2020年3月30日月曜日

北西太平洋 M7.5


協定世界時(UTC)3月25日02時49分ごろ(日本時間同日11時49分ごろ)に北西太平洋(千島列島東方、震央地図)で発生した M7.5(当初発表は M7.8)、震源の深さ 56.7km の地震は、日本列島の北から南まで広い範囲で揺れが観測されました。

以下は、防災科学技術研究所の 100トレース連続波形画像です。北(上)から南(下)へ揺れが伝わっている様子がわかります:

北アメリカ大陸のイエローストーン国立公園でも揺れが観測されています。右側の時間軸(UTC)で 3:00 の少し前から波長の長い震動が記録されています:

この地震はプレート境界型ではなく、千島海溝への沈み込みに向かって太平洋プレートが下向きに折れ曲がるアウターライズ部分のやや深いところで発生した逆断層型の地震でした(赤丸)。アウターライズでは、プレートの曲がりにともなって、浅いところでは正断層型、やや深いところでは逆断層型の地震が発生しやすいとされています:


震源時間関数(source time function)を見ると、断層の破断が2回に分けて発生したようです:


2020年3月29日日曜日

新型コロナウィルス: 感染者数の増加比較 (続報-2)


3月24日付「新型コロナウィルス: 感染者数の増加比較 (続報)」の続報です。

3月27日19時(日本時間28日04時)時点の新型コロナウィルスの感染者数を示すグラフです。各国で 100人目の感染者が確認された日を起点として、それ以降の累積感染者数の推移を示しています。縦軸は対数目盛になっていることに留意してください。拡大するにはここをクリックしてください。

4本の破線は、左から順に「感染者が1日で倍増する場合」、「2日で倍増する場合」、「3日で倍増する場合」、「1週間で倍増する場合」の勾配を示しています。


韓国(S Korea)の感染者数は1万人の大台を前に不自然な直線を描いています。4月半ばの国政選挙を意識して情報が操作されているのかも知れません。


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定置網に大量のマイワシ — 富山県富山市


3月20日ごろから、富山県富山市の四方漁港(地図)沖に設けられた定置網に大量のマイワシが入り、目当てのホタルイカの漁獲に影響が出ています。

「能登の先までイワシがいると聞いたから、富山湾全体も。いついなくなるか分からない」(地元漁師)、「富山湾だと例年であれば、2月~3月にマイワシの漁期のピークを迎えるが、今年は水温が高めであったことから時期がずれ込みマイワシがホタルイカのシーズンと重なってきた」(富山県水産研究所):

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新型コロナウィルスとBCG接種


東北大学大学院医学系研究科の大隅典子教授による3月29日付ブログ記事です。

国によって新型コロナウィルスへの感染者数や死亡率に大きな違いがあるのはなぜなのか。BCG接種の有無やBCGに使用する菌の違いが影響しているのではないか。すでにドイツ、オランダ、オーストラリアで BCG の接種が始まっているとのこと。

「ざっくり結論を言うと、BCGの接種が行われている国では、COVID-19の広がり方が遅いという『相関性』があることについての指摘である」、「すでにオランダではCOVID-19対策のためにBCG接種を開始した。主として医療従事者への接種を行う」:

期待しすぎるのも危うい気がしますが「藁をもつかむ」心境です。


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サケガシラ捕獲 — 山口県萩市


山口県萩市見島(地図)の東沖で、深海魚・サケガシラが巻き網漁船の網にかかりました。体長約1.7m。記事にはいつ捕獲されたのか明記されていませんが、文脈から3月27日か28日のことと思われます。

「理由は不明だが、冬と初夏に日本海に出現することがある」(萩博物館):

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草津白根山で火山性地震増加、火山性微動や傾斜変動も


3月28日から29日にかけて、草津白根山(地図)で火山性地震が増加し、火山性微動や傾斜変動も観測されました。

「白根山(湯釜付近)では、昨日(28日)22時頃から本日(29日)06時頃にかけて、湯釜付近を震源とする火山性地震が一時的に増加し、23時頃には継続時間2分程度の振幅の小さな火山性微動が発生しました。地震や微動に伴ってわずかな傾斜変動が観測されました」、「湯釜火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります」:

