9月27日(火)、NASAが UARS の大気圏突入についての最終公式発表をおこないました:
上記発表によると、UARSが大気圏に突入したのは日本時間9月24日午後1時00分。場所は南緯14.1度、西経170.2度で、これはアメリカ領サモア付近の上空にあたります(地図)。これまではカリフォルニア州西方の太平洋上空とされていたので、そのかなり手前で大気圏に突入したことになります。
上記の発表に添付されている地図は、大気圏突入前30分間の UARS の航跡を示しています。これを見ると、UARS はアフリカ大陸上空を南下したあと、オーストラリアと南極大陸の間を通過し、ニュージーランドの西岸沿いに北上したところで大気圏に突入したことがわかります。
燃え残った UARS の破片は、大気圏突入地点から北東に、300マイル(約500km)から800マイル(約1300km)の範囲に落下したと見られるとのことです。
以下は、上記NASAの公式発表を伝えるニュース記事ですが、一つ気になる点があります。それは、大気圏突入の時刻が〝12:01 a.m. EDT (0401 GMT)〟(日本時間午後1時01分)となっていることです。NASAの公式発表と1分ずれています。このずれがどうして生じたのか、よくわかりません:
- NASA Pinpoints Pacific Ocean Grave of Fallen UARS Satellite (Space.com)
- NASA pinpoints crash site of fallen satellite (クリスチャン・サイエンス・モニター紙)
なお、世界各地から大気圏突入の映像や目撃情報、落下物の発見などが伝えられていますが、NASAはそれらのほとんどすべてが誤認や誤報だと見なしているようです。
落下情報の中には捏造や作り話の類もありました。たとえば、カナダ西部の都市カルガリーの南にあるオコトクス(地図)周辺に UARS の燃え残りが落下したという情報があり、このブログでも紹介しました(続報-9参照)。しかしこれは、カルガリー在住の映画制作者が流したデマであることが判明しています。オーソン・ウェルズの「宇宙戦争」を模して、架空の農場からの「実況」をツイッターで流したため、真に受ける人も多かったようです。この映画制作者は〝People will take whatever you give them〟と豪語しているとのことです:
- Calgary filmmaker admits pushing satellite Oko-hoax
- Video: Calgary filmmaker behind NASA space junk Twitter hoax
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