2009年9月30日水曜日

空の津波

8月 29日付「モーニング・グローリー」で紹介したモーニング・グローリーと呼ばれるロール状の雲ですが、それを大波に見立ててスカイ・サーフィンをしている写真を、オーストラリアのニュースサイトが掲載しています:
写真は全部で 5葉あります。各写真右下にある “Next” と書かれたオレンジ色の部分をクリックすると、次の写真を見ることができます。

サモア諸島南方で M8.3

サモア諸島南方の海底で今朝 2時 48分頃に発生した大地震(気象庁: M8.3、USGS: M8.0)では、震源近くの島々で津波による被害が出ているもようです。海外の英字ニュースサイトでは情報が錯綜していますが、現時点で報道されている最も多い死者数は 50人超となっています。サモア諸島では、津波で海岸の集落が丸ごと消滅したとか、津波がココナッツの木の高さに達したといった報道も流れていますが、定かではありません。

NOAA(米国海洋大気庁) 傘下の「太平洋津波警報センター」のサイトはつながりにくい状態が続いています。かわりに、アメリカのニュースサイトが転載した津波伝播図を以下にリンクします。主として北東方向と南西方向に向かって強い津波が送り出されたようです:
米国地質調査所(USGS)のデータによると、今回の地震の P波が東京に到達したのは地震発生から約 11分後の 2時 59分ごろです。Hi-net の連続波形画像で 2時台末から 3時台初めにかけて、多くの地点でこの地震によると見られる震動が記録されています。

Credit: U.S. Geological Survey

USGS が発表している震源位置が正しいとすると、今回の大地震は、トンガ・ケルマディック海溝の屈曲部で発生しました。同海溝は、ニュージーランドの東海岸から北北東に向かって直線的に伸びていますが、サモア諸島の南方に達したところで大きく西方向に曲がっています。この屈曲部の東側で、太平洋プレートに生じた正断層が今回の地震の原因と考えられます。正断層型の地震であることは、以下のページにある震源球のパターンでわかります:
トンガ・ケルマディック海溝では、太平洋プレートが東から西に向かって、インド・オーストラリア・プレートの下に沈み込んでいます。沈み込む際には、プレートは徐々に下向きに曲がるため、プレートの上面に近い部分には引き伸ばす力が働きます。この張力が正断層の原因になったと考えられます。

この地域のテクトニクスは非常に複雑で、海溝や海嶺などがフィジー諸島を中心に渦を巻くように分布しています。その様子は以下のグーグル・マップではっきりと見て取れます:
このように込み入ったプレート構造がどのようにして形成されたのかについては、いくつか仮説があるようです。その一つでは、白亜紀にオーストラリアからニュージーランドが分裂し、その間のタスマン海が拡大したことが主要な原因であるとしています (詳しい説明は長くなるので割愛)。

2009年9月23日水曜日

ペルシャ湾上空の撃墜事件

以下は、9月 22日付でイランのニュースサイトに掲載された記事です:
以下は上記記事の概要です:
イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、ペルシャ湾上空で目撃された未確認の光り輝く物体を撃墜した。

地域の最高司令官である Ali Razmjou 准将は、「複数の煌々と輝く物体がペルシャ湾上空で目撃された。IRGC の防空部隊はそのうちの 1機を撃墜、落下した物体は Boushehr 州沖の海中に沈んだ」、「3つの輝く物体がペルシャ湾の Khark 島と Khargou 島の上空で我が方のレーダーに捕捉された。イランの航空機ではないことをレーダー(の敵味方識別装置)が表示したので、IRGC は攻撃を開始した。墜落した物体の残骸は見つかっていない」と語っている。

物体の目撃や撃墜が起こった正確な日時や場所は明らかにされていない。
今のところ、アメリカや周辺諸国から撃墜について確認する情報はでていないようです。無人の偵察機や攻撃機だったのでしょうか。太陽の光を強く反射する時間帯や、複数機での編隊飛行は避けるはずなのですが。

2009年9月17日木曜日

家庭用カセットガスを使う小型発電機

ホンダが、家庭用カセットガスを使う小型発電機「エネポ(ENEPO)」を来春発売するとのことです:
出力が最大 900W ということなので、災害時の非常用電源としても十分に使えると思います。自治体によっては、災害対策としてカセット・ボンベを備蓄しているところもあるようです。

発表資料には、カセット・ボンベ 1本でどのくらいの時間発電できるのかや、価格は書かれていません。ホンダが今年の春に発売した、家庭用カセットガスを燃料とした小型の耕うん機では、連続作業時間がボンベ 1本で 1時間、実勢価格が 10万円を切っているということから推測するしかありません。

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スーパー・タイフーン

以下は、宇宙関係の情報を扱うブログ『Space Gizmo』の記事です。掲載されているのは、現在マリアナ諸島付近を北上中の非常に強い台風 14 号(チョーイワン)を、熱帯降雨観測衛星「TRMM」が捉えた画像です(画像をクリックすると拡大します):
画像は、台風内部の降雨状態を示しており、赤は降雨の激しい部分、青は降雨の弱い部分を現しています。TRMM 衛星には、さまざまな観測装置が搭載されています。画像の中で、色分けが細かい帯状の部分は降雨レーダー、それ以外はマイクロ波観測装置で観測されたものです。