草津白根山では、1982年から83年にかけて、小規模な水蒸気噴火が複数回発生しています。


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2020年3月26日木曜日

港内にイルカの群れ — 山形県酒田市


3月25日午前10時ごろ、山形県酒田市の酒田港(地図)本港内で、約10頭のイルカの群れが岸壁付近などを泳いでいるのを酒田海上保安部の職員が見つけました。ハンドウイルカとみられ、約30分後には港外に出たとのことです。

「餌を追って港内に入ってしまった可能性がある」(国立科学博物館)、「22日には遊佐町吹浦の海岸でイルカが打ち上げられており、周辺では数日の間にイルカが複数確認されている」:

 遊佐町のイルカ(カマイルカ)の件については以下を参照してください。22日の報道では、救出されて沖の方に泳いでいったと報じられていましたが、翌23日に死骸が漂着したとのことで、助からなかったようです:

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2020年3月25日水曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-86)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、3月24日21時17分(日本時間25日12時17分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年9回目の噴出です(3月8日から夏時間が適用され、日本との時差は15時間になっています):

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7
8 3月15日 9
9 3月24日 9


以下は、最寄りの地震計の記録です。前回とくらべるとやや勢いのある噴出だったようです:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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2020年3月24日火曜日

イルカが座礁 — 山形県遊佐町


荘内日報』の記事から。

3月22日午後6時20分ごろ、山形県遊佐町吹浦の西浜海岸(地図)にイルカが打ち上げられているのが見つかりました。体長は2m弱で、カマイルカとみられています。酒田海上保安部が救助作業をおこない、約1時間半後に海に戻されました。

「当初は水深が浅過ぎてなかなか波に乗れなかったイルカだったが、同7時45分ごろ、沖に向かって泳ぎだした」、「ストランディングしてから時間がたっていたようで弱っていたが、何とかなりそうだと思って作戦を行った。無事に戻すことができて何より」(酒田海上保安部・航海長):

遊佐町(ゆざまち)は活火山・鳥海山の麓の町です。


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多重の日暈出現 — 鹿児島県姶良市


3月23日午後、鹿児島県姶良市(地図)の上空に多重の日暈が現れました。単純な日暈は天気が下り坂のときに現れる現象でさほど珍しくはありませんが、これは珍しいと思います。

「通常のハロの内側、太陽に近い位置に見えているのは『9度ハロ』と呼ばれるもので、ハロに比べて珍しい現象です」:

偶然とは思いますが、翌24日12時15分ごろ、宮崎県北部平野部を震源(震央地図)とする M3.1、深さ20km、最大震度3の地震が発生しています。震央は姶良市の北東約90kmです。


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新型コロナウィルス: 感染者数の増加比較 (続報)


3月21日付「新型コロナウィルス: 感染者数の増加比較」の続報です。

新型コロナウィルスの感染者数を示すグラフが更新されています。(各国で 100人目の感染者が確認された日を起点として、それ以降の累積感染者数の推移を比較するグラフです。ツイートをクリックし、さらにグラフをクリックすると拡大します。縦軸は対数目盛になっている点に留意してください。)

新たに加えられた4本の破線は、左から順に「感染者が1日で倍増する場合」、「2日で倍増する場合」、「3日で倍増する場合」、「1週間で倍増する場合」の勾配を示しています。


日本は、政府の専門家会議が記者会見で述べているように、なんとか踏みとどまっています。しかし、大型のイベントが中止要請を振り切って開催されたり、学校の再開が予定されたりと、欧米並みの爆発的感染拡大に繋がりかねない油断が現れているようで心配です。


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2020年3月23日月曜日

河川敷にシカの群れ — 長野県伊那市


3月20日午後2時半すぎ、長野県伊那市西春近(地図)を流れる天竜川の河川敷に、14頭ほどのシカの群れが現れました。

「こんな数の群れは見たことがない。昼間に平地で見かけるのは珍しいのではないか」(目撃者):

翌21日には長野県南部を震源とする有感地震が発生しています。震央はシカの群れが現れた場所から南西に約25kmです:
  • 3月21日 13時55分ごろ M3.1 深さ10km 最大震度1
  • 3月21日 13時58分ごろ M4.2 深さ10km 最大震度3 (震央地図

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地球に新しい〝月〟 (続報-2)


地球の第2の衛星となっていた小天体〝2020 CD3〟が、予想よりも早く地球から去って行きました。もともとは4月ごろと予測されていたのですが、3月7日のことでした。今後は太陽の周りを回る軌道をとることになります:

発見後の観測によって、2020 CD3 は大きさが 0.9m ほどで、機能停止した人工衛星やその他のスペース・ジャンクでないことが確かめられています。残る可能性は、地球の引力に捕獲された小惑星か、隕石の衝突によって月面から放り出された岩塊となります。

2020 CD3 は 2044年3月に地球に近づきますが、地球の衛星となるほどの接近距離ではありません。再び地球の衛星となるほど地球に近づくことは今後数千年間は起こりえない、とのことです。


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2020年3月22日日曜日

小惑星 2020 FF1 が地球と月に接近


3月23日、小惑星〝2020 FF1〟が地球と月に接近します。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 7~15m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは3月16日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 FF17~15 (地球)3月23日 08:09
 (月)3月23日 16:01
1.86
2.02
(1LD=地球から月までの平均距離) 

接近時の地球との相対速度は秒速12.9km(時速約4万7000km)と予報されています。

なお、現時点での予報では、地球への接近時刻に ±39分、月への接近時刻に ±38分の誤差が見込まれています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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マッコウクジラ座礁 — 熊本県天草市


3月21日昼ごろ、熊本県天草市の本渡港(地図)沖約400mにある浅瀬にクジラが乗り上げているのが見つかりました。体長約17mで、マッコウクジラとみられています。海上保安部の職員が到着したときには、すでに死んでいました。

「初めて見た。有明海につながる(内海の)海域では大変珍しい」(わくわく海中水族館シードーナツ):

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2020年3月21日土曜日

新型コロナウィルス: ロンドン vs. トロント


朝の通勤時の地下鉄車内を比較した写真です。左がロンドン、右がトロント。

「一方の都市はきちんと行動している。もう一方は破滅に向かってまっしぐら」:



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新型コロナウィルス: 感染者数の増加比較


各国で 100人目の感染者が確認された日を起点として、それ以降の累積感染者数の推移を比較するグラフです(ツイートをクリックし、さらにグラフをクリックすると拡大します)。縦軸は対数目盛になっている点に留意してください。

香港、シンガポール、日本は増加が抑制されているようで、その理由と思われるものも書き添えられています。日本については、〝strong social norms around obedience and mask-wearing〟と書かれています:



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2020年3月20日金曜日

新型コロナウィルス感染症 vs. インフルエンザ


イェール大学医学部(Yale School of Medicine)教授のアキコ・イワサキ博士のツイートから。

「新型コロナウィルスはインフルエンザのようなものだ、という考えは捨てましょう」、「COVID19(新型コロナウィルス感染症)はインフルエンザと比べて致死率は30倍感染力は2倍もあります。私たちはCOVID19に対する免疫を持っていないのです」:


しばしば混用されていますが、〝COVID-19〟は新型コロナウィルスの名称ではありません。同ウィルスに感染して発症する病気の名称が〝COVID-19〟で、ウィルスの正式名称は〝SARS-CoV-2〟なのだそうです。ウィルスは生物ではないので、リンネの創始した二名法による学名は付かないのですね。


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定置網にハダカイワシの群れ — 神奈川県大磯町


小田原魚市場公式ブログ』の3月18日付記事から。神奈川県大磯町沖の定置網(地図)に、ハダカイワシの一種イワハダカの群れが入っています:

ハダカイワシ類は沖合の中層から海底近くの深い海に生息する深海魚ですが、Wikipedia の「ハダカイワシ」の項によれば、「夜間はかなり浅い水深にまで浮上する日周鉛直移動を行う」とのことなので、その時に定置網に入り込んだのかも知れません。

3月13日には、小田原市米神(地図)沖の定置網に小型のリュウグウノツカイが入っていた、とのことです。


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2020年3月19日木曜日

小惑星 2020 FA2 が地球と月に接近


3月20日午前、小惑星〝2020 FA2〟が地球と月に接近します。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 9~19m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは3月18日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 FA29~19 (地球)3月20日 01:13
 (月)3月20日 08:52
1.41
2.15
(1LD=地球から月までの平均距離) 

接近時の地球との相対速度は秒速8.0km(時速約2万9000km)と予報されています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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ハシゴのような雲


3月18日夕方、神奈川県横浜市の上空に「ハシゴのような雲」が出現しました。

「これは上空の高い所に広がる巻雲と呼ばれる雲です。雲の伸びる方向に波打つような風の流れがあったため、不思議な形となりました」:

飛行機雲の幅が広がっただけ、のようにも見えます。


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前兆?


3月13日02時18分ごろ、石川県能登地方を震源とする M5.5、深さ12km、最大震度5強の地震(気象庁資料、PDF形式)が発生しましたが、以下は『中日新聞』の記者が地震の前日に経験した出来事を書いたコラム記事です。地震の前兆だったのでしょうか。

「取材からの帰り道に普段はあまり見ない野ウサギを何匹も見た。就寝する直前に本棚の本がなぜか落ちた」:

久しぶりの肉眼彗星出現か


2019年12月28日に小惑星地球衝突最終警報システム(Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System、ATLAS)の観測施設によって発見された彗星〝C/2019 Y4 ATLAS〟が急速に増光しており、久しぶりに肉眼で見える彗星になるのでは、と期待されています。

3月初めには11等級だった明るさが、3月中ごろには9等級に達したとのこと。今後は「金星の明るさを越える」、「月に匹敵する明るさになる」などと予測されています:

これまでも、明るくなると予測されながら実際は「湿った花火」のように期待外れであった彗星が数多くありました。今回は期待通りであってほしいものです。

同彗星は太陽に向かって移動中で、近日点通過は5月31日。太陽から約 3700万km  のところを通過すると予報されています。天球上では、同彗星は現在、北斗七星のカップの近くに見えており、ペルセウス座に向かって移動しています。

2020年3月18日水曜日

リュウグウノツカイ漂着 — 鹿児島県垂水市


3月17日、鹿児島県垂水市(地図)の海岸にリュウグウノツカイとみられる魚が漂着しているのが見つかりました。全長2〜3m。

「腐敗が進んで見分けづらいが恐らくリュウグウノツカイだろう」(かごしま水族館)、「鹿児島湾では、数年前にも桜島や指宿市の海岸で打ち上げられているのが見つかっているが、その原因は、分からない」:

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新型コロナウィルス: 宇宙からやって来た?


イギリスの著名な数学者・天文学者・宇宙生物学者で、パンスペルミア説の中心人物であるチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が、新型コロナウィルスは宇宙からやって来たという説を唱えています。

博士によれば、彗星にはもともとウィルスが存在しており、2019年10月に目撃された火球はそのような彗星の欠片で、中国に落下したことによって感染がひろがった、とのことです。博士は、彗星からのウィルスによるアウトブレークは過去に何度も起きているとも主張しています:

ほとんどの科学者は、ウィクラマシンゲ博士の説を疑似科学の域を出ないものと見なしています。

ちなみに、上記記事のタイトルに添えられている "Extraordinary claims require extraordinary evidence."(途方もない主張には途方もない証拠が必要だ)は、故カール・セーガン博士の言葉です。


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小惑星 2020 FG が地球と月に接近


3月19日午前、小惑星〝2020 FG〟が地球と月に接近します。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 7~16m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは3月16日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 FG7~16 (地球)3月19日 03:35
 (月)3月19日 09:08
1.43
0.95
(1LD=地球から月までの平均距離) 

接近時の地球との相対速度は秒速15.0km(時速約5万4000km)と予報されています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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小惑星 2020 FD が地球と月に接近


3月18日午後、小惑星〝2020 FD〟が地球と月に接近します。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 8~17m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が最初に観測されたのは3月16日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 FD8~17 (地球)3月18日 13:05
 (月)3月18日 15:18
0.67
0.31
(1LD=地球から月までの平均距離) 

接近時の地球との相対速度は秒速15.6km(時速約5万6000km)と予報されています。


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2020年3月17日火曜日

定置網にリュウグウノツカイ — 福井県小浜市


3月14日朝、福井県小浜市宇久の宇久漁港(地図)沖に設けられた定置網にリュウグウノツカイが入っているのが見つかりました。全長約2m。越前松島水族館が今年確認したリュウグウノツカイとしては5例目。「数年前からよく取れる。大漁の予兆ならうれしい」(定置網漁師):

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新型コロナウィルス: 流行は晩春には衰える、しかし ・・・


計算生物学者(computational biologist)のツイートから。

「COVID-19(新型コロナウィルス感染症)のパンデミックについて私が最も可能性が高いと考えるシナリオは、北半球では感染拡大が春の終わりごろに下火になるものの、冬になると第2波の感染拡大が起きる、というもの。この第2波は、我々が現在直面しているものよりもっとひどいことになると予測される。下のグラフは1918年から19年にかけて起きたことを示している」:


グラフはスペイン風邪の流行を示しています。縦軸は1000人あたりの死者数です。感染者は全世界で5億人、あるいは世界人口のおよそ27%(18億-19億人)とも言われ、 死亡者数は5,000万〜1億人以上、おそらくは1億人を超えていたと推定されています(Wikipedia)。


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新型コロナウィルス: ワクチンの臨床試験始まる


米国政府が3月16日に発表したところによると、シアトルの Kaiser Permanente Washington Health Research Institute (KPWHRI) で、新たに開発された新型コロナウィルスのワクチンが健康なボランティア1人に対して投与されました。

今後6週間で計45人に対して投与され、効果と安全性が調べられます。今回は、ワクチンの開発期間を短縮するために、十分な動物実験はなされていません。この臨床試験の結果が良好な場合でも、一般にワクチンが投与できるようになるまでには 12〜18ヶ月を要するとのことです:

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霧島山(新燃岳)で地熱域拡大


霧島山(新燃岳)(地図)では、3月以降、火口西側斜面の割れ目付近で地熱域が拡大しているとのことです:

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イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-85)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、3月15日20時08分(日本時間16日11時08分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年8回目の噴出です(3月8日から夏時間が適用され、日本との時差は15時間になっています):

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7
8 3月15日 9


以下は、最寄りの地震計と、噴出した熱水が流れ込む川の流量の記録です。前回と同じく勢いの弱い噴出だったようです:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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2020年3月15日日曜日

市街地が虹色に染まる — 青森県青森市


3月11日午前10時30分ごろ、青森県青森市の市街地が低い虹によって覆われる現象が青森大学(地図)から目撃・撮影されました。

「霧雨で大気中に水滴が豊富に存在したこと、午前10時~同30分ごろの太陽高度は40度で、虹の高度との差がわずか2度だったことから極めて地上近くに見えたのではないか」(青森地方気象台)、「ここまで低い虹を見たのは初めて」(青森大学教授):

過去の類似事例です:

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2020年3月13日金曜日

夜空が赤く染まる — 三重県


3月10日から11日にかけての深夜、三重県で夜空が赤く染まる現象が目撃・撮影されました。津市(地図)では、23時ごろから約3時間にわたって南の空が赤く見えた見えたとのことです。

「気象台は『地上の光が上空で反射したのでは』とみているが、詳しい理由は分かっていない」、「10日の県内は雨で、午後から濃霧注意報が出ていた」:

少し前には以下のようなニュースがありました。「紫の明かりは常についているが、普通はこんな風に空を明るく染めることはない」、「当日は朝に雪が降り、撮影時も霧や雲が立ちこめていた」:

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2020年3月12日木曜日

新型コロナウィルスの感染力


アメリカの国立衛生研究所(NIH)傘下のウィルス学研究所が、家庭や病院で使われることの多い物質について、新型コロナウイルスの感染力がどのくらい持続するのかを実験しています。

その結果によると、空気中ではエアロゾル化後最長3時間、銅の表面では最長4時間、(梱包用の)段ボールの表面では最長24時間、プラスチックとステンレスの表面では最長2〜3日間("in aerosols up to 3 hours post aerosolization, up to 4 hours on copper, up to 24 hours on cardboard and up to 2-3 days on plastic and stainless steel")とのことです:

実験された範囲では、新型コロナウィルスの感染力はプラスチックやステンレスの表面で最も長く持続するとの結果になっていますが、電車やバスのつり革はプラスチック製、手すりはステンレス製です。

病院で使われる医療用機器にはステンレスが使われることが多く、それが院内感染の一員になっているのではないか、との見方もあります。

アルコールや希釈した過酸化水素水(オキシドール)が新型コロナウィルスの除去には有効と書かれていますが、付着したウィルスを激減させることはできても完全には取り除けないようです。

私は、新聞紙が気になっています。新聞を読みながら食事をする人をよく見かけますが、もし配達員や販売所の従業員が感染していたら ・・・

気温高い季節になればウィルスの蔓延が収まるのでは、と期待する向きもあるようですが、科学的な根拠はないようです。現に、赤道地帯や今が夏の南半球の国々でも感染は拡大しています。

湿度はどうなのでしょうか。空気が乾燥していると体に静電気がたまりやすく、空気中の塵やエアロゾルが服や髪の毛に吸い寄せられます。その服や髪の毛を触った手や指で食べ物や口、鼻の粘膜に触れれば感染するかも知れません。


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西之島: 溶岩の海への流入続く


海上保安庁の資料によると、西之島(地図)では火山活動が継続し、溶岩が海に流れ込んでいます:


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2020年3月11日水曜日

握手の代わりにバルカン式挨拶を


3月10日におこなわれた米国議会下院民主党の幹部会で、出席した医師から、新型コロナウィルスの感染を防ぐために握手の代わりにバルカン式挨拶(Vulcan greeting、Vulcan salute)を、との提案があったそうです:

バルカン式挨拶では、握手やハグのような身体の接触はないので、感染のリスクを下げることができると思われます。日本のお辞儀でもいいかもしれません。

Live long and prosper(dif-tor heh smusma)!


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新型コロナウィルスとペストとニュートン


新型コロナウィルスの急激な蔓延によって、アメリカではハーバード大学やコロンビア大学などもネットワーク経由の講義に移行すると報じられています。このことで思い出したのはペストの蔓延とニュートンの業績のことです。

「この影響でケンブリッジ大学も閉鎖されることになり、1665年から1666年にかけて2度、ニュートンはカレッジで彼がしなければならなかった雑事から解放され、故郷のウールスソープへと戻り、カレッジですでに得ていた着想について自由に思考する時間を得た」、「こうしてニュートンは故郷での休暇中に、『流率法( Method of Fluxions)』と彼が呼ぶもの(将来『微分積分学』と呼ばれることになる分野)や、プリズムでの分光の実験(『光学』)、万有引力の着想などに没頭することができたのである。『ニュートンの三大業績』とされるものは、いずれもペスト禍を逃れて故郷の田舎に戻っていた18か月間の休暇中になしとげたことであり、すべて25歳ごろまでになされたものである」:

「1665年、腺ペストの流行で大学が一時休校となり、ニュートンはリンカーンシャーの実家に戻って2年間を過した。落ちるリンゴを見てひらめいたのはこの時で、後にニュートンはこの期間を“創造的休暇”と呼んでいる」:

今回の新型コロナウィルスの騒動が落ち着いたころ、何か大きな学問的業績が発表されることになるかも知れませんね。


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首都圏では海溝型地震が陸の直下で起きる


東日本大震災から9年ということで、今日は地震関連の記事が多数見受けられます。以下は島村英紀氏(武蔵野学院大特任教授)の記事です。

「海溝型地震が日本の陸の直下で起きる地域は、首都圏と清水・静岡だけである」、「関東大震災を引き起こした関東地震(1923年、M7.9)以来、一転して首都圏直下の地震が不思議に少ない状態が続いてきた」、「そのような中で、首都圏の地震が最近増えている」、「今の日本では問題がある。それは南海トラフ地震という特定の海溝型地震がクローズアップされることによって、『次に起きる大地震』が、この特定の地震に違いない、という刷り込みが行われることだ」、「『次に起きる大地震は東海地震に違いない』と政府も自治体も、そして一般人も思い込んだとき、『地震はない』はずの関西に襲ってきたのが阪神・淡路大震災だった」:

「地震予知」とは呼べるものではなく、「予言」や「まやかし」の類


巽好幸氏(神戸大学海洋底探査センター教授)の記事です。村井俊治氏(東京大学名誉教授)がおこなっている「MEGA地震予測 」などを批判的に取り上げています。

「国土地理院が公開している『電子基準点』(複数の人工衛星からの電波を受信して、地殻変動を検出する地点)のデータを用いて異常な変動を前兆現象として地震予知を提供する『サービス』では、ノイズや必要な補正を行わないデータを用いて前兆としている。他にも長波長の電波による電離層の擾乱、地震活動の静穏期などを根拠に地震予知を行う『専門家』も存在するが、科学的根拠は極めて乏しく、実際予知は全くと言ってもいいほど的中していない。これらはとても『地震予知』とは呼べるものではなく、『予言』や『まやかし』の類と言ってもよいだろう」:

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2020年3月10日火曜日

新型コロナウィルス: NASAの研究センターが閉鎖


カリフォルニア州にあるアメリカ航空宇宙局(NASA)のエイムズ研究センター(地図)は、3月8日に職員1人が新型コロナウィルスに感染していることが判明したため、翌9日から施設を閉鎖し、無期限の〝MANDATORY telework status〟(強制的なテレワーク状態)に入りました:

エイムズ研究センターについては以下を参照してください:

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2020年3月9日月曜日

P波 ⇄ S波


イギリスの地震学者のツイートから。

プレート境界などの明瞭な地質学的境界では、P波(縦波)が S波(横波)に、あるいは逆に S波が P波に変化することがあるのだそうです:


ほぼ都市伝説「深海魚は地震の前兆」


産経新聞』の記事です。

「地震が起きた後で、地震より前に珍しい深海魚の出現などの不思議な現象を探せば、いくつか見つかるもの。その現象があったから地震が起きたとは限らないが、その現象と地震が関係すると思うことが『錯誤相関』と呼ばれる」:

東海大学と静岡県立大学の共同チームが、深海魚の出現事例(1928年から2011年3月までの漂着・捕獲事例336件)と地震の発生状況を調べた論文では、迷信だとの結論。ただし、この研究では、深海魚の出現場所から半径 100km の範囲で30日以内に M6. 0以上の地震が起きていないかを調べていますが、この 100km、30日、M6.0 という範囲設定が妥当であるかには疑問符が付きます。

記事には、「『不思議な現象を前兆だと結びつけることは、自然な考え方。あながち間違ったものではない』とも。天体観測を通じてナイル川が氾濫する時期を割り出した古代エジプト文明を引き合いに、『人間は自然の中から因果関係を見つけ出し、知恵を身に付けてきた』という記述もあります。


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湧水の水圧低下 — 新潟県五泉市


新潟県五泉市土堀の湧水井戸「どばしっこ清水」(地図)で、昨年ごろから水圧の低下などによって井戸から湧水が出なくなっていたとのこと:

井戸を管理する「五泉トゲソの会」は、「河川の河床低下や周辺の工場の地下水の過剰揚水などが要因の一部」とみているようです:

トゲソは地域での呼び名で、一般にはトミヨ属淡水型もしくはイバラトミヨと呼ばれる淡水魚です:

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マナヅル、ナベヅル、タンチョウ、オオハクチョウ


暖冬のせいだとは思いますが渡り鳥の行動がいつもと違っているようです。

▼ 1月31日〜2月1日、佐賀県唐津市枝去木(地図)、マナヅルやナベヅルが混ざった約80羽の群れ、「上空を通過することはあるが、地上に群れが降り立つ姿を見るのは初めて」、「こんな数見たことない」(地元住民):

▼ 19年12月初め〜20年2月下旬、福井県若狭町成出(地図)、タンチョウが越冬、「国内では主に北海道東部に生息しており、本州での確認は珍しい」、「県内での長期滞在は1974年以来46年ぶり」(日本野鳥の会):

▼ 2月中旬ごろから、北海道伊達市西関内(地図)、オオハクチョウの大群、「これほど多い数は見たことがない」(地元住民):


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今年最初のスーパームーン


日本時間3月10日02時48分に満月、その約半日後の同日15時30分に月が近地点を通過。地球から月までの距離が平均の 92.9% になります:

ちなみに、M6 以上の地震は2月23日にトルコで発生して以来、途絶えています。


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2020年3月8日日曜日

クジラが岸に接近 — 沖縄県北谷町


3月7日、沖縄県北谷町宮城(地図)の海岸にザトウクジラの親子が接近しました。

「海岸から肉眼で確認できるほど近くに来るのは珍しい」、「こんなに近くにいるのは初めて見た」(地元住民):

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2020年3月7日土曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-84)


米国イエローストーン国立公園内のスティームボート間欠泉(地図)が、3月6日18時36分(日本時間7日10時36分)ごろから熱水や水蒸気を噴出し始めました。今年7回目の噴出です:

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月9日 14
2 1月23日 14
3 2月1日 9
4 2月12日 11
5 2月21日 9
6 2月28日 7
7 3月6日 7


以下は、最寄りの地震計の記録です。前回と同じく勢いの弱い噴出だったようです:

昨年(2019年)のスティームボート間欠泉の年間噴出回数は48回で、正確な記録が残っている範囲ではこれまでで最多でした(昨年の噴出記録はこちらを参照してください)。


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ベテルギウスが異常減光 (続報-16)


ベテルギウスはその後もゆっくりと明るさを回復しているようです:


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