5月23日、エクアドルの人工衛星〝Pegaso〟(ペガサスの意)が旧ソビエト連邦のロケットの残骸と衝突しました。〝Pegaso〟はエクアドル最初の人工衛星で、重さ1.2kgのナノ衛星です。4月25日に中国のロケットで打ち上げられ、5月16日から地球の映像とエクアドル国歌を送信し続けていました:
- Ecuador Pegasus satellite fears over space debris crash
- Ecuador’s First Satellite Crashes With Russian Rocket Debris
米国の Joint Space Operations Center によると、衝突が発生したのはマダガスカル島の東約1500kmのインド洋上空で、高度650km。衝突したのは、ソ連のロケットの燃料タンクをとりまいて漂っている部品や破片の「雲」。このロケットは、1985年にソビエトがスパイ衛星〝Kosmos 1666〟を打ち上げるのに使ったものと考えられています。正面衝突ではなく側面衝突だったようですが、損傷の程度は不明。〝Pegaso〟は軌道にとどまっているものの激しく回転しており、地上との信号の送受信ができない状態に陥っているとのことです。
〝Pegaso〟が周回していた高度650kmは、宇宙ゴミが少ない空域とされています。
〝Pegaso〟が送り続けていた地球のライブ映像(動画)は以下のページで見ることができます:
エクアドルは、同国としては2番目となる人工衛星〝Kryasor〟を、今年8月にロシアのロケットで打ち上げることを予定しています。
人工衛星から国歌の類いを流すというのは、私の知る限り、中国と北朝鮮ぐらいしかないと思います(中国の場合は国歌「義勇軍行進曲」ではなく「東方紅」)。アメリカはアポロ8号が有人宇宙船としては初めて月を周回した時に、宇宙飛行士が旧約聖書・創世記の天地創造の部分を朗読するというパフォーマンスをおこなっています。
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