日本時間で8月14日(明日)未明、東アジアから北米にかけての広い範囲で金星食を見ることができます。日本では、夜明け前の東の空の低い位置で、細い月(下弦と新月の中間)が金星(明けの明星)の前を横切ります。東京の場合、午前2時44分から3時29分にかけて、金星が月の後ろに隠れます。詳しくは以下の国立天文台の資料をご覧ください:
月と同じように金星も満ち欠けします。現在の金星は、下弦の月と同じように地球に向いた面の半分が輝いている状態です。大気の揺らぎが少なければ、双眼鏡でも金星が半月状に欠けているのが確認できるかも知れません。
金星食を特別なものと見なして地震などの発生と結びつける向きもありますが、惑星が月に隠される現象(惑星食)はそれほど珍しいものではありません。『天文年鑑』(誠文堂新光社)によれば以下のとおりです:
今年1年間に起こる惑星食は、世界的には、水星食4回、金星食1回、火星食1回、木星食8回である。準惑星の冥王星の食は10回、ケレス食は2回。主な小惑星ではパラス食が2回ある。そのうち日本で見られるのは7月15日昼の木星食と8月14日未明の金星食だけである。
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