台風 14 号は勢力が非常に強く、現時点での中心気圧は 915 hPa。9月 16日には、今シーズンの太平洋地域で初の “Category 5 storm” になっています。現在の気象庁の予報では、連休の前半に暴風警戒域が関東地方にかかりそうです。

TRMM とは、“Tropical Rainfall Measuring Mission”の略で、日米共同のプロジェクトです。その説明を JAXA のページから引用します:
TRMMは 1997(平成9)年 11月 28日に種子島宇宙センターから H-II ロケット 6号機によって打ち上げられました。現在、順調に観測を行っています。日米共同プロジェクトとして、日本側が打ち上げロケットと新しい観測機器である降雨レーダ(Precipitation Radar: PR)の開発を担当し、アメリカ航空宇宙局(NASA)が衛星本体、降雨レーダ以外の4つの観測機器の開発、衛星運用を担当しました。降雨レーダ PR で取得されたデータは、例えば台風内部での降雨の強さを立体的な分布として示すなど、今までに世界で類を見ない新しい種類のデータとして世界的に注目を浴びており、降水に関する様々な新しい知見をもたらしています。
TRMM プロジェクトのホームページは以下にあります:
以下の JAXA のページでは、世界中の台風、ハリケーン、サイクロンの観測データを見ることができます:

2009年9月16日水曜日

睡眠と地震

睡眠と地震にまつわる話題を 2つ。

以下は、タレントの眞鍋かをりさんのブログ記事です。兵庫県南部地震(M 7.3)のときも、最近 8月 11日にあった駿河湾の地震(Mj 6.5)のときも、揺れる 5分前に目が覚めたそうです:
わたしも似た経験をしたことがあります。どうやら、睡眠状態から覚醒状態に移行するどっちつかずの状態にあるときに、何らかの刺激がインプットされると、事象の生起順序の認識が現実とは違ってしまう場合があるようです。つまり、実際は徐々に眠りが浅くなっている状態のときに地震の揺れを感じて目が覚めたにもかかわらず、頭の中では揺れる前に目が覚めていたと認識されてしまうということのようです。

以下は、育児に関する Q & A のページ(英語)です。ページの後半で、回答者が自分の娘におきたことを語っています:
以下は、その概略です:
娘が 4歳のとき、異常な悪夢にうなされて真夜中に叫び声を上げたことがありました。娘のベッドのところに駆けつけると、娘は「お父さん! 倒れてくる! 倒れてくるの。壁が倒れてくるの!」と興奮して叫びました。明らかに、娘は怖い夢を見て怯えたようでした。なんとか娘をなだめて眠らせ、自分もふたたびベッドにもどり眠りました。

その 6時間後、ロスアンゼルス市は強い地震にみまわれ、私と妻はベッドから放り出されました。すぐに娘のところに駆けつけ、娘を毛布にくるんで問題の壁から離れたところに移しました。壁は飛び跳ねるように激しく揺れていました。

4歳の娘が、真夜中に地震についてある種の警告をしてくれたのでしょうか。私にはわかりません。しかし、その日、私は心に誓いました。今度、娘が「壁が倒れそうだ」と言ったら、今度は娘を信じようと。
たった 1 回、夢と現実が一致したようにみえたに過ぎません。こういったことが契機となって、「予知夢」という迷信ができあがっていくのかもしれません。

2009年9月15日火曜日

スマートフォンと災害用伝言板

NTT ドコモの第 2世代 mova のサービス打ち切り方針に憤慨して、先月、ソフトバンクの iPhone に切り替えたところですが、こんな制約があろうとは:
「iPhone をはじめ“スマートフォンのみ”を使っているユーザーは、災害が起きた際に(安否状況が登録されておらず)家族が心配しないよう、『現状は自分のケータイからは安否情報を登録できない』旨を家族に伝えておいた方がいいだろう」とのことです。

過去の関連記事

テルモ健康天気予報

日曜日の朝 7時から TBS 系で放送されている「カラダのキモチ」という番組(気象予報士の根本美緒さんなどが出演)で、毎週解説されるのですでにご存知のかたも多いかと思いますが、「生気象学」の観点から、気象が健康状態や疾病に与える影響を予報する「テルモ健康天気予報」のサイトを紹介します:
時期によって予報の対象となる疾病や症状は異なりますが、片頭痛、関節痛、血圧、ぜんそくなどの発症傾向が予報されています。左上にオレンジ色で「→予報地点変更」と書かれている部分をクリックすると、全国の主要都市のリストから予報地点を選択・変更することができます。

地震前兆関係の掲示板に投稿される身体の異常報告と比較対照すると、何か興味深いことがわかるかも知れません。

関連サイト

2009年9月14日月曜日

宇宙マイクロ波背景放射と太極

以下の画像は、COBE 衛星の観測によって得られた全天の宇宙マイクロ波背景放射(CMB、CMBR)の画像です:
宇宙マイクロ波背景放射は、ビッグ・バン宇宙論の証拠ともなっている根源的な放射です。われわれの太陽系を含む銀河系は周辺の島宇宙とともに、この背景放射に対して毎秒約 600km という高速で移動しています。この高速移動のせいで、進行方向からの放射は青方偏移、後方からの放射は赤方偏移を起こしているため、上記画像のような色分けになっています。

われわれの銀河系島宇宙が、なぜこのような高速で移動しているのかはわかっていません。高速移動の先には、“グレート・アトラクター” とよばれる巨大な質量集積が 250万光年の彼方に待ちかまえています。銀河系以外の数百万個の島宇宙もそこに引き寄せられているとのことです。

私は、上記の画像を見て、太極の図を思い浮かべました。白と黒のオタマジャクシ形が絡み合って円形を構成している図です。韓国の国旗(太極旗)の中心部に描かれているあの図形も同類です。太極とは、広辞苑の説明によると:
中国で、易学から発し、宋学の宇宙論の中で重視された概念。天地がまだ分れない以前の宇宙万物の元始。宇宙の本体。万物生成の根元。
とのことで、宇宙論とも大いに関係があるようです。

Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency

2009年9月13日日曜日

駿河湾の地震についてあれこれ (その 5)


雨と地震の関係


地震前兆関係の掲示板やホームページでは、「雨が降っているときには地震が少ない」とか「降雨は地震を抑圧する」ということが、しばしばまことしやかに語られます。もともと降雨日数は、そうでない日数より大幅に少ないので、雨と結びついて記憶される地震が少なく、そのような錯覚が生じるのも無理からぬことです。そのような錯覚に陥らぬためにも、今回の駿河湾の地震は雨、それも大雨の最中に発生したと言うことは記憶にとどめておくべきだと思います。


月齢

月齢と地震の関係も地震前兆関係の掲示板やホームページではよく話題になります。「満月トリガー」、「新月トリガー」、あげくの果てに「半月トリガー」まで。それらのトリガーで危険日とされる日数、たとえば当日プラス前後 2日(合計 5日)とすると、1朔望月(約 29.5日)のうち、実に 20日(5日×4回)が危険日になってしまいます。今回の駿河湾の地震は、月齢 19.7 の時点で発生しました。8月 6日が満月、8月 14日が下弦ですから、どの「トリガー」にも該当しません。


鉄道の運行障害はあったのか

地震前兆関係の掲示板やブログでは、鉄道の運行障害が起きると、短絡的に「断層からのイオン」や「断層からの電磁波放射」が原因だの、VVVF 制御(可変電圧可変周波数制御)を採用している車両は電磁気的な妨害に弱いだの、と断ずる向きがあります。今回の地震が起きたと考えられる「静岡-石廊崎-新島 構造線」の北西方向への延長は、交通の大動脈である東名高速道路や東海道新幹線の軌道を横切っていますが、その付近で地震の前に「断層からの電磁波放射」などによって自動車や新幹線に運行障害が発生することはありませんでした。この付近を通る東海道新幹線の車両は、現在ではすべて VVVF 化されているのですけれど。

なお、公平を期するために付け加えますが、地震の 2日後の 13日には、余震の揺れによる停電で、新幹線が 10分間ほど運転を見合わせています。


【2009年10月27日追記】

上記の「鉄道の運行障害はあったのか」の記述に対して、以下のようなコメントがありました(「地震の掲示板ブログ」 http://8816.teacup.com/tamajin/bbs/2265 より引用):
それはそうですよ、NEMOさん。だって、地震の発生が早朝の早い時間帯ですから運転本数も少ないですし、鉄道障害が出るはずも無いです。
(中略)
鉄道自体の障害については、地電位上昇と深い関わりが有る・というのはずっと記載しているはずです。
このコメント、どういう意味があるのでしょうか。なんの説明にもなっていないと思います。私が、「その付近で地震の前に (中略) 自動車や新幹線に運行障害が発生することはありませんでした」と書いたのは、地震当日早朝の時間帯に限定した話ではありません。それ以前から、当該地域で自動車や新幹線に運行障害が発生していなかったと書いているのです。地震前の短い時間帯だけが対象ではなく、もっと長い期間について述べています。

ひょっとして、この人物は「鉄道の運行障害は、地震発生の直前にしか発生しない」と断定しているのでしょうか。そう断定できるのであれば、この人物がしばしばおこなっている、鉄道の運行障害と地震を安易に結びつける主張も検証が非常に容易になります。運行障害の数時間後、あるいは半日後程度までの間に、障害のあった地域で地震があったかを調べれば良いのですから。

「~というのはずっと記載しているはずです」は脈絡が変です。このコメントをした人物は何が言いたいのでしょうか。いっぱしの権威者のつもりなのでしょうか。まるで、学校の教師が生徒に、あるいは師匠が弟子に対して「オレがいつも言ってるだろう」と叱っているかのような尊大な口ぶりです。この人物が何を記載していようが、私がそれに従う謂われはありませんし、地震の前に運行障害が起きていなかったという事実も動かせません。

この人物は同じ投稿で次のようにも書いています:
むしろ、なぜ・短絡的に何でも断定してしまうのかが非常に私自身・不思議です。断定=そこで研究がストップしてしまう事になり、それこそ不思議な現象とか自然現象、不可解な現象というのは違う考え方を持って検証も必要では。
これはそっくりそのままこれを書いた人物本人に当てはまっています。自分で書いたことをよく拳々服膺して、自戒した方がよいのではないでしょうか。

【追記終わり】

(続く)

オバマ大統領の学童向けスピーチ

オバマ大統領が、9月 8日に全米の学童向けにおこなったスピーチの原稿が、ホワイトハウスのサイトに掲載されています:
医療保険制度改革などの影響で支持率の低下が続く大統領ですが、学習の重要性をうったえ、学童を勇気づけるすばらしいスピーチだと思います。日本の為政者の中に、これだけの演説を説得力をもっておこなえる人がどれほどいるでしょうか。

中学生でも読みこなせるのではないかと思われる平易な英文です。ハリー・ポッターの作者 J・K・ローリングやマイケル・ジョーダンの苦労話なども取り入れられています。全体が読むに値しますが、特に気に入った部分を以下に引用します:
Don't be afraid to ask questions. Don't be afraid to ask for help when you need it. I do that every day. Asking for help isn't a sign of weakness, it's a sign of strength. It shows you have the courage to admit when you don't know something, and to learn something new. So find an adult you trust -- a parent, grandparent or teacher; a coach or counselor -- and ask them to help you stay on track to meet your goals.



The story of America isn't about people who quit when things got tough. It's about people who kept going, who tried harder, who loved their country too much to do anything less than their best.
勢いのある短い文を積み重ねてパラグラフを構成し、さらにそれらのパラグラフを積み上げて、全体として説得力がありメッセージが明確に伝わる文章を構成していると思います。

Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency

2009年9月12日土曜日

イスラエルが人工地震実験 (続報)

8月 26日付「イスラエルが人工地震実験」の続報です。このイスラエルの実験については、釈然としないものが残っていました。報道記事を読む限り、実験の目的が今ひとつ明快ではありませんでしたし、アメリカ国防省が資金を提供している点も地震の実験にはそぐわないものを感じさせました(アメリカが資金を出していることは、秘密ではなく初めから公表されていたようです)。推測するに、地震観測やそれを利用した探知技術の分野に詳しくない記者がおおもとの記事を書いたため、実験の目的が不明瞭にしか伝えられなかったというところでしょうか。イスラエルが秘密裏におこなう地下核実験をカモフラージュするのが目的と考える人もいましたが、この程度の小規模爆発ではそれも無理でしょう。

その後の報道では、爆発実験は軍事的な目的をもっていたことがはっきりと書かれています。以下は、実験の後にイスラエルのニュースサイトに掲載された記事です:
上記記事を要約すると以下のようになります:
ネゲブ砂漠で 80トンの火薬を爆発させた実験は、当初報道されていたような地震研究が目的ではなく、弾道ミサイルの攻撃をシミュレートするのが目的だった。

地表面での爆発によって、直径 27m、深さ 6m の穴ができた。爆発は、マグニチュード 2.5 の地震に匹敵した。この規模の地震は、イスラエルでは週に 1回程度発生しているが、弱すぎて人が揺れを感じることはない。爆発によって生じた音波は 2980km 離れた南フランスでも記録されたが、爆心直近の人びと以外が気づくことはなかった。

この制御された爆発は、イスラエルの地震観測ネットワークとヨーロッパ・地中海地域の観測所の観測機器を調整する国際的テストの一環だった。このテストは、この地域内のイランやシリアなど、さらに遠くインドやパキスタンなどのミサイル実験を監視するのに役立つ。

爆発物は、地表に構築された特別なピラミッド形の構造物の中に設置された。実験は地震動の効果とともに音波を監視する能力をテストする目的で計画された。
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency

跳べ 1000人 人力地震

日本テレビの『所さん目がテン』という番組、日曜日の朝(7:00-7:30)に放送されていたころはよく見ていたのですが、放送時間が土曜日の夕方(17:00-17:30)に変わってからは、生活習慣の関係で見る機会が減っていました。今日は、新聞の番組表にあった「跳べ 1000人 マル秘 人力地震」というタイトルに惹かれて見ることにしました。

栃木県の作新学院の生徒 1000人が円形に集合、生徒たちの中心に置いた朝礼台の上で番組レギュラーの矢野明仁さんが声や旗で合図を送り、それに合わせて生徒たちがジャンプ、朝礼台の下に設置した地震計や震度計で測定するというやり方でした。はじめはジャンプのタイミングがそろわず、震度 1 どまりでしたが、合図の送り方をかえるなどの工夫をした結果、生徒たちのジャンプのタイミングが一致するようになり、最終的には震度 3 に達しました。朝礼台の上に立っていた矢野さんは、朝礼台がぐらぐら揺れたという感想を語っていました。

計測には、かつてこのブログで著書を紹介したことがある東京大学地震研究所アウトリーチ推進室の大木聖子(さとこ)助教も参加していました。

この人力地震実験の収録がいつおこなわれたのかはわかりません。わかれば、Hi-net の連続波形に現れているか、確認してみたいと思うのですが。

以前、このブログの記事で触れた中国の恐るべき人工地震兵器は、冷戦当時の中国の総人口 6億人が一斉にジャンプするというものでしたから、今回の TV 番組の実験で得られた 1000人で震度 3 という結果を考慮すると、すさまじい破壊力を持っていたことになります。ただし、最大の被害を受けるのは震源地の中国ということになってしまうのですが。

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2009年9月10日木曜日

メキシコ航空機ハイジャック

メキシコ航空(アエロメヒコ)のカンクン発メキシコ・シティ行きの旅客機が、神父でありながら麻薬常習者で服役経験もある 44歳の男にハイジャックされた事件は、無事に解決されたようです。複数犯との報道が多いようですが、どうやら単独犯のようです。犯人は、「メキシコが大地震という大きな危機に直面しているとの神の啓示があった」と話し、そのことを伝えるためにカルデロン大統領との面会を要求していたとのことです:
この後、「啓示」のとおりに大地震が発生したりした暁には、敬虔なカトリックの多いお国柄ゆえ、犯人の釈放要求が出されたり、犯人を崇拝するような動きが出たりするかも知れません。

Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency

2009年9月9日水曜日

駿河湾の地震についてあれこれ (その 4)


熱川のワニは鳴いたのか


(その 3)で紹介した伊豆大島近海地震の前兆資料には、地震の前に「熱川のバナナ園のワニ、何年来かでめずらしく鳴いた」という記事があるのですが、今回の地震ではどうだったのでしょうか。
上記の資料に、e-PISCO の弘原海清氏が次のように書いています:
私自ら、熱川バナナワニ園(静岡・東伊豆町)、伊豆バイオパーク(同町)、ふれあい動物園(神奈川・平塚市)、新江ノ島水族館(神奈川・藤沢市)に直接電話したが、いずれの施設でも動物には異常はみられないとのことである。
この資料の発行日から考えて、少なくとも地震の数日前まで、それらの施設で飼育されている動物たち(熱川のワニも含まれる)に異常は見られなかったようです。


海中の異変

下記『日刊スポーツ』紙の 8月 12日付記事に、地震の 2日前に駿河湾の震源の真上あたりで見られたスルメイカやプランクトン、海水温の異常についての記述があります:
短期間でリンク切れになるかもしれないので、当該部分を引用しておきます:
… 震源地となった駿河湾では 2日前に前兆らしき現象が起こった。焼津小川港の釣り船「幸進丸」は、9日に駿河湾に出漁し、普段は水深 200メートル以上深い場所で釣れるスルメイカが 110メートル前後の浅場で釣れた。

船頭歴 40年の長谷川博男船長(60)は「魚群探知機でプランクトンが浮いている反応が出た。イカがそれを追い掛けたようだ。ちょうど震源地の上ぐらい。こんなの初めて。最近の海水温も 19~ 23度に激しく上下したし、変な感じだった」と首をひねっていた。

カラスやハトの挙動

カラスやハトなどの鳥類は地震の起こる前に避難するため、震源の近くではそれらの鳥を見かけることが少なくなると言われています。しかし、大きな地震があるたびにいつも思うのですが、地震の前に鳥が逃げだすことはあったとしても極々まれなことではないのかと。なぜそう思うかというと、テレビの地震報道で流される定点カメラの映像です。多くの場合、放送局の屋上に据え付けられたカメラが撮影した街並みの映像なのですが、鳥が写っていることがしばしばあります。今回の地震でも、揺れが大きかった地域の放送局の屋上に設置された定点カメラが捉えた映像が何種類も放映されました。そのうちのいくつかには、揺れに驚いて飛び立つ鳥(カラスやハトなど)の群が写っていました。その鳥たちの仲間は地震の前兆を察知してすでに逃げだしていたが、たまたまカメラの前にいた彼らだけが地震の前兆に鈍感だったために取り残されていたとは考えにくいと思います。

(続く)

駿河湾の地震についてあれこれ (その 3)


宏観前兆はあったのか


地震前兆情報を募っている掲示板をいくつか、日時を遡って渉猟してみましたが、この地震に対応する前兆とおぼしき情報はありませんでした。

掲示板への投稿のほとんどは、正常の範囲を知らない人の「異常」報告であったり、頭痛、耳鳴り、怪しい雲、電卓の不正表示などなど、毎日のように「異常」を報告している宏観異常者の常連さんや病的な精神状態の人などによる愚にもつかない情報でした。これらの人たちは、自分たちがノイズの発生源になっていて、貴重な宏観異常報告を埋没させてしまうかも知れないという自覚が全くないようで困ったものです。大きな地震があった場合、前兆報告を事後検証することがあるのですが、彼らの投稿は実に迷惑です。

1978年の伊豆大島近海地震では、以下の資料にあるように多くの前兆が現れたようなのですが、…… :

地下水


地下水にも前兆は現れなかったようです。以下は、「地震に関する地下水観測データベース“Well Web”」を解説している産業技術総合研究所・地質調査総合センターの資料です:
この資料によると、震源周辺の「地下水等観測施設では、2009 年 8月 11日の駿河湾の地震(M6.5)前の変化は認められませんでした。また、本日の駿河湾の地震の後に、東海地震の前に想定されている前兆すべりが起こったかどうかを検討しましたが、特に異常な水位等の変化は観測されませんでした」とのことです。

