2009年4月24日金曜日

ピタゴラスの地震予知

「三平方の定理」で有名な古代ギリシャのピタゴラスについて、『Pythagoras: his life, teaching, and influence』(Christoph Riedweg、Cornell University Press, 2005)に次のような記述があったので紹介します:
Once, when he felt thirsty in Metapontum and drank water drawn from a well, he predicted that three days hence an earthquake would occur. (かつて、彼はメタポンティオン(地名)で喉の渇きを感じ、井戸から引かれている水を飲んだとき、三日のうちに地震が起こるであろうと予言した。)

(前略) he is supposed to have predicted a shipwreck and the conquest of a city (in his case, Messina), and also to have prophesied an earthquake after drinking from a well. (彼は船の難破や都市の征服(彼の場合はシチリア島のメッシーナ)を予見したと考えられている。また、井戸から引いてこられた水を飲んだ後に地震を予言したとも言われている。)
地震は実際に発生したようです。ピタゴラスは、井戸水の味か臭いで地震が来ることがわかったのでしょうか。そう言えば、中国には宏観前兆として「地味」や「地臭」という言葉がありますし、直前予知に成功したとされる海城地震(1975年2月、M7.3)について書かれた『海城地震 予知成功のレポート』(蒋凡、力武常次、共立出版)には、次のような記述があります:
海城地震前には地下水の異常が非常に多く現れ、その出現範囲も非常に広かった。遼寧省南部の 8地区の統計によれば地下水異常の現れた地点は合計 241ヶ所で、その中には水位の上昇、下降やその他の異常が見られた。水位上昇のはっきりと現れたのは 150ヶ所、渦巻き、発泡、混濁、変味(臭い)の現れたのは 157ヶ所、浅い溝、池、沼の水が空気をまじえ氷を破って噴出または湧出したのが 9ヶ所あった。
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency