海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究成果です:
- 日本海溝に沈み込む前の海洋プレート上で、堆積層が広範囲に薄化している海域を発見。
- 薄化の原因は海底下で生じた最近のプチスポット火山に関係する火成活動。
- 火成活動による堆積層の変質が2011年東北地方太平洋沖地震の巨大海溝軸滑りの北限を決定付けていた可能性。
堆積層構造の模式図 (Credit: 国立研究開発法人海洋研究開発機構) |
「2011年の東北地方太平洋沖地震で大津波を惹起したのは、海溝軸付近で生じた50mを越える巨大な地震性滑りでした。この巨大滑りは、北緯39度付近を越えて北側には広がりませんでした。この位置にはプチスポットと呼ばれる火成活動によって堆積層が広範囲に変質した海域が沈み込んでいます。火成活動によって沈み込む前の堆積層が変質し摩擦係数が極めて低く、強度の低い粘土鉱物を含む層が乱され失われたことが、2011年東北地震の北限を決定付けていた可能性があります」:
- プレートの滑り、溶岩が歯止めか 東日本大震災、海底調査 (朝日新聞)
- 東北地方太平洋沖地震の北限をプチスポット火山が決めた可能性 (JAMSTEC)
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