(続く)

2009年9月8日火曜日

登別温泉の大正地獄が活発化

『室蘭民報』紙によると、北海道・登別温泉の大正地獄が活発化し、轟音とともに高さ 20m の湯柱を噴出したとのことです。活動が活発化したのは 7日正午ごろから午後 2時半ごろまで。登別市は、観光客の安全確保のため立ち入りを制限。また、天然足湯の温度も高温になっているとのことです:
登別温泉の大正地獄については、私が保存している新聞記事の中に、2005年 9月 10日付で 『北海道新聞』の以下のタイトルがあります:
  • 色のパターン変化、黄色も目撃 大正地獄 水面に“異変” 登別温泉
現時点ではリンク切れになっているので、記事の一部を以下に引用します:
沼の色が白、青、ピンクなど順番に変わるとされる登別温泉地区の観光地の一つ、大正地獄でちょっとした異変が起こっている。「緑色の状態が長期間続いていた」「以前はなかった黄色を見た」といった証言もあり、登別市は色の変化のパターンを見極めようと観測を始めた。
(略)
市は「数年前にこれまで見られなかった黄色が目撃され、最近はオレンジ色っぽい状況もあった」(観光室)として八月から週一回、職員が色の観測を始めた。変化の周期が長期化している可能性もあるとみている。
(略)

ウルップ島で火山が活発化

スミソニアン研究所と米国地質調査所が共同で提供している「SI / USGS Weekly Volcanic Activity Report」によると、千島列島のウルップ島(得撫島)にある Kolokol 火山群内の Berg 山が、8月 26日に、ガス・水蒸気・火山灰を 6000メートル以上の高さまで噴き上げたことが、人工衛星からの画像によって明らかになったとのことです。

ウルップ島の位置は以下のグーグル・マップにマークを付けてあります。地図の左上部にあるスケールを操作して航空写真を拡大すると、火山群を見ることができます:
かつてウルップ島には日本人が居住していたため(現在はロシアが実効支配、日本政府は帰属未定地と主張)、Kolokol 山には「ウルップ富士」(得撫富士)という別名もあるとのことです。

ウルップ島の沖では、今からちょうど 91年前の 1918年 9月 8日、マグニチュード 8.0 の大地震が発生しています。『理科年表』(丸善株式会社)の「日本付近のおもな被害地震年代表」には、以下のような記述があります:
沼津まで地震を感じる。津波の波高、ウルップ島岩見湾で 6~ 12m、根室 1m、父島 1.5m など。ウルップ島で溺死 24。
ウルップ島沖の震源域は、大地震から 91年が経過してエネルギーの再充填が完了し、危険な空白域になってきたということを、火山活動が示しているのかも知れません。

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2009年9月7日月曜日

「星座についてのドボン問題」の正解

遅くなりましたが、7月 26日付「星座についてのドボン問題」の正解を、同記事の末尾に追記しました。

ロシアの地震予測サイトについて

「西多摩の鶯」さんが運営する『宏観休憩室』という地震前兆についての掲示板があります。このブログを始める前には、しばしば利用させていただきました。現在も毎日チェックしていますが、そこに以下のような疑問が投稿されていました:
以前から気になっていたのですが、
この鶯さんのサイトでリンクされている「ロシア予測」サイト。。。
いったい何を根拠に『予測』しているのでしょう。
以下は、2005年 4月 6日に『地震の前兆現象研究情報交換用掲示板』(現在は休止中)に私が投稿した記事の写しです。後に「ロシア・サイト」と通称されることになる地震予報サイトを、日本に紹介した最初の記事ではないかと思っています:
Russian Scientist Claims to Have Predicted Important Quakes
投稿日 4月6日(水)22時42分 投稿者 Nemo [proxy26.rdc1.kt.home.ne.jp] 削除

サンクト・ペテルブルクにあるロシア極地研究所の科学者が、数々の地震を予報し的中させている、と英語版プラウダが伝えています。(記事の冒頭で、アメリカ軍がイラクで秘密兵器を使い強い地震を引き起こした云々という“トンデモ話”系の文章が出てきますが、理由は記事を最後のパラグラフまで読むとわかります。)

同研究所のホームページによると:
  1. 予報の対象は北半球、70km以浅の中・大規模地震
  2. M4-5クラスの予報の確度は70%、それより規模が大きい場合は80%
  3. 予想震央の範囲は半径60km
  4. 日曜日以外の毎日予報、更新は12:00(UTC)以降
  5. 2日前に予報、1日前に修正
  6. 1997年以降予報を実施、被害の予想される地域になかなか情報が届かないため、2000年3月からWebでの公開を始めた。
予報は、気象情報にもとづく大気圧変化の解析と天文学的な周期的変化をもとにして行っているようです。

