2010年5月16日日曜日

Infrasound: 超低周波不可聴音

人間が音として知覚できる最も低い周波数は 20Hz (20ヘルツ=毎秒 20回の振動)とされています。この限界より低い周波数の音が Infrasound (超低周波不可聴音、以下「超低周波音」)です。

ゾウ、キリン、クジラなどの動物は超低周波音を個体間の通信に使っているといわれています。また、クジラは超低周波音を一気に放出することによって獲物を麻痺させることがあるそうです。

以下の記事に、ゾウが超低周波音を聴き取っている様子を撮影した動画が掲載されています:

この動画には、ゾウの個体や群が鼻の先端部を地面に接触させたままじっと動かずにいる様子が写っています。これが、地面を伝わる超低周波音を聴き(感じ)取っているところなのだそうです。ゾウはこのようにして嵐や雷の発する超低周波音を感知し、自然災害を避けたり、水のある(雨の降っている)場所を知ったりするとのことです。

2004年におきたインド洋大津波のときには、津波の到来前にゾウが高台に向かって避難する行動が見られたとの報道がありました。これは、ゾウが地震や津波によって発生した超低周波音を感じ取っていたからだと説明されています。

記事には次のようなことも書かれています:
超低周波音は、さまざまな原因で発生します。山岳部を風が通りすぎるとき、波浪が岸に打ちつけるとき、地震がおきるとき、等々。また、オーロラが上空に現れると超低周波音が「聞こえる」という人もいます。

核爆弾が爆発するときにも超低周波音が発生します。そのため、核実験の探知手段としても使われます。

超低周波音の人体に対する影響については、まだよくわかっていない部分がありますが、数日間継続する頭痛や吐き気の原因になるといわれています。場合によっては、不安・悲哀・恐怖などの感情を引きおこす可能性も指摘されています。さらに、超低周波音にさらされると、人によっては超自然的な何らかの存在を見たり感じたりするとの報告もあります。

いわゆる 「体感」 によって地震を予知できるという人たちがいます。もしそれが事実であるとすれば、地震の前兆として発生する超低周波音が人体に引きおこす何らかの変調を 「前兆」 として知覚しているのかも知れません。もっとも、当人たちは電磁波を感じ取っていると思い込んでいるふしがありますが。


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