「マプチェの家は倒れなかった。でも、近くにある(西洋式の)教会は倒れたよ」と郊外の村に住むドミンガ・ニクルマン・マリキオさん(74)は話した。
ドミンガさんは、マプチェ族の伝統を生かした、地面にくいを打ち込んではりを組んだだけの木造家屋に暮らす。村には約 100人が住むが、地震で倒壊したのは、れんがやセメントを使った家ばかりだったと言う。
伝統のわらぶきの家は、地震の揺れをよく吸収した。床をセメントなどで固めないことも重要という。
記事は 「マプチェ族は、気温や雲の色の変化などから、地震などの予兆を読み取ることができた、との言い伝えもあるという」と述べた後、マプチェ語の専門家で伝統文化に詳しい元大学教授の 「マプチェ族は、地震を暮らしの一部として受け止め、それと調和するように暮らしてきたのです」 という言葉で締めくくっています。
ところで、今回のチリの大地震(M8.8)では何か宏観前兆はあったのでしょうか。マプチェ族の人たちに尋ねてほしかったと思います。私は、これまで、各国の相当な数のチリ地震に関するニュース記事に目を通してきたのですが、いまのところこれといった宏観前兆の報道には出くわしていません。地震に宏観前兆というものが実在するのであれば、あれだけの規模の大地震でしたから、必ず何らかの前兆があったはずなのですが ……。
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