火星探査車・キュリオシティが、岩の間から流れ出た水の痕跡のようなものを撮影しました。NASAの火星探査に参画しているアリゾナ州立大学の “Red Planet Report” から:
上の記事によると、地表面の明るい色をした塵や砂が流れ落ちて、その下の暗い色をした塵や砂の層が見えるようになったものとNASAの科学者たちは見なしているようです。
これまでにも、何らかの液体(?)がクレーターの斜面を流れたように見える痕跡が上空の衛星から何度も撮影されています。それらに比べると、はるかに規模が小さいとはいえ、地表の探査車が至近距離から撮影したのは初めてではないかと思います。
以下は、NASAのサイトに掲載されているオリジナルの画像です。乾燥して(?)色が淡くなったものなど、複数の痕跡が見られます:
- Mastcam: Right 2014-08-07 14:38:40 UTC
- Mastcam: Left 2014-08-07 14:38:39 UTC
- Mastcam: Right 2014-08-07 14:38:22 UTC
- Mastcam: Left 2014-08-07 14:38:09 UTC
- Mastcam: Left 2014-08-07 14:37:43 UTC
以下は、キュリオシティの車輪によって掘り返された轍です。表面よりも濃い色の塵や砂が現れています:
上の記事も指摘していますが、画像を詳細に見ると、NASAの科学者たちの考えとは逆に、暗い色の塵や砂の方が明るい色の塵や砂の上に乗っているように見えます。また、明るい塵や砂が流れ落ちたのであれば、それらが流れの終端付近にたまって盛り上がっていそうなものですが、そのような形跡は見当たりません。
結局、NASAは何の調査もおこなわずにキュリオシティを先に進めてしまいました。レーザーを照射して構成物質を離れた場所から分析する装置を使えば、スケジュールに大きな影響を与えることなく最小限の調査ができたのではないかと思うと残念です。以下は、他の場所でレーザーを照射したときにできた痕跡の画像です:
なお、この流水の痕跡のようなものが撮影されてから1週間後には、「火星の大腿骨」が撮影されています。
関連記事
- 火星の雲 (08年12月21日)
- 火星の風 (08年12月21日)
- 2020年: 火星の春 (09年1月16日)
- 火星人の頭蓋骨(?) (09年5月15日)
- 火星の枕木(まくらぎ) (09年5月19日)
- 二酸化炭素昇華の跡 ― 火星 (09年6月30日)
- スピリット ― 今度はダメかも (09年7月27日)
- 火星にモノリス !? (09年8月6日)
- 2機の探査機に相次いで障害発生 (09年9月1日)
- カール・セーガン・デー (09年11月9日)
- 火星の奇妙な地形 (09年11月22日)
- スピリットの脱出を断念 (10年1月28日)
- フォボスとデイモス (10年2月2日)
- フォボス最接近 (10年3月3日)
- フォボス最接近 (続報) (10年3月16日)
- 火星の岩に謎の皮膜 (10年3月29日)
- 地平線にエンデバー・クレーターの姿 (10年5月3日)
- クレーターからの脱出 ― 火星探査車 (10年5月7日)
- スピリット応答せず (10年8月6日)
- 青い夕焼けと部分日食 ― 火星 (10年12月24日)
- 隕石中に地球外生物の化石!? (11年3月6日)
- 火星の蟻地獄? (11年8月20日)
- フォボス探査機、失敗か (11年11月9日)
- 放射性物質・有毒物質満載のまま大気圏突入へ ― フォボス探査機 (11年11月14日)
- キュリオシティの打ち上げ迫る (11年11月20日)
- 火星ヘまっしぐら ― キュリオシティ (11年12月1日)
- 火星でM7級の地震 (12年2月26日)
- 〝恐怖の7分間〟迫る (その1) (12年8月4日)
- 〝恐怖の7分間〟迫る (その2) (12年8月5日)
- キュリオシティの火星降下 (12年9月1日)
- 化石? 火星探査車が奇妙な鉱物を発見 (12年9月18日)
- 自分撮り (12年9月19日)
- だれが撮った? (12年11月3日)
- 火星で歴史的大発見か (12年11月21日)
- 火星で歴史的大発見か (続報) (12年11月30日)
- 火星の岩から突き出た奇妙な物体 (13年2月14日)
- 火星の地面に動く穴 (13年7月6日)
- 月が月を隠す月食 (13年8月16日)
- こんな金環日食はいやだ (13年9月7日)
- こんな金環日食はいやだ (続報) (13年9月22日)
- 火星の奇妙な溝 (13年9月22日)
- NASAのウェブサイト閉鎖 (13年10月2日)
- 火星から見たアイソン彗星 (13年10月3日)
- 「石器」が刺さった火星の岩 (13年12月4日)
- 火星探査車の前に岩が突如出現 (14年1月23日)
- 火星探査車の写した〝UFO〟 (14年1月31日)
- 火星の「宵の明星」 (14年2月11日)
- 火星の地平線に謎の光 (14年4月9日)
- 火星にエーリアンの石像? (14年5月16日)
- 火星の「卵」 (14年5月24日)
- 火星の大腿骨 (14年8月25日)