英語版プラウダの記事
http://english.pravda.ru/science/19/94/377/15035_tsunami.html

ロシア極地研究所 地震予知のページ
http://www.aari.nw.ru/clgmi/vnb/earthquak2.asp

48時間予報地図
http://www.aari.nw.ru//clgmi/vnb/pics/eq_1.gif

(注意)上記の極地研究所URLは、Webサーバーが停止することがあるようで、数日間全くアクセスできなくなることがあります。
このサイトが使っている予報の原理は以下のページに説明されています:
ロシア人が書いているためか、非常にぎこちない英文で、綴りや語法の誤りもあって翻訳しにくいですが、冒頭のパラグラフを意訳してみます:
太陽に擾乱が発生してから 2-3 日後に地震が発生することを私たちは発見した。この期間内の大気圏の大局的プロセスを背景として、将来地震を起こす震源の周辺で大気塊の局所的かつ急速な再配置が起こりうる。このような将来の震源では、テクトニックな断層の片側が他の側に比べて、1 平方キロメートルあたり 10万トン以上の荷重を大気圧によって受ける。テクトニックな断層がある地域で地表面にかかる荷重が急激に変化すると、地表面に近いところで地震が発生する可能性がある。この仮説にもとづいて、私たちは浅い地震の短期予報(1-2日前)の手法を開発した。
【2009年09月08日追記】
上掲の翻訳について以下のようなコメントがありました:
"perturbations"を「撹乱」と訳しておられるので、最初は『太陽フレア』のことかなと思ったのですが、辞書をひくと、「摂動」と定義されているようです。となると、引力によって何らかの影響を受けるという意味なのでしょうね。
「ロシア・サイト」が提供する地震予報の原理に関わるポイントなので少し説明を補います。実は、この“perturbation”という言葉を天文学や力学で使われる「摂動」と訳すべきなのか、一般的な「動揺」とか「擾乱」(じょうらん)と訳すべきなのか、かなり迷いました。訳文の前に「ロシア人が書いているためか、非常にぎこちない英文で、綴りや語法の誤りもあって翻訳しにくい」と断りを書いた理由の一つがこの単語でした。最終的に「摂動」とせず、「擾乱」としたのは以下の理由によります:
  1. 「摂動」は、天体の軌道が他の天体の重力などの影響によってケプラー軌道からずれることを指します。たとえば、彗星の軌道が木星などの巨大惑星の重力場によって変化したり、天王星の軌道が海王星の重力によって乱されたりするのが「摂動」の例です。原文では“perturbations on the Sun”となっていますが、太陽系最大の質量と重力を持つ(したがって他の天体からの摂動を受けにくい)太陽に対して「摂動」という言葉を使う可能性は低いと考えたこと、および、私の見た範囲では、このサイトに地震予知に関連して天体力学的な記述がまったく出てこないことが「摂動」としなかった第 1 の理由です。
  2. サイト中に参考文献としてあげられている 7つの論文のタイトルの中に “Influence of perturbations of interplanetary medium on seismicity and atmosphere of Earth”(惑星間媒体(太陽風のことか?)の perturbations が地球の地震と大気に与える影響)、“About planetary atmospheric perturbations during the strong earthquakes”(強い地震の最中の惑星大気の perturbations について)とあり、少なくとも後者は「摂動」とは考えにくいこと。「乱れ」とか「動揺」という概念に対応するあるロシア語の単語を英語にするときに、“perturbation” という言葉が好んで(自動的に?)選択されているように思えることが第 2の理由です。英語の語彙が限られている日本人が書いた英文にも、しばしば同様の傾向が見られます。
  3. 同じく参考文献としてあげられている論文のタイトルに “Connection of seismicity of the Earth with solar activity and atmospheric processes”(地球の地震と太陽活動および大気プロセスとの関係)とあり、地震とフレアなどの太陽活動に関連性があると考えているように受け取れることが第 3の理由です。
【ここまで追記】

Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency

駿河湾の地震についてあれこれ (その 2)


構造線


この地震は「静岡-石廊崎-新島構造線」で起きたようです。同構造線の位置については以下の資料(東京大学名誉教授 溝上恵氏)の図 1 にあります:
上記の資料によれば、同構造線は「右横ずれの断裂帯(Shear Zone)」で、「この構造線を境にして(A)伊豆半島と(B)銭洲海嶺の両地域における長期的な地震活動には、顕著な相補関係が見られる。これは両地域におけるに応力集中-解放が『構造線』を挟み交互に進行することを示唆している」とのことです。

震央の位置

Image Credit: U.S. Geological Survey

気象庁など日本の機関が発表している震央は、静岡の沖合、駿河湾の中央に近いところに位置していますが、USGS(米国地質調査所)の資料(上記地図)では、かなり陸地に近い場所になっています。震央を割り出すために使った観測データの数から言えば、日本側のものが信憑性が高いと考えられますが、同じ構造線上で起きたと思われる過去の被害地震(1935年『静岡地震』、『1965年静岡地震』)は、陸上で発生しています。

発震メカニズム

地震発生直後には、初動解析から横ずれ断層型とされていましたが、その後観測データが集積されるにつれて、逆断層型の傾向が強いことがわかってきました。「2009年8月11日 駿河湾の地震」に掲載されている 3つのメカニズム解を比較すると、その微妙な違いがわかります。

(続く)

駿河湾の地震についてあれこれ (その 1)

