地球からの距離は、1号は182億km、2号は148億kmに達しています。地球に電波が届くのに、前者からは約17時間、後者からは約14時間かかります。最新の距離は以下のページで時々刻々更新されています:

ボイジャー探査機は木星、土星、海王星などの外惑星やそれらの衛星の神秘的で美しい写真を多数送信してきましたが、印象的な地球の写真も送ってきています。故カール・セーガン博士の著書でも有名になった「ペール・ブルー・ドット」(淡い青色の点)の写真です。セーガン博士の提案にNASAが応じて、ボイジャー1号を太陽の方向に振り返らせて撮影したものです。斜めに走る光の帯の中に見える白っぽい小さな点が地球です。光の帯は、あまりにも太陽に近いところを撮影したために生じた散乱光です。撮影した時、ボイジャー1号は地球から60億km離れていました。セーガン博士は次のように語っています ―― 「人類のすべての歴史はこのちっぽけなピクセルの上でおきたのだ。これが、われわれの唯一のふるさとなのだ」:

ご存じの方も多いと思いますが、ボイジャー1号と2号には、遠い将来、太陽系外の知的生命体に発見された場合に備えて、地球や人類についての情報を載せた金色のレコード盤(銅製の円盤に金メッキを施したもの)が取り付けられていました(写真写真)。以下は、その詳細画像や55の言語で吹き込まれた挨拶の言葉です。日本語も入っています:

環境や進化の過程が異なり、思考過程もまったく異質で共通の知識基盤がほとんどない地球外生命体に、地球人が使っている数字や時間・重さ・距離の単位を説明し、レコード盤の情報を解読してもらうための情報も描き込まれています:

解読を困難にするための「暗号」に対して、上の例のように、だれにでも、あるいは「何」にでもわかってもらえるように情報を記録する方法を「逆暗号」というのだそうです。1974年に地球から2万5000光年の離れたヘルクレス座の球状星団 M13 に向けて送信されたアレシボ・メッセージもその例です。

話が少し飛躍します。原子炉から出る使用済み核燃料などの放射性廃棄物を数万年から十数万年にわたって埋設保管する施設では、危険な放射性物質を未来の人類(言語は数千年で大きく変化します、また、原子力に関する技術や知識を失っているかも知れません)、あるいは人類絶滅後に繁栄する別の生物が誤って掘り出してしまわないようにする必要があります。言語や、場合によっては思考過程も今とは異なる人や別の生き物に、埋設物の危険性をどうやって伝えるかという議論でも逆暗号という考え方が登場します。

以下は、レコード盤に記載されている太陽系の位置を知らせる情報です。パルサーの位置を基準にして太陽の位置を示し、さらに太陽の分光パターンも示されています。進歩した異星人なら、比較的容易に太陽や地球の位置を割り出せるのではないでしょうか。ボイジャーが侵略的なエーリアンに拾われないように願いたいものです:

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2012年9月8日土曜日

悪魔と髑髏


いずれもパレイドリアの例ですが ・・・

▼悪魔

▼髑髏

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2012年9月7日金曜日

南極大陸にピラミッド !?


探検家のチームが、南極大陸で少なくとも3つのピラミッドを発見したという「ニュース」です。

以下は、記事の一部をテキトー訳したものです:
驚くべきことだが、ある研究者のチームが、氷に覆われた南極大陸で数個の古代のピラミッドの証拠を発見したと主張している。 
これまでのところ、同チームはその発見についてあまり多くの情報を発表していないが、最近、数枚の写真がインターネット上にリークされている。それらの写真に写っているものが本当に人工的なピラミッドなのか、あるいは単なる岩山の頂上部なのかの判断は読者にゆだねたい。しかし、私の考えでは、それらの写真に写っているものは興味深く、明らかにさらなる調査が必要なものである。 
これらの写真以外には、同チームは発見について固く沈黙を守っている。これらのピラミッドについてさらなる調査がおこなわれるまではこのままだろう。しかしながら、私は同チームのメンバーの友人から、わずかではあるが情報を得ることができた。同チームは米国やヨーロッパ出身の8人のメンバーで構成されている。2つのピラミッドは海岸からおおよそ10マイル(約16km)の地点にあり、3番目のピラミッドは海岸に非常に近いところにある。現在、同チームはピラミッドの少なくとも一つに実際に到達し、それが人工のものか、自然の造形かを究明する遠征を計画している。遠征の時期は明らかになっていない。

非常に疑わしい「記事」です。ピラミッドを発見したというチームの所属(大学、研究機関)や発見の時期についても明らかにされていません。また、掲載されている写真が、実際にこのチームが撮影したものかも確認できません。数枚の写真をもとに捏造された物語ではないでしょうか。写真に写っている「ピラミッド」も、たまたまピラミッドのような形をした自然の山の頂上部や氷と考えたほうが自然です。特に後者の場合、「ピラミッド」は海に流れ出しつつある氷床に取り囲まれており、すでに海の上にせり出している可能性もあります。岩石を積み上げてできたピラミッドがそのような状況で安定していられるでしょうか。そもそも古代に築造されたピラミッドが、長期間の氷床による浸食に耐えて形状を保っているとも考えられません。


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ツチクジラ漂着 ― 徳島県鳴門市


9月5日、徳島県鳴門市の海岸(地図)に、体長4mのツチクジラが漂着しているのが見つかりました。すでに死亡していました。生まれたばかりの子どもとみられ、群れからはぐれて海岸に迷い込んだ可能性があるとのことです:

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震災で富士山マグマ溜まりに圧力


昨年の東日本大震災とその4日後に静岡県東部で起きたM6.4の地震によって、富士山のマグマだまりに噴火を誘発しかねないほどの大きな圧力がかかったことが、防災科学技術研究所などのチームの研究でわかったとのことです。「富士山の直近の噴火である1707年の宝永噴火で直前の宝永地震により富士山に加わった力より、今回の力は強く、チームは『地震から数年たってから噴火する可能性もあり警戒が必要』としている」:

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2012年9月3日月曜日

強震モニタと緊急地震速報が合体


防災科学技術研究所が、〈強震観測網で観測される日本列島の「今」の揺れを配信する強震モニタに、緊急地震速報による予測情報を重ねて表示する、新しい強震モニタの試用版〉 を開発し、実験への参加者を9月3日から募集しています(参加費無料):

富士山噴火 Xデーの予兆?


毎年9月1日の「防災の日」の前後に増える便乗煽り記事だとは思いますが ・・・ 「移住して11年になりますが、最近はおかしさを感じることが多い。ここ2か月、写真撮影のため頻繁に樹海に入っていますが、同じ猛暑の昨年や一昨年と比べても、体感気温が高い。富士には約150の洞窟がありますが、その多くで氷が溶けています。生態系にも異常があり、これまで頻繁に見られたオシドリやカメムシが極端に減っています」、「スズメバチも少なくなりました。また東日本大震災の4日後に起きたM6.4地震の影響で富士山の山体が緩んだのか、時折山崩れが起きています。27年こちらにいるけど、どちらも初めての経験です」:

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2012年9月1日土曜日

プロ野球で超常現象 !?


8月26日に横浜球場でおこなわれた読売ジャイアンツと横浜ベイスターズの試合で、ジャイアンツの阿部選手の打球が空中で突然軌道を変えてホームランになるという不思議な現象がおきました:

以下の動画は、問題の打球を捉えたテレビの映像です。空中にある見えない物体に当たったかのように打球がコースを変えて観客席に飛び込んでいます:

【追記 2019年7月22日】 現在、上のリンクは2つとも見られないので、代わりに以下の YouTube 動画の方をご覧ください:

キュリオシティの火星降下


日本時間8月6日(月)、アメリカの火星探査車〝キュリオシティ〟(好奇心)が8ヶ月半の飛行を終えて火星に無事着陸しました。パラシュートとスカイクレーンのロケット噴射で減速しながら降下し着陸したのですが、この時、キュリオシティの前端部左側の底面に真下に向けて取り付けられたMARDI(Mars Descent Imager: 火星降下撮像装置)が、徐々に迫ってくる火星の表面やロケット噴射で砂塵が巻き上げられる様子を撮影していました。このMARDIの撮影した画像をつないだ動画が公開されています。MARDIは 1600×1200 の解像度で、最大で毎秒5フレームの画像を撮影する機能があります。

▼MARDIは、大気圏突入時の高熱からキュリオシティを守るヒートシールド(熱遮蔽板)が分離された瞬間から撮影を始めています。25秒目付近で視野が大きく左上方に振れます。これは、パラシュートが切り離されたためではないかと思います。42秒目からは、分離されたヒートシールドが落下する様子です。最終的には火星表面に激突し、大きな砂埃が舞い上がります:

▼落下していくヒートシールドが常に画面の中央に来るように編集した動画です:

▼MARDIは最大でも毎秒5フレームの画像しか撮影できません。それらのフレームをつないで動画にした場合、画面の動きが滑らかさに欠け、ぎくしゃくとしたものになってしまいます。それを避けるために、コンピューター処理によってフレームとフレームの間に補間する画像を挿入して、自然な動きにしたのが以下の動画です。全画面表示にして見ることをお勧めします。自分がキュリオシティに搭乗して火星表面に下りていくような感覚が味わえます。ヒートシールドが分離された後、パラシュートにつり下げられてゆらゆら揺れながら降下して行くのですが、1分18秒目でパラシュートが切り離され大きな揺れがあります。一瞬の自由落下の後、スカイクレーンの逆噴射ロケットによって揺れが収まり、安定した状態で降下が続きます。着地の後、画面右下に現れる黒いものは車輪と思われます:

キュリオシティが火星表面に降下するプロセスについては、このブログの8月4日付「〝恐怖の7分間〟迫る (その1)」と同5日付「〝恐怖の7分間〟迫る (その2)」を参照してください。また、以下は降下プロセスを一枚の絵にまとめたものです:

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コウモリ大群の異常行動 ― 富士山


「富士山の裾野に広がる樹海には多くのコウモリが洞窟に生息しているが、まだ日のあるうちから、数万匹単位で洞窟の外で飛び交っているのが目撃されている。何らかの異常を感知している公算が大きい」(麻布大学獣医学部・太田光明教授):

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