トンガ王国のフンガ・トンガ−フンガ・ハアパイ(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai、地図)で1月15日に発生した大規模な火山噴火では、大気圧の変動が噴火地点からリング状に広がり、少なくとも地球を2周したことが観測されています。以下の動画は、ハワイ島のマウナケア山上空を通過する大気圧の変動(大気重力波)によって生じた赤い波状の雲を捉えています:
- Gemini Cloudcam Gravity Waves (vimeo動画)
画面奥から手前に向かってくる白い雲ではなく、それよりも高いところを画面左側から右に向かって移動する薄い赤みを帯びた雲がそれです。成層圏よりも上で夜光雲が生じる中間圏を移動しています。雲が撮影されたのは噴火から4.5時間後で、ハワイ島まで時速1100kmで到達したことになりますが、この速さは中間圏の音速と一致しているとのことです。
背景の星が沈んでいく方向(画面奥)が西ですので、大気重力波は南、すなわちトンガの方向からやって来たことがわかります。
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