8月11日(火)早朝に発生した駿河湾の地震(気象庁の発表では Mj6.5、米国地質調査所 USGS の資料では M6.4)について、あれこれ書きとめておきます。

防災無線のうそ

11日の朝、私はまだ寝床の中にいましたが、寝室と居間を隔てる戸のゴトゴトという低い音で目覚めました。揺れは、9日(日曜日)の東海道南方沖の深発地震と比べると穏やかで、同地震の余震が起きたのかと思いました。目覚まし時計を見るとまだ 5時過ぎ。まだ 1時間以上眠れると思ってまどろみ始めたとたん、市の防災無線が大音量で「神奈川県東部で震度 4の地震が発生しました … 落ち着いて行動してください」云々という放送を繰り返し始めました。正しく「神奈川県東部で震度 4を感じる地震がありました」とアナウンスしてほしいものです。その防災無線の切迫感にあおられて寝床から起きだし、テレビをつけると「静岡県で震度 6弱」の文字。とうとう東海地震が発生したかと、すっかり目が覚めてしまいました。その後は、1日中眠気に悩まされました。

揺れかたの違い

私の住んでいる神奈川県・県央地域では震度 3~ 4でした。9日(日)の東海道南方沖地震の場合は、深発地震で距離も遠かったためか、P波の揺れと S波の揺れの間に、はっきりとした間がありました。もう少し間があいていたら、地震が連続して 2回起きたと思ったかも知れません。しかし、今回の駿河湾の地震では、P波の揺れと S波の揺れは切れ目なく続いていました(実際は重なっていたのだと思います)。

地震の名称

大きな被害を出した地震には、気象庁が正式の命名をしますが、今回の地震は命名の対象とはならなかったようです。報道では、「静岡地震」、「静岡沖地震」、「静岡県沖地震」、「駿河湾地震」、など、さまざまな名前が使われています。8月 14日の時点では、「静岡地震」が多数派でした。

(続く)

2009年9月3日木曜日

カラスの騒鳴続く

神奈川県大和市内の公園で、カラスの騒鳴が一昨日(9月 1日)の早朝あたりから断続的に続いています。公園内の樹木のここかしこに陣取った複数のカラスのグループが、交互に「クヮークヮー」、「ア~ア~」、「クヮックヮッ」と鳴き競っている感じです。相手を威嚇するような鳴き声は含まれていません。静かになるタイミングもあるのですが、しばらくするとまた再開します。夜間は静かな間が長くなるものの、ひとたび始まると 5~10分程度は継続します。この公園にふだんからいるカラスよりも数が増えているようです。8月 31日に台風11号が関東地方に接近した影響があるのかも知れません。

【2009年09月08日追記】
上記カラスの騒鳴ですが、9月 5日ごろから徐々に回数が減り、1回あたりの継続時間も短くなりました。今日 8日には、私の知るかぎりでは、通常の鳴き声がわずかにしただけでした。
【ここまで追記】

2009年9月2日水曜日

イスラエルで人魚の目撃相次ぐ

イスラエル北部の都市・ハイファ近郊の海岸で、人魚の目撃が頻発し注目を集めています。目撃者によれば、ジュゴンなどの海棲動物の見間違いではなく、上半身は少女だったとのことです。地元の自治体では、明確に人魚と確認できる写真を撮った者に 100万ドル(約 1億円)の賞金を与えると発表しています:
地元自治体の賞金提供に対して、アメリカ・ニューヨークにある人魚伝説を守る団体(そんなものがあるとは! 団体名が実在の医療法人名と重なるのでいたずらの可能性がありそうです)が、10日以内に賞金提供を撤回しないと国際司法裁判所に提訴するという内容の文書を自治体に送り、波紋を拡げています(国際司法裁判所が訴えを受理するとは思えませんが):
人魚伝説を利用した「町おこし」のようにも思えるのですが、今後どのような展開が見られるのでしょうか。

Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency

2009年9月1日火曜日

2機の探査機に相次いで障害発生

人類が宇宙に送り出している探査機に相次いで障害が発生しました。

8月 26日、アメリカが火星の周回軌道に送り込んでいる「マーズ・リコネッサンス・オービター」(MRO)が、探査機内部の不具合からセーフ・モード(最小限の機能だけを遂行するモード)に陥りました。NASA では原因の解析と復旧を進めています:
中国の「嫦娥 1号」が 3月に、日本の「かぐや」が 6月に月面に落下した後も月の観測を続けていたインドの「チャンドラヤーン 1号」が、8月 29日に通信途絶状態になりました。2年間という観測予定期間の半分にも達していませんが、インド宇宙研究機関(ISRO)は同機による月探査の継続を断念すると発表しました:
現時点で生き残っている月探査機は、アメリカの「ルナー・リコネッサンス・オービター」(LRO)と「ルナー・クレーター・オブザービング・アンド・センシング・サテライト」(LCROSS)です。

Artist's rendering of the LCROSS spacecraft and Centaur separation. Credit: NASA

LCROSS は、分離した衝突体を月の南極付近に衝突させ、その衝突によって月面から舞い上がったチリの雲の中を突っ切って月の地質、特に水の有無を調べることになっています。衝突は 今年 10月 9日に予定されています。現在、LCROSS には軌道変更用燃料の異常な減少が見つかっており、NASA はこれ以上の燃料減少を防止するソフトウェアを LCROSS にアップロードしています。

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