上記発表内容をまとめると以下のとおりです:
前兆を捉えていたのは、震央から 29km 離れたところに設置していた観測装置。観測された前兆は、磁気パルスと大気伝導度の変化。
磁気パルス ―― 継続時間 0.3 ~ 10 秒で、正方向のみ、または負方向のみの単極パルス。地震発生の 12~13 日前から出現。磁気嵐などに由来する正負両方向に振れる振動は除外。通常は 1日あたり 20パルスを下回るが、地震発生前の 2週間は 1日あたり 120~160パルス超に増加。地震発生後に消失。
大気伝導度 ―― 地上数メートルの大気中に存在する帯電した粒子の数の指標。地震発生前の 1週間は、負に帯電した粒子が 300%を超えて増加し、地震発生後に元にもどった。
磁気パルスと大気伝導度の観測データは、NASA(Freund 博士)の理論 ―― 震源における圧力の変化が地下の大電流と磁気パルスを発生させる ―― を支持している。
QuakeFinder 社は、本拠地である米国カリフォルニア州に多数の観測点を設置しています。サンアンドレアス断層系でおきる地震について、これまでも前兆を捉えた実績を持っています。しかし、同断層系は横ずれ断層であるので、プレート境界の逆断層でも同じような前兆が捉えられるか、確かめる必要がありました。そこで、ペルーの大学と共同で同国内の 2か所に観測点を設けたところ、その内の一つの近くで今回の M6.2 の地震が発生しました。
「QuakeFinder 社」と書いていますが、実際は航空宇宙関連企業 Stellar Solutions 社の 1部門です:
QuakeFinder, the Humanitarian R&D division of Stellar Solutions, is located in Palo Alto, CA, and conducts pioneering research in the area of earthquake forecasting with the ultimate aim to develop, within the next decade, a global earthquake warning system.
QuakeFinder 社については、このブログを始める前、地震予知系の掲示板で何回も紹介した記憶があります。同社の地震予知技術については以下を参照してください: